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=京都朝鮮学園訴訟・大阪高裁判決=
◆ 在特会に賠償、街宣は禁止 (週刊新社会)
京都朝鮮学園が「ヘイトスピーチ」 (憎悪煽動表現)による人種差別をする街宣活動で授業を妨害されたとして、損害賠償などを「在日特権を許さない市民の会」(在特会 )などに求めた訴訟の控訴審判決 があった。
大阪高裁は、7月8日に約千二百万円の賠償 と学校周辺での街宣活動の禁止 を命じた一審の京都地裁判決を支持 し、在特会側の控訴を棄却した。
この事件は、在特会らが2009年から10年にかけて京都市内にあった朝鮮学校 に押しかけ拡声器を大音量にして朝鮮人への差別発言 を繰り返し、罵声をあびせ、それを撮影した動画をネットで公開 して全国に広げた。
一審の京都地裁での判決は、人種差別撤廃条約 を根拠に「差別にあたる。平穏な授業を困難にし、学校の名誉を損なった」と判断し、街宣活動を人種差別にあたる とした初めての判決だった。
今回の大阪高裁判決は、「朝鮮学園には、在日朝鮮人の民族教育 を行う利益がある」と認定、原告側は民族教育の重要性について積極的に評価したと判断している。
一方、在特会の行動 に対しては、「人種差別にあたり、法の保護に値しない 」と述べ、「在日朝鮮人を嫌悪、蔑視する発言は、差別意識を世間に訴える意図で、公益目的はない。民族教育事業の運営に重大な支障をきたす」とした。
その上で、インターネットに公開したことは「被害が拡散し、再生産 される可能性がある」と厳しく指摘している。
今後、全国に広がっているヘイトスピーチによる差別意識の拡大に規制をかける力となる。
これからは、人種差別撤廃条約が各国に求めているヘイトスピーチの法規制 に向け一歩前進となる判決である。
『週刊新社会』(2014/8/5)
パワー・トゥ・ザ・ピープル!! パート2
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《前田朗ブログから》
◎ 人種差別撤廃条約に照らして考える
ここで論じているのは、これまでに「◯◯人を殺せ」 などと過激な人種差別・人種主義の煽動を行ってきたことで有名なヘイト団体 が公共施設の利用を申請した場合、公共施設側はこれを受理すべきか 、という問題である。
ヘイト・スピーチを行ってきた人種差別集団に公共施設を利用させ便宜を図ることは、人種差別撤廃条約に違反 するので、受理すべきでないことは明白である。
人種差別撤廃条約第二条第一項 は次のように定める。「締約国は、人種差別を非難し、また、あらゆる形態の人種差別を撤廃する政策 及びあらゆる人種間の理解を促進する政策をすべての適当な方法により遅滞なくとることを約束する。このため、
(a)各締約国は、個人、集団又は団体に対する人種差別の行為又は慣行に従事しないこと並びに国及び地方のすべての公の当局及び機関がこの義務に従って行動 するよう確保することを約束する。
(b)各締約国は、いかなる個人又は団体による人種差別も後援せず、擁護せず又は支持しないことを約束する。
(c)各締約国は、政府(国及び地方)の政策を再検討し及び人種差別を生じさせ又は永続化させる効果を有するいかなる法令も改正し、廃止し又は無効にするために効果的な措置をとる。
(d)各締約国は、すべての適当な方法(状況により必要とされるときは、立法を含む。)により、いかなる個人、集団又は団体による人種差別も禁止し、終了させる 。
(e)各締約国は、適当なときは、人種間の融和を目的とし、かつ、複数の人種で構成される団体及び運動を支援し並びに人種間の障壁を撤廃する他の方法を奨励すること並びに人種間の分断を強化するようないかなる動きも抑制する ことを約束する。」
それゆえ、日本政府は人種差別を撤廃するために「すべての適当な方法により遅滞なくとることを約束」し、「いかなる個人又は団体による人種差別も後援せず、擁護せず又は支持しないことを約束」した。
さらに、「すべての適当な方法により、いかなる個人、集団又は団体による人種差別も禁止し、終了させる」ことを約束した。
従って、日本政府(当然のことながら県も含む)は、過激な人種差別・人種主義の煽動を行ってきたことで有名な集団を後援、擁護、支持してはならない。
従って、地方政府は、そのような差別集団に便宜を図ってはならず、公共施設の利用を認めてはならない 。
人種差別撤廃条約第四条本文 に基づいて、日本政府は「一の人種の優越性若しくは一の皮膚の色若しくは種族的出身の人の集団の優越性の思想若しくは理論に基づくあらゆる宣伝及び団体又は人種的憎悪及び人種差別を正当化し若しくは助長することを企てるあらゆる宣伝及び団体を非難し、また、このような差別のあらゆる扇動又は行為を根絶することを目的とする迅速かつ積極的な措置をとる ことを約束」している。
日本政府は人種差別撤廃条約第4条(a)(b)の適用を留保しているが、第四条全体の適用を留保しているわけではないので、人種差別撤廃条約第四条本文に基づいて検討を行い、県条例第三条(2)(3)について判断するべきである。
それゆえ、日本政府は、「人種差別を正当化し若しくは助長することを企てるあらゆる団体を非難」するべきであり、「このような差別のあらゆる扇動又は行為を根絶することを目的とする迅速かつ積極的な措置をとる」べきである。従って、県は、そのような差別集団に便宜を図ってはならず、公共施設の利用を認めてはならない。
人種差別撤廃条約第七条 は「人種差別につながる偏見と戦い」とし、「特に教授、教育、文化及び情報の分野において、迅速かつ効果的な措置をとることを約束する 」としている。
山形県 や門真市 が、教育施設の性格、とりわけ子どもが利用する公共施設と言う面を強調しているのは、条約第七条を実践 するものとして高く評価できる。
結論として、日本政府や県が、差別団体、ヘイト団体に便宜を図り、一般の施設よりも安価・利便性のある公共施設の利用を認めた場合、それは人種差別撤廃条約に違反 するものである。このようなことはあってはならない。
『前田朗ブログ』(Saturday, July 13, 2014)
http://maeda-akira.blogspot.jp/2014/07/blog-post_13.html
パワー・トゥ・ザ・ピープル!! パート2
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◆ 在特会の嫌がらせ行為、「人種差別」と認定
板垣竜太(同志社大教員)
2009年12月に「在日特権を許さない市民の会(以下、在特会 )」が、京都朝鮮第一初級学校に押し掛けて、人種差別的怒号を浴びせ続けた事件の民事訴訟判決 が10月7日に出た(在特会については本紙8月15日号参照)。裁判で原告側の専門家証人としても関わった、同志社大学教員の板垣竜太さんの寄稿。
◆ 京都朝鮮第一初級学校事件判決の意義と民族教育権の行方
2013年10月7日、京都地方裁判所 (裁判長・橋詰均)は、「在特会」らに対し、学校法人京都朝鮮学園に 1226万円の損害賠償金を払うことを命ずるとと
もに、京都朝鮮第一初級学校付近での街宣活動を差し止める判決 を下した。
判決は、在特会のメンバーらが、京都朝鮮第一初級学校に対し、3度 にわたって行った示威活動を対象としたものである。すなわち、
①09年12月、授業中だった学校に押し寄せ、器物を損壊しながら、朝鮮学校に対する罵詈雑言を浴びせた示威活動、
②10年1月の学校付近でのデモ行進、
③同年3月、地裁の街宣禁止の仮処分を無視して行ったデモ行進である。
このうち示威活動①は、被告のうち4人が逮捕され、既に刑事裁判 で侮辱罪等により有罪判決が確定 している。
今回の裁判では、原告側が損害賠償請求において勝訴すること自体は確実視されていた。授業を妨害し、子どもらの心を傷つけ、物を毀していき、しかも被告自らがその一部始終をインターネットで誇らしげに公開していたからである。
だからこそ原告側には、本裁判において、それ以上の2つの獲得目標 があった。すなわち、「民族教育権」の保障 を判決に書き込ませること、またそれを示威活動によって侵害した人種差別(レイシズム)の事件 として明確に本件を位置づけさせることであった。いずれも明確な判例がなく、判決にどれほど反映されるかが注目されていた。
◆ 人種差別が動機
結論からいえば、この獲得目標のうちーつは達成された。判決は、被告の示威活動による名誉殿損と業務妨害が、人種差別撤廃条約 で禁止された人種差別に該当 すると断じた。
日本は1995年にようやく人種差別撤廃条約に加入したが、それに相当する国内法を有していない。そのため本判決は、現行の法律を条約の定めに適合するように解釈しなければならなかった。賠償されるべき損害には、有形損害(財産損害)と無形損害がある。
本判決は、通常の名誉殿損と業務妨害に加えて、それが人種差別を動機としていたことが、無形損害の認定 を重くさせると解釈したのである。
具体的には、授業中に行われた示威活動①による無形損害を500万円、と③による無形損害をそれぞれ300万円と認定した。賠償金のほとんどが人種差別を動機とした無形損害によるものだったのである。
実は、この事件は2010年に開かれた国連の人種差別撤廃委員会 で議論になっていた。日本は、人種差別事件を処罰する法律を有しておらず、そのことが委員会では繰り返し指摘され続けてきた。
そこにこの事件だったので、委員の1人は、日本の法廷では「人種的動機」が考慮されないのか、と日本政府代表に質問した。それに対し、日本の代表 は、「人種差別事件では、その悪意の観点から評価し、量刑に加味されている」 と答えていた。
ところが、この事件に関する11年の刑事裁判判決では、人種差別に一言も言及されなかった。これほどあからさまな事件で、「人種的動機」に触れられなかったのである。そこに触れずとも刑事事件として立件できると検察側が判断したのであろう。
それに対し、人種差別の問題を正面から扱った今回の民事裁判では、その判断は避けて通ることができず、結果的に、今後、人種差別問題で常に参照されるべき、画期的な判決 となったのである。
◆ 民族教育権の行方
一方、原告側が人種差別とワンセットで主張していた民族教育権については、判決で一言も触れられなかった 。このことは極めて遺憾である。ただ、判決が民族教育権を否定したわけでもない。これについて、最後に2点指摘しておきたい。
まず、本判決は、そこで行われているのが民族教育であろうが、別の活動であろうが、人種差別の動機をもって行った活動が、名誉殿損や業務妨害などの具体的な損害をもたらせば、それを人種差別事件と認定できるものと解釈できる。すなわち、民族教育以外の場でも、人種差別撤廃条約を適用できる可能性を開いた とも言えるのである。
もう一つは、判決の論理に民族教育権を接合する可能性である。今回の判決で、原告の「無形損害」が認められたということは、裏返せば、損害を与えてはならず、保障されるべき「何ものか」が認められた ということである。その「何ものか」の中心に、「民族教育の営み」があった。民族教育権とは、まずもって民族教育を不当に侵害されないことである。そうした点からしても、民族教育権の保障という論点は、本判決に接合することもできると考えられる。
以上の点で、今回の判決は、今後、さまざまな方向に活用し得る潜在性を有している。それを有効に活用できるかどうか、私たち市民の力にかかっている。
※いたがきりゅうた
1972年生まれ。同志社大学社会学部教員。専門は朝鮮近現代社会史。共著に『東アジアの記憶の場』(河出書房新社)、薯書に『朝鮮近代の歴史民族誌繭(朋石書店)、共編著に『日韓新たな始まりのための20章』(岩波書店)ほか
※京都朝鮮第一初級学校事件
2009年12月4日、在特会メンバーらが、京都朝鮮第一初級学校(当時)に押し掛け、約1時間にわたり「朝鮮学校を日本から叩き出せ」「なにが子どもじゃ、スパイの子どもやんけ」と怒号を浴びせた(「街宣行動」)。この模様は逐一ウェブの動画サイトで公表された。
弁護団が組織され同月下旬に同会メンバーらに対し刑事告訴がなされ、即日受理された。10年1月19日には京都弁護士会が「朝鮮学校に対する嫌がらせに関する会長声明」を発表。しかし同年1月、3月にも同様の街宣を行った。10年8月には街宣を行っていた中心人物4人が逮捕され、11年4月には京都地裁で「威力業務妨害罪」「侮辱罪」などで懲役1〜2年(執行猶予4年)の有罪判決が出た。
『ふぇみん』3039号(2013/11/15)
パワー・トゥ・ザ・ピープル!! パート2
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People's Front of Anti Racism Japan
☆ 9月22日(日) 差別撤廃 東京大行進 新宿にて開催!
すべてのレイシズムにNOを!
すべてのヘイトスピーチにNOを!
仲良くしようぜ
☆ 差別撤廃 東京大行進
The March on Tokyo for Freedom
9月22日(日) 新宿中央公園 水の広場 12時半集合 13時出発
主催:People’s Front of Anti-Racism
第一梯団では、五十年前に行われた
キング牧師の演説「I Have A Dream」 で有名な「ワシントン大行進」への最大限のリスペクトと連帯を示すため、スーツを着てブラスバンドとともに行進し、力強い抗議の意思を訴えます。
また、第二梯団以降では「この社会では多様な人々がすでにともに生きているのだ」とアピールするために、
DJやダンサーを載せたサウンドカー とともに楽しいパレードを行ないます。さらに、集会では以下の要請文を決議し日本政府に提出します。
☆ 私たちは日本政府に人種差別撤廃条約を誠実に履行するよう求めます。
個人を、集団を、そして社会を破壊するあらゆる差別への強い抗議の意思と、多様性を持つ社会のすばらしさをアピールするために、今度は私たちが新宿の街を行進しましょう!
数年前から、東京の新大久保や大坂の鶴橋など、全国各地でレイシスト団体によるヘイトスピーチ・デモや街宣活動が繰り返し行われてきました。私たちはこのような卑劣なデモに対して、2013年2月から様々な形の抗議活動を行なってきました。そして、7月14日に大阪で行われた「OSAKA AGAINST RACISM 仲よくしようぜパレード」への連帯をベースにしながら、
人種、国籍、ジェンダーその他の偏見の範疇に基づくすべての形態の差別に反対するデモ を9月22日に行ないます。
『People's Front of Anti Racism Japan』(2013年08月27日)
http://antiracism.jp/
パワー・トゥ・ザ・ピープル!! パート2
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国連人種差別撤廃委員会は、2月24・25日に行われた日本政府報告の審査を終え、3月17日に総括所見を公表しました。
委員会は、「人種的優越あるいは人種的憎悪に基づく意見の流布を禁止することは、表現の自由と両立する」として、日本政府に対し、ヘイトスピーチを禁止し処罰するよう求めたほか、人種差別を受けた人々を保護し救済すること、人種差別に対する人権教育の強化、国籍による職業制限の撤廃などを求めました。
高校無償化から朝鮮学校を除外するとの政治家発言にも懸念を示しています。
また、社会的に弱い立場にある女性や子どもに対する複合的な差別への対応の強化、そのための調査研究も求めています。
勧告原文:http://www2.ohchr.org/english/bodies/cerd/cerds76.htm