無題
『母の日記帳』 プロローグ
10月4日
布団の中から外の音を確認する。
水をはじくタイヤの音、雨だと気付き布団をかぶった。
目をつぶったところでもう寝むれないことがわかった。
それでも目じりのシワを気にせず、ぎゅっと目をつぶる。
情けなくて寂しくて・・・・涙はいつまで出続けるのか?
自分にも誰にもわからない。
ただ、今の自分に出来ることは涙を出すこと以外なにもなかった。
恥を忍んで出たテレビ番組。
司会者から最後に奥さん、一言!と言われ
初めて素直に「あなた帰ってきて!」と叫んだ。
私の怒鳴り声に慣れたはずの徹も隣でびっくりしていた。
あんなに大きな声で叫ぶ自分、今思えば滑稽だった。
「家族が・・・君らが僕の負担だった」
死ねといわれるほうがマシだと思った。
母親の日記はここで終わっていた。
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