がんもの山行記録

横浜在住、がんもの登山記録(沢登りメイン)です。

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奥利根・水長沢遡行

この夏は悪天候と仕事のおかげで、なかなか良い山に行けませんでしたが、9月になって漸く天候と仕事の巡りが良くなったので、三連休に奥利根の水長沢へ行ってきました。
奥利根では入門編の沢とのことですが、さすがに山深い地域だけあって、楽しい山行となりました。

9月13日〜15日
参加者:がんも、Sさん、Tさん

水長沢は奥利根湖の最奥に流れ込むため、入渓するのも容易ではない。
今回は、車一台を鷹ノ巣の平ヶ岳登山口にデポしてから水上へ向かい、「奥利根マリン」のボート(2.5万円/パーティー)で水長沢出合いまで送ってもらって、沢を詰めて平ヶ岳経由で鷹ノ巣に下山する計画を立てた。

金曜夜にSさんと二人で東京を出発。
交代で仮眠を取りつつ、Tさんとの待ち合わせ場所である平ヶ岳登山口を目指した。
だが、途中で高速の渋滞に巻き込まれ、さらには車がパンクし、予定が大幅に狂う羽目に。
ようやく水上までたどり着いたときには、予定が3時間ほど遅れてしまっていた。
「奥利根マリン」の高柳氏にはご迷惑をかけてしまい申し訳なかったのだが、トラブルにあった我々を労って下さったほか、奥利根の沢に関する様々な助言をいただき、非常にありがたかった。

高柳氏の車で奥利根湖へ向かい、湖畔からモーターボートで水長沢出合いへ。
イメージ 1船で沢に入るのは初めて※なので、思わずテンションが上がる。
※沖縄・西表島の沢で遊覧船を使って入山したことはあるが、趣が違うので…。
 
 
 
 
 
イメージ 230分ほどでボートは水長沢出合いに到着。
ここからいよいよ奥利根の沢遡行が始まる。
 
 
 
 

 
【9月13日(1日目) 晴れ】
10:38 遡行開始
しばらく河原を歩き、左岸から合流する水長沢に入る。
序盤は単調な河原歩きが続く。
イメージ 3河原を歩いていると、岩の穴にびっしり張り付いた水晶を発見。
あまり綺麗な結晶ではないが、こういった鉱物を見つけると何となく嬉しい。
 
 
 
 

魚止めが近いので、渓相が良くなった辺りから釣り竿を出したものの、びっくりするくらい釣れない。
そもそも魚影が少なく、時たま出てくる大淵には魚が溜まっている程度なうえに、食い気がないのか針に無反応…。
少し前に先行パーティーが通過しているようだし、その影響もあったのかもしれない。
意気消沈して適当なところで休憩を入れた。
 
11:45〜12:07 休憩
休憩後も少し竿を出したが、やはり魚の反応は無い。
適当なところで釣りは諦め、遡行に集中することにした。

イメージ 4イメージ 5しばらく歩くと2m程度の滝(ハヤ止めの滝?)や大きな淵が出てくるが、特段の問題もなく通過。
 
 
 
 
 
さらに進み、左岸から魚止め沢が滝となって出合うと、大きな淵が行く手を阻む。
Sさん、Tさんは際どいジャンプを駆使しつつ右岸をへつって通過したが、自分は寝不足+背負ったアルコール類の重さのためジャンプする自信がなく、右岸を小さく巻いて通過した。
この先の魚止めの連瀑帯に入る手前で、一度休憩を入れた。
 
13:11〜29 休憩
休憩後、僅かに進むと魚止めの連瀑帯に到着した。
ここは、二段3m、4m、8mと滝が3本連続する。
イメージ 6
写真:魚止めの連瀑帯の入り口
遡行図では二段3m滝の手前からゴルジュ丸ごと左岸高巻きとなっていたが、Sさんが右岸壁に活路を見出した。
右岸壁を一度登り、最初の二段3m滝の中間へ下りるバンドを辿る。
滝の中間で瀑流を跨ぎ、上段右壁を直登して最初の二段3m滝を突破した。
右岸壁の登攀は苔で滑るし、上段右の直登は荷物の重さもあって微妙なバランスと腕力を要し、厳しい登攀となった。
 
イメージ 7
写真:続く4m滝
この滝は右を簡単に直登。
 
 
 
 
 
 
イメージ 8写真:その先の8m滝
ここは直登不可能に見えたので、4m滝の落ち口から左岸を巻いた。
巻きの取り付きはモンキークライム必須。
壁の上に出ても滑りやすい斜面が続き、なかなか気が抜けない。
Sさんはもう少し滝に近い岩壁を直登してから巻きルートに入ってきたが、高度感があって緊張したとのこと。
最後は8m滝の落ち口に出るが、微妙なトラバースがあるのでロープを利用して通過した。
 
 
8m滝を越えると魚止めの連瀑帯は終了。
少し進むと、2mほどの滝が3本連続する。
イメージ 9写真:2m滝(一本目)
一本目は左を微妙なへつりで通過。
二本目は釜の左を数メートル泳ぎ、三本目は簡単に通過。
 
 
 
 
これらの滝群を越えると、沢はいったん開ける。
右岸の河原に平坦な場所があり、この日は増水の危険もそこまで高くないと判断されたことから、この日はここで行動を打ち切った。
 
15:20 行動終了
たき火を囲んで夕食を食べ、適度に酒を飲んで就寝。
寝不足が効いたのか、あっという間に意識がなくなってしまった。
 
【9月14日(二日目) 晴れ時々曇り】
5時ごろに起床。
夜中に雨がぱらついたようで地面が濡れていたが、比較的乾いた薪を使って焚火を復活させ、暖を取りながら朝食を済ませる。
日も出て暖かくなった7時ごろから遡行を開始した。
 
7:07 遡行開始
しばらく平凡な沢を歩き、15分ほどで文殊沢出合に到着。
右岸高台の草地にテン場があった。増水の心配はないが、快適さでは微妙か。
左の本谷に入ると、僅かな距離で大上沢が右岸から滝をかけて出合い、本谷も7m滝を落としている。
イメージ 10
写真:大上沢出合の7m滝
ここは倒木を伝って右壁に取付いて直登した。
大上沢からの巻きも可能だろうが、藪斜面のトラバースが大変そうだ。
 
 
 
 
 
 
 
イメージ 11この先でキラキラした石を発見。よく見ると金色に光っていた。
流石に金ではないだろうし、黄鉄鉱だろうか。
これ以外にも温泉の臭いがする場所や、鉄分がしみだしているところが多々あった。
かつて鉱山が開かれたというのもうなづける。
なお、鉱物+温泉のせいか、本谷の水は透明度が低いし不味い。
 
 
この先で小滝に続いて二段斜12mくの字滝がかかる。
イメージ 12イメージ 13
左写真:下からは上部は見えない
右写真:上部の斜瀑
この滝は左の岩を快適に直登。
 
 
 
 
 
 
イメージ 14イメージ 1512m滝を越えるとナメと小滝が続き、なかなか楽しい。
適当なところで休憩を入れた。
 
 
 
 
 
 
 
8:11〜30 休憩
しばらく進むと標高1198mで右岸から井戸沢が出合う。
ここからしばらくは平凡な河原歩きとなる。
30分ほど歩くと左岸から白沢が合流し、再び沢に変化が出てくる。
イメージ 16写真:白沢合流点の先の大釜
ここは一瞬泳ぎを覚悟したが、左岸の水中にスタンスがあり、へつって通過できた。
 
 
 
 
 
更に小滝を越えていくと、二段15m滝に先行パーティーが取付いているところに追いついた。
 
9:37 二段15m滝下
イメージ 17
写真:二段15m滝(先行パーティー登攀中)
しばらく先行パーティーが登るのを待ち、姿が見えなくなったところで滝に取付いた。
下段の斜瀑を右から越え、上段は左壁を数m登っていったんテラスへ。
テラスに上がる手前の一歩が嫌らしく、お助け紐を出してもらった。
テラスからはまともな登攀になる。
Sさんが滝身左のリッジを回り込んで流水脇を登って行ったが、何か様子がおかしい。
しばらくすると戻ってきて曰く、「上部に続く滝で先行パーティーが苦戦していて時間がかかりそう」とのこと。
 
しばらくテラスで待機したが埒が明かず、結局Tさんと自分はハーケンから懸垂下降、Sさんはクライムダウンからの釜飛込みで滝の下へ戻ってきた。
 
10:38 再び二段15m滝下
あまり待っても仕方がないので、二段15m滝は右岸から大きく巻くことにした。
ルンゼに入ってしばらく登り、高度を稼いでから右へトラバースしていくと平坦な台地に出た。
しばらく台地を進み、小沢に沿って本谷へ戻った。
 
11:05〜31 二段15m滝上で休憩
休憩していると、登攀を終えた先行パーティーがやってきた。
話を聞くと、上部の滝は右が登りやすそうだったのだが、敢えて左に取付いたら苦戦してしまったとのこと。
岩が脆かったらしく、無事で何よりである。
ここからは先行パーティーと抜きつ抜かれつで遡行していった。
 
この先しばらくで左岸から銅の沢が合流。この先の本谷は「水鉛の沢」と名前を変える
イメージ 18写真:銅の沢出合。本谷は左側。
本谷は4mほどの斜瀑となっており、左を簡単に直登。
 
 
 
 
 
続く斜4m滝も簡単に越えると、すだれ状の12m滝が現れた。
イメージ 19
写真:12mすだれ滝
この滝は右の乾いた岩を直登。
多少脆いが、フリクションが効いて快適に登れる。
 
 
 
 
 
 
続いて右岸支流が滝となって出合い、本谷も5m滝をかける。
イメージ 20写真:5m滝
Sさんは滝の右を直登したが、ヌメってあまり良くなさそうなので、Tさんと自分は右岸支流滝の左を直登してから右岸巻きで滝の上に抜けた。
右岸支流滝の直登もホールドが細かくあまり良くはなかったが…。
 
 
 
さらに続いて2段10mのすだれ状滝がかかる。
イメージ 21写真:二段10mすだれ滝
この滝は釜の右を微妙なへつりで越え、下段滝の右手の溝状に入り、草付との境目を直登して通過。
 
 
 
 
 
 
この滝を越えると標高1380mの二又に到着した。
今回は水量の多い左又へ。
出合の3m滝の左手を簡単に直登して越えると、沢は河原状になる。
稜線が見えて気持ちがいいので、長めの休憩を入れた。
 
12:17〜13:02 休憩
休憩中に先行パーティーに抜かれたが、彼らがシマヘビを発見。
かねてより蛇料理に挑戦したかったというTさんのために捕まえようとしたが、想像以上の素早さで逃げられてしまった…。
 
この先は時折小滝が出てくるが、どれもそれほど難しくなく直登できる。
イメージ 22イメージ 23左写真:小滝登攀中
右写真:小滝以外は綺麗な源流
 
 
 
 
 
 
 
 
イメージ 24途中で今度は銀色の鉱物を発見。沢の名前から察するに輝水鉛鉱だろうか。
沢屋おなじみのクロモリハーケンにも使われているモリブデンの原料らしい。
 
 
 
 
 
沢中泊の準備中の先行パーティーを再び追い抜き、更に上流へ。
だんだんと岩の表面がヌメるようになってきた。
イメージ 25写真:多段多条10m滝
この辺りが一番よくヌメった。
乾いた岩までヌメヌメで、スリップに注意しながら慎重に通過。
 
 
 
 
 
 
更にしばらく登ってから休憩を入れた。
 
14:00〜15 休憩
ここからは最後の詰めになり、急勾配の沢を黙々と進んでいく。
標高1940mの二又は稜線に近い左又を選択。
さらに登ると、藪が途切れ草原状の緩やかな斜面に出た。
イメージ 26イメージ 27ここから僅かに登り、平ヶ岳西の稜線に詰め上がった。
 
 
 
 
 
 
15:15〜26 稜線で休憩
ここからは気持ちの良い草原の中を歩いて平ヶ岳山頂へ向かった。
少々曇りがちだったが、風景も綺麗で気持ちが良い。
のんびりと歩いていくとやがて木道に合流し、僅かな距離で平ヶ岳山頂に到着した。
 
15:50 平ヶ岳山頂
イメージ 28山頂手前の木道には広いスペースがあり、下のテン場から溢れた人が幕営していたので、我々もここで行動を打ち切ることにした。
 
 
 
 
 
 
 
テントを張ってのんびり夕食をとり、適当な時間に就寝したが、さすがに山頂は寒く、防寒着を目いっぱい着込んで耐え忍ぶことになった。
冬山・山スキーもやるSさん、Tさんは防寒対策もばっちりだったのだが、比較的暖かい地域で登山をしていた自分はちょっと装備が不足していたようだ。反省しなくては…。
 
【9月15日(3日目) 曇り】
朝4時ごろ起床。
イメージ 29
ちょうど地平線付近だけ雲が無く、ご来光を見ることができた。
草原が朱く染まっていくさまは何とも美しい。
朝食をとり、明るくなったところで鷹ノ巣へ向けて下山を開始した。
 
 
 
 
5:55 下山開始
しばらく歩くとタマゴ石への分岐に到着。
折角なので見物へ行くことにした。
 
しばらく木道を歩いていくと、前方に二名の人影を発見。どうも一人が地面にうずくまっているようだ。
話を聞いてみると、木道で転倒して腰を打ってしまったとのこと。
しばらく様子を見るというので、横を通らせてもらいひとまずタマゴ石へ向かった。
 
6:29 タマゴ石
イメージ 30イメージ 31タマゴ石は絶妙なバランスで風化浸食された大岩で、面白い形をしている。
だがそれより周りの景色が素晴らしい。寄り道する価値はある。
 
 
 
 
 
タマゴ石から戻ると、まだ腰を打った人は動けない様子だった。
同行者がさらに二人合流しており、近くの幕営地に戻れば十分な装備もあるとのことだったので、こちらの手持ちの医薬品から痛み止めと貼り薬を渡して彼らと別れたが、大丈夫だっただろうか。
 
タマゴ石から戻り、池ノ岳で軽く休憩した後は、長い長い登山道をひたすら下る。
下台倉山までは緩やかな道で辛くは無いが、下台倉山から先の痩せ尾根は急傾斜で足元も悪く、なかなか大変だった。
休み休み歩き、5時間ほどで登山口に到着した。
 
12:08 平ヶ岳登山口に到着
ここからは車で新潟県の小出に抜け、入浴、昼食の後タイヤ交換。
水上で車を回収し、関東へ戻った。
 
 
水長沢は梅雨明け前からこの夏の目標に位置付けていました。
悪天候や日程の不備が続き、さらには入山直前のトラブルで心が折れかけましたが、漸く行くことができて感無量です。
今回は水量も平水で、天候も良く、雪渓も消えている時期だったので、沢そのものはそこまで苦戦せずに済みました。
行程の長さ、アプローチの大変さから日程を組むのは煩雑ですが、評判どおり奥利根入門としてはちょうど良いかと。
いずれは実力をつけて奥利根本谷にも挑んでみたいものです。

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