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◇相変わらずの稀薄さだがのど越しは良好
◎アイス/ホットの別
アイス(アイス専用製品)
◎試飲環境
春の昼下がりの自室内・快適温度
◎インプレッション
最近は「ファイア」と聞くだけで、水っぽい稀薄さと人工甘味料の味が連想されていまう。
今回、自販機でこの製品を見つけた時も「微糖」の文字に人工甘味料への危惧を禁じ得なかった。
(自販機では原材料名や成分の確認が出来ないのだから、何らかの配慮が欲しいところだ)
で、購入してみたらやはり人工甘味料がふんだんに使用されている。
特徴的なのは、砂糖を用いずに果糖ぶどう糖液糖で味を調えている点である。
飲んでみると、やはりキリンファイア特有の薄さが目立つが、
人工甘味料のイヤミな味はなんとか抑えられている印象がある。
牛乳・ミルクを一切用いない、いわゆる「加糖ブラック」製品であるが、
それに必要なコーヒー感や豆のコクといったものが決定的に不足している。
微糖といいながら甘みは結構強く感じるが、これで甘さまで薄かったとしたら、
本当にただの稀釈コーヒーになってしまうかもしれないので、この程度の甘さは逆に必要かもしれない。
香りも酸味も後味も特筆すべきものは何もないが、真夏にグッと呷る用途なら、まぁ使えるか。
あまり味わうことなくガーッと飲んでしまうぶんには、後口が重くないので飲みやすいだろう。
◎総評
筆者の記憶が正しければ、もともと缶コーヒーに「アイス専用」「ホット専用」の概念を導入したのは、
他ならぬキリンがその嚆矢であったと思う。
キリンはファイアの前のブランド「Jive」で、他社にない独自の発想を次々と製品に反映させていた。
荒挽きネルドリップなどといったフレーズは、現在では他社製品でも普通に使われるが、
当時はどのメーカーも似たような在り来たりな製品ラインナップしか出していなかったため、
キリン缶コーヒーのフロンティア精神にはいつも敬意を表していたのだが……
現在キリンは、人工甘味料化とコーヒー感希薄化を強力に推進している感があり、
この製品も、購入前の予想通りの、悪い意味でのキリンらしさをそのまま体現している。
あの頃のスピリットは一体どこへ行ってしまったのか。
自販機台数でコカコーラやサントリーに大きく水をあけられている上、
後発の伊藤園などの頑張りに突き上げられて尻に火が点いているのではないのか。
おそらくキリンは、缶コーヒーの標準社内目標に設定している味・品質がとても低いのだと思う。
他社の高品質な製品をもっとよく研究して、「Jive」の頃の気概で商品開発に取り組んで欲しい。
◎評価
☆☆☆☆★★★★★★ (4.5点)
(文責:紫布)
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