独断法人・日本缶コーヒー評価機構

ペットボトル全盛時代に待ったをかける、素晴らしき缶珈琲の世界…なんつって。ブヒャヒャ

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◎全ては「バランス」こそが基本


よく、缶コーヒーの評価を

「コーヒー感」
「甘味」
「苦味」
「酸味」
「ミルク感」

などの項目に分けて数値化しているサイトを見かける。

定量的評価法は、各要素・項目について知ることができて非常にわかりやすい方法ではある。
慣れた人であれば、各項目の数値をもとに、全体的な味・風味を脳内である程度再現できるかもしれない。


しかしわが日本缶コーヒー評価機構は、項目別数値化の方法をとらず、
良くも悪くもファジーな「総合評価点方式」を採用している。
各項目の数値データよりも、それら全てが合わさって舌や鼻腔に与えるイメージを重視したいからである。


たとえば、酸味がとても強い缶コーヒーがあったとして、「酸味 5点」と書いてあっても、
良い酸味なのか、それとも好ましくない酸味なのかは判断できない。
例えばサラダドレッシングでも、酢を使っているか、ワインビネガーを使っているか、
あるいは柑橘果汁を使っているかによって、酸味の傾向は全く異なる。
また、唐辛子と練り辛子の辛さは全然違うものである。

缶コーヒーの酸味の傾向を、評価文の中で具体的に表現することは可能だが、
最後の最後に「酸味 4点」などと数値化したデータがあると、
かえって製品の総合判断を鈍らせてしまう危険性がある。
また、ミルク感を重視した製品においては、強すぎる酸味はかえって邪魔となる。


同様に「苦味」についても、近年は人工甘味料アセスルファムカリウムなどにより、
「コーヒー豆以外の原材料に由来した苦味」が厳然と存在するわけだが、
この点について「苦味」として一緒くたに数値評価するのは危険である。


このような点から、当ブログでは要素別の単純な数値表は表示しないこととし、
テキスト(文章)による表現を最重視して批評するようにしている。
要は「バランス」なのである。
仮に、強い苦味を持つコーヒーが2種類あったとして、
「この系統の苦味ならば、砂糖との相性が良い」
「こういう感じの苦味には、ミルクや生クリームがよく合う」
といったような違いがあるので、数値化された苦味度を見ても判断はつきかねるのだ。


当ブログが、項目別数値を導入しない、悪く言えば曖昧ともとれる評価法である以上、
持ち得る限りの表現法・語彙を駆使して評価文を作成するよう腐心しているつもりではあるが、
「百聞は一見に如かず」の諺どおり、おそらくは製品の味の30%も説明し切れていないことと思う。
まったく歯がゆい状況であり、内心忸怩たらざるを得ない。
しかし、今後も表現努力を怠らず、この「味の全体バランス」を伝えてゆきたいと思っている。


◎味の重要要素「コーヒー感」とは


缶コーヒーを味わう上で常に傾注している味覚的ポイントは、

* 開缶時の香り(におい)
* 飲み込んだ時に鼻腔へ抜ける香り(重要)
* 苦味の強さと傾向
* 酸味の強さと傾向
* 甘みの強さと傾向
* ミルク感の強さと傾向
* 後味(酸味・苦味・甘みの総合的な後味)

さて、上記各項目に出てこなかったものに「コーヒー感」があることにお気づきであろう。
コーヒー感とは結局のところ、上記のうち香り・苦味・酸味のバランスが与える、
「総合的にコーヒー豆を感じさせる度合い」である。

香り・苦味・酸味の全てがとても強いからといって、
そのコーヒーが「美味しい」と感じられるとは限らない。
焼酎やウィスキーでも、ストレートより水割りのほうが真価を発揮する場合がある。
結局、ここもやはり「バランスが全て」なのである。
つまり、筆者の持論では「コーヒー感」の数値化は不可能なのだ。
三要素のバランスがコーヒーとして好ましいものであるかどうかを示す曖昧な評価要素、
それがこの「コーヒー感」という言葉なのである。

それでも缶コーヒーにおいては、この一番曖昧であるはずの「コーヒー感」が評価上極めて重要になってくる。
「いかにレギュラーコーヒーの風味に近づけるか」を究極目標としているからであろう。
しかし、筆者の考え方は根本的に異なる。


◎缶コーヒーは缶コーヒー固有の極限を目指すべし


砂糖やミルクの入った缶コーヒーは、レギュラーコーヒーを意識した開発などしなくてよいのだ。
そもそも缶コーヒーは、逆立ちしたってレギュラーには敵いっこないのである。
ならばむしろ変にレギュラーを意識せず、逆に
レギュラーコーヒーには絶対に到達できない、缶コーヒーならではの旨さ
という境地を目指してみるのも面白いのではないだろうか?

インスタントラーメンは生ラーメンの代用として開発されたが、
世の中には「生ラーメンより即席麺の味のほうが好き」という人も少なくない。
これと同じで、缶コーヒーは缶コーヒー独自の味の極限を目指してほしいのだ。

「レギュラーも缶コーヒーも両方好き」という人が結構な数存在していることからもわかるように、
缶コーヒー界は決して卑屈になる必要など無い。
近年のブラック缶コーヒーの高品質化のおかげで、
それまでレギュラー一辺倒だった人が缶コーヒーを飲むようになっているのも事実である。


上で「コーヒー感の強弱は缶コーヒーにおいて重要」と述べたが、
これは、レギュラーの風味を缶コーヒーで再現せよ、などという意味では毛頭無い。
「缶コーヒー特有の渾然一体のコーヒー感」というものがあるかもしれないのだ。
レギュラーコーヒーを淹れる過程は非常に単純(且つ奥が深い)なものだが、
缶コーヒーはむしろ製造過程がレギュラーよりも複雑である。
結果、「適度に弱まった絶妙のコーヒー感」という、
レギュラーでは逆にあり得ない個性を獲得することも可能である。

……レギュラーに対して卑屈になる必要は無い、という言葉の意味がおわかり頂けたであろうか。


◎個人的嗜好をどう処理するか


筆者の場合、個人的にみる理想の缶コーヒーの条件は、

○ 全体の旨さを引き立てる範囲で、なるべく砂糖をギリギリに抑えてあること

○ 香料に頼らずにコーヒーの芳香を表現できていること

○ 人工甘味料を使用していないこと

○ 良好な後味が長時間持続すること


しかし上記は、あくまで好みの最も基本的な部分に過ぎない。
例えば「砂糖はギリギリに」とは言うものの、甘めのほうが全体の旨さが引き立つミルクコーヒーもある。
「香料に頼るな」とは言うが、わざとらしい香料っぽさを感じさせぬよう工夫してあれば、何ら問題ない。
「良い後味が持続するほうがいい」というのはあくまでもリラックスしたコーヒータイムの理想であり、
時と場合によっては後味がサッと潔く消えてくれたほうが好ましい状況もある。
水みたいに薄く安っぽい缶コーヒーでも、体がそういったモノを求めている場合もある。


こうした理由からも、総合評価点は製品カラーをなるべく重視したものにしたいと考えている。

評価7点のカフェオレと、評価8点のブラックがあったとする。
これを単純に点数だけで見て「後者のほうが美味しい、品質の優れた製品」などとは言えまい。

いくら筆者が個人的に「甘さギリギリ控えめが好き」とはいえ、
MAXコーヒーやUCCオリジナルはあの甘さがあってこそ「旨い」と感じるのだから、
この場合はその強い甘さも全く減点対象とならない。
画一的方向性を基準に四角四面な定量評価をしてしまっては、
様々な個性の存在こそが最大の醍醐味であるはずの缶コーヒーが、面白味を欠いてしまう。

この、個人的嗜好と製品カラーのすり合わせ、折り合いのつけ方は、
総合評価点をつける上で非常に重要である。



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次回・後編は、缶コーヒーの味の各要素について、
「あくまでこれはレギュラーコーヒーではなく缶コーヒーである」
という観点から詳述してみたいと思う。


(文責:紫布)

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