=立川テント村通信=
● 朝雲レポート(7/28〜9/22号) ◆ 8月2日、今年の
防衛白書が閣議で了承された。今年3月施行の安保関連法について独立した章を設け、20ページを割いてていねいに解説(8/4)。
翌週の朝雲紙面では、1ページ使って
白書の概要を紹介している。
南シナ海で中国が大規模な埋め立てをすすめているようすを衛星写真で解説。
昭和59年以降の
スクランブル発進回数のグラフも、カラーで厳しい安保環境を伝える。
ハイレベル防衛交流実績という地図は、
防衛首脳との対話・訪問回数5回以上の国が赤く塗られていて、明らかにこれは中国包囲網だ(8/11)。
読者に危機感を伝えたいという工夫が伝わるが、しかし紙面での紹介は
これ1回限り。
米国の国防報告を何回も大きな紙面で連載していたのとは大違い。いったいどういうつもりなのか。
◆ 8月3日、第3次安倍内閣の
防衛相に稲田朋美が就任。右派として有名で、安倍の後任とも目される人物である(8/11)。
毎年8月15日には必ず靖国神社に参拝していたが、今年の8月15日は
ジブチ視察。
パイロットスーツとサングラスでP3Cに搭乗、洋上から無線で隊員を激励した(8/25)。海外からも注目される中で靖国へ行かないようにとの安倍の配慮、という説もある。
◆ 空自の
次期主力戦闘機F35A初号機の写真を空自がホームページで紹介した。まだ米ロッキード社の工場にあるが、ステルス塗装は終わっていて、日の丸も赤くなくてグレー。試験飛行の後
10月に空自に引き渡され、米国内で空自パイロットの操縦訓練が行われる予定(8/25)。
最初は三沢に仮の部隊ができるが、
横田に隣接するIHIがエンジンのメンテナンスをすることになるので、いずれ日の丸ステルス機を三多摩で見ることにもなるだろう。ただし
機体にトラブルとのニュースもあり、日程は遅れるかも。
◆ 8月31日に
来年度予算概算要求と業務計画を提出。
「過去最大5兆1685億円」の見出しが大きい(9/1)。
陸自に
陸上総隊を新設、本部は
朝霞だが、日米共同部は
座間に置く。
海兵隊にあたる
水陸機動団は
佐世保に。
富士駐屯地には陸自情報学校新設。北朝鮮を意識して迎撃ミサイルも強化。
◆
駈け付け警護の訓練が始まった。稲田防衛相が、新任務の訓練を順次開始すると発表したが、具体的な場所や内容は非公表。各部隊長の判断で実施する(9/1)。
10、11月に行われる
日米共同統合実動演習キーンソードでは、集団的自衛権行使を想定した訓練も行われるという。
◆ 恒例の
富士総合火力演習は8月28日に御殿場で行われた。30倍近い競争率の中で入場券を手に入れた
観客は2万7千人(9/1)。
島嶼防衛を想定した空からと陸からの火薬の炸裂、オートバイやヘリコプター。確かにエキサイティングなショーになるだろうと思うが、戦争をエンターテインメントにしていいのか。
まるで花火のような機甲部隊の発煙弾の写真を見て、大量の火薬と予算の浪費だと批判する以前の疑問を感じる。
◆
隊員募集の一環として行われた北部方面隊の「ノーザンスピリット2016」は、
自衛隊受験をめざす全道の高校生が参加した。
帯広地本からだけで50人。
戦車搭乗、駐屯地宿泊、航空祭見学、護衛艦乗艦など豪華なメニュー。
山形ではやはり高校生を集めてP3C体験搭乗(9/1)。
私たちがよく知らないだけで、いろいろ積極的な企画をやっているのだ。
◆
「魁 海自ペルシャ湾掃海派遣から25年」という1面に7回続いた連載が終わった。
掃海艇派遣も大きなエポックだったが、安保関連法も大きなエポックだということか。
最終回では「島嶼奪回作戦に立ちはだかるのが機雷原」と述べ、見出しは
「残るは『公務死』の問題」とある。一歩一歩、事態は進んでいる(9/22)。
◆
練習艦やまゆきは、乗員の7割がカープファンだそうで、
25年ぶりのカープ優勝の翌日はマストに鯉のぼりを掲揚。総監部も広島球場にブースを開設し、呉海自カレーの販売などを行った(9/22)。
◆ 朝霞の陸自東部方面指揮所訓練支援隊は、
隊員の半数が喫煙者。三宿の自衛隊中央病院と協力して
禁煙大作戦を展開している。「死ぬまで吸え」というコピーのポスターをあちこちに貼り、啓発資料を配布。中央病院の禁煙外来と連携してこれまでに5人が卒煙したそうだ(8/11)。
『立川自衛隊監視テント村通信 464号』(2016年10月1日)