.
◇脱帽、そして絶望
◎アイス/ホットの別
アイス
◎試飲環境
6月下旬夕方、気温27℃、駅のホーム〜電車内
◎インプレッション
今夜から夜行列車で東北方面に出かける筆者は、デジカメ用メモリを買いに行った。
吉祥寺ヨドバシで買い物を済ませ、鼻歌混じりで駅へ向かっていた。
ℇ= ℇ= ( ・∀・)フンフンフ〜ン♪
そこで突然聞こえたのだ。己の脳に直接、語りかけてくるような声が。
「紫布よ…… いつまで逃げ回っているつもりだ?」
Σ(゚∀゚ )ン?
ナニ? (゚∀゚ ≡ ゚A゚) ナニ?
すると、目の前にJTの自販機が。
その中でも、とりわけ強烈な負のオーラを発している缶コーヒーがある。
ルーツ トリプルフリーだ。
そう、筆者はこの製品から、ずっと逃げ回っていたのだ。
「糖類ゼロ・脂質ゼロ・カロリーゼロ」と銘打たれた、試飲せずとも激マズ確定のこの製品に、
いくら缶コーヒー批評家とはいえ、なかなか手を出す気になれなかったのである。
既に缶コーヒー批評の諸先輩方からも、悲鳴に近い感想が聞こえてきていた。
もう、逃げ回ってばかりはいられない。購入・試飲だ。
……(;;-"-) (⇒覚悟を決めるための瞑想)
程よい甘さ・ほんのりミルク感 すっきりテイスト
糖類、脂質、そしてカロリーもゼロで仕上げた、ブレンド缶コーヒーのニュースタイルです。
原材料名 : コーヒー、濃縮乳、香料、カフェイン(抽出物)、
甘味料(アセスルファムK、スクラロース)、カゼインNa、乳化剤
液色にほとんどミルク感の無いその内容物を、恐る恐る試飲した。
おぅ!
これは脱帽だ! 何という潔さなのだろう!
いや、何がどう潔いかって、とにかく、
缶コーヒー大手メーカーとしての矜持をここまで投げ打てるというのは、
ある意味で非常に潔いと言えるのではないか。
まず、とにかくコーヒーが信じ難いほど薄い。
品名「コーヒー」である以上、液量100gあたりコーヒー豆5g以上使用しているハズだが、
この薄さはワンランク下の「コーヒー飲料」、いや、さらに下の「コーヒー入り清涼飲料」並みである。
そして「程よい甘さ」というフレーズはまさに大嘘であり、
人工甘味料(化学物質)100%による、結構強めの気持ち悪い甘さが痛烈だ。
数年前と違って、甘味料の苦味はよく抑え込んでいる印象ではあるが、
この液体は既に缶コーヒーの味が全くしない。というか、もはや缶コーヒーではない。
濃褐色でコーヒーみたいな香りのする、人工甘味料希釈液である。
その証拠に、コーヒーとしての後味は全く感じられず、甘味料のイヤミな後味が長時間持続する。
◎総評
砂糖を減じてその分を人工甘味料で補填したいわゆる「微糖」ならまだしも、
砂糖を完全に人工甘味料に置き換えるのは、やはり無理な話なのである。
しかもこの製品は「程よい甘さ」「すっきり」という、看過すべからざる大嘘が書かれている。
これには、単なる旨い・不味い以前に、根本的な怒りを禁じ得ない。
100ml当たり5kcal未満の製品には「カロリーゼロ」、
100ml当たり糖類0.5g未満の製品には「糖類ゼロ」、
100ml当たり脂質0.5g未満の製品には「脂質ゼロ」と表示することが許可されている。
これは、消費者に対する大きな欺瞞を生む危険な表示基準と言える。
推測では、この製品のカロリーはおそらくギリギリ4.9kcalなのだろう。
すなわち、他の5.0kcalの製品とこの「カロリーゼロ」製品の間には、
実質わずか0.1kcalの差しか存在しないことになるのだ。
ここまでして“ゼロ”を大々的に表示するための数字競争になっている、飲料業界の憂うべき現状。
もはや「100g当たり5kcalという超低カロリーですら許されない。ゼロでなければダメ」という状態だ。
この無意味なゼロ競争は、おそらく終わることは無いであろう。
既にスポーツドリンクや炭酸飲料のカテゴリにおいては、
「砂糖の使用は犯罪的行為」
と認識されているのではないかと思えるほど、人工甘味料への切り替えが末期的に進行しつつある。
そして、この忌まわしき風潮が缶コーヒーに襲いかかっている。
この「トリプルフリー」は、そんな風潮を具現化した悪夢の缶コーヒーであり、絶望の味わいである。
◎評価
☆★★★★★★★★★ (0.5点)
(文責:紫布)
.
|