その名は不思議

「わたしの名は不思議です。どうしてあなたはそれをたずねるのですか。」(旧約・士師記13章18節)

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カインとアベル

今は痛ましいことが日常茶飯事になっていますが、
聖書の初めには人類史上はじめての殺人事件が記録されています。
聖書は古い書物ですが、そこに記録されている人の姿は今も少しも変わらないようです。

アダムとエバの長男カインは、最初の殺人者として記録されています。
私はカインの姿の中に自分の姿を見出すことができます。
私は人を殺したことはありませんが、心の中では数え切れない人を殺しました。

罪がアダムとエバの家庭に入り込んだとき、最初アダムとエバの不和として記録されていますが、
その不和はアダムとエバが神との関係を失ったことによって起こりました。
その不和が引き金となって、カインとアベルという兄弟間に嫉妬、恨みがはいり、
ついに殺人事件にまで発展してしまうという記述は今日そのままの感があります。

カインはなぜ弟アベルを殺したのでしょうか?
農夫であったカインは最上の作物を、羊飼いアベルは最良の羊を神にささげ、
神はアベルのささげ物を受け容れ、カインのささげものを退けられたと書かれています。

なぜ神はそのようなことをされたのでしょうか?
もちろん、神が野菜より肉が好きだとか、農業より牧畜の方が勝るというわけではありません。
聖書にはその説明がありませんが、なぜアベルのささげ物が神の目に良しとされたのかは、
明らかです。それはアベルのささげ物は信仰のささげ物で、
カインのささげ物は自分の汗の結晶、手のわざだったからです。

アベルは神の前に自分の罪のあがないのために犠牲として羊をささげたのです。
これは聖書全体を貫くメッセージであり、イエスの十字架の犠牲をあらわしているのです。

さて、カインとアベルの二人の兄弟の性格の違いは、ふたりの名前に暗示されているようです。
カインが生まれたとき、エバは「私は主によって・・・得た」といい、
最初の息子をもった母親の喜びと誇りをうかがうことができます。

ところが二人目の息子にはアベルという名をつけています。
アベルとはへブル語で“息・蒸気”という意味があり、“むなしさ”を意味しています。
なぜアベルという名をつけたのでしょうか。きっと長男カインが成長するにつれ、
アダムとエバの失望、期待はずれが推測できそうな気がします。

乱暴で、すぐ癇癪をおこすカイン。
カインのささげ物はその事実をものがたっているようです。
カインは自分を認めさせようとする態度で、自分の罪を認めるような心がなかったようです。

一方、アベルは自分が神の前にも両親に対しても罪人でしかない悲しみを抱いていました。
その悲しみと悔い改めのささげ物が羊のささげ物だったのです。
神はアベルの砕かれた心からささげられた信仰のささげ物を喜んで受け容れられたのです。

しかし、カインはアベルに対して嫉妬し、それは憎しみとなり、ついに・・・殺人へと
エスカレートして行ったのです。このようないきさつは今でもいくらでも見られることです。
だから有島武郎は『カインの末裔』という作品を書いたのです。

カインは殺人という罪を犯したから罪人となったのではなく、罪人だから罪を犯したのです。
人がうちなる罪の性質に気づくかどうかによって、カインの道を歩むか、
アベルの道を歩むかの違いが生じるのです。神から逃避するカイン。
神を離れたさすらい人カイン。それが私たちの姿のようです。

神は自らの罪の重荷を負って苦しんでいる私たちを救うために
イエスを私たちの罪のあがないの犠牲の神の子羊として遣わされ、
アベルが羊をささげたように、私たちの代わりに、十字架という祭壇にささげてくださったのです。
このイエスはまさに私たちをカインの道からアベルの道へと導く交差点なのです。
ペテロはその手紙に次のように書き記したのです。

「キリストは罪を犯さず、その口には偽りがなかった。ののしられても、
ののしりかえさず、苦しめれられても、おびやかすことをせず、正しいさばきをするかたに、
いっさいをゆだねておられた。さらに、わたしたちが罪に死に、義に生きるために、
十字架にかかって、わたしたちの罪をご自分に負われた。その傷によって、
あなたがたはいやされたのである。あなたがたは、羊のようにさ迷っていたが、
今は、たましいの牧者であり監督であるかたのもとに、たち帰ったのである。」
(新約・第一ペテロ2章22〜25節)

神の平安がありますように!


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