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◇エスプレッソ? 復刻? ワケわからん
◎アイス/ホットの別
アイス
◎試飲環境
9月下旬昼過ぎ、汗ばむ陽気、埼玉県深谷市「道の駅おかべ」駐車場にて
◎インプレッション
ダイドー復刻堂シリーズのコーヒー製品というのが、筆者はどうも気に入らない。
過去にあった製品を復刻するのならともかく、全てが新開発。
デザインロゴをちょっとレトロにしたり、ウルトラマンのような懐かしい題材を採用しているだけ。
ソーダ水やみかん水、ラムネといった懐かしい飲料を再現するのはまぁ理解できるが、
そもそも昭和前半あたりのコーヒー飲料を現代に再現してどうするのだろうか。
他の飲料はともかく、抽出済みコーヒー製品の技術進歩は一方通行であり、
コーヒーは品質面で「昔のほうが良かった」という部分は無く、懐古趣味の入る余地も無い。
わざわざ、昔のマズいビン入りコーヒーなどを再現する必要性を感じないのだ。
ここにきて、なんと復刻堂ブランドから缶エスプレッソが登場した。
エスプレッソなど、一般にその名が浸透するのは昭和50年代以降のことであり、
缶コーヒーのバラエティの一つとなったのは平成に入ってからだ。
どこがどう「復刻」なのか、よくわからない。
さて、当製品は「侍エスプレッソ」などという勇ましい名前がついている。
戦国時代や幕末に活躍した歴史上人物がデザインされ、その缶デザイン数は12種類。
(中のコーヒーは同じである)
織田信長
伊達政宗
真田幸村
上杉謙信
前田利家
武田信玄
近藤勇
土方歳三
勝海舟
西郷隆盛
高杉晋作
坂本龍馬
ちなみに、今回の試飲品は勝海舟のデザインであった。
人物紹介の他「家紋名鑑」も記載されている。
独自のリアルエスプレッソ抽出で仕上げた骨太で斬れ味鋭い砂糖ゼロコーヒーぜよ。
(語尾に龍馬ファンへの薄汚い迎合が観測される。勝海舟は江戸生まれであり「ぜよ」とは言わない)
原材料名 : 牛乳、コーヒー、調整クリーム、乳化剤、カゼインNa、
甘味料(アセスルファムK、スクラロース)
100g当たり16kcal
デザインや商品コンセプトを論じる前に、まずは試飲結果を述べておきたい。
飲みごたえゼロの、全く印象に残らないレベルだ。
ミルク感だけは強いものの、エスプレッソらしい力強さも苦味もなくボヤケた風味。
マスキングは優れているものの、やはり人工甘味料らしい不自然な甘みと後味が感じられる。
個性と主張に欠けた半端な味で、高温高圧リアルエスプレッソ抽出とやらも眉唾物だ。
デザイン缶蒐集の趣味は無いので、二度と手に取るまい。。
◎総評
コンセプトを端的に表現するならば「歴史ブーム便乗商品」であろう。
中身などどうでもよくて、12種類のデザインをコンプ(完全蒐集)する好事家を対象としているようだ。
以前、ジョージアも戦国武将シリーズ缶コーヒーを出していたが、
中身はジョージアオリジナルなみのひどい味であった。
こういったものをリリースする安易な姿勢は、やはり好ましくない。
やるならば、中のコーヒーでも一定以上のレベルを打ち出すべきであるが、
当製品は能書きばかり立派で、その味は能書きと全く違う。
懐かしくもないエスプレッソを「復刻堂」ブランドでリリースしたことへの疑問、
そして「砂糖ゼロ」を強調しながら人工甘味料の使用を大きく明記しない不誠実さ、
そして「力強い味わい」「程よい苦味」「斬れ味鋭い自然な甘さ」という公式サイトの妄言。
こういうコマーシャルで実質を伴わない企画そのものが嫌いだ。
ビバレッジカンパニーとして、長期的人気を狙える質実な製品開発に挑んでほしい。
デザインバラエティで刹那的な話題を提供するのではなく……
◎評価
☆☆☆☆★★★★★★ (4点)
(文責:紫布)
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