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2018年10月06日  本 (日本文学)

 久しぶりに先が気になってどんどん読んだ。いろいろと思うこと、感動するところが多く、多くの人に読んで欲しいと思った。そんな本が岩城けい「Masato」だ。2105年に出て、坪田譲治文学賞を受賞した。2017年10月に集英社文庫に入った時に買ったままだった。なんだかほんのちょっと前に買った気がするけど、もう一年経っていた。スラスラ読めるし、もっと早く読めばよかった。

 主人公は日本から父の仕事でオーストラリアに引っ越した小学生、安藤真人。その男の子の視線で物語が進行する児童文学だから、とても読みやすい。日本にいたらもう6年生なのに、英語が判らないからと現地の学校の5年生に入る。中学生の姉は高校受験を控えて日本人学校に通うのに、真人は「英語ができるようになると便利」と現地の学校に行くことになる。日本の友だちとは学年も違ってしまうし、英語は全然判らない。学校じゃ「スシ、スシ」といじめてくるヤツがいる。

 「Masato」が「マサァトゥ」と呼ばれると、自分じゃないみたい。突然外国でいじめられっ子に転落した真人が、何とか居場所を見つけて「マット」と呼ばれるようになるまでの苦闘。だけど、何とかそうなったときには家庭での居所がなくなる。ネイティヴの少年英語を駆使できるようになったとき、もう自分の気持ちは英語の方がうまく言える感じ。日本語で聞く親に対し、英語で答える。もともと「英語ができるようになって欲しい」と親が現地の学校に行かせたのに、現実に英語ができるようになると「日本語で言いなさい」と怒られる。この矛盾に真人は戸惑う。

 サッカーやスクールコンサート(というけど、劇の公演)、あるいは日本から連れてった柴犬のチロ(これが泣かせるエピソード)なんかを通して、真人は大きく成長していく。それは同時に親との葛藤の始まりだった。一体真人はどういう選択をするのか。姉は日本に戻って、「山岡女子学園」を受験する。「山女」は制服も可愛くて、大学にもつながってて、就職率もいい。親たちは英語を話せると何かと便利だと言う。真人は思うんだけど、山女って英語に似てる。

 岩城けい(1971〜)は大学卒業後にオーストラリアに住んでさまざまな職業に就いた。2013年になって「さようなら、オレンジ」を発表し、太宰治賞、大江健三郎賞を受けた。この本は出た時に読んで非常に感銘を受けた。実際に長年オーストラリアに住んでいる実体験があるので、具体的な細部の記述がすごくリアル。夏と冬の逆転した季節感、日本人社会の実態、現地の学校のようす。どれもすごく面白いけど、やはり「学校教育のあり方」をめぐる違いが一番考えさせられる。計算問題も答えだけじゃなくて、なんでそうなるかの説明が大事なのである。

 も一つ、「英語ができる」と日本じゃ簡単に言うけど、それはどういうことかという問題。日本語での思考能力、自我発達の前に外国の小学校に通わせれば、当然「子どもとして生き抜く」ために現地の言葉で自我を形成して行ってしまう。親はテレビで海外で見られるNHKを見てしまい、現地のテレビを見ない。だからクラスのテレビやアイドルの話題に真人は付いていけない。日本で持ってたゲーム機も、電圧が違うから使えないので日本に置いてきた。ホント最初の頃の真人はチロだけが頼りだ。そんな状況をどう乗り切るかの、これはサバイバル冒険小説でもある。

 これは今いろいろと悩んでいる中学生、高校生、あるいはその親にはぜひ読んで欲しい小説だ。そして学校の教師、教育を論じたい政治家や日本の英語教育に関係している人、まだ読んでない人は是非読まないといけない。「国際化」や「英語」の意味について、じっくり考えるきっかけになると思う。こういう時って、英語でこういうんだという発見もいくつもある。


尾形修一の紫陽花(あじさい)通信

 ◆ 韓国映画『1987、ある闘いの真実』をぜひ!

 皆さま こんばんは。増田です。これはBCCでお知らせしています。重複・長文ご容赦を!昨日、東京都学校ユニオン恒例、月末都教委糾弾ビラまきを行ったあと、評判の韓国映画『1987、ある闘いの真実』をシネマート新宿で見てきました。

 あらすじは以下のURLにありますが、主要部分をコピペしますと以下です。
https://eiga.com/movie/89074/
 「1987年1月、全斗煥大統領による軍事政権下の韓国。南営洞警察のパク所長は北分子を徹底的に排除するべく、取り調べを日ごとに激化させていた。そんな中、行き過ぎた取り調べによってソウル大学の学生が死亡してしまう。警察は隠蔽のため遺体の火葬を申請するが、違和感を抱いたチェ検事は検死解剖を命じ、拷問致死だったことが判明


 さらに、政府が取り調べ担当刑事2人の逮捕だけで事件を終わらせようとしていることに気づいた新聞記者や刑務所看守らは、真実を公表するべく奔走する。また、殺された大学生の仲間たちも立ち上がり、事態は韓国全土を巻き込む民主化闘争へと展開していく。」

 1980年の光州事件…映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』が描き切っているかと…から7年、続く軍事独裁政権の強権政治に良心をもって抗う学生、検事、新聞記者、看守、宗教者たちの職と命を懸けた闘いが目の前で大迫力をもってハラハラドキドキに展開します。

 「アカ」「北朝鮮のスパイ」と見なされたものへの剥き出しの暴力・拷問の凄まじさ…戦前日本の特高警察もかくや…それでも抗う普通の人々の崇高さは、剥き出しの暴力には幸い未だ出会ってない私には正直、とってもしんどいものでした。でも、心底、見て良かったと思います。

 文在寅大統領を誕生させた100万人のロウソクデモは、突然に沸き上がったものではなく、光州事件からこの1987年6月の民主化抗争に続くもので、不正に命を懸けて抗議する伝統の地下水脈の上に生まれたものだということがよく分かりました。

 そして文大統領のスピーチにあった「分断の暴力(国が南北に分断されているが故の相互不信から生まれる官憲による暴力)を、朝鮮戦終結宣言をして、もう終わらせようではないか」という言葉の意味も…

 韓国の民主主義は、本当に韓国の普通の人々が職と命を懸けて闘い取ったものだ、ということもよく分かりました。

 翻って我が日本を考えます。
 戦前、天皇政府の侵略戦争に反対し平和と民主主義を求めた山本宣治は右翼に…政府が指示していたような…暗殺され、小林多喜二は警察で虐殺されたわけですが、明治憲法下では大きな抵抗運動は不可能で、抗議運動は起こせなかったのでした。メディアもほぼ検閲下にあり、真実の報道は不可能でした。

 でも、韓国では良心ある検事が一人いて、警察での拷問殺人隠蔽のために全斗煥大統領の側近がソウル大生の「遺体を法に決まった解剖をしないで火葬しろ」と命じられ、逡巡しながらも良心に従って拒否。辞表を出す。
 良心ある医師が「拷問死」を認める。
 東亜日報が発行禁止措置などの弾圧を恐れず真実を報道し他社も続く
 …学生たちがデモに立ち上がる…

 『タクシー運転手』で光州の運転手を演じたユ・へジン…彼が演じた無名の庶民の優しさ強さには涙が吹き出ました…が、この作では良心ある刑務所看守として素晴らしい演技をしています。もちろん、出演者はみんな熱演ですけど…

 個人的好みで言えば、学生運動のリーダーで、戦闘警察の催涙弾の直撃を受け死亡する李韓烈(イ ハニョル)を演じた、目元涼やかなイケメンのカン・ドンウォンが良かったかな(笑)…

 シネマート新宿では、あと2週間くらいは上映するそうです。
http://www.cinemart.co.jp/theater/shinjuku/lineup/20180421_15021.html

皆さま
 首都圏でご都合がつけば、ぜひ、見に行ってください! あ、でも、私は宣伝費など受け取ってませんから(笑)…


「データで読み解く戦争の時代」

   第2回 隠されたトラウマ 
〜精神障害兵士8000人の記録〜



【放送】8月25日(土)23時10分〜 Eテレ

【再放送】8月29日(水)24時〜 Eテレ

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

日中戦争から太平洋戦争の時代、精神障害の兵士が送られた国府台陸軍病院。

密かに保管された8002人の「病床日誌(カルテ)」が研究者よって分析され、

日本兵の戦争トラウマの全体像が明かになってきた。

戦場の衝撃に加え、私的制裁や住民への加害の罪悪感が発病要因につながって

いたことが判明した。

番組では発症の多い中国河北省・山西省で治安戦の実態を取材。戦後も社会復帰

を阻まれた兵士の姿をカルテをもとに追跡する。

九月、東京の路上で

九月、東京の路上で 

加藤 直樹 

ジャンル:社会・歴史
A5判変型 216ページ 並製
価格:\ 1,800+税
ISBN 978-4-907239-05-3

関東大震災の直後に響き渡る叫び声。ふたたびの五輪を前に繰り返されるヘイトスピーチ。現代に残響する忌まわしい声に抗う歴史ノンフィクション!
1923年関東大震災ジェノサイドの残響 

単行本(ソフトカバー) – 2014/3/11

関東大震災の直後に響き渡る叫び声
ふたたびの五輪を前に繰り返されるヘイトスピーチ
1923年9月、ジェノサイドの街・東京を描き
現代に残響する忌まわしい声に抗う――
路上から生まれた歴史ノンフィクション!

加藤 直樹 プロフィール
1967年東京都生まれ。法政大学中退。出版社勤務を経てフリーの編集者に。鹿島拾市の筆名で、宮崎滔天や「蟻の街」をつくった松居桃楼、朝鮮人女性飛行士の朴敬元など、近現代史上の人物論を中心に「社会新報」などの媒体に執筆。『9月、東京の路上で』が初の著書となる。

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