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■法の支配を実現し三権分立確立を

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  《ここがおかしい 小林節が斬る! (日刊ゲンダイ)》
 ◆ 住民投票にはわが国の最高法である憲法上の拘束力がある


 在日米軍普天間飛行場の辺野古移設の是非を問う沖縄県民投票の結果は、「反対」が実に72%を超えた。
 それでも、安倍政権はそれを無視して移設工事を続行する構えを崩していない。その背景に「県民投票には法的拘束力がない」という認識と「安全保障は国の専権事項だ」という認識があることは確かである。

 しかし、県民投票には、わが国の最高法である憲法上の拘束力があることを忘れてはいないだろうか。
 憲法95条は「ひとつの地方自治体のみに適用される国の法律は、その自治体の住民投票で過半数の同意を得なければならない」(つまり、自治体住民には拒否権がある)と定めている。


 つまり、それが国策として必要だと国会が判断しても、その負担を一方的に負わされる特定の自治体の住民には拒否権があるという、極めて自然で当然な原則である。

 もちろん、辺野古への米軍基地の移設は形式上は「法律」ではない。それは、条約上の義務を履行しようとする内閣による「行政処分」である。
 しかし、それは形式論で、要するに、「国の都合で過剰な負担をひとつの地方自治体に押し付けてはならない」という規範が憲法95条の法意であり、それは、人間として自然で当然な普遍的常理に基づいている。

 アメリカ独立宣言を引用するまでもなく、国家も地方自治体も、そこに生活する個々の人間の幸福追求を支援するためのサービス機関にすぎない。そして、国家として一律に保障すべき行政事務と地域の特性に合わせたきめ細かな行政事務をそれぞれに提供するために、両者は役割を分担しているのである。

 そこで、改めて今回の問題を分析してみると次のようになろう。
 まず、わが国の安全保障を確実にするために日米安保条約が不可欠だという前提は争わないでおこう。
 しかし、だからといって、そのための負担を下から4番目に小さな県に7割以上も押し付けていていいはずはない。そこに住民が反発して当然である。
 だから、政府としては、憲法の趣旨に従って、「少なくとも県外への移設」を追求すべき憲法上の義務があるのだ。

 ※ 小林節 慶応大名誉教授
 1949年生まれ。都立新宿高を経て慶大法学部卒。法学博士、弁護士。米ハーバード大法科大学院のロ客員研究員などを経て慶大教授。現在は名誉教授。「朝まで生テレビ!」などに出演。憲法、英米法の論客として知られる。14年の安保関連法制の国会審議の際、衆院憲法調査査会で「集団的自衛権の行使は違憲」と発言し、その後の国民的な反対運動の象徴的存在となる。「白熱講義! 日本国憲法改正」など著書多数。新著は竹田恒泰氏との共著「憲法の真髄」(ベスト新著)

『日刊ゲンダイ』(2019/02/27)
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/248285



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