第107回ILO総会討議資料:
パレスチナの失業率世界最高レベル ..
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第107回ILO総会
第107回ILO総会討議資料:パレスチナの失業率世界最高レベル
記者発表 | 2018/05/30
ILO総会の討議資料の一つとして、1980年の総会決議に従い、翌年から毎年、アラブ被占領地(パレスチナ及びシリアのゴラン高原)の労働市場と雇用の現状、労働者の権利についてまとめた報告書『The situation of workers of the occupied Arab territories(アラブ被占領地の労働者の状況・英語) 』が事務局長報告付録として提出されています。現在ジュネーブで開かれている今年の総会 に提出された報告書は、パレスチナの失業率が2017年に27.4%と世界最高レベルに上昇し、とりわけ女性(47.4%)と若者(43.3%)に深刻なことを指摘し、対話と共同の解決策探求を通じて占領地にディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を実効的にもたらすことを呼びかけています。そして、ILOをはじめ、国際社会全体がこの取り組みに全面的に従事し続け、それぞれの公約に誠実であることを求めています。
報告書は、オスロ協定に基づく政治外交プロセスの欠如が占領状態を強固にし、パレスチナの発展を妨げているとして、「最低レベルまで悪化したパレスチナの労働市場」について「すべての関係者にとって深刻な懸念事項であるべき」と指摘し、「機会の欠如が若者を自暴自棄にさせているのは明らか」と説いています。状況はガザ地区で一層深刻で、失業者はほぼ2人に1人に達し、女性に限って言えば3分の2近くが無職です。封鎖は経済活動の多くを麻痺させ、1人当たり所得は1990年代初めの水準まで落ち込んでいます。
労働市場の動向は暗い経済情勢と占領によって課された制約を反映しています。深刻な雇用機会不足によって若者を中心に労働市場から離れる人が増えてきており、パレスチナの労働力率は45.5%と世界最低レベルに低下しています。
イスラエルによる東エルサレムを含む西岸地区の占領は経済活動に様々な制約をもたらしています。パレスチナ人は実効的に占領地のほとんどから閉め出され、入植活動は激化し、東エルサレムは残りの西岸地区から切り離されています。
全体的に対立が増えているものの、西岸からイスラエルに働きに出るパレスチナ人の雇用機会については元気づけられる協力の兆しが見られます。イスラエル当局による追加的な許可証の発行に後押しされてイスラエルと入植地で働くパレスチナ人は前年比11%超増と再び増加して2017年に13万1,000人余りに達し、西岸住民約65万人の生計に寄与しています。報告書はしかし、こういった人々の労働がいまだに高い費用、脆弱性、困難と結びつけられることに懸念を示しています。また、許可証取得者の半分近くが必要な書類を得るために仲介業者に法外な手数料を支払い続けており、この平均費用は月額給与の3分の1にも達し、イスラエルと入植地で稼いだパレスチナ人の賃金のうち、1億8,700万〜2億9,200万ドルが毎年このために消えています。その上、労働条件は不安定な場合が多く、とりわけ許可証を持たずにイスラエルや入植地で働いている4万人以上のパレスチナ人についてはそう言えます。報告書はそこで、イスラエルで働くパレスチナ人の募集・斡旋・職業紹介・入国制度の「緊急改革と統治の改善」を呼びかけ、このようなイニシアチブはパレスチナの労働者とイスラエルの使用者の両方が利益を得るであろう必要かつ歓迎すべき救済措置を表すと記しています。
報告書は、今年3月にアラブ被占領地とイスラエルを訪れた現地視察団が見出した事項と主な利害関係者との掘り下げた議論をもとにまとめられています。
ILO駐日事務所 インフォメーション プレスリリース
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