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◇堅実さ徹底追求 この秋の最高傑作か
◎アイス/ホットの別
アイス
◎試飲環境
9月中旬夕方、暑い駅ホームにて
◎インプレッション
初夏に「アイスラテ」で新機軸を打ち出してきたサントリーが、
今度はノーマル系缶コーヒーの分野において新たなコンセプトを引っ提げてきた。
缶デザイン、能書きなど全てにおいて、缶コーヒーファンの心を絶妙にくすぐる。
高級豆マンデリン100%、厳選した牛乳使用、人工甘味料不使用、甘さひかえめ。
美味しさ追求の原点に立ち返り、余計なモノを用いず、素材を吟味するという、
まさにシンプルスタイルの名に相応しいコンセプトと言えよう。
さらに香料も不使用であり、ボスらしい香ばしさが味わえそうだ。
試飲への期待が高まる。
原材料名 : 牛乳、コーヒー、砂糖、カゼインNa、乳化剤、安定剤(カラギナン)
まず印象深いのは、なんといってもそのコクのあるミルク感だ。
粉乳やクリームを用いずに、これほど強いミルク感を出しているのはすごい。
そして第二に、豆本来の上質な苦味が活かされている点も特筆される。
苦味とミルク感のコラボレーションは、快感と言えるほど見事。
また、酸味は決して強くはないが、苦味・酸味のバランスと控えめの甘さは、
幾度とない試行錯誤の末に到達したと思われる最高のバランスだ。
単に素材の良さに負ぶさるのでなく、ギリギリのバランスを追求した結果であろう。
無香料なので香りは強くないが、ボスの特長である品の良い香ばしさを持つ。
デリケートなバランスの上に成り立っている味わいなので、
香料による強い香りはむしろ邪魔にしかならないであろう。
後味は爽やかで、変な甘みも残らない。
◎総評
やれ「天然水仕込み」だの「ダブル焙煎」だの「炭焼き」だのといった、
消費者の目を引くだけのために銘打たれた幾多の製品が、バカらしく思えてくる。
この「シンプルスタイル」の目指したものは至って明快だ。
良い材料を用い、余計なものは用いず、基本に忠実に作っただけのことだ。
しかしこの当たり前ともいえる姿勢が、今の飲料業界に決定的に欠けてはいまいか?
「シンプルスタイル」は、タネも仕掛けもない製品だが、
最終的に「よし、この味でいくぞ」のゴーサインのレベルが非常に高い。
欠点らしい欠点を持たないハイレベルな製品を完成させたサントリー開発陣に、敬意を表したい。
香料添加にこだわるJT・キリン、モーニングショットから一歩踏み出せないでいるアサヒ、
そして通俗性を最優先するコカ・コーラ……
少なくとも現段階で、サントリー以外にこの方向性の味を作り出せるメーカーは無い。
◎評価
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ (10点)
※追記
1992年の初代ボス発売以来、筆者の印象といえば長らくの間、
「サントリーボスは香りは良いが、どの製品も甘みが強すぎて評価に値しない」
という厳しいものであった。
しかし現在、サントリーボスは既に筆者の中ではJT・キリン等を超えて、
信頼度No.1のブランドになりつつある。
微糖/ゼロ全盛の時代にあっても、ボスはこのような本格派をしっかり開発してくれるからだ。
(文責:紫布)
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