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今日11月28日から金曜日まで4日間、ベネディクト16世ローマ法王はトルコを訪問する。旅程はアンカラに入りそこからエフィースをまわりイスタンブールに入る予定である。
イスタンブールは現在約1800万人を数える大都会で、4−5世紀にはアジアにおけるキリスト教の中心であったが、18世紀には教会は改宗されてイスラム教のモスクとなった。
昨日より、イスタンブール市内では多くの敵対的デモが起こっていて、町の雰囲気の険悪な様子がテレビに紹介されている。各地の訪問先でのテロ事件も予想される為に警戒の監視が強まっているようである。ローマ法王はこの町でギリシャ正教のバルトローメ1世と会う事になっている。
27日のイスタンブール市民の反応が紹介されていたので、列記しておくと以下のようだ。
《迷惑だから来ないでほしい。》
《この人物が、関係を冷却し疑惑をつくった。》
《イスタンブールは十字軍の来るところではない。》
《ローマ法王は我々の宗教を理解してない。》
《何しにくるのか、彼は敵だ。》
《トルコはモスクをつくれても、教会はつくれないぞ。》
《今日学校で試験なので、私には関係ない。》
トルコは政教分離の近代国家ではあるが宗教と政治が完全に分離してないと言うか、立憲的には宗教の自由が保障されているわけであるが、99%がイスラム教徒と言う国家では、まず初めに市民であってその上で信仰者であると言う意味はこの国ではあまり意識されてないようである。こういう中でのトルコにおけるキリスト教徒の数は10万人程の少数派でイスラム教の圧力が信仰の自由は侵害している傾向にあることローマ法王は指摘したいわけであろう。
先ほどの民衆の反応であるが、僅かに女子学生が《今日学校で試験なので、私には関係ない。》と答えたのがせめてもの救いである。
大勢の人々が一律に異口同音で同じように反対しているのも面白いことではあるが、しかし何故この様に皆そろって、コピーされた様に同じく騒ぐのかはよく理解できないことであるが、熱心な宗教行動形態の一例ではある。
ローマ法王就任以来、今度が代5回目の海外訪問とのことであるが、今回がその中でも最悪の状況が予想されているわけで、身の危険を冒しての訪問となっているだけでなくて、今後の政治と宗教との場面での対立と激化が懸念されている。
しかしながら今回のトルコ訪問はイスラム教との問題に多くの解答がなされることが期待されてもいる。今年9月の初めにあったドイツのバビエール帰郷の際のラチスボンヌ大学での演説はイスラムを暴力視したことで大きな論議をイスラム世界に引き起こしたわけであるが、この正式な回答も必要であろう。しかし、根本的にはイスラム教の宗教の自由と人権が問われなければならないだろう。しかし、今回はそう言う論議を巻き起こすことはしないのかもしれない。
ベネディクト16世は、トルコがヨーロッパに加盟する事に反対しているので有名だが、いずれにしてもトルコの加入問題はヨーロッパ議会の求める宗教的自由の尊厳を遵守できる能力がトルコというイスラム教国家にあるのかと言う事にて総べてはかかっている。これがヨーロッパ議会の求める民主主義国家での市民としての宗教と言うことであるようだ。まあ我々にはなじみがないと言って、何の事だかわからないといえば、これもイスラム教と同じく民主主義の意思が問われるわけだ。
イスラム教とキリスト教との共通価値を探り、28日にキリストの母マリアが晩年をすごした町エフェースでミサが行なわれる。エフェースは毎年300万人の巡礼者が訪れ、その殆どがイスラム教徒である。
一方、世界に3億人の信者を持つギリシャ正教のバルトローメ1世との会見はあまり大きな前進が期待されてはいないようだ。それは、もう一方の双頭であるロシア正教との今後のバランスを考慮しているからであるとも言われている。
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