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■ 格差社会■
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◆ 定刻より3分早く昼休みを取り、処分された自治体職員 (星の金貨 new)
ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2018年6月21日 ひとりの公務員が弁当を買うために『常習的に』数分早く席を立っていたことについて処罰された後、仕事と生活のバランスについて問題が多発している状況を受け、働き方改革を行うとしている日本政府の取り組みについて、疑問が突きつけられています。 神戸市水道局の職員(64)は、7ヶ月間に合計26回昼休みの3分前に席を立ったことが判明した後、誡告と減給の処分を受けました。 これについて幹部職員はテレビの記者会見で、処分された職員の行為を「誠に遺憾である」と表明し、謝罪しました。 神戸市水道局の広報担当者はAFP通信の取材に対し、「昼休みは正午から午後1時までと決められており、この職員は休憩時間になる前に離席していました。」と答えました。 同局はこの労働者は公務員に対し「仕事に専念する」ことを要求する公共サービス法に違反していたとしています。 現地メディアは、国会議員が日本の労働者が長時間労働を強いられている問題に対処するためとされている法律を可決した直後、この事件を報道しました。 今年5月衆議院は、過労死によって死亡する労働者の数が増加していることを受け、毎月時間外労働を100時間までとする法案を可決しました。 日本最大の広告会社「電通」で働いていた24歳の高橋まつりさんが2015年、土日の休日出勤も含め一ヶ月に100時間以上の時間外労働を強いられた挙句自殺したことを受け、日本政府は国内で噴出した批判や抗議に対処せざるを得なくなりました。 高橋さんの事件は、会社に対する忠誠心を表すためにやみくもに長時間の労働を行うという日本の労働社会のあり方に、一石を投じることになりました。 2016年に初めて作成された過労死に関する白書の中で日本政府は、5人に1人の割合で労働者が過剰労働の危険にさらされていると述べています。 ソーシャルメディアのユーザーはいち早く反応し、とりあえず神戸市水道局の職員を弁護する書き込みが多くみられ、1人のツイッターユーザーは自分も平均して週間に1回は定刻前に離席しているとツイートしました。 他には喫煙やトイレに行くために離席した人々にも、こうした罰則が適用されることになるのかという疑問を提示した人々もいました。 1人がこう書き込みました。 「国会中継に映し出されている議会で居眠りしている政治家たちはどうすべきだろう?全員解雇されるべきではないのか?」 この職員の弁当を手に入れるための『違法行為』は、責任者が窓から外を眺めた際、昼食用の弁当を販売しているレストランに入ろうとする姿を目にしたことから『発覚』しました。 Sora News 24が報じたところでは、職員の上司の管理職は彼が規定より早く離席した時間が通算でどれだけになったかを計算し、約半日分の給与を減給する処分を行いました。 この職員の氏名は明らかにされていませんが、定刻より早く離席した理由について「気分転換が必要だと感じたから」だと答えています。 神戸市はつい最近、約6ヶ月間に55時間以上無断で持ち場を離れたとして、別の職員を1ヶ月間の停職処分にしていました。 https://www.theguardian.com/world/2018/jun/21/japanese-worker-punished-for-starting-lunch-three-minutes-early + ? + ? + ? + ? + ? + ? + ? + ? + ? + ? + ? + ? + 日本社会は働く人たちに何を基準に何を求めているのか、判然としなくなってきました。 この職員の男性を間近で見ていたわけでは無いのでどういう判断も出来ませんが、ガーディアンがわざわざこの問題を取り上げたのは神戸市水道局の真摯な対応を賞賛するためで無いことは、本文を読めばわかります。 それよれ何より私たち国民は、国のトップのあれだけの腐敗を国家機関もどの機関も追及も何もしようとしないのに、一般職員に対しては厳格すぎるほど厳格な勤務態度を求めるこのねじれは、決して健康な社会のものでは無いということです。 『星の金貨 new』 http://kobajun.biz/【-定刻より%ef%bc%93分早く昼休みを取り、処分された自自治体職員 】 |

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◆ アベノミクスが成功したという真っ赤なウソ (植草一秀の「知られざる真実」)
第2次安倍政権が発足してから5年半の時間が経過した。 この間の日本経済の変化について、安倍政権はアベノミクスが成功したかのような説明をするが、まったく正しくない。 たしかに枝葉の部分では成果としてアピールしたがることがないとは言えないのだが、根幹の部分、幹の部分での評価は最悪に近い。 国民にとって、もっとも切実な経済問題について、私たちは正しく事実を把握し、そのうえで、適正な政策の遂行を求めなければならない。 安倍政権が経済運営の実績として強調するのは以下の五点である。 1.雇用者数が増えた、有効求人倍率が上がった これらは事実であるが、経済運営の評価としては「枝葉」に関わることだ。 悪いこととは言えないが「木を見て森を見ず」である。 まったく賞賛にあたらない。 経済運営の実績を評価するうえで、根幹の二つの指標を提示するなら、実質GDP成長率と実質賃金の変化ということになる。 実質GDP成長率が全体としての日本経済のパフォーマンスを示す。 他方、実質賃金の変化は、国民の大多数を占める労働者の実質的な実入りの変化を示している。 実質GDP成長率は四半期ごとに発表されているが、第2次安倍政権発足後の実質GDP成長率平均値は+1.3%である。 これに対して、民主党政権時代の成長率平均値は+1.8%である。 民主党政権時代に東日本大震災が発生し、福島原発事故も発生した。 極めて経済が停滞した時代だが、第2次安倍政権発足後の日本経済の実績は、その民主党政権時代をはるかに下回っている。 ◆ 総合点は劣悪極まる。 試験に不合格になった生徒が、「あの漢字の読み方の問題はできた」、「1問目の計算問題は解けた」と言っているようなものである。 一人あたりの実質賃金指数は、民主党政権時代はほぼ横ばいだったが、第2次安倍政権発足後に約5%減少した。 国民にとっての最重要の経済指標が実質賃金指数の伸びであり、この数値が最悪を記録しているのであり、全体としての経済政策の評価は、優、良、可、不可の「不可」にあたる。 名目GDPが2013年の503兆円から2017年の547兆円に増えたというが、名目GDPは2007年に532兆円だったものが2009年に490兆円に急減している。 自民党政権下で名目GDPが急減し、2015年にようやく2007年の水準に回復しただけなのだ。 しかも重要なのは実質GDPであって名目GDPではない。 経済全体の推移が「不可」の状況下で、労働者一人当たりの賃金が実質で5%も減少した。 その一方で、企業収益はリーマンショックに伴う激減からV字型で回復して史上最高水準を更新している。 その大半を占めているのが一握りの大企業である。 株価が上昇したというが、上場企業数はすべて合わせて約4000社。日本の法人数全体の0.1%に過ぎない。 雇用者が増えたというが、労働者全体の所得が伸びないなかで、その所得を分け合わなければならない人数が増えただけなのだ。 だから、一人当たり実質賃金は5%も減っている。とても政府が自画自賛できる状況でない。 外国人旅行者が増えたのは国が巨大な観光関係予算を投下したことと、円安で日本旅行が割安になったことによるものだ。円安で日本からの輸出が増えたことと同義である。 ただし、円安は日本全体の価値減少をもたらすもので、政府が「成功」としてアピールするべきものでない。 アベノミクスには全体として「不可」の評点しか与えられない。 『植草一秀の「知られざる真実」』(2018年6月20日) http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2018/06/post-3462.html |

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◆ 高プロの仰天デタラメ実態
「年収1075万円以上」に根拠なし (日刊ゲンダイ) 米朝首脳会談とその余波にすっかり覆い隠されてしまっているが、安倍政権が今国会の最重要法案と位置付ける「働き方改革法案」が、19日にも参院厚生労働委員会で可決されそうだ。悪名高き「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」がこのまま成立したら本当にヤバイ。 つい先日もズサン調査が発覚したばかりだが、政府が“喧伝”する「1075万円以上」という年収要件が根拠ゼロの上、実際はどうにでも変更可能なデタラメ数字だということも、厚労委の審議であらためて分かったのだ。 政府は高プロについて「年収1075万円以上の専門職を対象に、労働時間規制を外して自由な時間に働くことを認める仕組み」と説明してきた。そのため、多くのサラリーマンは「1075万円ならオレは関係ない」と思っているだろうが、実はこの数字、法案の条文に明記されているわけではない。 条文には〈基準年間平均給与額の3倍の額を相当程度上回る水準〉とあるだけで、「基準年間平均給与額」とは厚労省の「毎月勤労統計における支給額」を指す。これには「パート労働者を含む就業形態計」と「パート労働者を含まない一般労働者」のものがあり、政府が基準とするのは、「パート労働者を含む」金額なのだ。 「非正規雇用の多いパートを含めた給与額は、パートを含まない一般労働者の給与額より月額で7万円前後低いのです。今後、非正規雇用が拡大する可能性が高く、基準額がどんどん下がれば、それに伴い高プロの年収要件も下がるのは確実です」(立憲民主党関係者) 2017年の毎月勤労統計の数字を条文の計算式に当てはめると、「パートを含む」は938万円、「パートを含まない」なら1202万円。すでに1000万円を切ってしまっている。 その上、毎月勤労統計には通勤手当も含まれているというからメチャクチャだ。 ◆ 制度に合わせて都合のいい数字を では、「1075万円」という数字はどこから出てきたのか? ナント03年の労基法改正で「専門的な知識、技術又は経験であって高度のもの」という基準を定めた際に大臣告示で設定された金額なのだという。 15年も前の古過ぎる数字の上、計算式は毎月勤労統計ではなく、人事院の「職種別給与実態調査」がベースだ。なぜに異なる調査をごっちゃ混ぜにするのか。不信感が高まる。加えて、17年の同調査で計算し直すと、1075万円ではなく、1010万円に下がるという。 つまり、「1075万円」に何の論理的な根拠もないのである。 労働法制に詳しい法大名誉教授の五十嵐仁氏がこう言う。 「政府がしきりに『年収1075万円以上』と言ったのは、多くの人に『私は無関係』と思わせるためだったのでしょう。とにかく、労働時間規制を外せる制度を新設するという目的が先にあって、それに合わせて都合のいい数字を持ってきた。ひどいやり方です」かつて塩崎厚労相(当時)は高プロについて「小さく生んで大きく育てる」と口走った。これが安倍政権の本音だ。 高プロの原型である「ホワイトカラーエグゼンプション」が検討された際(05年)、経団連は「年収400万円以上」と主張している。 年収要件はどんどん下がる。こんな悪法を成立させたら、フツーのサラリーマンもみな、いつか会社の奴隷にされてしまう。 『日刊ゲンダイ』(2018年6月19日) https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/231446 |

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◆ 非正規労働者 5年目の「ジェノサイド」
― 無期雇用への転換逃れか、相次ぐ雇い止め (Yahoo!ニュース 特集) 「これは非正規労働者に対するジェノサイドだ」――。雇用の現場でいま、そんな怒りが広がっている。今年4月から、パートやアルバイト、契約社員といった有期契約労働者が通算5年を超えて契約更新した場合、期間に定めのない無期雇用への転換を求めることができるようになった。 ところが、この「無期転換ルール」のスタートを前に、各地で「無期転換逃れ」とみられる雇い止めが相次いでいるのだ。「非正規労働者が安心して働き続けられるように」という制度の目的とは真逆の事態。その現場を歩いた。(藤田和恵/Yahoo!ニュース 特集編集部) ◆ 提訴、そして人生初の記者会見 4月2日、午後。東京都内に住む小林麻里奈さん(40)=仮名=は、東京地裁の女子トイレにいた。ベージュ色の春コートを脱ぎ、持参した紺のジャケットに着替える。 鏡を見ながら、エチケットブラシでほこりを落としていく。ロビーに戻ると、チオビタ・ドリンクを一気に飲み干し、裁判所内の司法記者クラブへ。そこで人生初の記者会見に臨んだ。自分に向けられる大勢の記者とカメラの視線。声は時に震え、上ずった。 「採用時には『長く働ける』と言われました」 「(家計を支える)私が無職からやり直すわけにはいかないんです。雇い止めは『死ね』と言われているのも同然です」 <「日通が無期転換逃れ」 雇用打ち切りの女性提訴> <「日通が雇い止め」 都内の女性、地位確認求め提訴> 新聞各社がそんな見出しのニュースを電子版で配信したのは、その夜のことだった。 訴状によると、小林さんは2018年3月末、派遣社員時代を含め7年半近く勤めた日本通運を雇い止めにされた。 1年ごとに契約更新を繰り返す「支店社員」で、毎月の手取り額は17万円ほど。 会社の制服を着て取引先と直接やりとりしていたほか、朝礼や職場会議にも出席するなど、正社員とほぼ同じ仕事をこなしてきたという。 夫は賃金水準の低い介護労働者で、小学生の子どもが1人。家計を主に支えていたのは小林さんであり、これでは生活できないとして勤務先を訴えたのだ。 ◆ 改正労働契約法18条の意味 小林さんは、今回の雇い止めは「無期転換逃れ」だと訴える。 欠かせない戦力でありながら不安定な働き方を強いられている非正規労働者の雇用を安定させる――。それが、2013年4月に施行された改正労働契約法18条の狙いだ。リーマン・ショック後、非正規労働者の大規模な雇い止めが社会問題となったことをきっかけに、改正法はできた。 法によると、通算5年を超えて契約更新を繰り返した有期契約労働者が無期雇用への転換を申し込めば、企業側は拒否できない。この「無期転換ルール」の適用開始が今年4月。無期雇用になればクビにおびえることもなくなるため、小林さんもそれを心待ちにしていた。 http://wind.ap.teacup.com/people/timg/middle_1529030371.jpg
2008年末、東京・日比谷にできた「年越し派遣村」。雇い止めされた人々らが炊き出しに行列をつくった。当時、リーマン・ショック後の雇用不安は全国を覆っていた(読売新聞/アフロ) 手取り額17万円からアパートの家賃約7万5000円などを差し引くと、もともと家計に余裕はなかった。それでも、子どもの食事や教育にかける費用だけは削るまいと、自分の昼食は約100円の1袋6個入りロールパンを何日かに分けて食べるなどして節約してきた。 雇い止め後は、子どもの水泳教室をやめさせ、塾の受講科目も減らしたという。 ◆ 3年前の契約更新で 小林さんによると、「無期転換逃れ」を疑わせる動きはあったという。今から3年前のこと。2015年6月に渡された雇用契約書に突然、こんな文言が加わったのだ。 「2013年4月1日以後、最初に更新した雇用契約の始期から通算して5年を超えて更新することはない」 一度も見たことのない一文だった。 無期雇用になれないのではないか――。不安になって上司に尋ねると、「書式が変わっただけ。あなたの不利益になることはない」と説明されたという。 いざ、「5年」が到来すると、会社の姿勢は一転し、小林さんは雇い止めされた。 「(法が変わって)5年を超えて契約すると、無期にしなくちゃいけないので(更新しないための)基準を設けた」「この基準は会社の労働組合とも話し合って決めた」――。 上司らはそう説明したという。 同法には、契約満了後に6カ月以上の「クーリング期間」をはさんで再契約すれば、通算5年の契約期間がリセットされる、という規定もある。 ある上司には「ネットで『クーリング制度』って調べてごらん。下請けの会社で半年働いてまた戻ってくればいい」とも言われたという。 小林さんはこう振り返る。 「(更新しないという契約書は)不安でした。でも、非正規の私はサインするしかない。拒否すればクビになるだけですから。(半年後に再契約すればよいという話も)会社がこんな脱法行為を勧めていいのか、と驚きました」 「労働組合には加入していたので、会社と決めたという(取り決めの)書面を見せてほしいと頼みました。でも、断られました。毎月2000円も組合費を払ってきたのに……」 小林さんの代理人である海渡雄一弁護士は、法施行後に突然、契約書に新たな一文が加わったことなどから「この法律がなければ、彼女は(有期契約のまま)働き続けることができた可能性が高い。有期契約労働者の雇用安定を図ることが目的の制度なのに、そのせいで雇い止めに遭うなど、あってはならないこと」と話す。 日本通運広報部は「訴訟中のため、お話しできることはありません」と回答し、全日通労働組合の須藤栄一郎書記長は「会社と本人の問題なのでコメントはありません。(不更新に関する基準に組合が同意したかどうかは)答えることはできません」としている。 ◆ 無期転換への対象者 約450万人 一定期間、同じ会社で働いた非正規労働者を不安定な状態で使い続けるのは、もうやめよう――。改正労働契約法18条はそうした社会的合意に基づくもので、対象者は推計約450万人に上る。 しかし、パートや契約社員を“雇用の調整弁”と考える企業が「前もって雇い止めに走るのでは」という懸念は、法の施行時からあった。 無期転換の適用を控えた今年3月、日本労働弁護団が無料電話相談を実施したところ、約100件の相談が寄せられ、「無期転換逃れ」と思われる雇い止めの実例が見えてきた。 典型的なケースは 「法施行後に就業規則などが変更されて『契約期間は最長5年』といった上限ができた」 「法施行後の契約更新時に『次回の更新はない』などの不更新条項が設けられた」 「雇い止めと同時に6カ月以上先の再雇用を提示される(クーリング制度の悪用)」 といった内容だった。 小林さんの訴えも、こうしたケースに該当する。 また、日本労働組合総連合会(連合)が2017年4月、「(法施行後の)労働契約の条件変更などの状況」について調査したところ、有期契約労働者の11.5%が「これまでに契約期間や更新回数に上限がなかったが、新しい契約では上限が設けられた」と回答している。 ◆ ルール活用の企業もあるが 無期転換はイコール正社員化ではない。 賃金などの労働条件を正社員並みに引き上げる法的義務はなく、企業側の人件費が急増するわけではない。 人手不足が強まるなか、金融や外食、流通業を中心にこの制度を活用した企業もあった。三菱UFJ銀行は無期転換を前倒しで実施したほか、外食産業のジョイフルは全てのパート・アルバイトを一斉に無期転換。三越伊勢丹は月給制の契約社員を無期雇用に切り替えた。 連合の村上陽子総合労働局長も「傘下の労働組合に対し、無期転換への前倒し実施や転換後の労働条件の引き上げなどを呼び掛けてきました。懸念されていた大量の雇い止めは起きていないようです」と話す。 ただ、厚生労働省が各都道府県の労働局長あてに出した通達では、企業側のどのような対応が「無期転換逃れ」に当たるのかについてはほとんど明文化されていない。 海渡弁護士も「小林さんと同じような状況に置かれても、どうしていいか分からずにいる労働者は、実は大勢いるのではないでしょうか。(無期転換逃れは)有期契約労働者に対する人権侵害、ジェノサイド(虐殺)です」と言う。 ◆ 「トイレが長い」とまで言われて 三上咲さん(56)も仮名を条件に取材に応じてくれた。 彼女はパート社員として4年半、ガス管敷設などを行う会社に勤務し、今年3月末にクビになった。現在は東京都労働委員会に対し、雇い止め撤回などを求めてあっせん申請中だ。 雇い止めはパワハラの延長線上にあった、と三上さんは言う。 「ある上司から『三上さんだけトイレに行く時間が長い』『暇そうにしている』『ミスが多い』などと言われました。身に覚えのないことばかりです。社外からの問い合わせ電話に『調べて折り返します』と答えたら、『みっともないことをするな』と叱責されたこともありました。ほかの人が同じ対応をしても、とがめられることはないんです。同僚たちも首をかしげるほど、嫌がらせは露骨でした」 せめてトイレに行く回数を減らそうと、ひざ掛けを買って下半身を冷やさないようにした。忙しいとされている部署への異動も願い出たという。全ては働き続けるためだった。 「(雇い止め後)ハローワークに行ったら、(勤続年数などを記した)離職票を一目見た窓口の相談員が『無期転換逃れの雇い止めですね』って」 三上さんは長年、派遣社員として働いてきた。しかし、30代半ばを過ぎると、時給は下がり、雇用期間も短くなる一方。派遣会社の担当者からは「派遣のリミットは35歳」と告げられた。 夫は正社員だったが、リーマン・ショック後に勤務先の業績が悪化し、一時800万円ほどあった世帯年収は3分の1に落ち込んだという。 彼女が派遣を辞めてパートになったのは「派遣に比べたら給料は低いけど、直接雇用のパートであれば次の仕事探しを心配することなく、安定して働ける」と考えたからだ。 三上さんによると、今回の雇い止めやパワハラについて会社側は「数年後の利益見込みが不安定」「叱責や指示は業務遂行が目的」などと説明したという。 「悔しいです。上司の好き嫌いでクビなんて、奪われたものが大きすぎます。パートを何だと思っているのか」 ◆ 怒りの声 各地でやまず 小林さんや三上さんのほかにも、各地で怒りの声はやまない。 東京では、医薬品などの製造販売会社に14年以上勤めた契約社員の女性(50)が東京地裁で係争中だ。 また、派遣社員として17年近く都内の民間研究所に勤務した女性(59)や、大阪にある学校法人の非常勤講師らも、それぞれ個人加入できる労組に入り、雇い止めの撤回を求めている。 東京大学では、約8000人の非常勤教職員に対する「最長5年で雇い止め」という制度について、正規の教職員を中心とした「東京大学教職員組合」と各大学の非常勤教職員でつくる「首都圏大学非常勤講師組合」が連携し、撤廃させた。 「首都圏大学非常勤講師組合」は日本大学や東北大学などでも、無期転換逃れが疑われる雇い止めの撤回を求めて交渉を継続している。 こうした動きを支える労働組合は、ほとんどが個人加入できるユニオン(労働組合)だ。小林さんも企業内労働組合の全日通労働組合に門前払いされて「ユニオンネットお互いさま」に、三上さんも社内に労働組合がなかったため「首都圏青年ユニオン」に、それぞれ加入している。 一方で、正社員を中心とした企業内労働組合の姿はほとんど見えてこない。 独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査によると、法改正に関する情報をどうやって得たかを企業に尋ねたところ、「新聞報道など」が5割を占めたのに対し、「労働組合や労働者等からの提案」は1%に満たなかった。 また、連合の2017年4月調査では、有期契約労働者の84.1%が無期転換への新ルールの内容を「知らなかった」と回答。 肝心の当事者に情報が伝わっていない実態も浮き彫りとなった。 改正労働契約法に詳しい横浜の嶋確漫覆靴泙気①Δ舛�C蕁吠杆郢ホによると、会社に法律を守らせ、非正規労働者を無期転換させるために尽力した労組もある。その上で、こう続けた。 「労働組合にとって、この法律は『非正規に冷たい労働組合』というイメージを払拭するチャンスです。法本来の趣旨は(無期転換によって)雇い止めの不安から解放された有期契約労働者が、ハラスメントや不当な働かせ方に声を上げ、安心して権利行使ができるような環境を整えることです。そのために、労働組合は単に無期転換の実現をゴールと考えるのではなく、(無期転換の過程で)非正規労働者を組織化し、正社員との待遇格差を是正し、さらには『非正規のために勝ち取った成果』を組織内外に積極的にアピールすることが求められています」 しかし、そこまで積極的に動いた組織は多くなかった。労働組合の組織率は2017年、17.1%。前年より0.2ポイント低下、労組の低空飛行は続いている。 「この法律に魂を吹き込むために、労働組合はなくてはならない存在ですが、現状、そこまでの役割を果たせたかどうか。反省すべき点もあると思います」 ◆ 願いは「復職」だけ かなうか 日通を提訴した小林さんに初めて会った時。 彼女は「不安で、悔しくて……。夜眠れなかったり、突然泣きたくなったりします」と涙をこぼした。同時に、この時から一貫して「私はもう一度、日通で働きたいんです」と言い続けていた。 「多くの人がそうだと思いますが、私もこれまで勤めてきた会社では、長時間のサービス残業など、多かれ少なかれ違法な働き方を強いられてきました。それに比べ、日通は人間関係も良く、本当に働きやすい会社だったんです。40歳の私がこれから仕事を探しても、今以上の条件は望めない。それが身に染みて分かっているんです」 和を重んじる日本の企業社会で、提訴までした勤め先に再び戻りたいという働き手は決して多くない。小林さんはどんな覚悟を持って復職を願うのか。 「これは私だけの問題じゃない、と。世の中には同じような目に遭って、でも裁判までは起こせない――。そんな人が大勢いるんじゃないかと思っています」 今年3月、最後の出勤日。小林さんは会社の更衣室に文房具やスニーカー、ひざ掛けなどの私物を置いてきたという。「いつか必ず戻ってくるつもりだから」。そんな意思と希望を込めた。 ※ 藤田和恵(ふじた・かずえ) 北海道新聞社会部記者などを経て、現在フリーランス。 『Yahoo!ニュース 特集』(2018/6/14) https://news.yahoo.co.jp/feature/985 |

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