独断法人・日本缶コーヒー評価機構

ペットボトル全盛時代に待ったをかける、素晴らしき缶珈琲の世界…なんつって。ブヒャヒャ

ヴィンテージ缶コーヒー

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我が機構で保有する古い缶コーヒー(中身入り)を、写真で紹介してゆく。試飲は不可能なので、外装や、当時の時代背景、缶コーヒー情勢などに触れてゆく。
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1990年代前半、缶コーヒー界はまだまだ250gが主流であった。


コーラや緑茶などの、他の缶入り飲料が350g缶を採用しはじめ、価格据え置きで買い得感を増す中、
190gのショート缶はあくまで「量は少ないけど中身はそれだけ本格派」という特別扱いであった。
納得のゆく付加価値がないと、190g飲料はなかなか買ってもらえない時代であったのだ。

当初から190gショート缶でスタートしたポッカやダイドーも、
ラインナップの一環として250g缶の品種も揃えざるを得なかった。
本格派の缶コーヒーが飲みたい人は190gを、質より量重視の人は250gを、という図式である。
ポッカにおいては、「ミスターコーヒー」と「Mコーヒー」が250gの代表品種であった。
(ミスターコーヒーは一旦廃止後ショート缶で復活、その後消滅)


1987年発売のキリン「Jive」は、当初から多くのバラエティを取り揃えていたが、
ごく初期にはまだ250g缶を3種類もラインナップしていた。
基幹商品「ザ・ブレンド」、そして「クリアテイスト」「カフェオレ」である。
しかし、Jiveの缶コーヒー改革は、業界において「190gでもイケる」という手応えを感じさせた。
「キリマンジャロブレンド」「コロンビア100%」「ヨーロピアン」といった付加価値を与えることにより、
190g缶コーヒーは徐々に種類を増やし、市場に浸透していった。
折からの健康志向・ダイエット志向もあり、ノンカロリーの缶緑茶・缶烏龍茶が市民権を獲得し、
高カロリーの250g缶が徐々に敬遠されていったのも一因であろう。


さて、現在はどのメーカーもロング缶は1〜2種類しか販売していない。
メーカーの「顔」である伝統の基幹商品(ジョージアオリジナル)という例や、
売上は多くないものの根強い人気があるためラインナップからはずせないものまで。
250g製品はなかなか全廃にはならないものの、「190g120円でも売れる」という認識が業界に定着した現在、
250gロング缶の復権は難しいところであろう。


本日紹介するのは、付加価値をつけながら250g缶で発売されていた時代の末期の一品。
1993年製造の「ポッカ モカ100」である。

イメージ 1



◎ポッカコーポレーション「モカ100」
製造年月日:1993年10月20日
内容量:250g
品名:コーヒー
(※日本缶コーヒー評価機構認定 缶コーヒー有形文化財 登録第504221638号)


現在では、単豆系製品で250gロング缶なんて到底考えられないところだ。
缶は、常緑樹の葉のように濃い緑色をベースに、非常にシンプルにデザインされている。


イメージ 2


このように「甘さ」「コーヒー感」を星の数で定量的に表現するのがポッカの大きな特徴であったが、
この手法は近年になって廃止されてしまった。
これをアテにして缶コーヒーを購入する消費者が減ったということだろうか。



そして、業界初の「缶コーヒー専用遠赤外線焙煎器」を導入したポッカが、
当時積極的に売り込んでいた「遠赤焙煎(えんせきばいせん)」の遠赤マーク。
CMでの柴田恭兵氏による「遠赤 焙煎!」のキャッチを懐かしく思い出す方も多いことであろう。

イメージ 3

「セラミック 遠赤コーヒー」と書いてある。
当時のポッカ缶コーヒーは全てこのマークを誇らしげに掲げていたものだ。
現在では他社でも遠赤外線焙煎器を導入したところが増えたため、
ポッカも遠赤焙煎を特に大きく謳うことはなくなってしまった。


当製品は、缶コーヒー界の主流が250gから190gへと移行する過渡期の貴重な史料として、
日本缶コーヒー評価機構事務局ブログ課の押し入れの小汚いダンボールの中に厳重に保管されている。


正直に申し上げて、当時飲んだ時の味は全く思い出せない。
前回紹介の「ジョージア ヨーロピアンブレンド」は割に個人的定番としていたが、
こちらの製品は頻繁に飲んでいたわけではないので、味の記憶があまりハッキリしない。
250g缶特有の薄い味わいだったような気がするが……

ところで、この製品で少々気になるところがある。
「モカ100」とは書いてあるが、「モカ豆100%使用」とはどこにも書いていないのである。
「100%」の意味であると考えるのが自然であるが、
この「100」がモカのパーセンテージであるという保証はどこにもない。

だが「豆の品種名を表示する場合は、その豆を100%使用していること」、そして、
「豆の品種と“ブレンド”を併記する場合、その豆を51%以上していること」が法律で定められている。
この製品は「モカ」とだけ表記してあるので、書いてある数字が100だろうが50だろうが、
中身はモカ100%でなければならない。

昨年、エチオピア産モカから基準値を超える残留農薬が検出され、輸入規制がかかっている。
もともとモカはエチオピアの対岸イエメンが原産だが、日本のモカはエチオピア産が大半であったため、
現在モカは缶コーヒーなんぞに使用できるような安上がりな豆ではなくなってしまった。
(イエメン産はエチオピア産よりずっと高価である)



現在ポッカには「Mコーヒー」「ミルクカフェ」の2種類の250g缶が存在するが、
いずれも自販機ではほとんど見かけない。
ミルクカフェはおそらく、ポッカの短命ブランドだった「1st Drip」のミルクカフェの後継品であろう。



(文責:紫布)

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筆者所蔵の中身入り缶コーヒーを順次紹介してゆく書庫「ヴィンテージ缶コーヒー」。

今回はその第1弾として、ジョージア ヨーロピアンブレンドを。

イメージ 1




◎北陸コカ・コーラボトリング「ジョージア ヨーロピアンブレンド」
製造年月日:1993年9月30日
内容量:250g
品名:コーヒー飲料
(※日本缶コーヒー評価機構認定 缶コーヒー有形文化財 登録第435817201号)



イメージ 2

イメージ 3


写真では黒色っぽく見えてしまっているが、缶のベース色は鮮やかな濃い藍色である。

1975年デビューのジョージアは長年の間、西部開拓時代っぽいシャレたロゴを使用していたが、
1993年に突如として、上の写真のようなノッペリとしたつまらない書体の「GEORGIA」になってしまった。
筆者も当時たいへん違和感を覚え、
「デザインに味わいがなくなった。缶コーヒーはデザインも味のうちなのに」
と、たいそう憤慨したものである。
今思えば、あの時感じた忿懣と、缶コーヒー界の行く末を憂う切なる想いこそが、
日本缶コーヒー評価機構設立の原動力となったのではないかと思う。(嘘)



ヨーロピアンブレンド登場前のジョージアは、地方ボトリング各社の限定品を除いては、
オリジナル・ブレンド・テイスティ・カフェオレぐらいしか無かった。
その代わり、コカ・コーラのお茶系部門である「SIMBA(神葉)」ブランドが登場する前は、
デザインをほぼそのままに、缶のベース色を臙脂色にした「ジョージア ミルクティー」があった。
コーヒーでないジョージアが実在したのである。
(筆者はこのジョージアミルクティーが結構好きであった)
サブブランド「ジョージアクラブ」ではココアも存在していたのだ。

さて、このヨーロピアンブレンドであるが、1992年に登場した。
1987年発売のキリンJiveの豊富なラインナップに触発されたのか、
各社とも缶コーヒーの種類・バラエティを一気に増やしてきた時代である。
缶にはキャッチフレーズも能書きも一切無い無機質なもので、
このコーヒーの何をもって「ヨーロピアン」たらしめているのかは不明である。


写真の商品は北陸コカ・コーラ製となっているが、それもそのはず、
当初は北陸コカ・コーラ限定でテストリリースされた製品であった。
その後全国発売となるが、現在ショート缶の人工甘味料入り微糖となった「ヨーロピアン」とは、
味も香りも方向性も全く異なるものであり、後継製品というワケではない。


当時神奈川県在住だったのに、なぜ北陸コカ・コーラの製品が筆者宅にあるのか。
もともと旅好き・植物好きな筆者は、おそらくこの1993年に富山県魚津市の埋没林博物館を訪れている。
その際に購入したものと考えられるが、よく憶えていない。

さて、この製品の「味」を、当時の記憶から掘り返してみると、
量は多いが全体に水っぽく、甘さもそこそこだった印象がある。
しかし、当時まだ主流だった「オリジナル」がしつこい甘さだったため、
キリンJiveが入手できない状況下ではこのヨーロピアンブレンドもよく飲んだものである。



なお余談だが、当時はまだ食料品には「製造年月日」のみが記載されており、
現在のように「消費期限」「賞味期限」を記載しなくてもよい時代であった。
缶入り飲料の賞味期限は、製造日からおおよそ1年間である。

缶コーヒー実飲レビューを旨とするブログではあるものの、
さすがに賞味期限を14年8ヶ月も過ぎた本製品を飲んでみようという気にはならない。
仮に腹をこわしたとして、病院で「実は15年前の缶コーヒーを飲みまして……」とは打ち明けられまい。



(文責:紫布)

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実は筆者は、1990年代初頭から1998年頃にかけて、
中身入りのままの缶コーヒーをコレクションしていた。
その総数は最多時で約250本であった。


空き缶コレクションではないので大変であった。

旅行に出かけたりすると、メジャーメーカーの地域限定モノを発見したり、
見たこともないような地元乳業会社製の缶コーヒーに巡り逢ったりした。

中身入り缶コーヒーコレクターであると同時に「缶コーヒー飲み」でもあった筆者は、
当然のことながらこういった商品は常に「試飲用」と「コレクション用」の2本を買わねばならない。
旅先のある場所で一気に4種類の缶コーヒーを発見したとなれば、全部で8本購入。
その場で試飲できるのはせいぜい2本なので、あとの6本は旅行荷物に入れて持ち歩くことになる。
重いのなんの。

そんな苦労をしながら、友人(日本缶コーヒー評価機構構成員の一人)と情報交換したり、
缶コーヒーコレクションの保管法や整理陳列法についてアツく語ったりしたものであった。 と思う。


現在でこそDOS/Vを自作するぐらいのPC使いになった筆者ではあるが、
実はPCに触れ始めたのは2001年の春と非常に遅い。
もしも、あと数年早くインターネットに親しんでいたならば、
全国の缶コーヒーコレクターと突っ込んだ情報交換を繰り広げていたかもしれない。


さて、大量のコレクションはその後どうなったかというと、
2004年秋の引っ越しの際に大半を処分してしまった。
当時の経済的事情から、引っ越し荷物を極端に減らす必要が生じたためである。

今思えば本当にもったいないことをした。
当時はネットオークションもあまりやらない人間だったので、
コレクター向けに出品しようという発想も出てこなかったのである。

全て製造後5〜10年以上経過した賞味期限切ればかりだったので、
処分の際に開缶してみると中身はミルクの脂肪分がかなり固まっていた。
ドボドボドボ…… と台所の流しに捨て、次の一本をまたドボドボドボ……
で、空き缶はゴミの「あきかんの日」にまとめて捨てた。

嗚呼、本当にもったいないことをした。

リストなども作成していなかったし、写真も残っていない。



現在であるが、他の引っ越し荷物に紛れ込んでいた古い缶コーヒーが何本か残っているだけである。
これらについては、この新書庫「ヴィンテージ缶コーヒー」で順次紹介してゆく所存である。


(文責:紫布)

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