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弾圧と戦争が手をつないでやってきた! 即時閣議決定すべきは個人通報制度批准!! ピース9 国連経済社会理事会正式協議資格NGO

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  =草の根運動総会での発言=
 ◆ 「辺野古海域の埋め立て」までに多くのハードルが
奥野倫子(東京・日野市議会議員、沖縄市出身)

 まず、沖縄で育った私自身の話からさせていただきます。私は、コザ暴動で有名な旧コザ市で子ども時代を過ごしました。
 基地の町、というよりは、米兵相手の歓楽街でしたから、当時は、米兵があちこちを自由に歩き回っていました。私の小学校はまだよかったのですが、隣のコザ小学校というのは、歓楽街の中の一本道が通学路になっていて、そこを通らなければ、たどり着けないところにありました。両側には白人ダンサーのヌード写真がべたべた貼ってあって、子どもたちは、その写真を眺めながら登校しました。
 そして、ベトナム戦争当時、子どもたちは、毎朝、朝早起き競争をしていました。なぜだか、おわかりでしょうか?夜に、バーに繰り出した米兵たちが、店から出てきた際に、見送るホステスに対してチップを投げるので、朝、明るくなってみてみると、そこら中に、お金が落ちているからです。貧乏な家庭の子ほど、早起きをしていました。


 東京でこういう話をすると、「立川にだって赤線地帯はあったよ。沖縄だけじゃないよ。」という突っ込みが返ってきたりするのですが、やはり、少し意味合いが違うように感じます。
 米兵は「お客様」でしかなかった立川と、「米兵は武士で、住民は百姓」という状況だった沖縄では、軍と住民との関係性は、全然違っていたと思います。
 私の家は核家族で、共働きなのに、当時は学童保育もない時代でした。町に危険があふれている時代でしたので、小学校時代の私の髪の毛は、いつも坊ちゃん狩り、そして、ズボンばかりはいていました。

 さて、ここからが、
沖縄の現状についてのお話です。
 翁長知事の行政処分という実力行使を起点として、沖縄県と安倍政権の辺野古移設を巡る争いが、ここにきて、ますます熾烈を極めています。
 この間の経緯をふりかえらせていただくと、まず、10月の13日に、
翁長知事が、埋め立て処分の”取り消し”を宣告しました。
 石井啓一・国土交通相は、「公有水面埋め立て法」を所管する立場から、翁長知事の取り消し処分を、「一時執行停止」扱いとし、10月の28日に、翁長知事に、埋め立て承認取り消しの撤回を求め、「地方自治法に基づき是正を勧告する」旨の文書を郵送しています。
 「勧告」と、それに続く「指導」に従わない場合には、高裁に対して、取り消し処分を無効にするための提訴をし、そこで勝利した後に、「埋め立て処分・取り消し」を撤回し、知事に代わって代執行する…という政府の描いた路線に従って、粛々と進められているわけです。
 そして、昨日、ニュースでも流れた通り、是正勧告への回答期限を迎え、翁長知事は、勧告に従わないことを表明しました。
 沖縄県は、こうした事態を受けて、国と地方の争いを調停する
総務省の「係争処理委員会」に、審査を申し立てています。
 ここまでが、現時点における国と沖縄県との係争の経緯です。

 県環境評価条例に基づいて、
防衛局と県とで協議をしなくてはならない『工事着手の届け出』というものがありますが、県側は、埋め立て処分を取り消した13日の日に、「処分取り消しにともない、協議はなくなった」旨の通知を防衛局に出しています。
 ところが、県の“取り消し”自体が執行停止になったことにより、県は再び、防衛局と協議をしなければならなくなり、改めて協議を申し入れたのですが、沖縄防衛局は「県側から協議の打ち切りを宣言した以上、協議をする必要はなくなった」という見解を県に伝えてきました。
 
菅官房長官も、同じく、「13日の時点で協議はなくなった」という見解を出しました。
 こういう大人げない態度こそが、「沖縄に対するいじめ」だということに、彼らは気が付かないんでしょうか。
 菅官房長官初め、安倍閣僚というのは、
子どもの喧嘩を平気でできる人たちで構成されているわけで、国のトップが、この程度のレベルでしかないことが、国民の最大の不幸だと思います。

 マスコミはどうかと言えば、産経や読売は、「翁長氏の埋め立て処分取り消しは、辺野古移設反対という政治的判断の方を優先させるものであり、法定受託事務の逸脱に当たる。」とう論調に偏っています。
 
安倍首相自身も、翁長さんの処分取り消しに対し、「違法だ。移設の目的は、普天間の危険除去であり、著しく公益を害する。」と見解を述べています。
 ここからは、法律の話になるのですが、後で、平山(知子弁護士)さんから、補足願えればと思います。

 まず、知事が取った「処分取り消し」は、著しく公益を害するのでしょうか?そんなことはありません。安倍首相の言う公益とは、普天間移設のことを指すのであって、
「処分取り消し」そのものが、どのような公益に反しているのかということは、語ることができていないのです。
 辺野古こそが、日本国民にとっての公益なのでしょうか?そして、辺野古でなければ、安倍首相の言うように、「違法」なのでしょうか?とんでもありません。
 このように、「常に断言調で、言いっぱなし」というのが、自民党の歴代首相の特質でもありますが、今のところ、国民への説明責任を、全く果すことができていません。

 では逆に、その「処分取り消し」を受けて、「行政手続き不服申し立て法」に基づき、沖縄防衛局という「国の行政機関」が行った今回の申し立てや、そして、それを受けての
「仮差し止め」や「行政代執行」というのは、地方自治法に合致しているのでしょうか? これまた飛んでもありません。
 確かに、地方自治法は、国が知事に事務を託す「法定受託事務」に関するトラブルによって、行政が停滞しないように、代執行の手続きを定めています。国サイドは、この代執行を錦の御旗として、「知事による法定受託事務は、法令に反している」と捉え、「これを放置すれば、”著しく公益を害する”と認められる場合は、高等裁判所の判決を経て、所管する官僚が事務を執ることが認められる」というケースに、辺野古を当てはめているわけです。
 しかしながら、行政不服申し立て法では、この
不服申し立てをする権利があるのは、「行政行為によって、違法に権利を侵害された国民のみ」となっているにもかかわらず、法の趣旨を無視して、沖縄防衛局という国の機関が国土交通省という国そのものに対して、申し立てているのです。新基地建設の工事は、十分に阻止が可能だということになります。

 防衛局は、今年7月に、この最難関の護岸工事に関する事前協議を、県に申し入れましたが、知事からの承認を取り付けるのは難しいと判断したのか、一方的に協議を打ち切りました。
 この時点で、国はすでに、知事が「処分・取り消し」に動くと睨んで、強権的に代執行をするということで、方向性が定まったのではないかと思われます。強権政治を許さない世論の構築が大変重要だと思います。

 最後に、
これからの運動の展望について、語りたいと思います。
 翁長知事は、菅官房長官との会談の後に、「アメリカ統治時代に沖縄に君臨したキャラウェイが語った言葉、『沖縄住民にとっての地方自治は、単なる神話でしない。地方自治は沖縄において存在しない。』と語ったキャラウェイ高等弁務官の姿が思い出される」と述べました。
 名護市長選や沖縄県知事選、そして衆議院選で示された沖縄県民の民意を、キャラウェイのごとく、「存在しないかのようにふるまう」、安倍をはじめとする為政者の存在は、日本が独裁国家であることを体現しているも同然です。

 辺野古への基地建設を阻止するために、沖縄では、オール沖縄の戦いが続いていますが、
残念なのは民主党の態度です。
 最近も、岡田党首がわざわざ、翁長知事を表敬訪問して、「この問題では、沖縄とは一致できない」と伝え、県民ばかりか、全国民をがっかりさせました。鳩山政権時代に、「県外移設」とぶち上げたものの、国内中探しても、移設先が見つからなかったということがトラウマとなった民主党は、「対案を提示できないのに反対するのは無責任」という態度を取っています。
 しかしそれならば、民主党はなぜ、米軍基地を、何が何でも国内に置かなければならないと考えているのか、政党である以上、その理由を、国民にきちんと説明する義務があります。

 1972年に、沖縄が本土復帰しましたが、復帰を契機にして、在沖海兵隊の撤退を余儀なくされることを想定した米軍は、
在沖米軍基地をテニアンに移転する計画を立て、滑走路やら、港湾やらを備えた「複合的基地建設」を進めていました。
 この計画は、74年に大幅に縮小されましたが、その理由として、「日本側が、沖縄の米軍の兵力を維持することを、望んだからだ」ということが、「アメリカ国家安全保障会議」・NSCの機密文書に記載されおり、機密指定解除によって、この間の明らかになったものです。
 このNSCの文書は、他にも、「海外の基地は、受け入れ国が政治的圧力に対して、とても脆弱であるという弱点を持っている」と分析しているにもかかわらず、日本側が、これをさえぎって、引き留めたのだということが発覚しているのです。
 そうであれば、沖縄に駐留する理由として、日米両政府が説明する
「地理的優位性」については、米軍自らテニアンを選択していることからも、根拠は大変薄弱だということになります。
 移転先を、沖縄県内にこだわる民主党が、沖縄にこだわる理由として、「地理的優位性」以外に何の根拠をもたず、その点において、自民党と一線を画することができないのであれば、民主党がりベラルを結集して、自民党の対抗勢力となりえることは、まずあり得ないでしょう。
 民主党を、「国外移設の道しかない」という立場に立たせるためには、やはり、国民的な世論と運動が、民主党の背中を押すしかないであろうと思います。

 そして、私は、基地撤去の運動を拡げるためには、もう一つ、阻害要因があると感じています。
 それは、沖縄の運動が、
「県外移設」にとどまっているという点です。
 「県外移設」という方法は、「お互いに基地を押し付けあう」解決の仕方でしかありません。沖縄の基地負担が軽くなったと同時に他県の負担が重くなるということでは、日本国民の一致した要求、そして、一致した戦いにはなりえない弱さを、戦略的に持っています。
 また、「県外移設」を掲げた時に、「移設先の候補さえ見つからない。」という状況では、「世界一危険な普天間基地をそのままにしてよいのか」という政府の言い分に、十分に対応できないようにも思えます。
 ここは、「普天間基地の国外撤去、候補地探しは、アメリカの責任」という立場を明確にするべきではないでしょうか?
 沖縄の負担解消のために、名乗りを上げる県が出ないときに、あるいは、沖縄基地負担の代替を断る自治体があった時に、そして国がそれを許す現状を県民が目の当たりにしたときに、沖縄県民は差別感と挫折感とに突き落とされて、「沖縄独立論」へといざなわれていくのではないかと思います。
 堂々と、「国外移設」を掲げないことこそが、翁長さん率いるオール沖縄の戦いを、オールジャパンの戦いへと発展させるうえで、最大の阻害要因になっていると感じています。

 基地は、沖縄だけでなく、全国に存在しています。基地の弊害とその影響による苦しみは、沖縄だけに集中しているわけではないのですから、沖縄だけでなく、全国から基地をなくすことが重要です。
 さらに自分の「地元」から、そして、暮らしている「足元」から、生活者の目線でしっかりと軍事基地を捉えることが大事ではないかという点と共に、全国が沖縄を向くのではなく、全国が自分の足元を見て、そこにある基地をなくす取り組みをした時に初めて、「全国は一つになれる」、初めて、「オールジャパンの戦いが繰り広げられる」のだと思います。
 この首都東京でも、11月21日に、福生市において、オスプレイ配備反対の集会がありますので、一緒に参加して盛り上がりましょうと呼びかけさせていただき、私からのつたない報告を終わります。

 報告は以上ですが、最後におまけです。
 辺野古、二見、大浦と字が続くのですが、大浦が、私の母の故郷です。辺野古を含む、旧区久志村の海辺の地域の、自然の豊かさと、人の心の美しさ、そして、戦争の悲しさを歌った
「二見情和」という沖縄民謡がありますので、最後に、その歌を歌って、終わりたいと思います。ありがとうございました。

『草の根通信ニュース 89号』(2015/12/28)
 占領70年の2015年を国民県民の主権と民族意識目覚めの年に!
 「平和的で責任ある政府が樹立されたとき、連合国の占領軍は、直ちに日本国から撒退しなければならない」(ポツダム宣言)。
 「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する」(憲法前文)



パワー・トゥ・ザ・ピープル!! パート2

  =年末特別企画 リテラの2015年振り返り (リテラ)=
 ■ 差別、でっちあげ、抗争扇動、真相隠ぺい
   ・・・犯罪・事件報道でマスコミが犯した“7つの大罪”から


 ■ “佳子さま”脅迫事件でも!警察による不当な「偽計業務妨害」、そして「威力業務妨害」の濫用
 ここ10年来、ネット上での犯行予告事件など、現行の刑法では取り締まりが難しい事案に対し、安易に威力業務妨害や偽計業務妨害で検挙するケースが増大している。
 前述の2つのドローン事件では「威力業務妨害」、今年5月には秋篠宮家次女の佳子内親王に対し、危害を加えるなどの書き込みをネット上で行った43歳男性が、「皇宮警察に警戒を強化させた」として偽計業務妨害で逮捕された。
 偽計業務妨害罪は「虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害」した際に適用されるもので、威力業務妨害罪とともに3年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科せられている。


 しかし、この「威力業務妨害」「偽計業務妨害」適用については、拡大解釈、不当逮捕ではないかとの声が法曹界の一部からあがっている。
 たとえば、ドローン少年はドローンを「飛ばす」としただけで、「妨害」はまったくしていない。また、業務妨害というのは、本来、民間の活動に対する妨害行為を取りしまるものなのに、官邸ドローン事件と佳子さま脅迫事件では、それぞれ、官邸、皇宮警察の業務を妨害したという理由でこの罪が適用された。

 この背景には、以前は、デモが盛んなときは反政府的な動きを公務執行妨害で取り締まっていたが、ネット時代になって、それが通用しなくなったため、代替案として威力業務妨害罪や偽計業務妨害罪を適用し始めたことがある。
 実際、都立高校の元教師が卒業式会場で保護者らに国歌斉唱の際に着席を呼びかけるなどした事件や、特定秘密保護法の強行採決に反対・抗議して参議院本会議場に靴を投げ入れた男性に対しても、威力業務妨害罪が適用されている。
 権力側の恣意的な運用により、何でもかんでも「業務妨害罪」を恣意的に濫用することが可能になってしまったこの状況。もちろんこれはマスコミに対しても運用可能で、言論に対する重大な危機だが、しかしメディアの反応は驚くほど鈍い。

『LITERA/リテラ 本と雑誌の知を再発見』(2015.12.30)
http://lite-ra.com/2015/12/post-1841_7.html


パワー・トゥ・ザ・ピープル!! パート2

 ◆ 日本軍「慰安婦」問題に関する日韓外相会談に対する弁護士有志の声明

 1 2015年12月28日、日本の岸田文雄外相と韓国の尹炳世外相は、日本軍「慰安婦」問題の解決に関する共同記者会見を行った。

 2 記者会見において岸田外相は、第一に、「慰安婦」問題が当時の軍の関与の下に多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、かかる観点から日本政府は責任を痛感していること、安倍首相が日本国の内閣総理大臣として改めて、「慰安婦」として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われた全ての方々に対し、心からおわびと反省の気持ちを表明する、と述べた。
 これは、安倍内閣も含めて歴代内閣が踏襲するとしてきた河野談話の一節とほぼ同じ表現である。


 これまでの歴史研究や裁判所の判決等の成果を踏まえるならば、日本軍が主体的に「慰安所」を立案・設置し、管理・統制していた事実や、慰安所での性暴力が国際法や国内法に違反していたことなどを認めることができる。
 日本政府が今日「慰安婦」問題の事実と責任に言及するのであれば、これらの研究成果等も踏まえるべきであり、それが被害者の求めていることでもある。その点で、岸田外相の上記言及は不十分と言わざるを得ない。

 3 第二に、日本政府は、韓国政府が設立する財団に日本政府の予算から約10億円を一括して拠出し、日韓両国政府が協力して、「慰安婦」被害者の方々の名誉と尊厳の回復、心の傷の癒やしのための事業(以下「名誉回復等事業」という。)を行うとしている。しかし、その内容は不明であり、具体化は先送りされたといえる。

 (1) 名誉回復等事業の一環として、日本政府が女性のためのアジア平和国民基金(アジア女性基金)解散後のフォローアップ事業の規模拡大を検討している旨報じられている。しかし、アジア女性基金国の責任を曖昧にしたとして批判され、韓国の「慰安婦」被害者の多くがアジア女性基金からの償い金の受領を拒否した経緯がある。そのため、アジア女性基金のフォローアップ事業に対する被害者及び支援者からの批判は強い。したがって、フォローアップ事業を名誉回復等事業として行うべきではない。

 (2) そもそも、日本軍「慰安婦」問題解決に最も重要なことは、日本政府が、「慰安婦」への加害と被害の事実と、それに対する責任を明確な形で認め、公式に謝罪をすることにある。そして、被害者らが求めているのは、その謝罪の証としての賠償であるし、「慰安婦」問題の真相究明や、義務教育課程の教科書への記述などの再発防止措置などである。

 (3) 賠償に関しては、日本政府は、日韓請求権協定第2条第1項が請求権問題について「完全かつ最終的に解決された」と規定していることにより日本は法的な責任を認めることはできず、また法的な賠償を行うことはできないという説明を繰り返し表明している。
 しかし、このような説明はミスリーディング(誤導的)である。
 日韓請求権協定第2条第1項は、以下のとおり、日本政府が被害者個人に対する法的な責任を認め、法的な賠償を行うことについての障害とはならないからである。
 すなわち、中国人「慰安婦」被害者についての事件に関する日本の最高裁判所の判決(2007年4月27日)は、サンフランシスコ講和条約及び日中共同声明の請求権放棄条項(以下「請求権放棄条項」という。)について、「請求権を実体的に消滅させることまでを意味するものではなく、当該請求権に基づいて裁判上訴求する権能を失わせるにとどまる」と判示した。
 また、同日に出された中国人強制連行被害者の事件に関して、最高裁は請求権条項に関し上記と同じ論理を述べたうえで、「個別具体的な請求権について、その内容等にかんがみ、加害者側において任意の自発的な対応をすることは妨げられない」と判示した。
 裁判上の請求は認められないが、裁判手続の外で賠償を受ける法的権利としては残っているとしたのである。
 この最高裁の判決の論理は日韓請求権協定第2条第1項の解釈にも妥当する。したがって、同協定第2条第1項は、日本政府が被害者個人に対する法的な責任を認め、法的な賠償を行うことについての障害にならない。
 ところが、以上の理を、日本政府は、国民や社会に対して十分に説明せず、同協定第2条第1項を理由に法的責任、法的賠償ができないとしてきた。今回、これを改め、日本政府は、最高裁の判断を尊重し、被害者個人の賠償請求権が実体的には消滅していないことを前提に、解決を図るべきである。

 (4) 仮に名誉回復等事業が、日本政府の「慰安婦」問題に関する謝罪の証として行われるのであれば、その内容は前記のとおり被害者の要求に適合したものにすべきであり、そのためには、名誉回復等事業の策定過程において、「慰安婦」被害者や支援者の意向を十分に反映すべきである。

 4 第三に、日韓両国政府は、名誉回復等事業が着実に実施されるとの前提で、「慰安婦」問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認したとしている。

 (1) 日本軍「慰安婦」問題の最終的解決のためには、日本政府による「慰安婦」に対する加害と被害の事実と責任への具体的な言及と謝罪、謝罪の証としての賠償等が誠実に実施されることがなければならない。
 前記のとおり、日本政府の事実及び責任への言及は不十分であるし、名誉回復等事業の内容も定まっていない。このような段階で、日韓両国外相の合意により最終的かつ不可逆的に解決したなどということはできないし、最終的な解決を「慰安婦」被害者の頭越しに両政府が取り決めることはできない

 (2) 日本軍「慰安婦」問題の解決のためには、日本政府が心からのおわびと反省の気持ちを表明するだけではなく、それを被害者らに受け入れてもらえるように、日本政府が不断の努力を行動で示すことが必要である。
 そこには、「慰安婦」の被害実態を否定しようとする言説に対して日本政府が敢然と反駁するなど、日本政府の一貫した姿勢を示すことも含まれている。
 それらの努力が継続されることで、被害者や遺族や支援者などから信頼を得ることができるのであり、それにより初めて日本軍「慰安婦」問題の最終的解決に近づくのである。
 両国政府間で「最終的かつ不可逆的に解決されることを確認した」からといって、日本軍「慰安婦」問題が最終的に解決したとは言えない

 (3) 記者会見では、日本軍「慰安婦」問題の最終的かつ不可逆的に解決されたといえるためには、その前提として、日本政府が表明した措置を着実に実施することが必要であるとされている。
 日本軍「慰安婦」問題が最終的解決に至るか否かは、「慰安婦」に対する加害と被害の事実への具体的な言及と謝罪が行われ、名誉回復等事業の内容が被害者の要求に適合していることを前提に、日本政府がそれを着実に実施することで被害者等の信頼を得ることができるのか否かにかかっているのである。

 5 第四に、日本政府は、韓国政府と共に、国連など国際社会において、「慰安婦」問題について互いに非難・批判することは控えるとしている。この点、韓国外相は、「日本政府が表明した措置が着実に実施される」ことを前提としたうえで、互いに非難・批判することは控えると述べている。
 したがって、今後日韓両国政府が相互非難・批判を自制できるか否かは、名誉回復等事業の内容の確定と、日本政府によるその着実な実施にかかっているのである。

 6 第五に、韓国政府は、在韓国日本大使館前の少女像に関し、可能な対応方向について関連団体との協議を行う等を通じて、適切に解決されるよう努力する、としている。
 少女像は「慰安婦」被害者を支援する韓国の民間団体が設置したものである。そのため、日韓両国政府が少女像について解決への努力に合意したとしても、その合意自体、当該民間団体を法的に拘束するものではない
 そもそも少女像は、駐韓日本大使館前で日本軍「慰安婦」問題の解決を求めて行われてきた「水曜デモ」が1000回を迎えたことを記念して建てられたものである。その経緯に鑑みれば、少女像の適切な解決のために最も重要なのは、日本政府が日本軍「慰安婦」問題に対する従来の姿勢を改めて事実と責任を明確に認め、日本軍「慰安婦」被害者や支援団体の理解を得ることである。
 記者会見では、少女像の解決への努力は韓国政府が負担することになったとされたが、本来は、日本政府が「慰安婦」被害者や支援団体の理解を得ることができるかどうかによるのである。

 7 以上のとおり、日本軍「慰安婦」問題に関して日韓両国外相間で合意が成立したというものの、問題は先送りされておりいまだ問題の解決に至っていない。日本軍「慰安婦」問題の解決は、今後の日韓両国政府及び日韓両国市民の取組にかかっているのであり、今般の日韓外相合意はその出発点に過ぎない。
 日本軍「慰安婦」被害の実態を究明し、これを世界や、後世に伝えていくことは、日本政府が真に事実と責任を認め、謝罪の意思を有していることを示す証であるとともに、未来に向けて二度と同じ過ちを繰り返さず、真に人権が保障される社会を築こうとする決意の表れでもある。それは日本を貶めることではなく、かえって、これこそが日本の目指すべきところである。
 もとより「慰安婦」被害者は韓国人被害者だけでなく、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)、中国、台湾、フィリピン、インドネシア、東ティモール、オランダなどの地域に存在する。これらの被害も含めて「慰安婦」被害全体についての事実究明、教育、広報を通じてこそ、日本がいまも人類が克服できていない、戦時の性暴力被害を地上から撲滅する先頭に立つことができる。それこそが日本が目指すべき目標であり、今回の合意はこの目標にかなうものでなければならない。
 私たちは、今回の合意がその目標に向けた新たな取り組みの出発点として、日本政府が、韓国政府の協力のもと、「慰安婦」被害者の要求を踏まえて、「慰安婦」への加害と被害に具体的に言及し、責任を認め、誠実に謝罪をするとともに、その謝罪の証として賠償等の具体的な措置を、被害者が受け入れることができるような内容、形態において、誠実に実施することを強く求めるものである。

2015年12月30日
日本軍「慰安婦」問題の解決を求める弁護士有志(五十音順)
弁 護 士 足 立 修 一         弁 護 士 泉 澤 章
弁 護 士 伊 藤 真           弁 護 士 岩 月 浩 二
弁 護 士 殷 勇 基           弁 護 士 内 田 雅 敏
弁 護 士 大 森 典 子         弁 護 士 小野寺 信 勝
弁 護 士 川 上 詩 朗         弁 護 士 姜 文 江
弁 護 士 金 英 功          弁 護 士 金 昌 浩
弁 護 士 金 哲 敏          弁 護 士 金 奉 植
弁 護 士 金 星 姫          弁 護 士 黒 岩 哲 彦
弁 護 士 後 藤 富 和         弁 護 士 崔 信 義
弁 護 士 在 間 秀 和         弁 護 士 坂 口 禎 彦
弁 護 士 澤 藤 統一郎        弁 護 士 菅 本 麻衣子
弁 護 士 宋 惠 燕          弁 護 士 


パワー・トゥ・ザ・ピープル!! パート2

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