独断法人・日本缶コーヒー評価機構

ペットボトル全盛時代に待ったをかける、素晴らしき缶珈琲の世界…なんつって。ブヒャヒャ

サントリー

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ガテン系従事者の癒しの一本を意識したという、
甘くて香りの強いボスのラインナップ。
しかし、例外もあるにはある。
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◇「極み」とまではいかないものの
 
 
◎アイス/ホットの別
アイス
 
 
◎試飲環境
4月下旬深夜、職場休憩中に
 
 
 
◎インプレッション
サントリーボスから、またまた缶コーヒーファンの心をくすぐるような製品が登場した。
あくまでもメインストリーム系を重視するボスならではの開発意図といえる。
昨年発売されヒットしている「シンプルスタイル」が、余計な物を極力排したシンプル構成を目指したのに対し、
今回の製品では製法上の方法論をより深く追求し、「個性」を重点に置いている感じだ。
 
しかし表面的な語感としては「洗練」イコール「シンプル」であり、
それこそシンプルスタイルのほうが「洗練の極み」のに相応しいと感じさせてしまうのが弱点であろう。
そこで今回は、両製品を比較試飲することによって、両者の持ち味の違いを探る。
 
缶珈琲職人
 
二段焙煎・清澄 仕上げ
 
丁寧に二度焙煎して
コクを引き出した豆を
バランスよくブレンド。
雑味を抑え、すっきりとした
後味に仕上げました。
缶珈琲職人こだわりの逸品です。
 
原材料名 : 牛乳、砂糖、コーヒー、クリーム、カゼインNa、乳化剤
(栄養成分表示なし)
 
開缶時に立ちのぼる香りの強さは特筆すべきものだ。
非常に香ばしく高貴で、鼻腔を絶妙に刺激してくる。
口当たりの印象としては、強い甘さと気品ある酸味が特徴。
この酸味の強さは、シンプルスタイルには無かった個性であるが、嫌味の無いストレートな酸味。
上品な香りは、無香料とは思えないほど馥郁と香り続ける。
二段焙煎とは、同じ豆を二度に分けて焙煎する技術らしいが、どういった効果があるのかは不明。
味わいとしては深煎りの印象のほうが強く、コーヒー感は抜群である。
しかし、いかんせん甘みが強すぎる。
コーヒー部分の完成度や、ミルク感とのバランスが申し分ない「洗練の極み」となっているだけに、
この強い甘さはかなり邪魔に感じてしまう。
ボスのお約束としてカロリー表示が無いが、この甘さはどう考えても34kcal/100g以上はあろう。
「何でもかんでも甘さ控えめのほうが良い」などとは言わないつもりだが、
製品カラーを考えると、もう少し控えめのほうが良い。
後味の引きの良さも、砂糖の強さがやや邪魔になっている気がする。
 
 
 
◎総評
やはり洗練の極みというネーミングは、「シンプルスタイル」のほうにこそ相応しい気がする。
飲み比べてみると、マンデリン単豆でギリギリのバランスを追求した「シンプルスタイル」こそ洗練の極致であり、
今回の製品は甘みが強すぎるぶん「レインボーマウンテンブレンド」などとの差別化が稀薄になっている。
ただしネーミングの問題を別にすれば、いかにもボスらしい香ばしさと本格感を備えた一本であり、
香り・コーヒー感・濃度感など全方位的に一流の出来栄えと言えよう。
体が甘さを求めている時は、シンプルスタイルよりも即効性が高いだろう。
 
それにしても「缶珈琲職人」、良い響きである。
微糖やゼロのブームに流されない、頑固な職人気質が感じられるフレーズ。
 
 
 
◎評価
☆☆☆☆☆☆☆☆☆★ (9点)
 
 
(文責:紫布)
 
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◇欺瞞同然の売り文句の数々に失望
 

◎アイス/ホットの別
アイス
 

◎試飲環境
3月上旬午後、快適な自室内にて
 
 
 
◎インプレッション
ボスの新製品は、全くの新機軸だ。
ミルクとコーヒーという基本的素材にこだわりつつ、砂糖不使用だという。
缶デザインも良く、若干の期待感が湧き上がった。
 
しかし、よくよく考えると…… おかしなところがある。
缶の表記をよく読んで頂きたい。
 
HALF&HALF
 
コーヒーの苦み × ミルクの甘み
砂糖不使用
 
あえて砂糖を使用せず、
厳選したコーヒー豆と上質なミルクを合わせました。
「きりっとした苦み」と「やさしい甘み」が
両立した味わいです。
 
原材料名 : 牛乳、コーヒー、クリーム、脱脂粉乳、乳清ミネラル、デキストリン、カゼインNa、
        乳化剤、香料、安定剤(カラギナン)、甘味料(アセスルファムK、スクラロース)
100g当たり13kcal
 
これ、何だかおかしくないか?
 
まず、「HALF&HALF」という商品名と、「コーヒーの苦み×ミルクの甘み」の併記だ。
これだと、牛乳50%・コーヒー50%のようにに感じられるが、
よく見ると「牛乳とコーヒーを等量混ぜました」とはどこにも書いていないのだ。
公式サイトにも、牛乳50%などという情報はどこにも無い。
実際、開缶して中身をグラスに注いでみても、とてもじゃないが牛乳50%の色ではなかった。
公式サイトでは「ハーフ&ハーフで仕上げました」と書いてあるが、
これはおそらく「コーヒーと牛乳の比は1:1だが、そこにさらに加水して薄めて作った」と推測される。
(そもそも、牛乳1:コーヒー1のみで作れば、それは紛れも無く「カフェオレ」に他ならない)
 
次に、ことさら「砂糖不使用」を強調、しかも「ミルクの甘み」などと書いておきながら、
原材料表示を見ると人工甘味料がしっかり使われているではないか。
「ミルクの甘み」
「やさしい甘み」
「砂糖不使用」
などと書かれたら、消費者はどう思うだろうか?
牛乳由来のほのかな甘みを活かし、砂糖も甘味料も一切使われていない、と錯覚するだろう。
しかし実際には、人工甘味料が添加されており、しかもその事実は原材料欄以外に明記されていない。
仮にミルク自体に少し甘さがあったとしても、人工甘味料で塗り潰されてしまうだろう。
 
……だんだんあやしくなってきた。 とりあえず試飲だ。
 
予想通り、本当にただのミルク入り糖類ゼロコーヒーだ。
しかも人工甘味料は結構多めで、エグ味はよく抑えてあるものの、どう考えても「やさしい甘み」などではなく、
ましてや「ミルクの甘み」など微塵も感じられない。
ボスらしい香ばしさは健在だが、これも香料によるもののような気がする。
なにせ人工甘味料以外にも「乳清ミネラル」「カラギナン」「カゼインNa」「デキストリン」といった混ぜ物だらけで、
最初のイメージであった「牛乳とコーヒーのシンプルなコラボレーション」が全くの幻想となってしまっただけに、
比較的香ばしいその香りまでもが「ふん、どうせ香料だろう」と白眼視してしまうのだ。
マスキング技術はなかなかのものだが、とにかく必要以上に甘く、しかも人工甘味料によるものなので、
どうしても後味はやや不快になってしまう。
同じボスで人工甘味料使用なら「贅沢微糖」のほうがまだ飲める味であろう。
 
 
 
◎総評
缶コーヒーファン心理をくすぐる製品名と能書きで、結果としては大きく裏切られた。
他の二流三流メーカーならともかく、サントリーボスがこれをやってはいけないだろう。
表記を無視して単純に中身だけを評価するならば、糖類ゼロ系として一般的な出来だが、
今回は敢えて、消費者を混乱させる表記の数々に対する不満も評価点に加味させていただく。
 
 
 
◎評価
☆☆☆☆☆★★★★★ (4.5点)
 
 
(文責:紫布)
 
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◇ボス共通の好バランスと後味
 
 
◎アイス/ホットの別
アイス
 
 
◎試飲環境
1月下旬夕方、快適な自室内にて
 
 
 
◎インプレッション
ここのところ好製品を連発しているサントリーボスから、今年の新製品。
昔の日野自動車の「羽マーク」を連想させる翼つきのBOSSエンブレムが特徴的だ。
 
“目覚める深煎り”
シャキッと目覚める深煎りコーヒーのコク、
まろやかなミルクとほどよい甘さ。
 
原材料名 : 牛乳、砂糖、コーヒー、脱脂粉乳、乳清ミネラル、クリーム、カゼインNa、
        乳化剤、香料、安定剤(カラギナン)
カロリー表示無し
 
味わいとしては甘めで、ボスレインボーマウンテンに近い性格であるといえる。
しかし深煎りの苦味と、舌の両脇を穏やかに刺激する酸味があり、そのバランスはさすがである。
ミルク感は必要にして十分という雰囲気で、これもバランス感演出に一役買っている。
気のせいか、ほんのわずかココアのような香りを感じたが、香料によるものかもしれない。
しかし香料の使い方はジョージアエメラルドマウンテンやヴィンテージレーベルよりも「隠し味」に徹している。
違和感を感じさせず、コーヒー本来の香りを大事にするボスならではの作りだ。
確かに朝の一本に適した「目覚める深煎り」だが、多少甘みが強いので好みが分かれるかもしれない。
筆者の推測では、おそらく100g当たり34〜35kcalであろう。
 
 
 
◎総評
微糖製品は別として、最近のボス新製品は大きくハズすことがなく、安心して飲める。
この新製品も、いかにもボスらしい、豊かでクセの無い香りと後味が楽しめる一本だ。
全体を品良く抑え目にした「シンプルスタイル」に対して、こちらはややパワフルで甘みも強い。
無風状態の飛行機雲のように長く棚引く後味を楽しみたい。
 
赤い缶と「一日の始まり」云々というコンセプトは、アサヒのワンダモーニングショットに共通するが、
どちらかと問われれば、個人的には当製品のほうを「朝の一本」としてセレクトしたい。
モーニングショットは確かに旨いが、ミルク感と「全体の締まり」の両立という点では当製品が優位か。
 
 
 
◎評価
☆☆☆☆☆☆☆☆☆★ (8.5点)
 
 
(文責:紫布)
 
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◇香ばしさは良いが 存在感薄い


◎アイス/ホットの別
アイス


◎試飲環境
10月中旬昼、快適な自室内にて



◎インプレッション
珍しく「ボス」の全身像が描かれた缶デザインだ。
(ちょっと小男っぽい体型と頭身なのが残念)
脂肪ゼロ・砂糖ゼロという“ゼロ”カテゴリの製品。
サントリーボスは微糖やゼロの製品にしかカロリー表示をしなくて、ちょっとズルい。

脂肪ゼロ・砂糖ゼロ
すっきりしたミルクと甘さ、
スマートに味わう大人のゼロ


原材料名 : 牛乳、コーヒー、脱脂粉乳、乳清ミネラル、乳糖、カゼインNa、
        乳化剤、香料、甘味料(アセスルファムK、スクラロース)
100g当たり11kcal


開缶すると、ボスらしい素直な香ばしさが鼻をくすぐる。
しかし同時に、コーヒーとしての薄さも感じてしまった。
飲む前だというのに、である。
どうもこの臭いの傾向は、微糖やゼロ全般に共通している気ががしてならない。
そして、口に含んでみるとやはり想像通りの味だ。
甘味料云々以前に、コーヒー感もミルク感も異常に薄い。
「ワンダ ゼロマックス」に少し似ているかもしれない。
甘みは想像より強いが、特別甘いコーヒーというわけではない。
しかし、後味はまさに人工甘味料のそれであり、不快感は強くないものの、飲後感は良くない。



◎総評
味を云々する前に、まず述べておきたいことがある。
それは、この製品が「砂糖ゼロ」を売りにしていながら、乳糖を使用している点だ。
乳糖(ラクトース)は1g当たり約4kcalであり、実は蔗糖とほぼ同じカロリーを持つ。
乳糖添加が悪いとは言わないが、この売り方は些か卑怯なのではないか。

さて、味については上でレビューした通りで、まったく取るに足らない。
他社よりはマスキングに優れるものの、やはり人工甘味料の味が気になってしまう。

ゼロを売りにするのも、それを求める需要があってこそなので、何も言うまい。
しかし、「すっきりしたミルクと甘さ」「スマートに味わう大人のゼロ」といった謳い文句は、
甘味料臭のする稀薄なコーヒーを無理やり美化しているようで不愉快だ。
「メタボのことを考えれば、このぐらい不味いのは仕方ありませんよね」ぐらいに開き直ってほしい。

微糖やゼロの製品を選択するのは、ノーマル製品より明らかに美味しいとか、
甘さがスッキリしているとか、そんな理由ではあるまい?
「カロリーは摂りたくないけど、コーヒーは飲みたい。でもブラックは苦手で……」
という程度の理由で選択しているのが現状であろう。
それを「すっきりした大人の味わい」のように表現するのはおかしいのだ。
微糖やゼロの存在価値は、病院食のそれとほぼ同じなのである。
「普通の料理より病院食のほうが美味しい」などといって食べる人はいるまい。




◎評価
☆☆☆★★★★★★★ (3点)


(文責:紫布)

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◇堅実さ徹底追求 この秋の最高傑作か


◎アイス/ホットの別
アイス



◎試飲環境
9月中旬夕方、暑い駅ホームにて



◎インプレッション
初夏に「アイスラテ」で新機軸を打ち出してきたサントリーが、
今度はノーマル系缶コーヒーの分野において新たなコンセプトを引っ提げてきた。
缶デザイン、能書きなど全てにおいて、缶コーヒーファンの心を絶妙にくすぐる。
高級豆マンデリン100%、厳選した牛乳使用、人工甘味料不使用、甘さひかえめ。
美味しさ追求の原点に立ち返り、余計なモノを用いず、素材を吟味するという、
まさにシンプルスタイルの名に相応しいコンセプトと言えよう。
さらに香料も不使用であり、ボスらしい香ばしさが味わえそうだ。
試飲への期待が高まる。

原材料名 : 牛乳、コーヒー、砂糖、カゼインNa、乳化剤、安定剤(カラギナン)

まず印象深いのは、なんといってもそのコクのあるミルク感だ。
粉乳やクリームを用いずに、これほど強いミルク感を出しているのはすごい。
そして第二に、豆本来の上質な苦味が活かされている点も特筆される。
苦味とミルク感のコラボレーションは、快感と言えるほど見事。
また、酸味は決して強くはないが、苦味・酸味のバランスと控えめの甘さは、
幾度とない試行錯誤の末に到達したと思われる最高のバランスだ。
単に素材の良さに負ぶさるのでなく、ギリギリのバランスを追求した結果であろう。
無香料なので香りは強くないが、ボスの特長である品の良い香ばしさを持つ。
デリケートなバランスの上に成り立っている味わいなので、
香料による強い香りはむしろ邪魔にしかならないであろう。
後味は爽やかで、変な甘みも残らない。



◎総評
やれ「天然水仕込み」だの「ダブル焙煎」だの「炭焼き」だのといった、
消費者の目を引くだけのために銘打たれた幾多の製品が、バカらしく思えてくる。
この「シンプルスタイル」の目指したものは至って明快だ。
良い材料を用い、余計なものは用いず、基本に忠実に作っただけのことだ。
しかしこの当たり前ともいえる姿勢が、今の飲料業界に決定的に欠けてはいまいか?
「シンプルスタイル」は、タネも仕掛けもない製品だが、
最終的に「よし、この味でいくぞ」のゴーサインのレベルが非常に高い。
欠点らしい欠点を持たないハイレベルな製品を完成させたサントリー開発陣に、敬意を表したい。

香料添加にこだわるJT・キリン、モーニングショットから一歩踏み出せないでいるアサヒ、
そして通俗性を最優先するコカ・コーラ……
少なくとも現段階で、サントリー以外にこの方向性の味を作り出せるメーカーは無い。



◎評価
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ (10点)



※追記
1992年の初代ボス発売以来、筆者の印象といえば長らくの間、
「サントリーボスは香りは良いが、どの製品も甘みが強すぎて評価に値しない」
という厳しいものであった。
しかし現在、サントリーボスは既に筆者の中ではJT・キリン等を超えて、
信頼度No.1のブランドになりつつある。
微糖/ゼロ全盛の時代にあっても、ボスはこのような本格派をしっかり開発してくれるからだ。


(文責:紫布)

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