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  ハーバービジネスオンライン<短期集中連載・全国原子力・核施設一挙訪問の旅2>
 ▼ いまだ線量計が鳴りまくり、復興進まぬ帰宅困難地域の今
牧田 寛
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7/5 南相馬市原町区(遠方に磐城太田駅が見える) 牧田撮影
国道から農地を目隠ししているが、大量のフレコンバックが並んでいる

 ▼ 福島県浜通りは今どうなっているのか?
 第二日目朝、8時過ぎにはコロラド号に荷物を詰め込み、いわき市を出発しました。Aさんは、コロラド号の撮影、実況機器を設置するために30分以上前には作業を開始していたようです。これは毎日続き、四谷の事務所から補給物資が届くごとに装備が増えてゆきました。

 いわき市では、後部座席に乗せた線量計は殆ど鳴動せずに静かなものでした。むしろ東京からずっと誤検知でピィピィ泣くことがしばしばあり、そういうときには大概大型車や特殊車両が近くに居ました。何か強い電波でも放射しているのでしょう。


 いわき市は、福島核災害当時に放射能雲(放射能プリューム、プリューム)の襲来をあまり受けておらず、震災・津波被害からの立ち直りも早く、福島核災害における重要な兵站拠点として機能してきました。

 ▼ 線量計は鳴らず人の営みは正常だった広野から富岡町南部

 常磐自動車道を広野で降り、国道6号線を北上すると、トラックや工事用車両が多く走っていました。住居、商工業も機能しており、土木依存が目に付きますが、人の営みは正常に行われていることが見て取れました。
 但し、農地は手入れされているものの耕作はなされておらず、そのことが核災害の痕跡となっています。後部座席の線量計は全く鳴らず、ごく普通の線量でした。

 広野ICを出るとすぐに広野火力発電所が見えますが、この石炭・石油火力発電所は、地震と津波による激しい被災だけでなく、福島核災害の影響により操業を停止していたものの、2011年7月には全面操業再開し、4.4GWe(福島第二原子力発電所とほぼ等価)の電力を供給し、震災後の電力供給を支えてきました
 同じくいわき市の勿来(なこそ)火力発電所1.9GWeも大きな被害を受けながらも6月から翌2012年4月にかけて順次操業再開し、1.9GWeの電力供給を担ってきました。
 福島県浜通りは、電源立地地帯で、このほかにも多くの火力発電所が見られ、それらは震災と津波により大きな被害を受けましたが、順次操業再開しています。

 このことからも原子力に比べ石炭・石油火力の圧倒的な信頼性と安定性が明確となっています。
 そもそも原子力発電の発電コストはきわめて高価につき、日本政府、電力による粉飾を排除すると精々石油火力か太陽光発電並みの発電原価となり、福島核災害の被害額を組み込むともはや産業として完全に無意味となります。

 一方で合衆国のようなワンス・スルー方式* の場合は、既設発電所における発電コストは発電端(発電所の仕出し価格)で4〜6円/kWhと良好な数値を示すものがある一方で、10円/kWhを超えるものは廃止が進んでいます。
 また近年は、天然ガス、大型太陽光の低価格化が著しく、もともと最安値であった風力を加えた価格競争に敗北し、原子力と石炭火力の淘汰が進みつつあります
 <* 核燃料サイクルをせずにウランを一回燃やしたら廃棄する。現在の主流である>

 当座は、資源寿命、調達の多角化、経済性、炭酸ガス抑制という点からは、古い石炭火力をIGCC(石炭ガス化複合発電)に更新することが望まれますし、その上で風発を主体とした再生可能エネと新・化石資源革命の主役である天然ガスへの移行を進めれば良いでしょう。時間はたっぷりとあります。

 広野町から楢葉町を経て双葉町の間は、6号線を北上するにつれて少しずつ休業中の店舗や空き家が増えてゆきましたが、それでも街並みはきれいでしたし建物も手入れがされていました。但し殆どの農地は休耕中であって、ごく一部に試験耕作地が見られるだけでした。

 この状態は、富岡町の南部まで続いていましたが、富岡町に入ると手入れはされているものの、居住が再開されていない家屋が目立ちはじめました

 線量計は、ずっと東京都心より低い値を示してきましたが、富岡町に入ると目に見えて値が上がりました。とは言っても1mSv/y* を下回っており、この状態が地域内で普遍的ならば日常生活に支障はないでしょう。
 <* 本稿を含め、著者は一貫してSv/h(一時間あたり)ではなくSv/y(一年あたり)を用いている。換算には、日本独自の換算係数を使わず、単純に9000倍(1年は8760時間)している。これは暗算向けで、10000倍の一割引、即ち10倍して一割引いて接頭辞(μやmのこと)をひとつあげるだけで良い。有効数値は一桁として、基本的に端数を切り捨てている>

 ▼ 富岡町北部から、景色と線量計の様子が一変した

 農業以外は、ずいぶん復興が進んでいるなと感心しながら国道6号線を北上すると、富岡町の北部に入り景色が一変しました。
 まず歩行者・二輪車通行禁止の看板が現れ、交差点には検問所があって通行証がなければ脇道には入れなくなりました。そして所々に警備員が立っていました。
 線量計は車内で5mSv/yとなっており、防護服無し、マスクのみの警備員による立哨は非人道的ではないかと思われましたが、立哨地点には鉄板が敷いてあるとのことです。

 更に北上して大熊町に入ると建物は封鎖されており、交差点も封鎖されているか、検問されていました。家屋などの震災被害は放置されており、地震による被災を今も残していました。

 放射線量は、大熊町中央台交差点での車内15mSv/y* を最高値として5mSv/yを中心に常に1mSv/y以上と高い値を示していました。
 除染が徹底してなされた国道において車内でこの数値では、とても居住、一般の労働はできません。実際、労働力の確保ができないためか、そもそも労力を投じないためか、路側も街並みも農地も草ボウボウで、雑木林にまでなっている始末でした。
 だいたい2mSv/yをこえると鳴るように設定してある線量計は終始鳴いている有り様で、やはり帰還困難区域とその外とでは明らかに放射能汚染の程度が大きく異なりました。
 <* 但しこの数値は局地的なもの且つ測定一回なので、誤検知である可能性もある>

 福島第一原子力発電所前を通過し、双葉町に入ると、線量は大きく低下しましたが、それでも車内測定で1〜5mSvでした。しかし、封鎖されている町の中で双葉厚生病院付近の出光や、コスモ石油のガソリンスタンドは営業を行っていました。
 この帰還困難区域の国道6号線でガス欠を起こしたらたいへんに困るので、給油をどうするのか疑問でしたが、このように営業を行っているガソリンスタンドがあり、給油の機会が確保されていました。なお店員さんは、屋内で待機していました。
 双葉町では、前田建設などの土木・建築系企業の拠点が活動をしていましたが、コンビニなどは閉鎖されたままでした。
 双葉町では、線量計が鳴いたり時々鳴かなかったりで、まだら状の線量分布がだいたい分かりました

 浪江町に入ると、大型衣料品店がゼネコンの営業所になっているなど、復興作業関係企業の拠点が活動していることが目立ちはじめました。また一部飲食店の営業もなされていました。
 浪江町では、すでに帰還困難地域以外の制限は解除されていますが、常磐道より西側全域と東側の一部地域が帰還困難区域であり、核災害前の人口21,500から、居住人口約1,000人まで激減しています* 。
 <* 参照:“区域再編及び避難指示解除について | 浪江町ホームページ” >

 現在は、帰還困難区域のゲートタウンとして産業の再建がなされていると思われます。
 線量計は、鳴いたり鳴かなかったりでしたが、国道沿いではだいたい車内2mSv/y以下でした。国道6号線を北上すると、線量計は静かになりました。

 ▼ 津波被害の跡がいまだ色濃い南相馬市小高区

 南相馬市にはいってすぐの小高区では、激しい津波被害の跡がありました。ここでは国道6号線も津波で浸水しており、国道より東側(海側)は、海岸まで見渡せるほどに何もなくなってしまっていました。
 南相馬市は、低地に良い農地が広がるのですが、津波の時には海岸から2km前後まで10mを超える津波によって壊滅的な被害を受けていることが知られています。被災者の救出も、翌12日の核災害によって断念されています。

 震災からすでに9年目になる今日においても、津波被害の痕跡が強く残り、復興も殆ど進んでいません。これが核災害の特徴です。本来ならば、とっくに復興の最中で槌音が響いているはずなのです。

 小高区を出るあたりでGoProが突然警報を鳴らして死んでしまいました。ファイルエラーを表示し、なんといわき市から南相馬市小高区までの記録が全部消えてしまいました。放射線による異常動作か!?いえ、おそらく熱暴走でしょう。今回、多くの写真で画像品質が著しく低いですが、GoProの映像を失ったために、ツイキャスの映像を使っている為です。

 GoProが肝心なところで死んでしまったので、急ぎ停まって調整できるところを探していると、見落としが無い限り帰還困難区域を出て初の国道沿いで営業しているコンビニを見つけました。
 コンビニの駐車場でGoProを再起動しましたが、よく見るとSDメモリーカードが64GBしかありません。おいおい、2k動画撮影は一日あたり128GBは要るでしょうが。仕方ないので私のカメラ用の予備を使いましたが、GoProはレートが高いフル2kなので、1日128GB+64GBが必須でした。
 早速、四谷の事務所に256GBのSDカード三枚くらい送れと要求しましたが・・・・・結局送って来ませんでした。

 GoProは、突然死んでしまうことがあり、私のメインカメラ(Nikon D600)は、不調で序盤から使用不能。先行き思いやられますが、気を取り直して出発しました。大丈夫、メインカメラがやられただけだ、サブカメラ(Nikon D5300)がある!

 ▼ 除染廃棄物を入れた袋が積まれていた南相馬

 南相馬市に入ると、小高区の様に津波被害からの復興が著しく遅れている地域が目に付くことと、国道から見渡せる農地の殆どが休耕中であること、街路樹が片っ端から除去されていることが目に付きますが、住民の生活、経済活動は活発に営まれていることが見て取れました。

 一方で、所々で国道から目隠しした広大な農地にフレコンバック(除染廃棄物を入れた大きな袋)がズラリと並んでいる光景も目に付きました。これは帰還困難区域の南側では見られなかったことで、福島核災害時に放射能プリュームが南相馬市の南側を通過し、降雨によって飯舘村などを激しく放射能汚染したことの名残でしょうか。フレコンバックもやたらと多いと感じました。

 Googleマップの衛星写真で見ても、富岡町など南側に比して、南相馬市でのフレコンバックの多さは圧倒的です。これはやはり南相馬市は復興が早く、徹底した除染が行われたことと、放射能プリュームが南相馬市南部を通過したことが関係していると考えるべきでしょう。
 現在は、休耕中の農地や復興の進んでいない海岸沿いに中間貯蔵していますが、近い将来、どこかに移さねば復興は進みません。しかし、どこへ……?

 南相馬市原町区を更に北進すると、中心街の東側をかすめます。このあたりでは、街路樹がすべて伐採除去されていることと、相変わらず農地の殆どが休耕中であることを除けば異変は見られません。街路樹については、再植樹が始まっており、農地も圃場整備と思われる事業が一部に見られました。

 時間がありませんので、ここから南相馬鹿島ICに向かい、常磐道を宮城へと北進しました。ICまでの途中、新築の家がずいぶん多いことと、やはり農地の多くは休耕中であることが目に付きました。また常磐道を北上する間も、人は住んでいるものの一部の試験耕作地を除いて農地は休耕中の土地がたいへんに目立ちました。

 核災害の爪痕は、とくに農地に多く見られたといえます。

 ▼ 農業復興の遅れが目立った福島浜通り

 この日は、いわき市をでて、福島県浜通りを通り、仙台市を経て女川原子力発電所、石巻市というめちゃくちゃな予定となっていましたので、お昼前までには仙台市に到着せねばなりませんでした。

 仕方がありませんので、南相馬市原町区より北は諦めて南相馬鹿島IC以北は常磐道を北進しました。
 道中、農耕地の様子がどうしても気になりましたので、車窓より観察を続けましたが、やはり福島県内では休耕地が続きました。但し手入れはなされていました。

 福島核災害においては、放射能プリュームが通過した地域とそうでない地域では放射能汚染に桁違いの差があり、とくに二号炉からのプリュームを最大として、三号炉からのプリュームなど、大規模プリュームが発生したときに不幸にも風下側にあった地域が甚大な打撃を受けていることが知られています。

 何しろ、NBC防護(核・生物・化学兵器防護)がなされている合衆国空母部隊ですらプリュームに突っ込み、這々の体で逃げ出したあと、除染に苦労したほどです。

 南相馬市は、プリュームの僅かに北側にあった事と、当時の降雨降雪の状況から、迅速に復興できる程度には被害が抑えられたといえます。
 しかし小高区などは、プリュームの影響が比較的強く残っており、津波被害もあって復興が著しく遅れていることが目に付きました。

 核災害時における放射能プリュームは、残念ながら人間による制御(コントロール)からは完全に外れており、いつどのように発生するかは分かりません。
 福島核災害において南相馬市は、偶然の積み重ねから福島第一原子力発電所からの距離の割には放射能プリュームによる被害が軽かったといえますが、当時の風向きが僅かに南寄りにずれていれば富岡町北部から双葉町にかけての様な惨状になっていた可能性は十分にありました。むしろ今の程度で済み、復興が進んでいることは暁光といえましょう。

 またこれは予想通りでしたが、農業の復旧が遅々として進んでいないことが目立ちました。
 農業の復興には、農地の回復だけでなく、「食べて応援」キャンペーンによって奈落の底に沈んだ「信用」という「ブランド」=「風評」の回復がきわめて重要です。「風評被害」という「国策呪詛」によって消費者へ責任転嫁し、罵倒し、愚弄してきた一部の無責任な国策論調による信用失墜=ブランドの喪失は根深いものがあって、財布の紐を握る消費者は、黙って去って行き二度と戻ってきません。

 食品の価値の過半は、「信用」なのです。

 福島核災害の発災者は東京電力ですので、こういった経済損失に対しては、原子炉からビス一本、髪の毛一本に至るまであらゆるものを差し出してでも賠償してゆかねばなりません。
 現在東京電力は、徹底してそれをサボタージュしていると言えます。

 さて、7/5(金)の記録は、まだまだ続きますが、長くなりますのでここでいったん切り、次回は仙台市から女川原子力発電所、石巻市と続きます。

 ※ 牧田寛 Twitter ID:@BB45_Colorado まきた ひろし
●著述家・工学博士。徳島大学助手を経て高知工科大学助教、元コロラド大学コロラドスプリングス校客員教授。勤務先大学との関係が著しく悪化し心身を痛めた後解雇。1年半の沈黙の後著述家として再起。本来の専門は、分子反応論、錯体化学、鉱物化学、ワイドギャップ半導体だが、原子力及び核、軍事については、独自に調査・取材を進めてきた。原発問題についてのメルマガ「コロラド博士メルマガ(定期便)」好評配信中

『ハーバー・ビジネス・オンライン』(2019.08.18)
https://hbol.jp/199625?cx_clicks_art_mdl=3_title



 ◆ 22日『東京』特報部デスクのコラムに疑問!
   皆さま     高嶋伸欣です
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シンガポールの小学校歴史教科書の表紙に“きのこ雲”

 一昨日、毎年の「東南アジアに戦争の傷跡を訪ねる旅(45回)」から無事に帰国しました。
 東京の暑さだけでなく加害責任に知らぬふりを決め込み続けて恥じない日本社会の無関心・視野狭窄状況と東南アジアとの「温度差」に、疲れをぶり返して感じています。
 一例が今朝(22日)の『東京』の「こちら特報部デスク」のコラム「編集局南端日誌」です(添付参照)。

 広島・長崎での追悼式で両市長が読み上げた「平和宣言」の作成に市民などの声が反映される仕組みになっていることを高く評価しています。
 けれども、そうして作成された「宣言」に対して手厳しい批判、「被爆ナショナリズム」ともいう自己中の姿勢の存在が指摘されていることを、このコラムにはまるで反映させていません。


 その批判を表明したのは『東京』が提携している『琉球新報』掲載のコラム「乗松聡子の眼(28)」(8月15日掲載・添付参照)です。この乗松氏のコラム記事を私たちは東南アジアの旅先で電子版で受信し、参加者全員で共有しました。もちろん共感してのことです。

 何しろ、東南アジアを含め日本軍の占領地・植民地だった地域では、原爆投下で日本軍の降伏が決まり、人々は地獄の暗闇から抜け出す光復節を迎えられたのだという共通の原爆観が存在し、それが各地の歴史教育で継承されているのです。

 添付のカラーコピーはシンガポールの小学校歴史教科書(中国語・1970年代)の表紙です。キノコ雲の下で解放された人々が歓喜の声を挙げている様子が描かれています。

 こうした原爆観を今回のツアーでも私たちは再確認させられました。
 それだけに乗松氏のコラムの指摘は的を射ていると思えます。
 その一方で「南端日誌」は今年が初めてではない市民参加の様子を今更わざわざ強調することなのか、という気がします。

 提携紙の間であっても、沖縄と東京ではやはり温度差、距離感があるのだと思わせられるできごとと、私には思えました。

    以上ご参考までに

    文責は高嶋です       転載・拡散は自由です


 ◆ <再放送情報>「Nスペ 昭和天皇の新資料発見」の再放送
   皆さま     高嶋伸欣です


 先ほど、毎年8月の「東南アジアに戦争の傷跡を訪ねる旅」から帰国しました。
 旅行中にNHK国際放送で視聴した「Nスペ 昭和天皇の新資料発見」の再放送(今夜0時20分〜)を録画して、「新資料」や同番組についての分析がなんとか間に合いそうと、ほっとしているところです。

 私の最大の注目点は昭和天皇が「ここで私の責任の事だが従来の様にカモフラージュでゆくかちゃんと実情を話すかの問題があると思う」(1951年1月24日)と語った部分です。
 「従来の」「カモフラージュ」とは、昭和天皇の戦争責任を東條たちA級戦犯たちに転嫁した「東京裁判」の政治的筋書きのことで、そのカモフラージュによって天皇制の存続と自身の延命を可能にしたことを、昭和天皇は負い目に感じていたのだと読めます。


 そしてその「カモフラージュ」をそのまま押し通すしかないと悟った昭和天皇はA級戦犯や「東京裁判」の話題に触れるのを避けるようになり、靖国神社へのA級戦犯合祀がその懸念に直結するとして怒って、以後、同神社への参拝を辞めたのだと、説明ができます。

 従って、今年も繰り返された保守派政治家の靖国参拝は、昭和天皇の「ご遺志」に反することになります。この点、昭和天皇崇敬の念が強固な理論右翼は、今後も黙って見過ごすのでしょうか。

 それにもう一つの「カモフラージュ」である終戦時の「御製」「身はいかになるとも いくさとどめけり ただたふれゆく民を思ひて」の件があります。

 ポツダム宣言受け入れの「ご聖断」は連合国からは天皇制の存続が容認されるという回答を得たからあの時点(1945年8月)で決断されたのであって、「身はいかになるとも」いかにも未定であるように装っているのは、は明白な事実歪曲・改竄です。

 同年2月14日に近衛文麿の「近衛上奏文」で降伏を進言された時には「このままの負け戦では、天皇制存続の1条件を認められた降伏は難しいので、1条件が認められるような1撃を挙げるまで待て」として、進言を却下した事実があるのです。

 その後8月までの間に、米国が戦後の米ソ対決に備えて日本を米国陣営に組込むには天皇の権威の「活用」が効果的と考え、連合国多数派の天皇制廃止・昭和天皇処罰の意見を抑えて上記1条件受け入れの方針を固めたことを知った天皇が「ご聖断」を下したという経過が現在では判明しています。

 この2月〜8月の間に、
   硫黄島の陥落、
   同島陥落による全国への空襲激化、
   東京大空襲、
   沖縄戦、
   そして広島・長崎の被ばく
 など「たふれゆく民」の被害の多くが生じていたのです。

 こうした事実があまり広く知られていないことにかこつけた御製「身はいかになるとも〜」は、あまりに身勝手な「カモフラージュ」であり、昭和天皇は最大の歴史修正・改竄者であることを今回の資料が裏付けてくれたことになります。

  *今晩の再放送ではこの「カモフラージュ」発言の部分が削除されていないか注目して視聴するつもりです。

  *とりあえず再放送情報にかこつけての高嶋の私見です。ご参考までに。

  *新資料とその関係の報道などについては、後日まとめたいと思っています。

      転送・拡散は自由です



<転送歓迎>(重複ご容赦)・「都教委包囲首都圏ネットワーク」、・「新芽ML」、・「ひのきみ全国ネット」、・「戦争をさせない杉並1000人委員会」の渡部です。

 7月21日に東京で行われた「『日の丸・君が代』問題等全国学習・交流集会」(実行委員会主催)で、▲ 【憲法を無視した大阪市立泉尾北小学校の「新天皇即位記念児童朝礼」に抗議する! 小田村直昌校長は、子どもたちと保護者に謝罪を行え!】という<特別決議>を上げました。

 この問題では大阪の市民らが、校長への面談を求めたにも拘わらず、校長は一切取り合わず、郵便物も受け取り拒否する始末でした。
 そこで、最近、大阪の仲間たちが、校区にビラを配布し、近隣小学校の教職員に手紙を届けました。
 その報告が大阪から届きましたので紹介します。


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 D−TaC・松田です。
 8月17日〜21日、泉尾北小学校校区に「泉尾北小の校長先生!お話を聞かせてもらえませんか?」ビラを配布しました。
 近隣小中学校の教職員には手紙を届けました。
 (泉尾北小学校教職員には切手を貼って郵送)

 以下、その報告です。(近日中にホームページアップ予定)
 関係文書の一部(校区ビラと教職員への手紙)を添付します。
 (渡部注:このメールでは「校区ビラ」(PDF)は添付できませんので、ホームページ(【D−TaC 松田さんとともに】で検索)をご覧ください。
 ビラ裏面には<皇紀とは>という説明と、<毎日新聞の記事>(7月4日付け)が紹介されています。
 「教職員への手紙」は下方に貼り付けます。)

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 戦前の「天皇のために命を捧げよ」というような教育につながらないか?
 「天皇陛下ご即位記念」全校児童朝礼問題は放置できません!
 「泉尾北小の校長先生!お話を聞かせてもらえませんか?」ビラを配布しました

 大阪市立泉尾北小学校が、5月8日に「愛国の歌姫」と呼ばれる歌手を呼んで「天皇陛下ご即位記念」児童朝礼を開催したことについては、すでに、7月16日、「子どもたちに渡すな!危ない教科書 大阪の会」が、団体118団体、個人1624人の賛同(D−TaCも賛同)を得て抗議文を提出しています。
 この児童朝礼の経過については、小田村校長自身が福岡の「株式会社寺子屋モデル」の会報誌・寺子屋だよりNO78に投稿記事を載せています。その中では、
 「事前に騒がれるとつぶされますので…当然『山口采希さん』の来校のことも伏せておきました」
 と当然の校内手続も無視した独断だったことを認めています。

 小田村校長は、私たちが、教育のあり方をめぐってお話をお聞きしたいと申し込んだ面談を断わっただけでなく、やむを得ず送った要請書さえも受け取りを拒否しました。
 この行為は任期付職員(小田村校長は公募の民間人校長)としての職務放棄であると7月18日付で公益通報した結果、大阪市公正職務審査委員会は、8月7日付で、山本教育長に対して「所属において調査その他の措置をとるべき事項であると判断しました」と明記して、義務的調査を指示しています。(「通報についてのご連絡」)

 小田村校長は、5月8日の「天皇陛下ご即位記念」全校児童朝礼のようすを紹介し、山口采希さんの歌・話を「とてもいいお話」「とても素晴らしいゲストでした」と絶賛するホームページの記事を削除するようにという要請にも応じていません。
 私たちは、戦前の「天皇のために命をささげよ」と教えた教育を肯定し、再び、繰り返そうとしている状況を放置できません。

 D−TaCは、この問題の経過を伝え、「このチラシを読まれて学校教育に疑問を持たれた方は、以下に問い合わせてみてください」と呼びかけるビラを、8月17日〜8月20日、泉尾北小学校校区に配布しました。

 <問い合わせ先>
 大阪市立泉尾北小学校 06−6551−0028 Fax06−6555−4871
 大阪市教育委員会(指導部・初等教育担当)06−6208−9176

 また、当該学校、近隣学校の教職員にもこの問題を考えてもらうための手紙を送っています。

 戦争に国民を動員した戦前の洗脳教育の反省に立って、事実に基づき自分の頭で考えることを大切にする教育を実現するために力を合わせましょう。

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 ◆ 「教職員への手紙」です

 大阪市立学校の教職員のみなさま
 D-TaC(Democracy for Teachers and Children )
 〜「君が代」処分撤回!松田さんとともに 〜

 前略にて失礼いたします。この度は先の5月8日、泉尾北小学校にて行われた「天皇陛下ご即位記念」全校児童朝礼で明らかになった問題について、大阪市の教育に直接取り組んでおられる皆さまに、考えていただきたいと思いこの手紙を書きました。
 私たち「D−TaC」は、学校で国歌として指導されている「君が代」の斉唱が、決して子どもたちへの強制にならないように、大阪市教育委員会と各学校に働きかける活動を行っている市民団体です。
 かつて、「天皇のために命を捧げさせる教育」の重要な柱だった「君が代」斉唱、その扱いについては、歌詞の意味の変遷や、戦争で果たした役割の歴史的事実を正しく教え、その判断は児童・生徒に任せるとの指導を求めて、学校要請等をおこなってきました。
 〈詳しくはD−TaCホームページでご確認ください。【D−TaC 松田さんとともに】で検索〉

 問題点1
 私たちは、本件児童朝礼が行われたことについて、公立学校における教育指導のあり方をめぐって、泉尾北小学校長のお考えを聞きたいと面談を求めましたが、断られました。
 そこで要請書を郵送しましたが、受け取り拒否で返送されてきました。
 公教育でありながら、市民の声にいっさい耳を傾けない、このような態度は許されません。
 私たちはこのことを是正するように、大阪市役所に公益通報しました。
 大阪市公正職務審査委員会は8月7日付で教育委員会の山本教育長に対して、「所属において調査その他の措置をとるべき事項であると判断しました。」と明記して、義務的調査を指示しました。

 問題点2
 明治時代の唱歌「神武天皇」や「仁徳天皇」は、天皇支配を正当化するために編纂された古事記・日本書紀の神話・伝説(作り話)にもとづく歌であり、「天皇のために命を捧げさせる教育」の一環でした。皇紀2679年や第126代を使うことは、戦前の皇国史観(天皇中心の歴史観)にもとづく教育の実践であり、黙認できません。

 なお、今回の児童朝礼で行われたことの問題点は、「子どもたちに渡すな!危ない教科書大阪の会」が、118団体・1624人の賛同を得て、7月16日に大阪市教委あてに提出した抗議文(同封別紙)をご参照ください。
 私たちは、広く市民・保護者に問題を知ってもらうため、チラシ(同封別紙)を各戸にポスティングしています。教職員のみなさまには、ぜひ、この問題について考えていただきたいと思います。
 以下は、高知の教員だった竹本源治さんが1952年に作られ、多くの教員が心に留めてきた詩です。
 『戦死せる教え児よ』

逝いて還らぬ教え児よ 私の手は血まみれだ!
君を縊(くび)ったその綱の 端を私も持っていた
しかも人の子の師の名において
嗚呼!『お互いだまされていた』の言訳が なんでできよう
慙愧(ざんき)、悔恨、懺悔(ざんげ)を重ねても それが何の償いになろう
逝った君はもう帰らない
今ぞ私は汚濁の手をすすぎ 涙をはらって君の墓標に誓う
『繰り返さぬぞ絶対に!』
 2学期も始まり大変お忙しい中、失礼いたしました。
2019.8.20     草々

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 この秋には、「即位の礼」「大嘗祭」が行われ、ますます天皇制が強化され、天皇制に対する批判さえできにくい状況が作られつつあります。
 世の中がそうなれば、主権者であるはずの子どもたちも、何も考えず「天皇陛下」(ということは自分たちは臣民)と言い、天皇主権の歌「君が代」を歌うことに何の疑問も持たなくなるでしょう。
 また「大嘗祭」は天皇が「神」になる儀式だといっても、何の疑問も感じないようになるでしょう。
 戦後日本の人々は「だまされていた」と言いましたが、同じことが今また起きているのです。
 それに対し大阪の仲間たちは闘いに立ち上がっています。
 連帯して闘いましょう。

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  【僕、国歌歌わないもん】(石原慎太郎)
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  東京五輪に 【国旗も国歌も必要ない】(ビートたけし)
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  対米従属で「世界征服」を夢想するデマゴギー政治家安倍首相を倒そう!
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「都教委包囲首都圏ネットワーク」のブログのアドレス
 http://houinet.blogspot.jp/
「千葉高教組『日の丸・君が代』対策委員会」のホームページ
 http://hinokimitcb.web.fc2.com/
「ひのきみ全国ネット」のウェブサイト
 http://hinokimi.




日韓対立で『ワシントン・ポスト』が日本の歴史修正主義が原因と指摘!「日本が罪への償いを怠ったことが経済を脅かす」

LITERA 2019.08.18 05:59

 嫌韓煽動報道が完全に日常化してしまった日本メディア。8月14日の「日本軍慰安婦被害者をたたえる日」、8月15日の「光復節」をめぐっても「反日ムードが高まる日」「反日集会」「文大統領が『光復節』で日本に対抗」などと、対立ムードを煽りに煽っていた。

 実際には、文在寅大統領は「慰安婦をたたえる日」集会には出席せず、「光復節」のスピーチでも日本に対話を呼びかける非常に冷静なものだったが、テレビのワイドショーは「文大統領のトーンが弱まった」としつつも、北朝鮮との経済協力を強調していたことに難癖をつけたり、8月2日のホワイト国除外閣議決定を受けて文大統領が発した「賊反荷杖」という言葉をもう一度引っ張り出すなどして(しかも、例の「盗人猛々しい」という“煽り訳”をつけるかたちで)、相変わらず文大統領攻撃を展開。「光復節」についても、まるで「韓国の反日がこれまで以上にエスカレートした」「日本糾弾イベント続々」などと報じた。

 しかし、今年の「光復節」は決して、日本のマスコミが決めつけるようなたんなる「反日の日」「日本糾弾の日」ではなかった。

 日本メディアはまったくと言っていいほど報じなかったが、「光復節」の演説で文大統領は日本に対話を呼びかけただけでなく、その「光復節」の本質について、こう語っていた。

〈光復は私達にとってのみ嬉しい日ではありませんでした。
日清戦争と日露戦争、満州事変と日中戦争、太平洋戦争まで
60余年間の長く長い戦争が終わった日であり、
東アジア光復の日でした。
日本の国民たちもまた、軍国主義の抑圧から逃れ
侵略戦争から解放されました。〉
(「コリアン・ポリティクス」編集長・徐台教氏による全文訳https://news.yahoo.co.jp/byline/seodaegyo/20190815-00138475/

 日本メディアでは、「日本が敗戦した日は、韓国にとっては勝利、日本の植民地から解放された日」などと二項対立的に報じているが、文大統領は、多くの日本人にとっても終戦記念日は戦争と軍国主義から解放された日だとし、ナショナリズムを乗り越えるよう、日韓両国の国民に呼びかけたのだ。

 こうした姿勢は、韓国国民も同様だ。韓国国内の反日・不買運動などに対して当の韓国市民がNOの声をあげて撤回させていることなどがすでに報じられているが、日本メディアが「反日集会」「反日デモ」と決めつけたデモや集会も、単純に日本という国や日本人を攻撃する内容ではなくなっている。プラカードの多くはハングルで「NO安倍」と書かれ、抗議の内容も、多くは戦前回帰を志向し侵略戦争を肯定する安倍政権の動きを批判するものなのだ。

 また、韓国ではいま、『日本会議の正体』(青木理・著)の韓国版がベストセラーになるなど、安倍政権の極右思想の背景を検証する報道に注目が集まっている。

 これらの現象からわかるのは、韓国国民が日韓対立問題の本質をはっきりと認識するようになったということだ。

 いま、起きている日韓対立のエスカレートの責任のかなりの部分は、明らかに日本の歴史修正主義の台頭、そして安倍政権の侵略戦争肯定と戦前回帰政策にある。

 安倍首相は第一次政権で首相に就任するや、日本軍「慰安婦」の強制性を否定。米国から非難を浴びて撤回した後も、政権周辺がことあるごとに日本の戦争犯罪を否定し、先の戦争を肯定する発言を繰り返してきた。第二次政権になると、この動きはさらにエスカレート。2015年の終戦記念日には、日本の植民地支配と侵略を謝罪した村山談話を見直し、2015年末には慰安婦問題でまともな謝罪をすることなく、金で黙らせるような慰安婦問題日韓合意を結んだ。

 こうした安倍政権の姿勢が、韓国の国民の怒りと危機感を高まらせ、逆に日本の戦争犯罪を問い直す動きを加速させていったのだ。

ワシントン・ポスト「日本は何十万人を性奴隷にし朝鮮文化を根絶やしにしようとした」
 ところが、安倍政権はこの韓国との対立の沈静化を図るどころか、逆に“反韓感情”を煽動し続けた。徴用工問題で韓国の裁判所で日本企業に賠償責任を求める判決が出ると、参院選直前、消費税や年金問題などの不利な争点を隠そうと、官邸主導でその報復措置として対韓国輸出規制を決定した。

 しかも、国内では御用マスコミにオフレコで“徴用工問題への対抗措置”とリークして勇ましい姿勢をPRしながら、国際社会では批判を浴びることを避けるために「対抗措置ではなく、韓国に安全保障上の不備があったから」などとゴマカシを図るという、姑息な二枚舌作戦まで展開していた。

 こうした安倍政権の体質、やり口こそが最大の元凶であり、日韓対立をエスカレートさせているということに、韓国の人たちが気づき始めたのである。

 いや、韓国だけではない。欧米でも安倍政権の歴史修正主義の責任を問う声がどんどん強くなっている。例えば、米紙ワシントン・ポスト11日付電子版は、「日本が過去の罪への償いを怠ったことがいかに世界経済を脅かしているか」(How Japan’s failure to atone for past sins threatens the global economy)という記事を掲載した。

 記事はまず、世界のマーケットへの悪影響を指摘しながら、安倍政権の目的が徴用工問題での「報復」にあることをこう指摘する。

〈日本の動きはすでにメモリーチップの価格を急騰させており、世界のテクノロジーマーケットに恐ろしい影響を与えている。日本政府は制裁(the sanctions)の理由として安全保障上の懸念をあげているが、ほとんどの識者は、日本企業が第二次世界大戦中に強制労働させた朝鮮人に賠償金を支払うべきとした最近の判決に対する韓国への報復と見なしている。〉(訳は編集部による)

 そのうえで、日本政府がいまだに戦中のアジアへの侵略行為を清算できていないことをこのように解説するのだ。

〈日韓では何十年もの間、日本がどのようにして植民地支配の過去を償うべきかについての意見がわかれてきた。過去の数々の残虐行為をきちんと考慮してこなかったことが、東アジア地域を超えた経済的影響をもたらしているのかもしれない。さらなる平和と繁栄のために、国家というものは歴史に取り組まなければならない──その歴史がどれだけ醜悪だったとしても。
 第二次世界大戦の終焉とともに日本が帝国主義を放棄したそのときから、韓国のような元植民地では日本に対する根深い恨みが残り続けた。まず帝国主義の支配のもと、そして第二次世界大戦のあいだに、日本が犯した残虐行為の数々は、歴史上最も恐ろしいもののひとつだった。そこには、何十万人の“慰安婦”を性奴隷にしたことや、韓国の学童たちに日本語を教え込むことで朝鮮文化を根絶やしにしようとしたことも含まれている。〉


国際社会の批判を無視し、安倍政権の歴史修正主義と同化する日本マスコミ
 さらに同紙は、1965年の日韓基本条約にも触れ、〈しかし、この条約はまた、日本を過去の残虐行為の清算から逃れさせた〉として、交渉において日本政府と韓国軍事政権が戦争被害者の視点を考慮しなかったと指摘。その後、80年代から90年代にかけての韓国民主化の流れのなかで、それまで沈黙を強いられていた元「慰安婦」が声を上げたと解説し、〈条約は彼女たちの不満を扱うのに十分でないことを証明した〉と述べる。そして、過去の戦争犯罪を忘却させようとする日本社会と政治の歴史修正主義的な性格を指摘し、日韓の貿易問題に限らず、こうした状況が世界に及ぼす悪影響を示唆して記事を締めくくっている。

〈日本はまた口先だけの努力で(両国の)論争を煽り続けている。90年代以降、日本の政治的リーダーらは、日本の過去の悪行のお詫びと反省を表明するいくつもの談話や声明を出してきた。しかしながら彼らの釈明、あるいはその誠実さに疑問符を付けさせる悪名高い靖国神社参拝などの行為で、談話や声明を一貫して弱めてきた。
 日本社会は、第二次世界大戦で日本軍がしたことを認め、反省を示すことを失敗してきた。ドイツとは違い、日本は第二次世界大戦での残虐行為を人々に教育し思い起こさせる記念碑や記念館を建ててこなかった。現在の総理大臣である安倍晋三は、歴代の首相よりも歴史問題で強固な姿勢をとっており、それまで以上の謝罪をおこなわないことを明確にしている。学校教育では20世紀初めの日本は純粋に利権を追求したにすぎないと教えられ、日本の若者もまた自分たちの国が過去におこなったことについて謝罪する必要はほとんどないと思っている。こうした傾向はすべて、ナショナリストのパブリックメモリーとしてより強化し、現在の貿易問題を悪化させる恐れがある。
 貿易戦争が地域経済と世界経済に波及する前に日本と韓国が何かしらの合意に達する可能性はあるが、現在の問題が解決したとしても、日本が、近隣諸国との和解を達成するために、さらに広く一貫した努力をしないかぎりは、アジアは常に、別の経済的あるいは軍事的な危機に近い状況に不安定なかたちで置かれるだろう。難しい歴史の考慮を怠ったことが未来の繁栄に限界をもたらし、そして世界の他の地域が苦しむ結果になるかもしれない。〉

 日本政府がアジア侵略や戦争犯罪を反省し、被害を受けた市民一人一人に対して謝罪や真摯な対応をしなかったことが、現在の日韓関係の悪化を招き、さらには世界経済を混乱させかねない。そう追及するワシントン・ポストの論調は、国際的に考えて至極当然のものだろう。

 しかし、韓国国民が反日ではなく、安倍政権の戦前回帰、大日本帝国肯定に危機感を持っていることも、そして、欧米をはじめとする国際社会がワシントン・ポストと同様に、「安倍政権が過去の罪の償いに向き合わないこと」が韓国との対立の最大の原因だと捉えていることも、いまの日本のメディアはほとんど報道しようとしない。

 それどころか、テレビのワイドショーなどはまったく逆に、安倍政権の歴史修正主義、戦争犯罪否定をデフォルト化させ、植民地時代の差別的視線そのままに、洪水のような韓国ヘイト報道を展開しているのだ。

 17日、ジョージメイソン大学大学院博士課程の社会学研究者・古谷有希子氏が、「Yahoo!個人」に「日韓関係の悪化は長期的には日本の敗北で終わる」と題した論考を発表。そのなかで、日本政府に対して〈たとえ貿易戦争で一時的に国民をスカッとさせるような結果を得ても、歴史修正主義に立った「歴史戦」は日本の外から見れば明らかに日本の劣勢であり、長期的に見れば勝ち目のない戦いである〉と警鐘を鳴らした。

 ネトウヨはこの論考に早速「反日」「韓国の回し者」と攻撃を加えているが、この分析は国際社会の動きを見ると、決して間違っていない。安倍政権の煽りに乗っかって、日本がのっぴきならない状況に追い込まれたら、間違いなく、その共犯者はマスコミである。

(編集部)

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