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平成の30年間で「災害の凶暴化」はここまで進んだ  

島村英紀(武蔵野学院大特任教授)
『島村英紀』 2019/01/11



 平成時代は約30年続いたが、自然災害の多い時代だった。2018年の漢字は「災」に決まったが、近年では、地震や火山、気象災害が増えてきたのが目立つ。

 まず、地震について見てみよう。日本に起きる地震には二種類があり、一つは海溝型地震、もう一つは内陸直下型地震である。

 前者には2011年の東日本大震災を起こしたマグニチュード(M)9・0の東北地方太平洋沖地震や、これから起きるに違いない南海トラフ地震がある。後者には、1995年に起きた阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震)がある。

 この二種類の地震は起きるメカニズムが違う。海溝型地震は、日本列島を載せているプレートに海洋プレートが衝突してくることで起きる。それゆえプレートが毎年4〜8センチという速さで動いてくる分だけ、次第に地震を起こすエネルギーが溜まっていっている。そして、岩が我慢できる限界を超えたら、大地震が起きる。

 その意味では、毎年地震に近づいていることは確かなことだ。起きる場所は海溝近くに限定され、多くの場は太平洋岸の沖である。この地震はM8クラスか、もっと大きくなる。

 他方、内陸直下型地震は違う。これは日本列島を載せているプレートがねじれたり、歪(ゆが)んだりして起きるもので、どこに起きるのか、いつ起きるかは、今の学問では分からない。つまり、日本のどこにでも起きる可能性があるのである。

 しかも、間の悪いことに、内陸直下型地震は人間が住んでいるすぐ下で起きる。このため、地震の規模(M)の割に被害が大きくなる。M7・3の阪神・淡路大震災では6400人以上の犠牲者を出したし、2018年9月のM6・7の北海道地震や同6月のM6・1の大阪北部地震でも、大きな被害が生じた。
2011年4月27日、東日本大震災の被災地、宮城県南三陸町で黙礼される天皇、皇后両陛下
 政府の地震調査委員会が毎年発表している「全国地震動予測地図」がある。地震危険度を場所ごとに色分けしている。黄色がもっとも地震危険度の低い所、赤やえんじ色が地震危険度の高い所になる。南海トラフ地震が起きると影響の大きい西日本の太平洋岸や、首都圏地震が起きる可能性のある首都圏が、赤やえんじ色に塗られている。

 問題はこの種の地図が、一般には「安心情報」として受け取られてしまうことだ。つまり黄色の場所は「地震が起きない所」ではなくて、「起きるかどうか、今の学問では分からない所」なのである。


 
 実は、黄色、つまりノーマークのところで地震が相次いでいる。この種の地図が作られるようになったのは阪神・淡路大震災以後だが、その後に起きた大地震、2000年の鳥取県西部地震(M7・3)、04年の新潟県中越地震(M6・8)、07年の能登半島地震(M6・9)と中越沖地震(M6・8)、08年の岩手・宮城内陸地震(M7・2)などはすべて、ノーマークだったところで起きてしまった内陸直下型地震である。

 地震調査委員会によれば、16年に起きた熊本地震の発生確率は30年以内に0・9%以下だった。つまり、決して高くない数値だった。でも、大阪北部地震も北海道地震も、政府は予測できなかった。地震がノーマークのところで起きてしまったからである。

 直下型地震の多くは、既に分かっている活断層ではないところで起きた。地震が起きてから初めて活断層だと分かったところもあれば、結局、活断層が地震を引き起こしたかどうか分からなかったものもある。つまり、既存の活断層だけを警戒していればいいものではないことが、最近の直下型地震でも確かめられたのだ。

 プレートの動きは止まることはなく、一定の速さで日本列島に向かって動き続けている。プレートの動きによって、岩が我慢できる限界を超えると起きるのが地震、そして、プレートが約100キロのところまで潜り込んだところで、岩が溶けてマグマが生まれ、それが上がってきて起こすのが火山噴火だ。地震はプレートの動きの直接的な反映で、火山は間接的になる。

 では、平成時代の火山活動はどうだったろうか。2014年に起きた御嶽(おんたけ)山(長野、岐阜両県)の噴火は、60人以上の犠牲者を出した。これは1991年に雲仙・普賢岳(長崎県)の犠牲者46人という戦後最多の記録を塗り替えてしまった。

 だが、噴火の規模から言えば、日本で過去に起きた噴火に比べると、御嶽山が噴出した火山灰や噴石の合計の容積は東京ドーム(容積約124万立方メートル)の3分の1から2分の1ほどの量だった。火山学から言えば、決して大噴火ではなかった。

 19世紀までの日本では、各世紀に4〜6回の「大噴火」が起きていた。「大噴火」とは、火山学で3億立方メートル以上、東京ドームの250杯分以上の火山灰や噴石や溶岩が出てきた噴火をいう。御嶽山の噴火よりもはるかに大きな噴火である。この「大噴火」は17世紀には4回、18世紀には6回、19世紀には4回あった。
2018年9月26日、御嶽山噴火から4年を前に、登山道の規制を麓の長野県木曽町が解除。慰霊登山の遺族らが到着した御嶽山の山頂(共同通信社ヘリから)
 ところが20世紀に入ると「大噴火」は1914年の桜島と29年の北海道・駒ケ岳の2回だけで、その後100年近く「大噴火」は起きていない。

 しかし、この静かな状態がいつまでも続くことはありえない。これらが東北地方太平洋沖地震という巨大地震をきっかけに「普通」に戻りつつある。世界的にも、大地震と噴火は関連があることが多い。


しかも、地球温暖化で、気象が「凶暴化」している。海水からエネルギーを得て強くなる台風も、かつては日本近海の海水温が低かったので、弱まってから日本に近づいたが、これからは強いままで日本を襲う可能性が高い。

 また、今までにない大雨や、今まで日本では少なかった竜巻の被害も増えつつある。これらも地球温暖化の影響である。

 例えば、2014年夏に起きた広島市安佐南区の地滑りも、かつてないほどの大雨が原因だった。戦後に広島市が膨張して、60年以上も「無事に」暮らしていたところが、今までにない大雨による地滑りが起きてしまったのだ。この災害で77人が死亡した。死者・行方不明者が230人を超えた18年7月の西日本豪雨も、今までに日本ではなかった豪雨の影響である。

 竜巻も今までにない被害を起こしている。06年には北海道佐呂間(さろま)町でトンネルの工事をしていた作業員など9人が死亡した。

 これは日本だけの話ではない。近年、欧州でも中東でも北米でも、大規模な洪水や干魃(かんばつ)や森林火災が続いている。これは、地球規模での温暖化がさまざまな形で起こしているせいだ。

 阪神・淡路大震災も、その5年後に起きた鳥取県西部地震も、同じM7・3で同じような直下型地震だった。しかし、被害のありさまは大きく違った。これには地盤の良しあしもあるが、都会ほど地震に弱いということが反映している。

 18年6月の大阪北部地震では、地震保険の支払額が阪神・淡路大震災を上回った。死者の数で災害の規模を表すのは不謹慎だが、大阪北部地震では5人、阪神・淡路大震災では6400人以上である。つまり、都会ほど災害に弱いことを如実に示している。

 富士山の最後の噴火である宝永噴火では、2時間で江戸に火山灰が降って5〜8センチも積もった。噴火では心配なことが多い。コンピューターに欠かせないハードディスクが動いている狭い隙間に火山灰が入りこんだら、大いに悪さをする。そもそも、交通も通信も金融も水道も、コンピューター頼みの現代では、江戸時代にはなかった大災害を引き起こす可能性が大きい。火山灰は尖(とが)ったガラスの粉だから、コンタクトレンズと目の間に入ったら角膜を痛めてしまう。
豪雨で水に漬かったままの岡山県倉敷市真備町地区の住宅地=2018年7月8日(小型無人機から)
 自然災害は首都圏など大都市圏に大きな被害をもたらす可能性がある。人口密度が高く、そのうえ、木造住宅密集地帯を多く抱えている都会では、将来の被害がとても大きいものになることが心配されている。

 地震や火山噴火が多くて災害を受けやすい日本列島が、これからも襲って来る地震や火山噴火だけではなく、「気象の凶暴化」によって、さらに脆弱(ぜいじゃく)になっている。地震も火山も、そして気象災害も、文明の進歩に伴い、被害が大きくなるに違いないのである。





「大阪北部地震は「見えない」活断層が起こした?」 (The Page) http://shima3.fc2web.com/ani_new.gif
http://shima3.fc2web.com/img009.gif 島村英紀
の寄稿大阪直下地震は次に起こる南海トラフの前兆か」 (IRONNA) http://shima3.fc2web.com/ani_new.gif
http://shima3.fc2web.com/img009.gif 島村英紀の寄稿日本列島、いつ噴火してもおかしくない活火山が110カ所超…火山活動が活発化の可能性」 (Business Journal) http://shima3.fc2web.com/ani_new.gif
http://shima3.fc2web.com/img009.gif 島村英紀の寄稿 「活発化する火山活動 噴火予知はなぜ難しいのか?」 (The Page) http://shima3.fc2web.com/ani_new.gif
http://shima3.fc2web.com/img009.gif 100年近く大噴火ゼロ「異常な時代」はもうすぐ終わる。島村英紀が解説 (IRONNA) http://shima3.fc2web.com/ani_new.gif
http://shima3.fc2web.com/img009.gif 
島村英紀の寄稿『指評』「日本の地震予知 大震法延命は誤り 前兆検知は科学的に不可能共同通信配信で各地の新聞に掲載http://shima3.fc2web.com/ani_new.gif
http://shima3.fc2web.com/img009.gif 島村英紀の寄稿
「研究費打ち切りの恐怖」 http://shima3.fc2web.com/ani_new.gif
http://shima3.fc2web.com/img009.gif 島村英紀の寄稿 「地球物理の観点欠く 経産省の核のごみマップ」共同通信配信で各地の新聞に掲載http://shima3.fc2web.com/ani_new.gif
http://shima3.fc2web.com/img009.gif 
島村英紀の寄稿 一度も出されなかった警戒宣言 「地震予知」計画はなぜ失敗したか? (The Page) (最初の3日間で 下のIRONNAの page viewを倍以上超えたそうです)http://shima3.fc2web.com/ani_new.gif
http://shima3.fc2web.com/img009.gif 島村英紀
の寄稿 大震法(大規模地震対策特別措置法)と地震学者の責任 http://shima3.fc2web.com/ani_new.gif
http://shima3.fc2web.com/img009.gif 島村英紀
の寄稿 「”神の手”に踏み込んだ現代科学」 
http://shima3.fc2web.com/img009.gif 島村英紀
の寄稿「自然科学とジャーナリズム」 
http://shima3.fc2web.com/img009.gif 一回も成功したことがない日本の「地震予知」に未来はない。島村英紀が解説 (IRONNA。最初の3日間で 24000 page viewを超えて、3番目のアクセスだったそうです)
http://shima3.fc2web.com/img009.gif 2016年4月の熊本県で始まった直下型地震は何を意味するのか。島村英紀が解説 (IRONNA)
http://shima3.fc2web.com/img009.gif 熊本の地震 “中央構造線で体験した最初の地震” やっぱり難しい? 地震予知(島村英紀が解説) (The Page)
http://shima3.fc2web.com/img009.gif 島村英紀のインタビュー記事「熊本地震と阿蘇山噴火、南海トラフは関連するのか」(Diamond Online) 


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