独断法人・日本缶コーヒー評価機構

ペットボトル全盛時代に待ったをかける、素晴らしき缶珈琲の世界…なんつって。ブヒャヒャ

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◇エスプレ感無い、ダルな味


◎アイス/ホットの別
アイス



◎試飲環境
5月下旬、涼しい夜の屋外



◎インプレッション
例によって人工甘味料使用の微糖製品。
珍しく、人工甘味料っぽさが前面に出ておらず、
アセスルファムカリウムの苦味や、イヤミな甘みが目立たない。

アセスルファムKより素直な甘さのスクラロースの比率が高いのかもしれない。
しかしながら、甘味料っぽい甘さは確実に感じられるため、
人工甘味料の使用量としてはこれがギリギリ限度であろう。

エスプレッソ100%に生クリーム使用ということだが、
エスプレッソの苦味やコクは全く感じられず、
甘さとミルク感ばかりが表に立っておりダルな味わい。
本格感を売りにしている割には、安っぽいミルクコーヒーの味がする。
「エスプレッソ」と言われなければ、まだマシに感じたかもしれない。



◎総評
160gのデミタスエスプレッソとして、この締まりの無さはダメであろう。
デミタス缶には、少量でビシッとキメるだけのパンチが無ければ意味が無い。
せっかく人工甘味料をギリギリに抑えている点を評価したいのに、
とにかく飲用後の満足感がが低すぎるし、後味も品がない。
商品名ほどの贅沢(リッチ)な気分は絶対に味わえないので、
同じデミタス缶ならばダイドーデミタスをオススメしておく。



◎評価
☆☆☆☆☆★★★★★ (4.5点)


(文責:紫布)

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サンタマルタ現象

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ご記憶の方も多いことだろう。


「ネスカフェ サンタマルタ」。


時は1993年。
明石家さんま氏をCMに起用して大々的な宣伝を行い、
大塚ベバレジの自販機の一部を間借りする手法で販路を広げ、
後の追加ラインナップ「ネスカフェ モンテアルバン」とともに一世を風靡した。


(※なお、製品写真が無い点は悪しからず寛恕頂きたい)



当時、筆者はこの製品が大嫌いであった。
「甘さひかえめ」などと書いてありながら、信じられないぐらい甘かったからである。
それも、スッキリした潔い甘さではなく、ベシャッとして非常にしつこい甘さであった。

筆者はサンタマルタでなく、クラシックブレンドというシックなデザインの缶コーヒーをよく飲んだ。
サンタマルタは、少し期間を置いて3度ほどチャレンジしたものの、
やはりその強烈な甘さに、一本飲み切ることすら不可能であった。
ロング缶のモンテアルバンは一層強烈な甘さで、コーヒー感も薄かった。

しかし、サンタマルタの香りや味は当時の他社の缶コーヒーに無い独特の個性があったせいか、
筆者の周囲でも割と人気があったし、実際よく売れていた。
職場の空き缶入れにも、よくサンタマルタの空き缶が捨てられているのを、
「よくまぁ、こんな甘いのを喜んで飲めるなぁ」と思いつつ眺めたものだ。



しかし……
UCCが自社ブランドの自販機運営をとりやめてネスレ日本に事業譲渡した2000年あたりから、
ネスレの缶コーヒー事業の雲行きが怪しくなってゆく。
他社から個性豊かな、しかも「本当に」甘さ控えめの缶コーヒーが台頭してきたこともあり、
サンタマルタとモンテアルバンは缶コーヒー市場でその地位を維持できなくなった。
のちにはネスレ日本の自販機事業も規模を超大幅に縮小(「誤差の範囲」と言ってよい)。


現在、ネスカフェブランドの缶コーヒーは数種類があり、
ポカリスエットと一緒に大塚の自販機で売られている。
しかし、少なくとも東京では大塚の自販機だけが独立して置いてある場所は少なく、
強力なライバル他社(コカコーラ・サントリーなど)の自販機と並んで設置されている。
この状況でネスカフェ缶コーヒーをセレクトされる確率はかなり低いので、
ネスレ日本は現在も缶コーヒー市場では苦戦を強いられている。


さて「サンタマルタ」はその後どうなったかというと、
中型ペットボトル(900mlなど)のリキッドコーヒーに活路を見出した。
ミルクを加えない「加糖ブラック」だったように記憶しているが、定かではない。

その後は、普通にミルクも加えた500ペットを2005年頃にリリースしたが、
結局現在はサンタマルタもモンテアルバンも、その名前すら残っていない。
それどころか、せっかく展開した缶コーヒーブランド「匠」も今年消滅。



こうしてみると不思議である。
あれほど流行し世間に浸透していたハズの「サンタマルタ」が、
現在ではその豆の名すら聞かれなくなった。
いや、あくまで流行であり品質が伴わなかったために自滅したのかもしれない。

(好んで飲んでいる人は多かったが)



筆者的には、あんなにゲロ甘で品の無い缶コーヒーなど、
消滅しようがどうなろうが知ったことではなかったが…… それにしてもだ。

ネスレはもう少し上手に、サンタマルタという名前を育ててゆくことはできなかったのだろうか。
健康ブームで低糖・微糖コーヒーが出始めた時期と、
サンタマルタが凋落した時期は重なっているように思う。
しかし、サンタマルタを低糖化するような動きは全く見られなかった。
何ら改善の手を打たなかったように思えてならない。



傍観者だったとはいえ、筆者にとって一つの社会現象のように映っていたサンタマルタ。


缶コーヒー界は諸行無常である。


(文責:紫布)

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