今 言論・表現の自由があぶない!

弾圧と戦争が手をつないでやってきた! 即時閣議決定すべきは個人通報制度批准!! ピース9 国連経済社会理事会正式協議資格NGO

過去の投稿日別表示

[ リスト | 詳細 ]

全1ページ

[1]

 
  《MAG2 NEWS》
 ▼ 「津波の高さの想定を下げろ」原発事故を招いた東電副社長の一言
   by 新恭(あらたきょう)『国家権力&メディア一刀両断』


 ▼ 大津波「長期評価」を歪めた内閣府、対策を怠った東電

 福島第一原発事故をめぐる経営者の刑事責任を問う東電裁判で、10月16日の第30回公判から旧経営陣に対する被告人質問がはじまった。
 原発の安全対策を担当していたのが、最初に登場した武藤栄元副社長だ。

 「想定外だった」と主張し続けてきた東電だが、この裁判のなかで、政府の専門部会による「長期評価」にもとづき、最大15.7メートルの津波が福島の原発を襲う可能性があると、事故の3年前に東電内部で試算されていたことが判明している。
 なのに、対策が講じられることはなく、武藤元副社長は「土木学会に検討を依頼せよ」と部下に指示していた。いわば「検討」という名の先送りだ。


 検察官役の指定弁護士にこの点を問われた武藤氏は「長期評価の信頼性は専門家でも意見がばらつき、報告した担当者から信頼性がないと説明を受けた」と語った。つまり「長期評価」を重視しなかったことを明らかにしたわけである。

 最大15.7メートルの津波を想定して沖合に防潮堤を建設する場合、数百億円規模の工事費がかかり、工期も4年と見込まれた。
 絶対安全ということはありえないが、こういう試算が出た以上、最大限の対策を立てるのが、原子力をあずかる会社の責務であろう。
 経営陣のソロバン勘定で、安全対策がないがしろにされたと疑われても仕方がない。

 武藤氏に津波の計算結果を報告した社員の1人は会社の対応について「津波対策を進めていくと思っていたので予想外で力が抜けた」と法廷で証言した。

 「長期評価」を重視する社員もいたのに、経営陣はあえて軽んじた。なぜ、その差が生まれるのか。見過ごせないのは、「長期評価」に対する政府の姿勢だ。

 「長期評価」の信頼度を低める画策が「原発ムラ」と内閣府の間で進められた形跡がある。

 今年5月9日の第11回公判。「長期評価」をまとめた政府の地震調査研究推進本部・長期評価部会の部会長、島崎邦彦氏(東京大学地震研究所教授)が証言した内容は衝撃的だった。

 島崎氏の部会は原発事故の9年前(2002年)、「三陸沖北部から房総沖の海溝寄りの領域のどこでも、マグニチュード8.2前後の地震が発生する可能性があり、その確率が今後30年以内に20%程度」という「長期評価」を公表していた。

 ▼ 内閣府から届いた「指示」の内容

 地震調査研究推進本部は阪神・淡路大震災後に設置された。
 文科省の管轄下にある機関だが、総理大臣を本部長とし全閣僚、指定公共機関の代表者、学識経験者で構成される内閣府・中央防災会議の意見を聞かなければならない。
 つまり内閣府にコントロールされやすい。

 島崎氏は部会長として、研究者たちのさまざまな考え方を取りまとめた経緯を法廷で詳細に述べた。
 地震波解析、GPS、古文書、地質、地形…異なる分野から出された意見をもとに「最も起きやすそうな地震を評価してきた」という。

 しかし、この「長期評価」の公表予定日だった2002年7月31日の5日ほど前、意外なことが起きた。

 事務局の前田憲二氏(文科省地震調査研究課管理官)から、島崎氏にメールが届き、そこに、内閣府の地震・火山対策担当、齋藤誠参事官補佐の文書が添付されていた。

 そして、その内容は「非常に問題が大きく…今回の発表は見送りたいが、それがだめなら最低限、表紙の文章を添付ファイルのように修正してほしい」という趣旨だったというのだ。

 「科学的ではない」と、内閣府の判断を訝った島崎氏は「修正文をつけるくらいなら出さないほうがいい」と反対し、言い合いになったが、結局は押し切られた。
 政府の有識者会議が政官に癒着した勢力の影響を避けられない構図がここにも見てとれる。

 この結果、「長期評価の信頼度について」という文面が表紙に付け足されてしまった。以下は、その内容の一部だ。

 今回の評価は、現在までに得られている最新の知見を用いて最善と思われる手法により行ったものではありますが、データとして用いる過去地震に関する資料が十分にないこと等による限界があることから、評価結果である地震発生確率や予想される次の地震の規模の数値には誤差を含んでおり、防災対策の検討など評価結果の利用にあたってはこの点に十分留意する必要があります。

 はじめからこのような「断り書き」があったのでは、「長期評価」をなめてかかることを政府が認めているのに等しい。

 中央防災会議がその2年後にまとめた防災計画でも、「長期評価」は軽視され、「過去400年間起きていないから」と対策から除外されてしまったのだ。
 400年間起きていないからこそ、起きる可能性が高いと考えるのが普通ではないだろうか。

 「長期評価」に従えば、三陸沖から房総沖にかけての原子力施設はこれまでの想定をはるかに超える防災対策をとらねばならなくなる。島崎氏は「これが中央防災会議で決まったら困る人がいる。原子力に配慮したのではないか」と述べた。

 内閣府の横やりで歪められはしたものの、「長期評価」の影響が大きかったのもまた事実である。東京電力の内部で、対策の必要性を訴える動きが出ていたのは先述した通りだ。

 ▼ 食い違う元幹部と元副社長の発言

 今年4月10日の第5回公判。東京電力で津波対策を担当していた社員「権威のある組織の評価結果であり、想定の見直しに取り入れるべきだと思った」と証言した。

 その社員は、2008年3月、東京電力のグループ会社「東電設計」から、「長期評価」をもとに計算した結果について報告を受けた。福島第一原発の敷地に最大15.7メートルに達する津波が押し寄せる可能性があるという内容だった。従来の想定を大幅に上回る数値だ。

 社員は同年6月、武藤元副社長に「津波の高さの想定を引き上げ、その対策をとることが必要になる」と報告した。
 武藤元副社長は同意したかに見えたが、その翌月、武藤氏から社員に告げられた回答は「土木学会に検討を依頼する」というものだった。

 実は、「最大15.7メートル」という試算をこの社員が知る前の同年2月、東電社内で、「御前会議」と呼ばれる重要な経営トップの会合があったことが今年9月5日の第24回公判で明らかにされた。

 東電で津波対策を担当するセンター長だった元幹部の供述調書が証拠として採用され、検察官役の指定弁護士が次のように読み上げた。

 2008年2月、勝俣元会長や武藤元副社長らが出席する『御前会議』で、津波の想定の引き上げで新たな対策が必要になることを報告し、異論なく了承された

 この供述が正しければ、東電トップは新たな津波対策の必要性を2008年2月時点で認識していたということになる。

 これについて、武藤元副社長は「津波の説明は受けていない。(御前会議は)あくまでも役員の情報共有の場で、決める場ではない」と答え、元幹部の供述と食い違いをみせた。

 「15.7メートル」の数字が出たあと、元幹部は武藤副社長から「なんとか津波の想定の高さを下げられないか」と「指示」されたという。

 供述調書のなかで元幹部は会社の判断の背景を次のように語っている。

 対策工事には4年以上かかり、国や地元から福島第一原発の運転を停止するよう求められる可能性があった。
 数百億円かかる工事は容易ではなかった
 当時は新潟県中越沖地震の影響で柏崎刈羽原発も停止し、会社の収支が悪化していた。武藤副社長の指示には私を含め反対する幹部はいなかった。

 福島第一原発事故を防げなかった過失を問うこの訴訟。
 勝俣恒久元会長、武黒一郎元副社長、武藤栄元副社長の旧経営陣3人が検察審査会の議決によって業務上過失致死傷の罪で強制的に起訴されたが、3人とも「事故の予見や回避は不可能だった」と無罪を主張している。
 10月19日の第32回公判では武黒一郎元副社長が「長期評価をもとに対策を決められる状況になかった」などと答えた。

 いつ来るかわからない災害。自分たちの任期中はたぶん大丈夫。御前会議をそんな空気が包んでいなかっただろうか。
 「長期評価」と真正面から向き合い、万全の対策を打っておけば…という後悔の念さえ、東電経営陣にはないのかもしれない。

 ▼ 東電だけにとどまらぬ「責任」

 東電によると、福島第一原発を襲った津波は14〜15メートルだったという。「長期評価」をもとに試算した「15.7メートル」とほぼ一致する。

 福島第一原発は「5.7メートル」の津波を想定して設計されており、「長期評価」を真摯に受け止めれば、危機感を抱くのがふつうである。

 責任は東電だけでなく、科学的分析を政治色でぼかした政府にもある。

 福島原発の事故後、国会の事故調査委員会は、原発に関する情報や専門性で優位に立つ東電に政府の規制当局が取り込まれ「監視・監督機能が崩壊していた」と指摘した。

 電力会社の「虜」になった政府機関が、東電の都合に合わせて「長期評価」の価値を貶め、対策を講じないことを黙認したといえるのではないだろうか。


 ※新恭(あらたきょう)
 記者クラブを通した官とメディアの共同体がこの国の情報空間を歪めている。その実態を抉り出し、新聞記事の細部に宿る官製情報のウソを暴くとともに、官とメディアの構造改革を提言したい。記者クラブを通した官とメディアの共同体がこの国の情報空間を歪めている。

 ※有料メルマガ好評配信中『国家権力&メディア一刀両断』

『まぐまぐ!ニュース!』(2018.10.26)
https://www.mag2.com/p/news/374148?utm_medium=email&utm_source=mag_news_9999&utm_campaign=mag_news_1026



 ◆ 裁量労働制を廃止する方法
   三菱電機の悲劇を繰り返さないために
 (Yahoo!ニュース - 個人)
今野晴貴 | NPO法人POSSE代表。雇用・労働政策研究者。

 ◆ 過労死が起きて、裁量労働制を廃止した三菱電機
 2012年から2017年までに、三菱電機において社員5名が長時間労働を原因とした労災認定を受け、うち2名が精神疾患により自死していたことが、9月の朝日新聞のスクープ報道で明らかになった。
 特に注目されたのが、労災認定されたうちの3名が裁量労働制を適用されていたことだ。

 裁量労働制は本来、自分の裁量で労働時間を決められるとされているはずの制度だが、一方でみなし労働時間以上の残業代を払わなくてよいため、「定額働かせ放題」として悪用される事例が後を絶たない。
 三菱電機でも、この制度が長時間労働を推し進めたものと考えられる。


 すでに2018年3月、三菱電機は裁量労働制を廃止したという。このこと自体は歓迎すべきことだろう。しかし、裁量労働制は死者を出すほどの犠牲を払わなければ、撤廃することができないものなのだろうか?
 そんなことはない。本記事では、裁量労働制による長時間労働が蔓延していた企業において、労働者自身が声をあげたことで、この制度が全廃された最近のケースを紹介したい。
 さらに、今回の三菱電機をめぐる報道のほとんどが見落としている、裁量労働制の廃止する際の重要な論点についても指摘していきたい。

 ◆ 三菱電機が裁量労働制を廃止した直接の理由とは
 まずはじめに、三菱電機ではどのような経緯で裁量労働制が廃止されるようになったのかを確認しておこう。
 朝日新聞の取材に対する三菱電機の回答によると、三菱電機が裁量労働制を撤廃したのは、「労働時間をより厳格に把握するため」だという。
 しかし、前述の記事で朝日新聞は、三菱電機にはさらなる問題意識があったのではないかと指摘している。厚労省による企業名公表制度の適用の「リスク」である。

 厚労省は、2017年1月から、ブラック企業・過労死対策の一環として、過労による労災を繰り返し認定されたり、長時間労働に関する労基法違反の指導を受けたりした企業に対して、企業名を公表するという制度をスタートさせている。
 ざっくり説明すれば、1年以内に、月80時間を超える残業によって過労による労災が認定された事業所や、月80時間を超えた長時間労働に関する労基法違反の是正勧告を受けた事業所が複数あり、そのうえでさらに本社が労働基準監督署から立ち入り調査を受けて、それでも改善がされていなかった大企業が公表の対象となる(中小企業は最初から対象外だ)。
 一見してわかる通り、極めて公表までのハードルが高い制度である。

 ところが、朝日新聞の記事によれば、三菱電機は一連の労災と、それに伴う労基署の指導により、この条件をほとんど満たしており、2017年末には最終段階の本社の立ち入り調査まで受けていたという。
 この本社調査では結局、企業名公表に直結する問題は明らかにならなかったようだが、新たな事件を起こさないように、同社は裁量労働制を廃止する判断をしたのではないかというのが朝日新聞の指摘だ。

 ただし、繰り返しになるが、この厚労省による企業名公表制度は、過労死など長時間労働による労災が繰り返されている大企業を想定したものだ。三菱電機が裁量労働制をなくした理由が、国からの企業名公表に直面したからということなのであれば、やはり、過労死の犠牲者を何人も出さなければ裁量労働制は廃止できないということなのだろうか。
 そもそも、被害が繰り返されたとしても、裁量労働制による労災が認定されることは、ただでさえ容易ではない。
 参考:「働き方改革」最大の焦点・裁量労働制 「過労死促進法」の構図

 また、労災認定のハードルを乗り越えても、厚労省の企業名公表制度まで辿り着くのは非常に困難だ。犠牲者を何人出したとしても、裁量労働制を廃止できない可能性はあまりにも高い。それでは、一体どうすれば良いのだろうか。

 ◆ 労働者が声をあげて、裁量労働制を廃止させた建築設計事務所の事例
 ここで、厚労省による行政指導ではなく、労働者が声をあげたことによって裁量労働制が廃止になった直近の事例をひとつ紹介しよう。筆者が以前紹介した建築設計事務所・プランテック総合計画事務所の事件だ。
 一度筆者も記事を書いているが、続報も含めて改めて説明していきたい。
 ※裁量労働制の違法な「対象業務」 労基署も取り締まれない実態

 この建築設計会社では、社員約100名のうち、約80人に、「建築士の業務」として専門業務型裁量労働制を適用していた。

 その一人である20代女性のAさん(長時間労働による精神疾患に罹患し、現在は休職して裁量労働制ユニオンに加盟、同社と団体交渉中)は、入社から裁量労働制を適用され、入社3ヶ月目にはすでに残業が月100時間を超え、5か月目には過労死ラインの倍近い月170時間を超えていた。残業は最長で月185時間に及んでいたという。
 1日のみなし労働時間は8時間であったにかかわらず、Aさんの実際の労働時間は1日20時間を超えることも少なくなく、みなし労働時間の3倍近くにのぼる長時間労働もあった。実際の労働に裁量がなかったのは明らかだろう。

 ほかにも裁量労働制の対象業務の違法性など、様々な問題があった(詳細は前述の記事を参照)。それほどの実態があるのなら、労働基準監督署が適切な行政指導を行って裁量労働制を廃止させられるのではないかと思う人もいるかもしれない。ところが、実際には全く逆のことが起きていた。
 Aさんはユニオンの支援を受けて、中央労働基準監督署に申告を行った。ところが、プランテック総合計画事務所がユニオンに対して団体交渉で明らかにしたことによれば、中央労働基準監督署の担当監督官は同社に対して、改めて手続きを適切に行えば、裁量労働制を適用することに問題ないとして、今後の裁量労働制の継続を勧めていたという。
 労基署は、過労死ラインを大幅に超える同社の長時間労働の実態を知っており、同社の労働者に裁量がなかったことを知っていたにもかかわらず、裁量労働制を積極的に推進したというのである。

 しかし、みなし労働時間の3倍近くの長時間労働を恒常的にさせていた同社で、裁量労働制の適用がふさわしくないのは明らかだ。
 当初、同社はユニオンに対して裁量労働制の適用の継続を公言していたが、ユニオンが団体交渉本社前のチラシまきなどの街頭宣伝を通じて裁量労働制の廃止を同社に求めた結果、これまで裁量労働制を「適用」していた約80名全員に対して、今後の裁量労働制の適用を廃止するという方針を、この10月に明らかにした。
 ユニオンを通じて在職の労働者一名が声をあげたことで、裁量労働制を撤廃させることに成功したのである。同社も、ユニオンの要求を受けて裁量労働制をなくしたことを交渉ではっきりと認めた。

 裁量労働制ユニオンでは、同様に裁量労働制を廃止させた事例が複数あるという。このように、犠牲者を繰り返し出したり、厚労省の重い腰をあげさせたりしなくても、労働者自身が労働組合を通じて声をあげれば、裁量労働制をなくすことができるのである。

 ◆ 報道が見落とした論点――三菱電機の未払い残業代はどうなったのか
 三菱電機の話題に戻ろう。一連の労災認定が大々的に報道されている一方で、同社の裁量労働制について、ほとんどのメディアが見落としている重要な論点がある。それは、裁量労働制のせいで払われてこなかった過去の未払い残業代の行方である。
 いまだにこの残業代が払われていないのだとすれば、これまでの裁量労働制の問題について、三菱電機はいまもごまかし続けているということにほかならない。

 たしかに三菱電機は今回、「将来」について、裁量労働制が適切でないとして廃止を決断した。
 しかし、同社は「過去」について、裁量労働制が「違法」に適用されていたことを認めていないということになってしまう。何人もの労災を出し、死者を出すことにまでつながった過去の裁量労働制の違法性について、三菱電機はいまだに不問に付したままであるということだ。

 ここで再び紹介したいのが、プランテック総合計画事務所に対する裁量労働制ユニオンの成果だ。ユニオンでは、過去について、裁量労働制が無効であることを認めさせて、残業代を支払うことを決めさせている。それも、裁量労働制が適用されていた在職中の全社員と退職者に対して支払うことを認めさせたという。
 とはいえ、残念ながら同社は、支払いの対象となる期間を6ヶ月分のみに限定している。残業代の時効は2年間なので、2年分全てを払わないと、同社の労基法違反は残ったままだ。
 しかも、同社は、Aさんに対してまで「社員だから、半年分の残業代の支払いだけでお願いしたい。むしろ2年分を要求する理由は何か」などと理不尽な主張をしてきているという。ユニオンでは当然の権利として、2年間分を請求し続けているところだという。

 このように、三菱電機の適用対象者だった約1万人の労働者(全社員の3分の1にのぼるという)の方たちも、裁量労働制の期間について、まだ残業代を払われていないのであれば、今から2年前の時点から裁量労働制が廃止された2018年3月までの残業代は請求できるはずだ。

 ◆ 一人の労働者と労働組合の力で裁量労働制はなくせる
 以上のように、裁量労働制をなくすことは、死者を出さなくても、厚労省の権限を待たなくても、一人の労働者と労働組合の取り組みによって実現可能である。
 また、過去の裁量労働制の無効性も追及することで、その未払い残業代もしっかり払わせることができる。裁量労働制による長時間労働で困っている人は、ぜひ相談してみてほしい。

 最後に、Aさんが厚労省で記者会見をしたときの言葉を紹介しよう。
「残念ながら、社員を思って裁量労働制を適用している会社はほとんどないと思います。経営者側に都合がいい、『定額働かせ放題』として適用している会社の方が圧倒的に多いと思います。少なくとも私は、今後、裁量労働制を適用している会社は信用することができないし、絶対就職したくありません。」
 「裁量労働制拡大のニュースがあったとき本当に恐怖を覚えました。私のように裁量権を持たない人間にも適用できるという曖昧な制度のまま拡大するのは本当に危険です。裁量労働制を労働時間を短くする、働き方を自由にするという考え方のもと、拡大するというなら、今の制度のままではそうはなりません。実際、私は自由な働き方、労働時間を短くするなどとは正反対の働き方でした。裁量労働制がいかに素晴らしく、働き方改革だという報道を見ると、現時点で適用されている側からは、何も調べていないし、現場のことは何もわかっていないと思わざるを得ません。」
 ※ 裁量労働制を専門とした無料相談窓口
○裁量労働制ユニオン
http://bku.jp/sairyo
sairyo@bku.jp
03-6804-7650
*裁量労働制を専門にした労働組合の相談窓口です。

※ その他の無料労働相談窓口
○NPO法人POSSE
03-6699-9359
soudan@npoposse.jp
*筆者が代表を務めるNPO法人。訓練を受けたスタッフが法律や専門機関の「使い方」をサポートします。

○総合サポートユニオン
03-6804-7650
info@sougou-u.jp
http://sougou-u.jp/
*個別の労働事件に対応している労働組合。労働組合法上の権利を用いることで紛争解決に当たっています。

○仙台けやきユニオン
022-796-3894(平日17時〜21時 土日祝13時〜17時 水曜日定休)
sendai@sougou-u.jp
*仙台圏の労働問題に取り組んでいる個人加盟労働組合です。

○ブラック企業被害対策弁護団
03-3288-0112
*「労働側」の専門的弁護士の団体です。

○ブラック企業対策仙台弁護団
022-263-3191
*仙台圏で活動する「労働側」の専門的弁護士の団体です。
 ※ 今野晴貴
NPO法人POSSE代表。雇用・労働政策研究者。
NPO法人POSSE代表。ブラック企業対策プロジェクト共同代表。年間2000件以上の若年労働相談に関わる。雑誌『POSSE』を発行し、政策提言を行っている。2013年には「ブラック企業」で流行語大賞トップ10、著作『ブラック企業』(文春新書)は大佛次郎論壇賞を受賞。近刊に『ブラック奨学金』(文春新書)。その他の著書に『求人詐欺』(幻冬舎)、『ブラックバイト』(岩波新書)、『ブラック企業ビジネス』(朝日新書)、『生活保護』(ちくま新書)など多数。1983年生まれ。仙台市出身。

『Yahoo!ニュース - 個人』(2018/10/22)
https://news.yahoo.co.jp/byline/konnoharuki/20181022-00101359/



 ◆ 原発避難者の訴え (東京新聞【本音のコラム】)
鎌田 慧(かまたさとし・ルポライター)

 福島原発事故の避難者は、全国に散らばっている。古里に帰るあてのない生活は、想像してみるだけでも痛ましい。
 福島県の内堀雅雄知事は、二〇二〇年三月には、浪江町、富岡町などの「帰還困難区域」避難世帯への応急仮設住宅提供を打ち切る、と発表している。

 原発誘致を決定したのは県と各自治体だった。
 被害者への責任がある。

 避難者の困窮を尻目に再稼働へ突進している電力会社の姿は、犠牲者をハネ飛ばして走るダンプカーのようにみえる
 東電以外の会社は「事故を起こしたのはうちではありません」と言いたいようだが、「事故など絶対起こしません」とは言わない


 「避難計画を検討中」というだけだ。
 昔、伊方町の町長に会ったとき「国が安全だ、というから安全です」と答えてケロリとしていた。

 秋田県の避難先で、夫と死別したある女性は「働いている人のことを思えば、原発やめようとは言えない」と言う。
 「被害者が当事者なんですから」と私は言った。
 「活をいれられました」と書いた手紙をもらった。

 被害者でさえ声をあげず遠慮して生きる原発圧政社会の精神支配だ。
 避難者の存在は「復興オリンピック」の喧噪(けんそう)に消されそうだ。
 住宅は生活と人権の基盤である。その破壊が原発の本質だ。
 最後のひとりまで、避難者の生活を支援する責任が、東電、国、県にある。

『東京新聞』(2018年10月30日【本音のコラム】)



 ◆ 日本のシングルマザーの貧困率が突出して高い理由 (読売新聞オンライン)

 わが国日本は、GDP(国内総生産)で米国、中国に次ぐ世界3位の「経済大国」だ。しかし、その陰では、「シングルマザー」世帯の貧困が先進国でも突出して深刻なのはご存じだろうか。子どもの金融教育を手掛ける企業「マネネ」(東京)のCEO(最高経営責任者)で、貧困問題にも詳しい森永康平氏がその理由を読み解く。
クリックすると元のサイズで表示します
(出所):OECD「Educational Opportunity for All: Overcoming Inequality throughout the Life Course 2017」を基に株式会社マネネ作成。

 ◆ 「経済大国」なのに…
 日本は豊かな国だろうか。GDPで中国に抜かれたとはいえ、まだ世界3位。れっきとした「経済大国」である。
 データを見ずとも、日本は先進国に数えられると考える人も多いはずだ。むろん、G7(先進7か国)の中にも日本は含まれており、世界各国からもそのように認識されているだろう。
 しかし、データを「深読み」していくと、意外な事実が浮き彫りになる。


 ◆ ひとり親世帯の貧困「先進国で突出」
 厚生労働省の発表した2016年度の「全国ひとり親世帯等調査」によると、日本には約142万の「ひとり親世帯」がある。内訳は、父子世帯の約18万7000世帯に対し、母子世帯はその6倍以上、約123万2000世帯に上る。ひとり親世帯の9割近くが母子世帯だ。

 注目すべきは、その経済的困窮ぶりだ。
 OECD(経済協力開発機構)の調査では、ひとり親世帯で、なおかつ親が就業している場合の相対的貧困率(全国民の所得の中央値の半分を下回っている割合)は、日本が54.6%と先進国では頭一つ抜けている

 世界でも有数の経済大国にもかかわらず、なぜここまでひとり親世帯の子どもの貧困率が高いのだろうか。

 ◆ シングルマザーの厳しい現状
クリックすると元のサイズで表示します

 前述の厚労省の調査では、約123万2000の母子世帯のうち、81.8%の母親が就業しているという。

 しかし、そのうち「正規の職員・従業員」は44.2%に過ぎない。43.8%が「パート・アルバイト等」。「派遣社員」も含め、ほぼ半数の48.4%が非正規雇用。母子世帯全体の平均年間収入も348万円にとどまっている。

 同省が発表した16年の国民生活基礎調査によれば、全世帯でみると世帯の平均所得は545万4000円だ。児童のいる世帯に限れば707万6000円に上る。
 ちなみに、収入から生命保険料や確定拠出年金の掛け金など所得控除される分を差し引いた額が所得金額だ。そう考えると、いかに母子世帯の収入が低いかが分かるだろう。

 さらに、15年の国勢調査を見ると、母子世帯のうち、母親の親(子どもから見ると祖父母)などがいない「母子のみにより構成される母子世帯」の数は約75万世帯、世帯平均年間収入は厚労省の調査結果よりさらに低い243万円だ。

 父子世帯より母子世帯の方が経済的に苦しいのは、むろん、就業によって得られる収入に差があるからだ。
 父子世帯の場合、父親の85.4%が就業している。この数字は、母子世帯の母親の就業率(81.8%)と大きな差はないが、その中身はまるで異なる。
 父親の場合、就業している人のうち、18.2%が「自営業者」で、68.2%が「正規の職員・従業員」である。
 非正規雇用の割合は圧倒的に低く、男性と女性で稼ぐ条件に大きな差があると言わざるを得ないのだ。

 前出のひとり親世帯等調査によると、ひとり親世帯となった時点の末子の年齢は、父子世帯の6.5歳に対し、母子世帯は4.4歳。
 子どもが幼いので、フルタイムでの勤務が難しいという事情もありそうだ。

 「女性は離別した夫から養育費をもらうではないか」と思う人もいるかもしれない。
 しかし、同調査によると、離婚した父親からの養育費の受給状況で「現在も受けている」と回答したのはたった24.3%だけだ。
 しかも養育費の平均月額(※養育費の額が決まっている世帯)は4万3707円。収入の男女差を埋めるには明らかに少ない。

 さらに、シングルマザーの2割以上が「未婚(の母)」か「死別」だ。こうしたケースでは基本的に彼女らは養育費を受け取ることはない。この点は注意しなければいけない。

 ◆ 生活が厳しくなる理由とは……
 ここまで、政府の統計データを基に、日本でシングルマザーの生活が厳しい理由を見てきた。しかし筆者は、ほかにも要因は複数あると考えている。

 まず、指摘したいのは日本にはベビーシッターの文化が浸透していないことがある。
 理由は複数あると考えられるが、何より大きいのは、ベビーシッターのサービスを受けるための価格が高いことだろう。
 ベビーシッターの1時間当たりの利用料は、一般的に1000〜4000円程度は相場だ。さらに、交通費などの料金が加算される。

 仮に、1時間2000円程度としよう。1日8時間、週5日間利用するとなると、交通費などを除いても1か月でなんと35万円ほどかかってしまう。年間だと420万円。
 ほかにも家賃や食費、光熱費などの生活費がかかるだから、これでは母子世帯だけでなく、夫婦共稼ぎの世帯でも支払うのは難しい。

 さらに、「利用したい日の1週間前に要予約」といったケースも多く、「使いたい時にすぐ使える」サービスは少ないのが実情だ。

 行政も、これを社会問題ととらえ、東京都が待機児童となっている子どものいる家庭を対象に、ベビーシッターの利用料の大半を補助する制度をスタートしたり、企業が社員向けの補助制度を整備したりするなど、利用促進に向けた支援が拡充されつつある。

 ◆ ベビーシッターに対する「精神的障壁」
 しかしながら、筆者が実際に複数のシングルマザーにベビーシッターを活用するかどうかについて聞いてみたところ、否定的な答えが多かった。費用の面より、気持ちの面で活用をためらうケースも多いようなのだ。

 自分が自宅にいない時、ベビーシッターという「他人」に子どもと一緒にいてもらうことや、保育園に迎えに行ってもらうことに対し、「抵抗感がある」というのだ。

 筆者は、インドネシアマレーシアなどアジア各国でビジネスをしてきた。
 そこで見たのは、いわゆる「新興国」でも自宅で子守りもしてくれるメイドを雇うことが一般的になっている国があるという現実だ。
 メイドを雇えば、ひとり親世帯でも、母親はフルタイムで働くことができる

 台湾にも2年弱住んでいたのだが、インドネシアやベトナムから、メイドやベビーシッターとして働いてくれる人を積極的に受け入れており、価格も比較的手頃だ。実際、台湾の移民局に行くとベトナム語などの通訳が常駐しており、政府もかなり力を入れていることが分かる。

 しかし、日本の母親らの意識も異なる。メイドや家政婦はもちろん、気軽にベビーシッターを利用するという環境にはなりにくいのではないかと筆者は考えている。

 ◆ 「昇給もせず、ボーナスももらえない
 また、日本の企業の旧態依然とした働き方も、シングルマザーの生活を苦しくしている要因といえそうだ。私が話を聞いたシングルマザーたちの中でも、若い母親たちは特にこの点を強く指摘していた。

 日本の企業では、定時の就労時間を午前9時から午後5時に設定しているケースが多い。そして、基本的には社員全員がオフィスへ出勤し、机を並べて仕事する。仕事が終わった後にも、度々職場の食事会や飲み会が開かれ、そこでのコミュニケーションが社内の人脈づくりや評価につながり、「将来の出世や昇給に響く」と感じる人は少なくない。

 ひとり親世帯の子どもは、一般的に認可保育園に入りやすいケースが多いため、待機児童の問題で悩むことは少ないはずだ。しかし、シングルマザーが前述のような働き方をするのは極めて難しい。

 午前9時にオフィスに到着しなければならない。すると、午前6時には起きて子どもを保育園や幼稚園に送る準備や、食事の支度をし、子どもたちを送り届けてから満員電車に乗ってオフィスへ行く。

 保育園への「お迎え」があるので、「時間短縮(時短)勤務」の制度を活用したり、夕方は定時に退社したりしなくてはならず、遅い時間に緊急の会議が開かれたとしても、出席は極めて難しい。まして仕事の後の「付き合い」などできるはずがない。

 フルタイムでの勤務自体が難しいため、なかなか昇給も昇格もせず、「ボーナスをもらえないこともある」という。収入が少ないのは、ある意味必然と言える。

 ◆ 働き方改革で変化も?
 ただ、最近は「働き方改革」が進み、企業なども少しずつ変わってきている。

 フレックスタイム制を導入する企業も増えてきており、リモートワーク(在宅などによる勤務)をできる企業もある。様々な「チャットツール」や、ウェブ会議のための通信用アプリケーションも開発されており、全員がオフィスに集まる必要もなくなってきた。

 また、「副業」や「パラレルキャリア」という言葉を耳にすることが多くなってきたように、技能さえ持っていれば、フリーランスで収入源を複数確保することも可能になってきた。実力が収入につながれば、仕事のあとの宴席などを気にする必要もなくなるはずだ。

 シングルマザーの貧困が子供の貧困を招き、そして最終的に日本の国力の低下にもつながりかねない。
 一部の家庭の話だと切り捨てるのではなく、国を挙げて対策を検討し、早急に改善されていくことを期待したい。


※プロフィル 森永 康平( もりなが・こうへい ) 
 経済アナリスト。子どもたちへの金融教育事業を展開する株式会社マネネ(東京)代表取締役社長CEOも務める。証券会社や運用会社にてアナリスト、エコノミストとしてリサーチ業務に従事した後、複数の金融機関で外国株式事業やラップ運用事業を立ち上げる。インドネシア、台湾、マレーシアなどアジア各国で新規事業の立ち上げや法人設立も経験。現在は法律事務所の顧問や、複数のベンチャー企業のCFO(最高財務責任者)も兼任している。日本証券アナリスト協会検定会員。ツイッターアカウントは@KoheiMorinaga 。
経済アナリスト 森永康平

『読売新聞(ヨミウリオンライン)』(2018/10/28)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181028-00010000-yomonline-bus_all


全1ページ

[1]


.
人権NGO言論・表現の自由を守る会
人権NGO言論・表現の自由を守る会
非公開 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について

スマートフォンで見る

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

スマートフォン版Yahoo!ブログにアクセス!

1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト『さとふる』
実質2000円で特産品がお手元に
11/30までキャンペーン実施中!
いまならもらえる!ウィスパーWガード
薄いしモレを防ぐパンティライナー
話題の新製品を10,000名様にプレゼント
いまならもらえる!ウィスパーうすさら
薄いしモレを防ぐ尿ケアパッド
話題の新製品を10,000名様にプレゼント

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事