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◇意外に平凡 しかし伊藤園らしさも健在
◎レビューに入る前に
はじめに断っておくと、この製品は「乳飲料」である。
既製コーヒーの品名表示は、以下のように決められている。
コーヒー:液量100gあたり生豆使用量5g以上
コーヒー飲料:液量100gあたり生豆使用量2.5g以上5g未満
コーヒー入り清涼飲料飲料:液量100gあたり生豆使用量1g以上2.5g未満
...当然、これを更に下回る含有量では、単なる「清涼飲料水」となる。
上記の区分は公正取引委員会による取り決め(成分を知るための情報開示)だが、
乳飲料の定義はあくまでコーヒーとは別に、食品衛生法上の規定として存在し、
豆使用量1gだろうが10gだろうが、乳固形分3%以上の飲料は「乳飲料」として一緒くたに扱われ、
そこにはコーヒー生豆使用量の定義や区分は存在せず、「乳飲料」表示が優先される。
ミルクさえ多めに添加して乳飲料の定義を満たしておけば、
コーヒー豆たった1gでも、「コーヒー入り清涼飲料」などと書かなくて済むのである。
よほど良心的な製品(生豆使用量の表示のあるもの)でない限り、
種類別「乳飲料」である缶コーヒーは、コーヒーとしての品質は相当にあやしいものである。
しかし残念ながら、乳飲料缶コーヒーで豆使用量を明記した製品はほとんど存在しない。
従って、乳飲料を称する缶コーヒーは牛乳分の濃い良質なミルクコーヒーという捉え方もあるが、
場合によっては、乳飲料なのをいいことにコーヒーの品質を疎かにしている可能性もある。
さてこうなってくると、ブログで割と真剣(?)に缶コーヒー批評をやっている者にとって、
乳飲料缶コーヒーというモノは、肝心のコーヒー部分についてかなりいい加減だという印象が先行する。
「香りが、酸味が、焙煎が云々……」と論じている世界とは、随分乖離してはいないだろうか。
海原雄山にカップラーメンの評価をお願いするようなものではあるまいか?
多少コーヒーが薄くても、牛乳が多ければ結構美味しいミルクコーヒーになる場合もあるものの、
果たして、これらを当ブログでどう評価すべきであろうか。
コーヒー薄目、ミルク濃い目の缶コーヒーを「コーヒー感に欠ける」といって切って捨ててしまうのか、
「これも日本の缶コーヒーの懐の深さ」と鷹揚に捉え、缶コーヒー全体の中の一ジャンルと看做すか。
当ブログでは、乳飲料製品については記事内にその旨を明記し、
「乳飲料缶コーヒーとしての評価」とその都度注を振ることにしている。
……本来ならば、コーヒーとしての種別表示と、乳等省令による乳飲料表示は両方併記すべきであろう。
(たとえば「乳飲料・コーヒー飲料」など)
缶カフェオレが「乳飲料」の単表示によってブラックボックス化している現状は憂うべきである。
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◎アイス/ホットの別
アイス
◎試飲環境
春の朝 快適温度の自室内
◎インプレッション
本製品も乳飲料缶コーヒーの多くの例に漏れず、地方乳業会社へ製造を委託している。
群馬県渋川市のジェーシービバレッジという会社である。
飲んでみると、事前の想像ほどにはミルクっぽくないので、少しガッカリした。
無脂乳固形分2.3%、乳脂肪分0.7%、合計3%であるから、乳飲料の条件としてはギリギリ。
しかし、伊藤園らしい「豆のマイルド感」は健在で、ミルクコーヒーによく合う独特の香りを持つ。
このテの製品にありがちな強い甘さをもつが、これ以上砂糖を増やしても減らしても旨くはなるまい。
◎総評
満足のゆくコクや旨味は期待できないものの、メーカーとしての個性までは失われていない。
(筆者が伊藤園を原則支持している理由の一つである)
しかし、普段の定番となり得る味ではないと思うし、そもそもどこでも入手できるワケではない。
缶カフェオレの批評とは本当に難しいものであると、あらためて実感した。
◎評価
☆☆☆☆☆☆★★★★ (6点)
※乳飲料と割り切っての評価
(文責:紫布)
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