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仏大聖堂、溶け落ちた鉛除去へ
2019年8月15日 東京新聞 朝刊
【パリ=竹田佳彦】
写真:パリのノートルダム寺院前で14日、除染作業に伴う交通規制のために設置された柵=竹田佳彦撮影
フランス・パリのノートルダム寺院(大聖堂)周辺で15日、4月に起きた火災で飛散した鉛の除去作業が本格化する。鉛中毒は神経や消化器系の障害を引き起こすとされ、修復作業も一時中断。23日まで火災時に風下だった寺院西側の広場や道を中心に作業する。
13日朝、市警察は寺院周辺の道路を封鎖して作業の準備を始めた。対象区域は約1万平方メートル。水を噴射して洗浄するほか、吸着剤で鉛を除去する。
仏メディアによると寺院の屋根や尖塔(せんとう)には鉛約400トンが使われ、火災で溶け落ちたほか、粉じんが飛散した。保健当局は火災直後から「恒常的に吸わなければ健康被害はない」と表明したが、環境団体は「重大な被害を起こす恐れがある」と主張。7月末には当局の対応が不十分として、被疑者不詳のまま告訴状を捜査当局に提出した。
仏調査報道機関メディアパルトも周辺で基準の最大800倍の鉛が検出されていたと報じ、修復作業員らを危険にさらしていると批判した。
高まる懸念を受けて、パリ首都圏は7月25日、実態調査や再建にあたる作業員の安全を確保するため作業を一時中断すると表明した。
市も今月に入り、小学校などで除染を始めた。保健当局によると、周辺の子ども18人から通常より高い血中濃度の鉛を検出している。
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鉛の毒性
脳と肝臓に多く蓄積し、他の臓器や組織にも広く分布する。
鉛中毒における毒性の原因は、酵素の働きを阻害することである。
体内に入った鉛は酵素のチオール基(SH基)と強固に結合し、チオール基を有する種々の酵素の働きを阻害する。
特に造血組織でアミノレブリン酸脱水酵素のSH基に結合して貧血を起こすことが典型例である。
また、小児は成人よりも鉛を経口摂取した場合の消化管からの鉛の吸収率が良く、成人では経口摂取しても10%程度の吸収率であるのに対し、小児が経口摂取すると約50%が吸収される。
このようなこともあり、小児には少量でも知能指数低下や神経障害の原因となる場合がある。
また、胎児においては子宮内鉛曝露量が多いほど出生時の体重が低いとする研究がある。
造血組織でのアミノレブリン酸脱水酵素の阻害は、貧血症状とともに激しい腹痛や神経症状を示すポルフィリン症を引き起こすことが知られている。
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