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 ◆ 改定「地公法」施行まで1年
   〜会計年度任用職員制度は行政の雇用権限完全掌握か
 (週刊新社会)


 2017年5月に一部改定された地方公務員法・地方自治法の施行予定日(2020年4月1日)まで、1年を切った。すでに条例化された自治体もあるようだが、東京都板橋区では9月区議会で条例化を行うとして、3月に「会計年度任用職員制度の基本的勤務条件について」を組合に提案した。以下、板橋区の提案内容等から明らかになつてきた「改定」の問題黒を提起したい。

 ◆ 「適正な任用」で脅される非正規雇用
 今回の改定趣旨は、2017年6月総務省発出の「会計年度任用職員制度の導入等に向けた事務処理マニュアル」によれば、「臨時・非常勤職員は64万人と増加しており、また、教育、子育て等さまざまな分野で活用されていることから、現状において地方行政の重要な担い手となっている中、適正な任用・勤務条件を確保することが求められており」(一部抜粋)とされている。


 臨時・非常勤職員は、行政サービス拡大の一方で常勤職員定数が削減され続けたため、年々増えていった
 板橋区では昨年4月段階で、非常勤が803人、臨時職員が375人雇用されており、その内保育園や児童館で非常勤375人、臨時職員75人、学校では同270人、同11人が働いていた。
 臨時職員は健康福祉センターでの検診時に雇用人数が多い。
 このような趣旨で始まったはずの制度検討の結果が、なぜか、雇用期間を1年以内に限定する一般職会計年度任用職員制度の創設になり、任用要件の厳格化となった。
 この方針を受けて板橋区は、「特別職非常勤職員」の大半を2020年4月に「一般職会計年度任用職員」に移行するとした。
 一方でこの流れの中で、廃止や派遣になった職が、現在でも未定とされている職が18ある
 職の廃止はクビを意味するが、この検討内容を区は未だオープンにしていない。
 また、私たちは、来春希望者全員を移行させるように要求しているが、未だ明確な回答がない。
 いつまでも労働者を不安な状態に置き続けることを許せない。

 ◆ 期末手当の支給は一歩前進

 区長会特区連の交渉で、昨年末23区統一事項が確認され、改定の目玉であった期末手当が大半の会計年度任用職員に支給されることになった
 区も賃金(報酬)水準や獲得してきた休暇関係は現状維持の方向を示しているので、一歩前進といえる。

 ◆ 新制度は契約更新を否定

 しかし、最大の労働条件である雇用の安定は大きく後退した。
 これまで非常勤職員は1年契約であっても「更新」して継続的に働けた。しかし今回「更新」は否定され、「能力実証」を経て再度任用されても5回目は公募選考とされた。
 一般職化による「平等原則適用」を理由としているが、なぜ非正規だけとの疑問は解消しない。

 ◆ 5回目は公募選考を導入

 公募は総務省マニュァルでさえ必須としておらず、法案成立時の「不利益を生じさせるな」との付帯決議にも反する。
 併せて再度の任用時に「懲戒処分」や「人事評価」によっては「不適格」とされるとも言われ、さらに毎年一カ月の試用期間が設けられるのだから、労働者は常に上を気にしながら仕事をすることになる。
 経験者が職を追われれば事業の質も落ちる
 正当な主張をした職員が上司に嫌悪されて再度の任用が拒否されても、新制度の中でクビを守ることは厳しい。

 ◆ 一般職化で労働基本権の剥奪へ

 ましてや、一般職化を理由に労働基本権が否定され、連帯労組のような合同労組は職員団体への移行を迫られ、労働委員会も使えなくなる。
 今回の改定のねらいが、非正規労働者の雇用決定権を当局が握り、権利の主張を抑え込むことにあることは明白だ。

 連帯労組板橋区パートは、一方的雇用日数削減通告に抗議の声を上げた労働者が、1人でも入れる労組に加入したことから始まった。
 団交で「有償ボランティア」との区の勝手な位置づけを「特別職非常勤」に改めさせた。
 その後四半世紀、学童クラブ臨職の非常勤化を実現させ、児童館学童クラブ合理化攻撃の時にも雇用を守り、労働条件改善を少しずつ勝ち取ってきた。
 労働組合としての取組みと、働き続けられたからできたことである。その積み重ねが今崩されようとすることに、私たちは座しているわけにはいかない。

 労働条件切り下げといえる公募選考をなんとしても阻止したい。
 公務職場の委託化や非正規化は、遠からず正規職員にも影響する。残されている時間は短い。雇用関係やナショナルセンターの枠、官民の違いを超えて、多くの労働者がこれらの施策に、共に抗議の声を上げてほしい。

 (連帯労働組合板橋区パート・高井由季子)

『週刊新社会』(2019年4月16日)


 ◆ 偽装の官民一体 (東京新聞【本音のコラム】)
鎌田 慧(かまたさとし・ルポライター)

 「メード・イン・ジャパン」。ドイツ製と並ぶほどに安定的な品質を誇ってきた、日本ブランドもついに斜陽なのか。
 三菱自動車、日産自動車、スバルなどの燃費や検査の不正の発覚につづいて、スズキの二百万台もリコールと決まった。
 ブレーキやハンドル検査は、安全性つまりは人命に関わるもっとも重要な工程だが、ここが人員削減、手抜きされているのは儲(もう)けファースト、事故が発生しても構わない思想のあらわれだ。

 人間の命を守る住宅でも、レオパレス21に続いて、最大手の大和ハウスが販売した、賃貸アパート、一戸建て二千棟で建築基準法違反の恐れが発覚。これも人命尊重より儲け主義のあらわれである。


 企業内に人間尊重の思想と教養、そしてそれを守るチェック機能、たとえば労働組合がない。
 国際競争に勝ち抜くための社内の非民主主義的風潮が社員を萎縮させ、国際競争から脱落させる。

 「日の丸液晶」と言われた、官民挙げてのジャパンディスプレイ(JDI)の経営が悪化、中国と台湾資本の傘下入りが、日本製斜陽の象徴か。
 庶民感覚とほど遠い「アベノミクス成功」とは、統計の不正、改ざんによって、検査工程で書き換えられたもので、リコールに相応する。

 官民一体となった偽装主義は「森羅万象すべてを担当する」と豪語する総理大臣にも責任があると思う。(ルポライター)

『東京新聞』(2019年4月16日【本音のコラム】)



  【連載】労働弁護士事件簿25(労働情報)
 ◆ 「育児をするならパートになれ」
   モーレツ社員主義が生むマタハラ

新村響子 弁護士 日本労働弁護団事務局次長 旬報法律事務所

 ◆ 産休・育休を取ろうとしたら
 Aさんは、Y社で働き始めて13年、経理事務を担当する正社員でした。そんな彼女に転機が訪れたのは、子どもの妊娠・出産です。
 Aさんは、1人目の子どもの出産・育児のために産休と1年の育休を取得し、復職しましたが、そのときにお腹の中に2人目の子どもを授かっていたため、4か月後に再び産休・育休に入る予定であることを上司に報告しました。
 ところが、Aさんは、上司のB部長から呼び出しを受け、「今すぐ正社員からパート社員になれ」と言われたのです。
 理由は、「2人目の子どもをすぐに妊娠したことの心証が悪いから」。Aさんはショックを受けつつ、「契約社員なんて考えてません。正社員」と気丈に伝えました。


 その後、B部長からの呼び出しは9回にもおよび、そのたびに「子どもの養育に合う形で勤務したほうがいい」「パート社員になるのが自然な形だ」「夜や休日の行事への参加など正社員に求められる」「育児との両立を考えると、パート社員のほうがいい」などと迫られました。

 また、B部長は、Aさんの同僚女性で育児をしながら正社員をしているCさんの名前をあげ、「Cさんは親に子どもを預け夜7時〜8時まで残業している。Aさんも男に負けずに働くのなら経理の柱になってもらいたいが、実際は難しいだろうからパート職員になるべきだ」とも言いました。
 これに対して、Aさんも繰り返し「正社員で働きたい」「時短勤務制度を使えばやっていける」と訴え続けましたが、B部長は、パート社員への変更は「会社の意向」であると断言しました。
 Aさんは、厳しいプレッシャーに押しつぶされそうになりながらも、明確な返答は避けつつ、何とかやり過ごすしかありませんでした。

 ◆ 耐えきれず退職へ

 Aさんは、第二子の産前産後休暇と約半年の育児休業を取得し、正社員として復職しました。
 ところが、復職直後からAさんはB部長やD人事部長から6回以上の呼び出しを受け、時給などの具体的条件を示されてパート社員になるよう言われ続けました。

 D人事部長は、「もしAさんが今後も正社員で勤務継続するなら、店舗や営業職、開発職など全く異なる部署への異動や減給もある」という話や、「早期退職を勧告することもありうる」という話もしました。
 Aさんにとって、それは脅しにしか聞こえませんでした。
 Aさんは心身ともにボロボロになり、復職してから4ヵ月後に、泣きながら退職届を出しました。

 ◆ 労働審判で解決

 均等法9条3項は、出産等を理由とする、育介休法10条等は育児休業等を理由とする不利益取扱いを禁止しており、それには当然、正社員からパート社員への変更も含まれます。
 また、均等法11条の2育介休法25条は、妊娠・出産、育児休業等の制度利用に関して上司が不利益取扱いを示唆する言動をして女性労働者の就業環境が害されることのないよう、事業主の措置義務を定めています。

 Aさんに対するY社の対応は、これらの規定に完全に違反するマタニティハラスメントにあたります。

 Aさんが申し立てた労働審判で、Y社は、パート社員になるよう勧めたのは、あくまでAさんのためを思ってのことであり、Aさんもパート社員になることは同意していたと主張しました。
 しかし、Aさんは、上記の面談の多くを録音しており、B部長らの理不尽な言い分、それに対してAさんが時に泣きながら正社員でいたいと訴えている様子は明らかでした。

 審判委員会は、Y社に対し、「Aさんは繰り返し正社員がいいと言っているじゃないか」「それに対して会社はどう応えたのか」「近い将来にAさんに配置転換の必要性があるわけでもないのに、正社員ならば異動や減給もあるかもしれないと伝える意味はどこにあったのか」と厳しく追及しました。
 また、審理の中では、Y社ではこれまで妊娠・出産した女性正社員に対して退職勧奨やパート社員への転換勧奨が繰り返されており、B部長がAさんと比較して称賛していたCさんも退職したことがわかり、審判委員会も言葉を失っていました。

 結果的に、Y社は相当額の解決金を払い、使用者としての防止義務が不十分であったことを陳謝し、今後同様の被害が生じないよう職場環境の改善と防止策を強化し、法令遵守を徹底するという調停が成立しました。

 ◆ 長時間労働の解消なくして女性活躍なし

 この事件では、休日も夜もパリバリ働けるなら正社員、育児でそれができないならパート社員になるのが「実情」に合っている、というB部長の言葉が強く印象に残りました。

 わが国には、産休、育休、時短勤務制度、所定時間外労働の制限など、正社員の女性が出産・育児を契機に辞めなくてもよいように一定の権利制度が存在します
 しかし、Y社のように、その当たり前の権利制度を使わせないというマタハラ・育パラが後を絶ちません。その背景には、長時間労働が当たり前という「モーレツ正社員」至上主義があると思います。
 正社員ならば残業ができて当たり前、という「実情」が、それができない者の排除に作用するのです。

 マタハラ・育パラをなくし、真の意味での女性の活躍や男性の育児・介護参加を実現するためには、そのような日本の職場環境を根本的に変えていかなければならないと思います。

『労働情報』(2019年4月)


 ◆ 全国のパソナ前で反竹中平蔵デモ、「竹中を日本から叩き出せ」
   高橋清隆(NET IB NEWS)
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竹中糾弾に集まった市民

 未来投資会議(議長・安倍晋三首相)の民間議員として規制緩和や政府機関の民営化を決定し、国民の富を大企業や外資に手引きする竹中平蔵氏を糾弾しようと3月24日、竹中氏が取締役会長を務める人材派遣会社、パソナ本社(東京都千代田区)や各拠点前の計7カ所で集会が開かれた。左右を超えた国民運動を理念に、本社前では愛国団体「一水会」の木村三浩(みつひろ)代表が「竹中を日本から叩き出す必要がある」などと訴えた。
 集会は「みちばた興業」と『ピープルパワーテレビ』が主催。東京のほか名古屋・大阪・浜松・静岡・四日市・福岡の各市で午後2時からおよそ2時間開かれた。東京・大手町の本社前では、フランスの反マクロンデモに倣い黄色いベストをまとったり、「竹中平蔵 売国奴」「白蟻(あり)」などのボードを掲げた市民約70人が参加した。



 冒頭、元日産自動車会長兼CEOのカルロス・ゴーンのコスプレをした黒川氏が、「アベノミクスでこの6年間、大企業の利益と一部富裕層の資産は増え続け、富裕層の資産は300兆円になった。その反対側で、庶民の生活が崩れている。皆さまは、今まで以上に一生懸命働いてますよね。働いて豊かにならないのは、政治が悪いから。一緒に政治を変えましょう」とあいさつした。

 保守系言論誌『月刊日本』の坪内隆彦編集長は「10年間竹中批判をやってきたが、ようやくここにきて、火がついた」と述べ、東洋大4年生の船橋秀人(しゅうと)氏の勇気ある行動がそのきっかけをつくったことをたたえた。
 そのうえで、「パソナ会長をしながら、政府の未来投資会議の民間議員として実際の政策を決めている。それを支えているのが慶応大学、そして今は東洋大学の教授という学者の看板。彼の背後には米国がいて、グローバル資本が付いている強大な力だが、それに対する怒りが今、こうして全国にあふれかえっている。今こそ、竹中氏の退場を目指して持続的に頑張ろう」と呼び掛けた。

 駆け付けた「一水会」の木村氏は「安倍内閣は『日本を取り戻す』と言いながら、日本を外国に売っている。このパソナ前で訴えている我々こそが本当の愛国者。これをもっともっと盛り上げ、まず第一は、竹中氏の利益相反をやめさせる。そして、竹中氏のやってきた罪過を明らかにし、格差社会の是正をしなければ」と行動の道筋を示した。
 さらに木村氏は「パナマ文書は富裕層が日本で税金を納めない人たちの名簿だが、竹中氏はこの先駆け。この売国奴を日本から叩き出す必要がある」と訴えた。

 木村氏の誘いで姿を見せた小林興起・元衆院議員は、自身が反対して失職することになった郵政民営化法案に言及。田中角栄元首相が財政投融資で高速道路を整備した例などを挙げ、「日本のために使われていた郵貯資金を米国金融資本のために使おうとしたふざけた法案。その案をつくったのが竹中さん」と糾弾した。
 小林氏は消費増税が法人・所得の両減税の穴埋めに使われていることも指摘し、「法人税を下げろというのが米国金融資本の要求。皆さまが払っている消費税は、米金融資本が株でもうけるために使われている。米国にここまでこびる政治では、日本は良くならない。皆さまの若い力で、いい日本をもう1度」と呼び掛けた。

 演説の合間にはミュージシャンNao Lion作曲『Bye Bye 売国 竹中平蔵』の曲が流れ、参加者は「派遣でもうける平蔵要らない」「自分で決定、自分でもうける」「売買売国、自民党」などとコールを繰り返した。
 埼玉県からきたという40代の夫婦は「おかしいことをおかしいといえないのはおかしい。みんなで国を立て直したい」などと話していた。
 主催者によると、今回は参加しやすさを重視して日曜の集会となった。今後は平日の開催を検討している。

 <プロフィール> 高橋 清隆(たかはし・きよたか)
 1964年新潟県生まれ。金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了。『週刊金曜日』『ZAITEN』『月刊THEMIS(テーミス)』などに記事を掲載。著書に『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)、『亀井静香が吠える』(K&Kプレス)、『亀井静香?最後の戦いだ。』(同)、『新聞に載らなかったトンデモ投稿』(パブラボ)。ブログ『高橋清隆の文書館』。

『NET IB NEWS』
2019年03月25日 14:39
https://www.data-max.co.jp/article/28570?rct=nation



 ◆ 日本人の賃金は「一人負け」
   日経も報じた安倍政権の大嘘
 (日刊ゲンダイ)


 19日の日経新聞が1面トップで取り上げた〈ニッポンの賃金(上)〉と題した記事は衝撃的な内容だった。
 〈賃金水準、世界に劣後〉と大見出しを付け、欧州などの主要国と比べて日本の労働者の賃金が大きく伸び悩んでいる状況をこう書いた。
 経済協力開発機構(OECD)は残業代を含めた民間部門の総収入について、働き手1人の1時間あたりの金額をはじいた。国際比較が可能な17年と97年とを比べると20年間で日本は9%下落した。主要国で唯一のマイナスだ。
 英国は87%、米国は76%、フランスは66%、ドイツは55%増えた。韓国は2.5倍
 日本の平均年収は米国を3割も下回っている
 そして、日本がこの低賃金状況から抜け出すには、


 生産性を高め、最低賃金を引き上げるなど高付加価値の仕事にシフトする潮流をつくり出すことが欠かせない――と結ぶのだが、この記事は2つの意味で驚きだ。

 1つは安倍政権がアベノミクスと称して黒田日銀の尻を叩き、異次元金融緩和を続けていても、国民が手にする賃金は全く増えず、逆に減っているという事実を突き付けたことだ。

 アベノミクスが始まった当初、政府は金融緩和などによる円安効果で大企業が儲かれば、やがて富が滴り落ちる「トリクルダウン」が起きて国民のフトコロも潤う、と喧伝していたが、全くの嘘っぱちがあらためて証明されたのだ。

 実際、17年度の国内企業の内部留保は第2次安倍政権が発足する前と比べて約164兆円も増え、過去最高の446兆円に達したが、人件費に回す割合を示す労働分配率は43年ぶりの低水準だ。
 なるほど、日本だけが突出して賃金が安いというデータが示されるのも当然だろう。

 ◆ 表面上の数字で好景気を演出するアベノミクス

 もう1つの驚きは、これまでアベノミクスを持ち上げ、政権を“側面支援”してきた日経が1面で安倍政権の“大嘘”を報じたことだ。

 アベノミクスが始まった13年。春闘真っ盛りの今と同じ時期の日経紙面を振り返ると、当時は〈安倍晋三首相が業績好調な企業に求めている賃上げに応じる動きが産業界に広がりそうだ〉と書き、アベノミクスが春闘にも好影響を及ぼす期待感をにじませていた。
 そして、実際は一時金を引き上げた企業が目立っただけで、基本給を底上げするベースアップ(ベア)した会社はチョボチョボだったにもかかわらず、トヨタを例に挙げて〈満額回答なら上昇分はアベノミクスの2%の物価上昇目標を大きく上回る公算だ〉〈金融緩和が生んだ円安・株高を追い風に日本経済が動き出した〉などとヨイショ記事を連発していた。

 ところが今回の1面記事の論調は6年前とは様変わり。春闘に臨むトヨタを取り上げつつも、〈労使交渉で、ベア見直しを含めた賃金体系の再考を提案〉〈危機感がトヨタを「脱ベア」に突き動かす〉と、アベノミクスの「ア」の字も出てこないのだ。
 金融論が専門の相澤幸悦埼玉学園大教授がこう言う。

 「日経もとうとう“本質”を書いたかと思いましたね。アベノミクスの正体はメチャクチャな金融緩和で円安誘導し、法人税減税で大企業を儲けさせただけ。本来は個人消費を増やす施策を打ち出し、地道に内需拡大しないとダメなのに、表面上の数字で好景気を演出していたわけです。さすがに6年経ち、このままでいいのかと、日経も危機感を持った表れだと思いました」

 ◆ アベノミクスとは大企業の利潤追求を国家が後押しすること

 それにしても、である。安倍が年頭所感で「景気回復の温かい風が全国津々浦々に届き始めた」と語っていたのは一体何だったのか。
 安倍の言う通りであれば、どの企業、労働者もウハウハだ。トヨタが大々的に「脱ベア」をブチ上げることもなかっただろう。
 ところが、今春闘を見ると、ベアを実施する、との回答は見られるものの、電機や自動車など輸出産業を中心に上げ幅は前年割れが続出した。
 貿易統計(2月)で輸出額が前年同月比1・2%減の6兆3843億円と3カ月連続で減少するなど、景気の減速懸念が鮮明になってきたからだ。
 つまり、アベノミクスによる円安の恩恵を受けてきた輸出バブルにも陰りが見え始めているということだ。

 朝日新聞が16、17両日に実施した全国世論調査では、「景気が悪くなった」との回答が49%で、「そうは思わない」(41%)を大きく上回り、共同通信の世論調査でも、景気回復を「実感していない」との回答は84.5%にも達した。安倍内閣の支持層でも「実感していない」は73.7%だから、しょせんは「景気回復の温かい風」なんて安倍の妄想に過ぎないのだ。

 そしてこの先、働き方改革などという労働者イジメの愚策で残業代は限りなくゼロになる上、移民受け入れ非正規雇用の増大で、低賃金化はますます進む
 安倍は「景気回復で380万人の就業者が増えた」と寝言を言っているが、増えた就業者の7割は高齢者だ。
 内閣府の調査では「今後も働き続けたいと思う理由」を高齢者に尋ねたところ、「収入がほしい」との回答が5割近くで断トツ。要するに景気回復で就業者が増えたのではなく、低賃金のために働かざるを得ない無残な状況に追い詰められているのだ。
 埼玉大名誉教授の鎌倉孝夫氏(経済学)がこう言う。

 「労働時間が増えるばかりで賃金は伸びない。そういう業種や業態がたくさんあるのに移民を受け入れ、非正規を増やす。労働者がどういう環境に追い込まれるのかは容易に想像がつくでしょう。アベノミクスというのは、国家が大企業の利潤追求を後押しするということ。当然、労働者は劣悪な環境に向かうだけです」

 ◆ 記者クラブメディアの報道はアベノミクス以上に問題

 〈日銀による空前の金融緩和が始まって6年。今回の春闘で、経営者や働き手のマインドは市場にお金を大量に供給する金融政策だけでは変えられないことが、改めてわかった。このままではアベノミクスがめざす景気の好循環は起きないし、日銀の物価目標の達成も遠のくばかりだ〉

 19日の朝日新聞で、堀篭俊材編集委員は〈日本経済 「デフレマインド」払拭なるか〉と題したコラムでこう書いていた。至極まっとうな正論だが、そんなことはとっくに分かっていたハズだ。

 全国銀行協会の藤原弘治会長(みずほ銀行頭取)は2月の定例会見で、日銀の異次元緩和について「物価目標は2%という絶対値にこだわりすぎるべきではない」と異論を唱え、16年には、三菱UFJフィナンシャル・グループの平野信行社長マイナス金利について「懸念を増大させている」と踏み込んでいた。
 大新聞の記者が今さらエラソーに書かなくても、アベノミクス(異次元緩和)に対する市場の認識は、とっくに「やめろ」だったワケで、それを礼賛してきたのが大マスコミではないのか。
 元共同通信記者でジャーナリストの浅野健一氏がこう言う。

 「そもそも記者クラブメディアは経済について不勉強。だから、何ら疑いを持たずに政権の言うままに万歳記事を書くわけです。『アベノミクスで、こんなにうまくいっている』と言われれば、ハイそうですかと。株高でスポンサーの大企業が儲かれば、自分たちも潤う面もある。アベノミクスも問題だが、それを垂れ流す記者クラブメディアの報道も問題なのです」

 大マスコミの権力礼賛報道は、まず疑うべきだ。 

『日刊ゲンダイ』(2019/03/20)
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/250122



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