ILO条約勧告適用専門家委員会(CEACR)108回総会提出報告(29号・強制労働)
◆ 強制労働に等しい虐待的慣行や労働条件から
実習生を完全に保護するための措置を執るよう政府に強く要請! (首都圏移住労働者ユニオン) ◆ 重い「強制労働に等しい」の言葉 驚きました。これほど
強い調子の条約勧告適用専門家委員会の
報告は初めてです。
LUMは2010年から毎年事務局長宛に
「技能実習制度は強制労働を禁止したILO(国際労働機関)第29号条約に違反している」として、
申立書を提出してきました。
実際に審査する条約勧告適用専門家委員会からはこれまでに2014年、2016年の2回、「首都圏移住労働者ユニオンからの情報提供に留意する」とコメントされ、「
政府はどのような措置を講じたのか、また法令違反の数および有罪になった事例数などについて報告すること」等の要請が出され、政府は毎回回答せざるを得ませんでした。
しかし
今回の報告はこれまでと語調が違います。
◆ 「2010年の改正にもかかわらず、研修生を解雇や退去に対して脆弱にした」 同封した別紙(
仮訳)から抜粋すると、「委員会は、2016年10月24日、および2017年9月26日に受領した
首都圏移住労働者ユニオン(LUM)の所見に留意する」から始まり、「委員会は、前回のコメントにおいて、技能実習制度のなかで
強制労働にも等しい労働権侵害が起きていることに留意した」と
“強制労働”という文言を初めて使い、しかも
“等しい”とさえ言っています。
「同制度は2010年7月、研修生と技能実習生に対する保護の強化を目的に
改正された」「しかし首都圏移住労働者ユニオンの指摘によると、改正にもかかわらず送り出し機関は借金の支払いを徴収し続け、とりわけ雇用主の変更が許可されていない
研修生を解雇や退去に対して脆弱にした」とLUMの指摘を受け止めています。
◆ 「2017年改定の保護措置は不十分」 「首都圏移住労働者ユニオンはその見解のなかで、(2017年の)
法改正が新たな問題を生み出したと考えている。技能実習法とその実施に関する条例は、制度を大幅に拡大し、低賃金かつ自由に仕事を辞める権利のないかなりの数の若年労働者の供給を可能にしている」
「ユニオンは、
労働基準監督署が多くの違反を認めたものの、検察庁に送検された違反はそのうちの約1パーセントにすぎないことをあらためて指摘している」
「さらに
実習生のなかに労働災害や死亡災害が増加していると指摘する。2015年、脳性疾患または心疾患による死亡者8人と自殺による死亡者2人を含む実習生30人が死亡している」とし、「技能実習制度の実施と政府の措置には十分、留意するものの、影響を受ける実習生の数が多いこと、最長5年という長い実習期間によって実習生の脆弱性がいっそう深刻になること、実習先の変更が禁止されていることなどを考慮すると、
委員会は新たな法的枠組みによる監督と保護措置が不十分だと考える」と断じています。
◆ ディーセントワーク確立めざして そして「
強制労働にも等しい虐待的な慣行や労働条件から
外国人技能実習生が完全に保護されるため必要な措置を講じるよう政府に強く要請する」と政府の対応をせまっているのです。
技能実習制度は、ILOが目指している
「ディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)」とは対極にあります。国際的にも日本国内でも批判が高まっています。廃止させるまで頑張りましょう。
『LUM(Labor Union of Migrant Workers) ラム』2019年4月5日発行 第75号