|
「抗がん剤だけはやめなさい」
近藤 誠 文春文庫 2013年
肺がんや胃がんなど固形がんの標準治療とされる抗がん剤。
だが、実は延命効果は認められない。
認可取得を狙い、関係者が臨床試験データを改変する手口の数々を徹底論証する。
抗がん剤が殺細胞薬として開発された以上、命を縮める毒性は免れない。
それより、本当に必要ながん治療を自分で選ぶ力を身に付けよう。
(ブックカバーより)
製薬会社から医師に提供されている資金は年間4000億円以上。
我が国の製薬業界について、例のノベルティスファーマのスイス本社社長は
「日本の製薬業界は特殊な環境にあり、製薬業界が医師の方を向いている。本来は患者のためでなければならない。」と発言したことに表れている。
私の義父は、平滑筋肉腫再発により、終末期医療の緩和ケアを受けている。
愛媛県中央病院の若い担当医は、術後3年間一度も触診することもなく、
グリベックを投与し続け、右後背部にこぶし大のしこりがわかるような状態になるまで、抗がん剤投与を続けてしまった。
食がのどを通らず嘔吐を繰り返す状態になり、しこりに気が付いたため、
主治医に相談したところ、「とうとう再発しましたね。グリベックはもう効かないので覚悟を決めてください。」と、終末期医療の病院を紹介したという。
毎月通院しており、その都度触診していれば・・・、細胞標的薬を飲み続け、
苦しい副作用に悩まされることも少なかったのではないかと悔やまれる。
全てがそうだとは言わないが、現在の医療は決して患者のためにあらず、医師や製薬会社の利益のためにある、と感じる昨今の報道だ。
|
コメント(3)
|
「想定外」の罠
柳田 邦男 文春文庫 2014年
なぜ「想定外」という免罪符がまかり通る日本になったのか?
福島第一原発の事故調査・検証委員も務めた著者が、50年にわたり、
あらゆる被災地を歩き、見て、分析し続けた警鐘の集大成。
広島・長崎の原爆から、チェルノブイリ、スリーマイル、東海村臨界事故、
阪神・淡路大震災、新潟県中越地震まで。
(ブックカバーより)
柳田邦男氏の著書も網羅的に読破してきた。
現代日本人の考え方や生き方に対する警鐘を軸とした論調には、全く賛同しているところだ。
氏の目から見た福島第一原発の事故発生から今日にいたるまでの状況の責任は、
「想定外」という免罪符を堂々と掲げた現代日本のリーダーとそれを許してきた
わが国民全体にあると、厳しく叱責している。
|
|
「日本文明77の鍵」
梅棹 忠夫 文春文庫 2012年
豊かな自然、茶の湯や歌舞伎といった文化的伝統、近代の軍国主義、戦後の経済発展、 この一見ばらばらな日本文明の要素を、外国人に理解してもらうにはどうすればいいのか。
そのような発想から、環境、ことば、芸術、メディア、科学技術など日本史学の枠を超えた視点から77のキーワードを選び、現代日本文明のさまざまな面を歴史的パースクティブのなかでとらた本書は、日本人自身が見落としてきた、日本文明のすがたを明らかにする。
(ブックカバーより)
Windows8.1のレッツノートを調達でき、これで前PC
でのやっかいなトラブルから解放され、ブログに取り組む気力が回復した。
前年度、経済産業省採択事業の完了検査を明日に控え、こちらもやっと一息つけそうだ。
本書は昨年読んだのだが、ブックカバーの通り、日本人が今、もう一度自らの立場というか、生まれ持った、そして育った日本という国の文化・民族、価値観、社会との関わりについて確認できる内容である。
閉塞感の強い社会の中で、私たちが生活の軸として行きたい項目ばかりだ。
社会システムが高度化という名のもと複雑化してしまい、それに伴い各種契約事項が複雑化し、免責事項がわかりにくくなってしまっている。
これらは、社会の信頼性や安心感の低下・欠如に起因しているものと考えられる。
結果的に生きづらい世の中になってしまった。
目指すべき社会のあり方としては、シンプルで分かりやすい社会システムだ。
これこそが、社会や地域が安心安全で、豊かさを実感できる条件の一つであろう。
社会全体が本質的・今日的課題からめをそらし、表層的部分や縁辺部での話題、取組みについて終始している。
生き方、家族制度、豊かさ、産業、エネルギー、食糧、真の高齢者政策・・・、
など、政治と行政はイベントやキャラクター頼り、ブランド化・・・
全国で金太郎飴的取組みの氾濫では、差別化も無理だろう。売上げや収益至上主義は民間にまかせ、行政らしい、政治家らしい本質的なことに時間と金をかけて欲しいものだ。
特に地元、愛媛県知事の方へ要望する。
|
|
「新・幸福論 「近現代」の次に来るもの」
内山節 新潮選書 2013年
日本はなぜ「幸せでも不幸でもない社会」になってしまったのか?
政治、経済、思想・・・近現代の先進諸国は常に「目標」を設定し、そこに向かって突き進んできた。到達することができれば、必ず幸福な社会が待っている、と。
が、たどり着いたのは、手ごたえのない、充足感の薄い成熟化社会だった。
18世紀のヨーロッパ、明治維新後の日本まで遡り、近現代の構造と宿命を解き明かし、
歴史の転換を見据える大胆な論考。
(ブックカバーより)
内山節氏の著書は網羅的に読んでいる。
現代日本の閉塞感の背景を思想的に詳細に著してくれている。
これからも氏の著書・論説を追いかけていきたい。
「怯えの時代」・「里という思想」・「なぜ日本人はキツネにだまされなくなったのか」
など、オススメの著書あまた。
|
|
「人口減少社会という希望」
広井良典 朝日新聞出版 2013年
私たちが直面しつつある「人口減少」問題は、悲観すべき事態ではなく、
むしろ希望ある転換点、真に豊かで幸せを感じられる社会への格好の入口ではないのか。
明治維新以降そして第二次世界大戦後の日本人は、経済成長・拡大路線をひたすら走り続けてきた。
人類史の中で第三の定常化社会に入りつつある今こそ、人々の意識と社会のありようは大きな転換を迫られている。
ローカルな地域に根ざしたコミュニティ経済と、「地球倫理」とも呼ぶべき価値原理。
大佛次郎論壇ほか数多くの受賞暦をもつ著者が、日本が実現してくべき新たな社会像とその具体的イメージを大胆に提示する。
(ブックカバーより)
このプログの原点でもある「経済成長がなければ私たちは幸せになれないのだろうか」
と同じ価値観をもった著書で賛同する。
自分の価値観と同様の著作にめぐり合えることは数少ないが、本著はその限定的なものの一冊だ。
読了後、繰り返し数度読み直してみた。
コミュニティ経済の生成と地球倫理
というサブテーマが一冊全体を表している。
日本(人)の価値観が、全て世界の人々の価値観として通用することばかりではないことは理解しているが、私たち日本人には、極東の海洋国家としての気候・風土・歴史・くらし・文化の中で、長い時間をかけて育まれてきた固有の価値観が根付いている。
それが今、戦後の米国寄りの考え方(政策)により、捻じ曲げられてきたストレスが
様々な社会現象(事件)として顕在化してきつつある。
政治・マスコミや自民党・公明党が考える「保守」とは違った、生活者の視点に立った
日本人としての保守本流の出番がそろそろきたのかも知れない。
|
[ すべて表示 ]





