独断法人・日本缶コーヒー評価機構

ペットボトル全盛時代に待ったをかける、素晴らしき缶珈琲の世界…なんつって。ブヒャヒャ

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缶コーヒーのあけぼのは日本


缶コーヒーは、日本で独自の発展を遂げた分野である。

コカコーラの「ジョージア」が比較的古くから存在するせいか、
缶コーヒーもアメリカから伝わった文化だと思っている人がなかなか多い。
しかし、コーヒーの香りと味を缶に封じ込めて持ち歩こうという発想は、日本独自のものである。
そもそも欧米では、冷たいコーヒーを飲む文化があまり無かった。

ここ15年ぐらいでようやく、アジア諸国をはじめとして缶コーヒー徐々に諸外国へ浸透。
しかし缶コーヒーはあくまでも日本発祥の文化であることを誇りに思うべきである。
そこをしっかり認識しないと、何年か後には
「缶コーヒーもわが国が起源」
とかアジアの近隣某国が言い出さないとも限るまい。


コーヒーを飲みやすい形で〜コーヒー牛乳〜


日本のコーヒー大衆化のキッカケは、神奈川県発祥のコーヒー牛乳である。
苦いコーヒーがなかなか日本に浸透しないため、牛乳タップリ・砂糖タップリで苦味を緩和したのが、
コーヒー牛乳誕生の背景であった。
苦味さえ抑えてしまえば、コーヒーとミルクの組み合わせは日本人の感性にもよくマッチし、
ひいては牛乳嫌いの子供をして「美味しい」と言わしめるほどであった。

記念すべき1969年発売のUCC缶コーヒーは、「コーヒー牛乳をさらにポータブルに」が出発点である。
当時はまだ既製コーヒーは、レギュラーコーヒーとは方向性の全く違うものであり、
「甘くてミルキーで香ばしい清涼飲料」であった。
従ってUCC缶コーヒーも、本格コーヒーではなくコーヒー牛乳の味を基本に開発された。
(当然、乳固形分比率が高くなるため乳飲料カテゴリに入った)
なおUCC以前にも、細々と缶入りコーヒーを製造していたメーカーも数社あったが、
いずれも限定的・短期的な効果に留まり、全国的な展開と支持を得るには至っていない。


本格化への船出


乳固形分(特に乳脂肪分)を多く含んだ飲料を缶詰にして長期保存可能な状態にすることは、
当時はまだ技術的に無理であった(現在でも比較的困難)。
よって、ビン入りコーヒー牛乳に匹敵するようなミルク感たっぷりの缶コーヒーは作れなかった。
UCC缶コーヒーは特徴的な香りとのどごしを持った名品ではあったものの、
「買ってすぐ飲むならやはりビン入りコーヒー牛乳のほうがいい」という判断が支配的であった。

そこで各社は、缶コーヒーの「コーヒー牛乳路線」に見切りをつけ、
コーヒー牛乳に無い本格感を備えた独自の缶コーヒーの開発に乗り出す。
すなわち、コーヒー牛乳の代用ではない、缶コーヒー独自の魅力を模索するようになっていった。
その嚆矢といえるのがポッカコーヒーであろう。

ほとんどの清涼飲料缶が250gであった時代に、ポッカコーヒーは敢えてショート缶を採用し、
UCCとは正反対にミルク感を抑えてコーヒー本来の香りや酸味を前面に押し出した。
内容量が少ない事がかえって本格感を生み出すというポッカの目論見は成功。
そして後に、ビン入りコーヒーでは不可能な「ホット対応」の概念を打ち出す。
こうして、缶コーヒーは最早「コーヒー牛乳の代用」ではない、独自の発展を遂げることになる。


雌伏の時期


ポッカコーヒー、ダイドーブレンドコーヒー、ジョージアがデビューした。
当時の缶入り飲料は果汁入りジュース・無果汁ジュース・コーラ・ファンタ、
そして缶コーヒーぐらいしか無い時代であり、スポーツドリンクやお茶系は登場していなかった。
つまり、市販の既製飲料は全て「甘ったるい飲み物」ばかりであった。
今の若い人からは想像もつかないかもしれないが、
当時の感覚としては「甘くもない、果汁も入っていない飲み物にお金など払えない」のが当然であった。
せいぜいが、駅弁と一緒に買う緑茶が関の山であった。

いかにコーヒー牛乳路線と決別した缶コーヒーとはいえ、かなりの甘さにしないとなかなか売れず、
現在のような低酸素/脱酸素製法や、缶コーヒーに特化した専用製造ラインなど夢のような話であった。
本格的なコーヒーの香りや旨みを缶に封じ込める技術が未熟であった以上、
ミルクや砂糖でごまかすしかなかったのは致し方ないところであろう。
実際当時の「甘さ控えめ」の製品の味は、飲めたものではなかった

結局のところ、昭和の時代はどのメーカーも缶コーヒーは多くても3種類程度。
基幹商品の他はせいぜい「ブレンド」だの「炭焼き」だのと無理やり特徴づけた雰囲気の製品揃い。


業界においてはマイナーなメーカー達も


当ブログではメジャー系メーカーの缶コーヒーを中心にレビューしているが、
地方の食品メーカーや乳業メーカーからも、古くから缶コーヒー製品が発売されていた。
大阪のサンガリア・名古屋のオリエンタル・長野の丸善といった中堅ビバレッジメーカーや、
アートコーヒー・三本コーヒーのようなコーヒー豆専門メーカーにも、
独自の缶コーヒーが古くから存在していた。

また、缶コーヒーから撤退してしまったカネボウ(ベルミーブランド)や明治などの存在も忘れられない。
「明治マイルドコーヒーS」などは、ジョージアMAXとは比べ物にならないほど大量の加糖練乳を含み、
独特のバタ臭さと旨さを備えた逸品として深く記憶に残っている。
(明治は「基本珈琲」ブランドを最後に缶コーヒー事業から撤退してしまった)

どちらにしても、缶コーヒーは一部の根強い支持を獲得するものの、
現在のように名実ともに本格性を獲得するまでにはまだまだ雌伏の時を必要とした。


キリンJiveの誕生 〜缶コーヒー多様化の先鞭〜


1987年、キリンが突如として缶コーヒー業界の檜舞台に躍り出る。
全く新しいコンセプトのJive(ジャイブ)ブランドを立ち上げたのである。

○ 豆の挽き方へのこだわり
荒挽き・細挽きなどを謳った缶コーヒーはそれまで存在しなかった。

○ 抽出方式へのこだわり
それまでは、缶コーヒーの抽出方式など誰も気にも留めなかったが、
敢えて「ネルドリップ」という言葉を提示した事で、消費者の関心を惹くこととなった。

○ 豆の種類やブレンドへのこだわり
それまでの缶コーヒーは、パッケージのイメージまで含めて、
ブラジルやジャマイカといった中南米を意識させるものが多かったが、
Jiveは初めて「ヨーロピアンカフェ」の概念を打ち出した。
コーヒー豆原産地の農業的・牧歌的な雰囲気よりも、欧州のオシャレなムードを押し出したのである。

○ アイス用・ホット用のこだわり
Jiveは初めて缶コーヒーに「アイス向け」「ホット向け」の製品区別化という概念を打ち出す
実際の効果のほどはともかくとして、ここまでこだわったメーカーは他に無かったため、
業界各社に大きな影響を与えた。

○ 「低糖」の新コンセプト
「缶コーヒーとは甘いもの」という概念を打破し、コーヒー部分の本格化との相乗効果を狙った。


これらの全く新しい新機軸は、同業者に計り知れない影響を及ぼす。
他社は慌てて「オリジナル」「ブレンド」「カフェオレ」以外の目新しい製品開発に力を注ぎ、
それまで一社当たり2〜3種類しか無かった缶コーヒー製品は5〜6種類へラインナップを増やした。

……この時期から、趣味としての缶コーヒー分野が、俄然面白くなっていったのである。

イメージ 1

1993年7月23日製造、キリンJiveカフェ・オ・レ(中身入り)。筆者所蔵の至宝。
缶の裏側には「荒挽きネルドリップ」の字が光る。
しっとりと落ち着いた色気さえ感じさせる「Jive」のロゴは、
この後まもなく角張った軽薄なデザインに変更されてしまった。


かくして缶コーヒーはバラエティ豊かに


現在、抽出系飲料のバラエティはどうなっているだろうか。

○ 緑茶……基幹商品・玉露・季節限定など
○ 紅茶……無糖・ストレート加糖・レモンティー・ミルクティー・フレバーティー程度
○ 烏龍茶……多くても一社で2種類程度


それが、缶コーヒーだとどうだろうか?
一社のみのラインナップで見ても、

基幹商品1種類
ブラック1〜3種類
カフェオレ1〜2種類
アイス専用280g缶1〜2種類
短豆系/著名豆ブレンド系1〜2種類
デミタス1〜2種類
低糖やライトなどの個性を付加した製品2〜4種類
その他、地域限定や期間限定など

……もちろん、ひとつのメーカーが同時期に上記バラエティを全て揃えることは無いが、
少なくとも紅茶や緑茶の数倍のバラエティをもつ稀有な飲料であることは間違いない。

ここに、缶コーヒー趣味の面白さがあると思うのだ。


いまだに缶入りが主流


10年前までは「お〜いお茶」や「午後の紅茶」なども全て缶入りが当たり前であったが、
ペットボトルリサイクルシステムが定着したことや、
お茶系飲料が500gを基本に展開するようになったこと、
そしてホット用ペットボトルの登場が決定的なキッカケとなり、
お茶系飲料はいまや缶入りをほとんど見かけなくなってしまった。
自販機がペットボトル対応へと変化したことも重要な要素ではある。

しかし、コーヒーはどうであろうか。

確かに一部ペットボトルや、マウントレーニア・スターバックスに代表されるチルドコーヒーもあるものの、
「缶コーヒー」というコンパクトでフットワークの良い飲み物の存在感は今も圧倒的である。
そもそもお茶類と違って、500mlもの大量摂取を旨としないコーヒーという飲み物は、
飲みかけにキャップをして持ち歩くという概念はほとんど適用されないため、
キャップのついたペットボトルに詰める必然性がない。
190gの極小ペットボトルはかえって採算性が良くないともいわれている。

デザインラベルをボトルの外周に巻いてあるだけのペット飲料と異なり、
缶に直接デザイン・印刷された缶コーヒーは、見た目にも楽しみが多い。


普段ブログで缶コーヒーの味をあーだこーだと辛口に斬り捨てているが、
こんなにもバラエティ豊かで楽しい飲料ジャンルは世界中で見ても缶コーヒーだけである。



飲み終わった空っぽの缶を爪で弾いて、乾いた音を楽しむ。
そんな味わいをも、缶コーヒーは内包しているのである。
他の飲料が絶対に持ち得ない、缶コーヒーだけのリラックスした時間なのだ。


(文責:紫布)

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