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飲料業界においては、冷やしたドリンクを示す英語は原則として「コールド」である。
「ホットでもコールドでもおいしくお飲みいただけます」という表記もよく見かける。
しかし、当ブログでは一貫して、冷たい状態で飲む缶コーヒーを「アイス」と表現している。
レビュー項目でも「アイス/ホットの別」と表現しており、コールドという表現は一切用いていない。
当ブログで「アイス」という言葉を使うのは、“アイスコーヒー”という使い慣れた言葉に起因する。
「アイスコーヒー」というのは和製英語と考えてよい。
熱湯で抽出したコーヒーを丸ごと冷蔵庫などで冷却し、冷たい状態で飲む、それがアイスコーヒーである。
しかし、英語の「アイス(ice)」は実際には、“冷たい”というよりむしろ“氷”の意味合いが強い。
英語圏で使われる、「アイスコーヒー」に似た言葉としては、「iced coffee」がある。
濃い目に抽出したコーヒーを、特に冷却しないまま氷の上から注いで冷やして飲むという、
即ち「ホットコーヒー・オン・ザ・ロック」とでも言うべき飲み物である。
「アイスコーヒー」と「iced coffee」の違いがおわかり頂けるであろう。
さて、氷とは関係なく冷蔵庫でしっかり冷やした、ある意味で日本独自とも言える(?)日本のアイスコーヒーは、
確かに単語で考えると、単純に液温に着目した「コールド」のほうが表現として自然である。
氷を入れているワケでもない缶入りコーヒーならば尚更であろう。
しかし、日本ではアイスコーヒーという飲み物が古くから定着している。
もともとビン入りコーヒー牛乳であれUCCオリジナルであれ、冷たいままのむことを前提として発売された。
つまりこれらは、日本版“アイスコーヒー”を容器に詰めて売ったことになる。
かつてキリン「ジャイブ」が初のホット専用・アイス専用缶コーヒーをリリースした頃、
コールドなんて表現は全く使われていなかったと思う。
しかし昨今、缶の表記は基本的に「ホット」「コールド」であり、
むしろ敢えてアイスという表現を忌避しているかのようだ。
しかし、例えばコーヒーをメニューの中心に据える喫茶店で「ホット」と注文すれば、
それは特に説明しなくてもホットコーヒーを意味する。
「ホットの何ですか? 紅茶? ココア?( `∀´)」などと無粋な確認をしてくる店員は、いずれ淘汰される。
同様に、暑い日に喫茶店に入って「アイスふたつね」と注文すれば、それはアイスコーヒーのことだ。
「へ? アイスって何? アイスクリームですか?( ゚д゚)」などと切り返す店員は、いずれ駆逐される。
つまり日本のコーヒー界においては、「ホット」の対義語は「アイス」なのだ。
要するに、だ。
日本では、冷たいコーヒーは断じて「アイスコーヒー」なのだ。
間違っても、「コールドコーヒー」などではない。
それを、缶コーヒー大国・日本の矜持とすべきだ。
「アイスコーヒー」と「コールドコーヒー」、どちらが旨そうに聞こえるか?
氷を使ってないから「アイス」じゃなくて「コールド」だって?
そんなことを言ったら、コールドの語感だって「凍るど」って感じじゃないか。
……といった旧弊な島国根性的アイスコーヒー観を引っ提げて、
今日も筆者は缶コーヒーを「アイス」で飲むのである。
グビッとな。
(文責:紫布)
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2011年11月09日
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