.
缶コーヒーを飲むという行為における一連の所作を分析すると、
1. 開栓する
2. (缶コーヒーマニアは)飲む前に香り(匂い)をチェックする
3. 軽くひと口含み、口の中で味わう
4. ゴクリと飲み込んで、鼻腔に香りを抜いて余韻を味わう
5. ひと口目よりも多目に、数回に分けてゴクリゴクリと飲む
6. 最後まで飲み干して、口や鼻に残った余韻を楽しむ
7. スカした仕草で空き缶を捨て、クネクネと立ち去る(任意)
さて、飲み込んだ後の余韻を口腔・鼻腔で味わうという意味で「後味」と呼べそうなものが、
4と6で発生していることがわかる。
しかも3〜4が缶コーヒーを飲み干すまで数回繰り返されるワケであるから、
ゴクリと飲み込むたびに「後味」は発生する。
筆者は、一本飲み干したのちの余韻たる「後味」(要するに6)を、評価上ことさら重視している。
4と6の「後味」は、似て非なるものだ。
筆者の重視する6は、個人的に「飲後感」という造語を用いており、 当ブログでも度々使っている。
飲後感とは、缶コーヒー飲用の完了の大事な要素であり、
1〜6の一連の所作を物語と捉えるならば、飲後感をとことん味わい尽くしてこそ物語が完成する。
飲後感の軽視は、映画のエンディングクレジットも見ずにサッサと席を立って出口に向かうのにも等しい、
余韻を楽しむ精神の欠如と言わざるを得ない所業であろう。
(7までやらないと気が済まないという人は、それはそれで問題アリだが)
さてこの飲後感であるが、評価基準は大きく分けて二つ。
一つは「持続性」、もう一つは「引き」であり、両者は基本的に相反する。
甘さ控えめで香りや味の抜群な製品であれば、後味が長時間持続することは大変好ましいが、
甘みの強い製品であれば、むしろ後味はサッと短時間で引いてくれたほうが良い。
当ブログでは後者を「後味の引きが良い」「後味のキレが良い」などと表現している。
製品カラーを充分に考慮しつつ、後味を持続性か引きかで評価し分ける。
これもまた、缶コーヒー批評の楽しみのひとつてあろう。
(文責:紫布)
.
|