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◇古豪勝負はダイドーに軍配か
◎アイス/ホットの別
アイス
◎試飲環境
5月中旬深夜、快適な自室内
◎インプレッション
先日ダイドーのブレンドコーヒー(1975年発売)をレビューしたので、
同様にショート缶の古典であるポッカ「顔缶」をレビューすることにした。
こちらは1972年発売で3年先輩だが、缶デザインは頻繁に変遷した。
残念ながら今回自販機から出てきたのは「キン肉マン缶」と呼ばれる企画モノで、
顔缶らしい懐かしさは堪能できなかった。
先発のUCCオリジナルが、コーヒー牛乳を基本にした乳飲料の組み立てだったのに対し、
ポッカは缶コーヒーとして初めて「コーヒーらしさ」、つまりコーヒー感に重点を置いた。
すなわち、いたずらにミルクを加えて強い甘さに仕立てるのではなく、
コーヒー本来の酸味を重視し、むしろミルク感を抑制した作りになっている。
当時の缶コーヒーの中では突出した本格感を備えていた。
よく冷やしてグッと呷った時のコーヒー感は格別なものがある。
ただし、初期の缶コーヒーだけあって甘みはかなり強めであり、
コーヒー感は強いもののコーヒー濃度はむしろ薄く感じるという矛盾した印象を持つ。
これは、酸味はあるものの苦味が弱いことも原因のひとつであろう。
ミルク感や香りなどのバランスに優れたダイドーブレンドのほうが、より万人好みであり、
筆者としてもダイドーのほうが好みである。
◎総評
ショート缶(190g)が缶コーヒーの主流になったのは、
実はジョージアエメラルドマウンテンブレンドが発売された1994年以降のことである。
それまでは250gが主流であり、各社とも250gの基幹商品を設定した上で、
あくまでショート缶はカスタムクラスに位置する「特殊品」の扱いであった。
しかしポッカは、1972年から一貫してショート缶の本格派である当製品を基幹商品に置いてきた。
250g缶の「ポッカ ミスターコーヒー」などはあくまで亜流だったのである。
ダイドーとともに「量よりも内容で勝負」の姿勢を貫いて、
一定の地位を確保しつつロング全盛の時代を生き抜いたことは素晴らしい。
現在このポッカオリジナルの味は、他製品の個性や新味に埋もれてしまい、
他製品を差し置いて積極的に選択するほどの魅力はなくなってしまった感があるし、
最大の個性である「顔缶」も描線がどんどん整理されて、懐かしさも失いつつある。
(「顔缶」は発売翌年である1973年からの伝統を持つ)
顔缶の歴史⇒公式ページ http://www.pokka.co.jp/coffee/original/ (音が出るので注意)
発売年で3年の開きがあり、味の組み立ても異なるダイドーブレンドと比較するのもどうかと思うが、
日本の缶コーヒー史において「両雄」と表現するに異論の余地の無いこれら2本の缶コーヒーは、
水面下では常に互いをライバル視しつつ成長してきたハズである。
これらを比較するのは、両者の長い歴史に敬意を払っているからに他ならない。
甘い、薄いなどとは言っても、近年の人工甘味料系コーヒーよりはずっと旨い。
◎評価
☆☆☆☆☆☆★★★★ (6.5点)
(文責:紫布)
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