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『戦国の城の一生』(吉川弘文館歴史文化ライブラリー)、重版決定です!

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後日、と言っているといつになるのかわからないので、さっさとアップしちゃいます…

城郭探訪、茨城県の城、今回は、つくば市の多気城(多気山城、城山城)です。本日、発掘調査報告会に参加してきました。多気城からの風景に関しては↓
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縄張図。出典は、茨城城郭研究会編『図説 茨城の城郭』(国書刊行会、平成18年)の「多気山城」で、野口潔彦氏原図に樋詰洋氏が追加・補正。多気城は、城郭ファンの間では、茨城県の「山城」ナンバーワンの名を欲しいままにしていた城として有名です。比高100mの独立した山にある巨大城郭となっております。

図をご覧になってお分かりのように、大きく4つの曲輪から成り立っています。二重の横堀をぐるりと山上部分を一周しているなど、ちょっと他では見られない特異なお城なんですねぇ。こんな城なのに、お決まりのように史料が無いために、その歴史については、ほとんど不明とされてきました。ところが、実は文献史料がありまして、さらに今回の発掘により、新たな事実が判明したのです!

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さて、見学会の様子を一部、見て行きますが、まず何と言っても一番感動したものは、この堀ですね。図の「馬ノリバ」左側の長く続く横堀の一部分です。これがすごいデカイんです。落ちたら大変、10mくらい深さがあるようです。

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偽蔑悗瞭鄲Α焚次砲妨弩がありますが、そこの堀。発掘する前は、こんな感じの藪の中に堀が埋もれていたのでしょう。

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偽蔑愃絃緝分で、柵列らしき柱穴が発掘されました。どうも通路を塞ぐようになっていたようです。このほかに建造物の痕跡はほとんどないようで、城内にはロクな建物がなかったことが推測されるようです。

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偽蔑惘上端っこの堀。ここもなかなか大規模な堀となっています。こんな堀が山上部分をぐるりと数百メートル続いているんですから、凄すぎます…

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橋蔑愍緝分の堀。これが偽蔑悗諒までずっと続いているんですね〜。

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戻って「馬ノリバ」のすぐ左下の帯曲輪のようなところに、ちょっとだけ堀が入っている部分がありますが(わかりにくいですね…)、そこの堀。2枚目の巨大な堀に続いています。ほんの少しだけ石積みがありました。堀の向こう側が道になっていて、道を進んできた者がこの石積みを正面に見る形になっていたようです。

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見学風景。今回の見学は、午前中は150人、午後も100人くらいいたそうです。すごいですね…。皆さんがみているのがさっきの石積みがある堀。奥下に2枚目の巨大な堀があります。

とまぁこんな感じで、詳しくは一緒に参加された方々のブログをご覧ください↓↓
あおれんじゃあさん http://blogs.yahoo.co.jp/xym92373/50925691.html
Pさん http://blogs.yahoo.co.jp/dollsdog8700/29778906.html

また、正式な調査結果は、そのうち発掘調査報告書が刊行されるはずですから、何か研究等をする場合は、そちらを参考にしてください。

さて、では結局、発掘調査から何がわかったか。まずは、16世紀後半の遺物が少量ながら出土したことから、佐竹氏による築城説が有力になりました。次に、これら巨大な堀・土塁の造り替えの痕跡がないため、造られたのは一回のみで、そのまま廃城になった可能性が高いことがわかりました。

さらに、先ほども言いましたように、今までは無いとされてきた文献史料も、実はあることがわかりました。もう一部の方々には知られているのですが、未だ本格的な検討はされていません。次の「城郭探訪 多気城2 文献史料から見た多気城」で、その史料をご紹介していますので、ご覧ください↓↓
http://blogs.yahoo.co.jp/joukakukenkyuu/22871125.html

多気城の位置はここです↓

詳しい地図で見る

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    実に速い。民主党もこんな感じでマニを実行してくれ。

    小生は、明日載せます。

    [ 馬念 ]

    2009/9/14(月) 午前 1:02

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    やはり、城の縄張りがリアルに書かれてとても参考になります。

    [ - ]

    2009/9/14(月) 午前 8:10

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    竹さん 昨日はお会いできてうれしかったです。
    天気を心配しましたが、快晴でしたね。暑かったけど。
    空気中の塵が除去され、あれほどくっきりと筑波は日光方面の山々をこの季節に見れるチャンスは少ないでしょう。
    多くの有名な城研究家が終結し、小生のようなアウトロー城マニアは何だか場違いのようでした。
    しかし、みなさんの城に対する情熱は凄い。元気と刺激を貰ったように思えます。この多気山、久しぶりでしたが、あれほどの堀が埋没していたとは・・馬ノリ場西下のあの堀、上から見ると恐怖でした。
    でも、あの部分かつてはほとんど埋没していたように記憶しています。全てが感動ものでした。
    あんな大工事を記録もほとんど残さず行う戦国大名と民衆の力、改めて認識しました。
    それでは、また、お会いしましょう。

    [ あおれんじゃあ ]

    2009/9/14(月) 午後 5:21

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  • 竹さん、こんばんは!何気に地元の話題に喜ぶ私です。
    私の中で馴染みあるのが、やはりお米。北条米はコシヒカリの中でも
    上品な甘みがあって気に入っています。しかし、この地にお城が
    聳え立っていたとは驚きです。城跡をきっかけに昔の様子が事細かに
    わかってくるのはとても興味深いです。

    [ すみれ ]

    2009/9/14(月) 午後 7:15

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    >馬念さん
    いやいや、他の皆さんの方が早く、ちゃんとしています…それにつられて勢いで更新しました!

    >白の猫丸さん
    描かれた方の努力の賜ですね。

    >あおれんじゃあさん
    こちらこそです!あれは眺めが良い方だったんですね。同年代くらいの人もちらほらいましたし、鉄道もないのに、関心が高いんだなぁと思いました。また是非どこかでお会いしましょう!

    >すみれさん
    あら、地元なんですか。あの山は目立ちますよね〜。北条米!?そんなブランド米があるんですか、へぇ〜!このお城は、今後立ち入ることが相当難しくなるようなので、見ておいて良かったです。

    竹

    2009/9/14(月) 午後 8:33

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    竹さま、こんばんわ、Pであります。
    先日はお疲れ様でした。短い時間ではありましたが、お会いできて大変嬉しかったです。
    大きな堀が周囲を取り巻くあの姿、今も目に焼きついております。
    あれほどの遺構を持つ城跡、これで見納めとなってしまうんですね。
    論文のほう、楽しみに待っていますので、がんばってください。

    [ dol*s*og*700 ]

    2009/9/14(月) 午後 8:47

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    昨日はお久しぶりでした。

    多気山城、規模の大きな城であるだけに、城の成り立ちについていろいろと考えてみるのはなかなか興味深いです。

    天正7年という年代が合っているとしても、何のための築城であったか、ということには、まだまだ想像の余地がありそうな気がしています。

    それでは論文の方、頑張ってください。楽しみにしています。

    [ yogo ]

    2009/9/14(月) 午後 9:10

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    昨日は短時間でしたがお話ができて嬉しかったです。午後の部も皆さんと一緒に歩いて、もっといろいろお話をしたかったのですが、あまりの暑さにめげてしまいお先に失礼してしまいました。
    あの堀の規模と形態は私のような素人の表面観察では想像できませんでしたが、あれだけの規模の堀を2重に廻らすほどの防御力は佐竹氏が恒常的な城ではないにしても本気で造ったものなのでしょうね。
    現地で質問すればよかったのですが、土塁の断面に版築の跡?が少ないような気がしたのですが、こういうことも恒常的に使う城ではない根拠になるなのでしょうか。
    曲輪内等も全面的に発掘して、より詳しい調査に期待したいですね。

    hig*_*688

    2009/9/14(月) 午後 9:19

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    >Pさん
    こちらこそ、お会いできて光栄でした。Pさんは同じくらいの年代でしょうか?意外とお若くて驚きました。回りにも女性も含め、意外にも若い方が多かったですね〜。裾野を広げるためにも、このブログを頑張って運営していこうと思います!またどこかでお会いしましょう!

    >余湖さん
    こちらこそ、お久しぶりにお会いでき、光栄でした。
    真壁のかわらけですか、あれが気になりますねぇ…おっしゃる通り、佐竹が築城したとしても、真壁とかの連中が実際にはやっていたのでしょうか…
    余湖さんがお書きになっている以上のことはあまり出来ませんが、とりあえずせっかくなので形にしたいと思います。今後ともいろいろ教えて下さい!

    竹

    2009/9/14(月) 午後 9:48

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    >やまさん
    こちらこそです!暑かったですね〜、というか日差しが強くて頭が痛くなりました…。どなたかが言ってましたが、陣城ってちゃんとした建物を造らない代わりに、その労力を堀や土塁の方につぎ込んでいるのかもしれないなぁと思いました。
    そうです、解説でも、版築はちゃんとしていないとおっしゃってました。整地したら、あとは結構適当に土塁を築いているみたいなので、恒常的というよりは急造して造った臨時的なもの、という評価になるようです。
    今後ともよろしくお願いします!

    竹

    2009/9/14(月) 午後 9:53

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    竹さん
    昨日は初めてお目にかかれ光栄です。お話しする時間がありませんでしたがまた次の機会によろしくお願いします。
    それから『図説茨城の城郭』の紹介と『薮ログ』へのコメントおよびTBをありがとうございます。
    気になったことが2点。3つの郭から成り立っているとありますが、はっきりと4つの郭から成り立っていることと、茨城県の城郭ナンバーワンとまでいうのはあまり一般的ではなく、茨城県の山城ナンバーワンとしてならば多くの方に納得していただけるかと思います。

    [ pol*b* ]

    2009/9/14(月) 午後 10:40

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    >ひづめさん
    ご訪問&コメントありがとうございます!茨城の城はほとんど知らないので、皆さまのブログ・HP等いつも参考にさせて頂いております。
    お気づきの点のご指摘、ありがとうございました。なるほど、「山城」限定の方が無難ですね。「3つ」はケアレスミスでした…。いずれも修正しておきました!
    今後ともよろしくお願いいたします。

    竹

    2009/9/14(月) 午後 10:54

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    今度、長崎に行く機会があるのですが長崎の城で良い城はないですか? 島原城は知ってます!

    [ inaminnzoku ]

    2009/9/16(水) 午後 11:54

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    1枚目の写真の堀、写真で見るにはそこまで深く見えないのですが、10mと言ったらすごいですね。
    その場で実物を見ると足がスクみそうです。
    ほんとに落ちたら大変ですね。

    [ *Kaho* ]

    2009/9/18(金) 午後 7:09

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    >稲民族さん
    ご訪問ありがとうございます!長崎は行ったことがなく、九州方面は有名城郭くらいしかまだ知りません…すみません。

    >篤子さん
    あまり人が写らないようにしたんですけど、実際ものすごく深いですよ。堀の上に立つと、その怖さがわかります。左上にちょっとだけ人が写っているので、それで想像してみてください…

    竹

    2009/9/18(金) 午後 8:48

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    初めて失礼いたします。汗だくになり午前中行きました。小田城に続き二回目のチャレンジです。山城は上ると気持ちがいいですね。詳しいことはわからないけど、筑波山がきれいでした。それではまた次の機会をたのしみにしています。
    追伸 一盃城は中学校の東側の小高い丘と明治生まれの父よりきいたことがあります。(一杯飲んでる間にのっとられたそうです。)

    [ 花鳥風月 ]

    2009/9/21(月) 午後 8:57

    返信する
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    >花鳥風月さん
    ご訪問ありがとうございます!午前中にいらしてたのですか。午前中の方が多かったようですからねぇ…もっとたくさんの方に会えたかもしれませんね。
    一盃城なんて城があるんですね〜。その由来はかなり面白い…「城と伝説」のコーナーの記事にしようかな…

    竹

    2009/9/24(木) 午後 11:15

    返信する

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