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. アサヒの缶コーヒー業界参入は比較的遅く、1981年の「三ツ矢コーヒー」に始まる。 5年後には新ブランド「NOVA」としてリニューアルし、 「美味しい缶コーヒーは “NOVA”」というTVCMで売り出しを図った。 この“NOVA”の部分はあのディエゴ・マラドーナ氏(当時現役)で、 彼が右手に缶コーヒー、左手の親指を立ててニッコリ笑って “NOVA!” と言っていたのがとても印象的であった。 しかしNOVAは、缶デザインの野暮ったさもあり、古豪他社の一角を揺るがすには至らない。 そうこうするうちに、ビール業界でのライバル・キリンが「Jive」を発売。 アサヒはNOVAをわずか3年半で打ち切り、1990年に新ブランド「J.O.」(ジョー)をリリースする。 CMには王貞治氏とハンク・アーロン氏という世界的な元ホームランバッターを贅沢に起用し、 アサヒの缶コーヒーのイメージを一新した。 この頃から、アサヒ系の自販機も徐々に増加してゆき販路が拡大され、 シンプルで品の良い缶デザインと相まって良好な売れ行きを見せる。 今回紹介するのは、J.O.の中でも珍品と言える、アイス専用のミルク不使用コーヒーである。 ◎アサヒビール「J.O. アイスコーヒー」 製造年月日:1993年6月5日 内容量:280g 品名:コーヒー (※日本缶コーヒー評価機構認定 缶コーヒー有形文化財 登録第103755692号) 白い缶に、氷たっぷりのアイスコーヒーがデザインされ、清涼感が横溢している。 280gのガブ飲み缶で、重量感も充分。 当時まだ「アサヒ飲料」の発足前であり、ノンアルコールはアサヒビール飲料製造(株)が製造していたが、 缶を見ると販売元は「アサヒビール」となっており、ビール会社の直接製造販売のように見える。 ビール会社系列のこだわりからなのか、ソフトドリンク部門の社名から「ビール」の3文字が消えるのは、 写真の製品のさらに3年後、1996年の「アサヒ飲料」発足まで待たねばならない。 「J.O.」は、後発のサントリー「ボス」のインパクトと自販機戦略に押され、 思ったように売上を伸ばせなくなってしまう。 1997年に「J.O.」ブランドは「ワンダ」へと移行するが、ここでも苦戦が続き、 2002年の「ワンダ モーニングショット」大ヒットに至ってようやく努力が開花するのだ。 この「J.O.」は、ブランド期間こそ7年半と比較的長かったが、 アサヒ缶コーヒーの長期低迷時代の象徴とも言える。 飾りっ気を廃した堅実なデザインの製品が多く、当時の筆者は結構気に入っていた。 現在のワンダには軽佻浮薄なデザインやコンセプトが多く、誠に残念である。 ところで、アイス専用280g缶は現在でも各社に存在するが、 不思議なことに「280gアイスコーヒーはノーミルク」が不文律になっている気がする。 しかし、缶コーヒーは基本的にミルクを使用した製品のほうが美味しく飲める。 ミルク無しだと、砂糖の甘みが後味としてしつこく残る。 筆者は真夏のガブ飲み系缶コーヒーが好きだが、基本的にミルクが入っているものを選んでいる。 この「J.O. アイスコーヒー」の味は、よく思い出せない。 少し焦げ臭いような強い香りがあったように思うが、定かではない。 当時からミルク不使用缶コーヒーをあまり飲まなかったせいもあり、記憶に残っていない。 ……試飲してみるか? いや、16年モノを試飲できるほどには、胃袋はチタン製ではない。 (文責:紫布) .
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