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福島県立医科大(福島市)が災害時の新たな通信網整備に乗り出した。「アマチュア無線技士」の資格を持つ医師5人のグループが大学内に無線局を開局し、今月送受信を開始した。県内の愛好家らと情報伝達訓練を重ねつつ、他の医療機関にも参加を呼び掛ける方針だ。

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グループは「県立医科大アマチュア無線クラブ」。研究棟の屋上に11日、無線アンテナ3本を取り付けた。研究室の一角にブースを設け、トランシーバーなどを配置。扉にはクラブのコールサイン「JE7ZEI」の文字を記した。

 東日本大震災で自治体や他の医療機関と連絡が取りにくくなったことを教訓に、アマチュア無線で情報を収集、発信する態勢をつくるのが狙い。停電しても付属病院の自家発電で電源を確保し、手術室の空き状況や薬の在庫を確認できるようにするという。

 「私たちは電話とインターネットに依存しすぎている。特に医療機関が連絡手段を失うと重大な結果につながりかねない」。アマチュア無線歴約50年で、クラブ会長の黒田直人教授(法医学)は強調する。

 クラブは開局後、郡山市内の愛好家でつくる「郡山市民アマチュア無線実行委員会」と災害時の連携協定を締結。今月1日には同市の総合防災訓練に合わせ、合同で通信訓練を行った。

 県内全域をカバーする通信網構築には、電波を遠くまで飛ばす中継局の設置が鍵になる。既に伊達市の北福島医療センターと南相馬市立総合病院にあり、クラブは「空白域」の会津、いわき両地区の医療機関に働き掛ける考えだ。

 黒田教授は「アマチュア無線は情報を多数の相手に一斉に伝えたり、相互にやりとりしたりできる。まず大学病院が動きだすことで、他の医療機関も後に続きやすくなるのではないか」と期待する。

 東北の医療機関では、日本赤十字社の各県支部に無線局があり、「アマチュア無線奉仕団」が情報提供などに協力。岩手県内の全ての透析施設が参加する「岩手透析ネット」も、代替通信手段にアマチュア無線を活用している。

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