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  《教科書ネット21ニュースから》
 ◆ 人権教育としての「性の学び」 〜中学校の性教育実践より〜
樋上典子(ひがみのりこ 東京都足立区公立中学校)

 ◆ はじめに
 厚生労働省がまとめた2017年の人口動態統計で、戦後初めて日本人の10〜14歳の死因として自殺が1位になっていたことが報告されました。様々な問題を抱える教育現場で「いのちの大切さを子どもたちにどのように理解させるか」が、大きな課題となっています。
 「いのち」はからだの学習でイコール「いのちの学習」だということをいつも子どもたちに伝えています。科学的に自分のからだを知ると、自分のすごさ、からだを大切にしたいという思いが出てきます。そして、自分のからだを大切に出来る人は、人も大切に出来るということを、1年生の「生命誕生」の授業の初めにいつも話します。


 100回「いのちが大切」であると伝えても、なかなか子どもに伝わりませんが、科学的にきちんと伝えると、ストンと心の中に落ちる。これが性教育の魅力でもあります。

 また、若者の性行動を煽るような情報、からだ観を阻害するような情報の氾濫、特にSNSの普及により、自分自身を肯定できなくなっていることは深刻です。
 自分のからだについての正しい知識を得ることは、からだの変化を迎える、特に思春期真っ只中の子どもたちにとっては必要な学びです。

 足立区は、「貧困問題」を真正面から取り上げ、何とか解消したいと、様々な政策を打ち出しています。「予期せぬ妊娠」、「性感染症」の回避はもちろん、自身の性のあり方を考えさせることは豊かな性を生涯育むことにつながり、「貧困の連鎖」を断つためにも性教育は欠かせない、そんな思いでプログラムを組み、実践を積み重ねています。
 今回は「避妊・中絶」を含めた「自分の性行動を考える」授業実践内容について、どんな思いで行っているか・簡単に紹介させていただきます。

 ◆ 実践を行うにあたって

 本校は、性教育を人権教育として位置付け、3年間のプログラムを組んで実践しています。
 保護者、地域の方々に応援をしてもらって8年になります。
 この授業は、大学の先生と共に、何度も検証授業を繰り返し、練り上げてきている授業でもあります。
 内容は、1年生で「生命誕生」、「女らしさ?男らしさ?を考える」、
 2年生で、「多様な性」、
 3年生で、「自分の性行動を考える(避妊、中絶を含)」、「恋愛とデートDV」。

 9教科で扱わないものを取り上げ、総合的な学習の時間等に位置付けて行っています。
 また、保健体育科保健分野で、1年生「月経と射精」、3年生「性感染症・エイズ」についても検証授業を重ねています。

 4月の保護者会で性の学習の大切さを話し、授業後は学校通信、学年通信等で授業の様子を伝えています。
 また、保護者はもちろん、地域の保健所、男女共同参画プラザ、産婦人科医、近隣の小中学校にも案内を出して参観をお願いしています。
 そして教育課程にも位置づけ、足立区教育委員会の方々にも参観してもらい、助言をいただいています。

 ◆ 自分の性行動を考える
   〜避妊・中絶を含めた授業〜について


 ①事前アンケートより

 男女共修・学級ごと、3年生の3月に「自分の性行動を考える」という避妊、中絶の知識を含めた授業を行います。生徒たちの変容を知るために、生徒たちのアンケートを必ずとります。
 今回授業前では「2人が合意すれば中学生でも性交渉をしてもよい」が40%、「2人が合意すれば高校生になれば性交渉をしてもよい」が50%でした。
 しかし、避妊と中絶についての知識がありません。特に中絶について、法律や時期があることを知っている者は20%も満たない状況です。これは毎年、同じような数値が出ます。

 ②授業の流れと様子

 授業の初めに、人間と動物の違いを伝え、性交と交尾の違いを説明します。
 人間と動物の大きな違いは脳であり、特に人間らしく生きるためには「前頭葉」を発達させることの大切さを伝えます。
 人間の性は「ふれあいの性」が主であるが、他の動物と同じように「生殖の性」でもある。月経のある女性と射精ができる男性が性交渉をすれば「妊娠」する可能性があることを強調します。

 そこで人間は妊娠しないための「避妊」、そして予期せぬ妊娠を中断する「人工妊娠中絶」をあみ出したことを簡単に伝え、「高校生の性交渉は許されるか」「もし、妊娠したらどうするか」についてのグループ討議→代表者による討議(7,8人)を行います。

 生徒たちは活発に意見を出します。
  「好きならしてもいいじゃん」
  「でも、妊娠したらどうするの?」
  「ゴムすればいいじゃん」
  「もし、高校生で妊娠したらどうする?」
  「産む」
  「育てられないから無理」。

 いろいろと意見が分かれます。
  「中絶は赤ちゃんがかわいそう」
  「じゃ、誰が育てるの?」
  「高校をやめて働く」
  「野球がやりたくて高校へ行くって、頑張って受験したんじゃないの?」
 と言われて、頭を抱えて悩みます。

 男子が、「彼女が産みたいっていうなら、産んでもいいと思う。でも、産みたくない、おろしたいって言うならおろしてもいいと思う」と言うと、
 女子から、「それは自分があまりにもなさ過ぎ。無責任」と非難される場面もありました。
 「非常に難しい。非常につらい、苦しい。だから、性の安心、安全のためにしっかりこれから勉強しましょう」とモチベーションをあげてから、本題に入っていきます。

 前半は人工妊娠中絶
 中絶件数の現状、中絶するための知識、法律、時期、病院選び等について説明をします。
 中絶は身体的にも精神的にも辛い。だから、きちんと避妊をしなければならないことを伝え、ピル、コンドーム等について、また、緊急避妊ピルについても話します。
 何より、一人、二人で考え込まない。抱え込まない。誰か信頼のできる大人に相談することの大切さも話します。

 そして中絶は辛いがせざるを得ないこともある。法律、つまり母体保護法はあなたを守るためにもあることも伝えます。
 当事者がいるかもしれない。当事者になるかもしれない。中絶が決して脅しであってはいけません。
 最後に「産み、育てられる状況になるまでは性交しない」これが一番であることを強調します。

 今はメディアに煽られている面もあり、好きだから性交することがイコールになってしまう傾向があります。
  「焦ることはない、素敵で大切な行為だからこそ、じっくり考えることが必要」そして、
  「避妊について語り合えない時も性交を絶対にすべきではない」
  「避妊をしないというのは、まさに性暴力であり、性交というのは、その人自身の人生を変えてしまう場合もある」
 ことも伝えます。

 「知識の習得とともに、友達と意見を交わしながら性について考える」これは学校でできる良さでもあり、大変効果的です。
 事後アンケートでは知識の習得は高まり、「中高生の性交渉は許されるか」の回答も半減します。
 知識を得ることで、そして真剣に考えることで「慎重になった」と分析しています。

 東京都教育委員会は今回の件で、性教育の手引きの見直しを行いました。外部講師だけに頼るのでなく、目の前の子どもたちの性の安心、安全のために「大人の学び」がさらに必要であることを大人が自覚することが大切です。
 「予期せぬ妊娠をする」「性感染症に罹患する」・・・これは子どものせいでしょうか。違います。きちんと教育してこなかった「大人の責任」ではないでしょうか。

『子どもと教科書全国ネット21ニュース 125号』(2019年4月)



  《The Interschool Journal から》
 ★ (続報) 小山台高校の水泳授業は「適切とは言い難い」 都教委見解

 今月12日に東京都立小山台高校で気温20度前後の肌寒い中、水泳の授業が行われた結果、複数の生徒が体調不良になった問題(既報)で、東京都教育委員会(都教委)が同校の判断について「適切とは言い難い状況」と、21日午前、見解を修正した。

 ※関連記事:都立小山台高校 気温20度で水泳 生徒が体調不良に(6/17)

 17日時点で都教委指導企画課・美越統括指導主事は、本紙の取材に対し、次のように述べていた。
 「適時、プール指導については水温・気温、また生徒の状況を含めて確認しながら水泳指導を行ったと(学校から)聞いているので、今後も引き続きそれらの上で水泳指導を行っていただければと思っている。」


 しかし21日、同課・田村主任指導主事は本紙記者に電話をかけ、次のように見解を修正した。
 「水温が少し低かったということもありましたし、あとやはり実際に複数の生徒が体調不良になったということなので、これはやはり学校の判断が適切であったとはちょっと言い難い状況だな、と私共も認識しています。」

 見解の修正に至った経緯について、田村主任指導主事は、「改めて事実確認をした結果」だとしているが、水泳の授業の結果として体調不良者が出たことは17日に美越統括指導主事が確認している。

 田村主任指導主事は、今後同様の事例が起こらないよう、「引き続き研修を実施し、改めて注意喚起を行って学校長とかに周知徹底していきたい」としている。

(取材・文=本紙編集長・平松けんじ)

『The Interschool Journal』(2019年06月21日)
http://interschooljournal.officeblog.jp/2019archives/190621%E5%B0%8F%E5%B1%B1%E5%8F%B0%E9%AB%98%E6%A0%A1%E3%81%AE%E6%B0%B4%E6%B3%B3%E6%8E%88%E6%A5%AD%E3%81%AF%E3%80%8C%E9%81%A9%E5%88%87%E3%81%A8%E3%81%AF%E8%A8%80%E3%81%84%E9%9B%A3%E3%81%84%E3%80%8D%E3%80%80%E9%83%BD%E6%95%99%E5%A7%94%E8%A6%8B%E8%A7%A3.html



  《河原井さん根津さんらの「君が代」解雇をさせない会 都庁前通信》
 ● 天皇の退位・即位を祝うことを公教育が強制してはならない、と思いませんか


 天皇退位・即位に当たって文科省は4月22日、「天皇陛下の御退位及び皇太子殿下の御即位に際しての学校における児童生徒への指導について」の通知文を都道府県教委等に送付。それを受けて都教委は各市町村教委に通知しました。
 通知文は「天皇」「皇太子」ではなく、憲法にも書かれていない「天皇陛下」「皇太子殿下」という最大級の敬語を用い、「国民は天皇陛下を深く敬愛し」「即位に際し、国民こぞって祝意を表する」と書きます。
 日本国民であるならば天皇を敬愛し祝意を表さねばならないとは、思想・良心の自由を認めないものではないでしょうか。ましてや、思想・良心の自由の形成期にある子どもたちにこれを求めるのは、さらに悪質ではないでしょうか。


 日本国憲法に思想・良心の自由、基本的人権が明記されたのは、大日本憲法下で国家権力があまりにひどく肥大化し、政府の考えに反対する人々を投獄するなどのことがあったからでした。日本国憲法第1章は天皇について定めてはいますが、人々に「深く敬愛する」ことは求めていません。求めることは思想・良心の自由に抵触するからです。今回のこの通知文発出は、安倍一強のおごりから出た、憲法違反の政治介入です。
 通知の弊害か、以下のようなことが起きました。 

 ● 八王子市の2つの小学校で天皇出迎え

 4月23日に天皇夫妻が多摩陵に退位の報告に行った際、夫妻の車が通る甲州街道沿いの2校の子どもたちが天皇夫妻の出迎えに駆り出されました。
 八王子市教委は、「何時頃どこを通るという情報を小学校2校と中学校1校に提供した。沿道に立つようには言っていない。あくまでも情報提供である。」
 「天皇については学習指導要領6年生社会科で『理解と敬愛の念を深める』と示されている。(従って沿道に立たせたのは、)学習指導要領に則った指導だ」と言います。
 しかし、「日の丸・君が代」の刷り込みと同じく、子どもたちに対し、天皇への「敬愛の念を深める」という一方的な価値観の押し付けや「こぞって祝意を表する」行為を求めることは学校教育がしてはならないことです。

 ◆ 大阪市の小学校で「新天皇ご即位記念集会」

 5月8日にこの小学校の集会に招かれたゲストの歌手の方は以下のように自身のブログに書きました。
――― ――― ―――
 (前略)「幸せなら手を叩こう」「ずいずいずっころばし」を元気にみんなと一緒に歌い、次に唱歌「神武天皇」・唱歌「仁徳天皇」のお話と歌を歌わせて頂きました(〃ω〃)
 唱歌「仁徳天皇」は初めて歌った曲ですが、歌う前に「民のかまど」のお話をしたんですが、改めて国民と天皇の絆の深さを感じるお話に私も話しながら胸が熱くなりました。(中略)最後に!私のオリジナル曲「行くぞ!日の丸!」と「令和の御代」を歌わせて頂きました。(以下略)
――― ――― ―――
 まさに戦前の学校となってしまいました。

『河原井さん根津さんらの「君が代」解雇をさせない会』(2019年6月20日)


東京都学校ユニオン恒例、月末都教委糾弾ビラまき(2019年5月)  

 ◆ 都教委よ、「根強く残っている」のは、原発事故「風評の被害」だけか?

皆様 おはようございます。増田です。これは、BCCでお知らせしています。重複・長文、ご容赦を!
 昨日、早朝、都庁前で東京都学校ユニオン恒例、月末都教委糾弾ビラまきを、件名内容で行いました。
 暑くもなく寒くもなく、ビラまきには最適の季節(笑)で受け取る人も増えた…相対的に(笑)ですが…感じです。
 都教委(都オリパラ準備局)の原発事故に対する姿勢は、「松元@札幌」さんから「拡散お願い」がまわってきた矢ヶ崎克馬氏の論考9頁
 ■ 「知られざる核戦争:日本ファシズム」に渾身の警鐘、科学者矢ヶ崎克馬:
   日本と世界の市民に訴える、アベ政権・「復興」オリンピックに痛打!

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 「全官庁あげて『風評払拭リスクコミュニケーション強化』運動として現れている。健康被害防止に万全を尽くすのではなく、『健康被害が無いように見せる・思わせる』ことに最大重点を置いて住民の放射線警戒心を解除して強制被曝させている」


 という政策の一環でしたか…

 **********************************
 (表面)◆ <都教委よ、「根強く残っている」のは、原発事故「風評の被害」だけか?
   『2020年。東京と東北で会いましょう。』(オリパラ準備局作成)新版は回収せよ!>


 ★ 都オリパラ準備局が作成したリーフレットの新・旧版を比べると…

 東京新聞(左下記事)が本年3月24日付で報道してくれましたが、都オリパラ準備局が作成し、都教委が都立学校に配布したリーフレット『2020年。東京と東北で会いましょう。』(17年度、18年度配布)には「原発事故」という言葉が全く無く、「ただ、大地震のみが有った」ことになっていました。

 記事は、これに「疑問の声」と報道し、「福島県は、今年四月に配られる新しい版には原発事故の記述を加えることを都に提案したという」ことでした。

 そこで、今年度(19年)作成、各都立学校に配布された新版と比べてみました。

  旧版「また、農業、観光分野において、特に福島県では、回復が遅れています」。

  新版「また、特に福島県では、農業、観光分野において、原子力発電所事故による風評の被害が根強く残っています。」?

 え〜っ?? 「根強く残ってい」るのは「風評の被害」だけ?

 「いまだに約5万3千人の方々が避難生活を送って」いるのは、「農業、観光分野」における「原子力発電所事故による風評の被害が根強く残って」いるからですか?
 放射線・放射性物質は「根強く残ってい」ないのですか?

 この記事の後段(スペース上、カット)の福島大准教授の言葉は、
  「原発事故によって生じた汚染のイメージが復興のイメージと相いれず、触れたくないという都の姿勢を感じる」、
  「原発事故に触れないことは、数万人の避難者が なぜ今も避難を続けるか という理由を消し去ることになる」。

 この新版の記述は、まさに「原発事故は風評(根も葉もないうわさ)のみが残っているんだ。原発事故汚染の問題なんか、絶対に生徒たちには知らせないぞっ」? という都(都教委含め)の姿勢が頑として維持されていることを示しているのではないでしょうか。

 この新版に対する、作家・社会運動家の彦坂諦氏(著書『男性神話』等多数)の評です。
 「これは、まぎれなく、こどもたちのあたまに不正な情報をうえつけようとする策謀の手段です。」

 ☆ 都教委よ、「都オリパラ準備局が作成したリーフを配布しただけだから、責任は無い」と言うか?
 野洲市教委は文科省作成『放射線副読本』回収した!(裏面参照)

 このリーフを回収せよ!



 ◆ 減給を違法とされた都教委、戒告の〝再処分〟を謀む
   〝君が代″不起立教員への累積加重処分、最高裁が崩壊さす
 (マスコミ市民)
永野 厚男(教育ジャーナリスト)

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最高裁と同じ18年4月18日の東京高裁判決後、支援者に一部勝訴を伝える田中さん(右から3人目)

 東京都教育委員会は〝君が代〟強制を強化する10・23通達発出(2003年)後の卒業式・入学式等で、校長に〝君が代起立・斉唱〟の職務命令を出させ、不起立やピアノ不伴奏の教職員を、地方公務員法第32条の職務命令違反の〝服務事故〟だと称し、「1回目戒告、2回目減給10分の1・1か月、3回目は減給10分の1・6か月、4回目以降停職」と、累積加重の懲戒処分にし続けると共に、〝服務事故再発防止〟と称し、思想転向を迫る懲罰イジメ研修を強制してきた。


 最高裁が12年1月、「減給以上は原則違法」とし、減給・停職処分取消しを命じる判決を出して以降も、都教委は、「1回〜3回目は戒告、4回目以降は減給10分の1・1か月」という勝手な線引きを設定。
 11年4月の入学式から16年3月の卒業式まで連続10回、〝君が代〟不起立を貫いた都立特別支援学校の田中聡史教諭(16年4月の入学式から19年4月の入学式までは、校長が4年連続小学部3年生の担任にし、式場に入れず教室で授業をやるよう職務命令を出している。【注】参照)に対し都教委は、4回目以降を減給処分にし続けてきた。

 その田中さんを含む都立学校(高校・特支校)の教職員13人が処分取消しと損害賠償を求めていた第4次訴訟で、最高裁判所第一小法廷(池上政幸裁判長)は3月28日、戒告処分は是認したものの、都教委の上告申立不受理の決定をし、田中さんへの13年3・4月の4・5回目の減給処分を取消した東京高裁判決(18年4月18日、杉原則彦裁判長)が確定した(ただ近年、最高裁に減給処分を取り消された人のうち、現職の教員には都教委が〝腹いせ〟のように、何年も遡り、戒告処分を出す〝再処分〟を強行しており、田中さんに対しても6月中旬以降、その発令が予想される)。

 この2日後の3月30日、〝君が代〟裁判を闘う現・元教職員と支援者らが都内で開いた卒業式総括集会で、田中さんは「戒告処分是認と損害賠償棄却は残念だが、減給処分の取消しは大変良かったと思います。〝再処分〟にどう抗あらがっていくか、弁護士や被処分者の会の教職員らと相談していく」と述べ、大きな拍手を浴びた。

 ◆ 今春定年の〝君が代〟不起立教員に〝63歳でクビ〟の〝通告〟

 2019年3月末までに60歳の定年になり、再任用を希望している教職員の中で、56歳〜60歳の間に〝君が代〟不起立等で処分を受けた教職員の所属する学校の校長に対し、都教委の安部典子人事部長の部下・落合真人(まさと)選考課長(当時。現都立学校教育部高校教育課長)が1月24日夜10時、以下のメールを発信した事実が、明らかになった。
 再任用職員は地方公務員法上の一般職員であることから、採用するに当たっては定年退職前の懲戒処分を含め、従前の勤務実績に基づく能力実証を経た上で採用することとなります。但し、定年により退職した者(勤務延長後退職した者を含む)が公的年金の支給開始年齢に達する年度までの間は、地方公務員法第28条の規定に基づく分限免職事由に該当する場合を除き、採用することとなります

 あなたは、卒業式における職務命令違反(注、〝君が代〟不起立のこと)のため、平成28年3月に、地方公務員法第29条《略》により、戒告の処分を受けました。このことを踏まえると、再任用職員としての資質に欠けるものがあると見受けられますが、分限免職事由に該当しないことから、今年度については合格とします

 なお今後、公的年金が支給される年度への任期の更新となる際には、定年退職前の懲戒処分を含め、従前の勤務実績等に基づく能力実証を経た上で採用することとなりますが、あなたには、懲戒処分歴があることから、任期を更新しないこととなります。また、非常勤教員選考においても、上記のことを踏まえ、採用しないこととなります。十分留意して下さい。
 落合氏はこのメールを手渡さず、読み上げるよう指示。校長に読み上げられた都立高校の川村佐和教諭は、前出の総括集会で「呆然とした」と語った。

 13年度以降に60歳定年退職となる公務員は、公的年金の支給開始年齢が段階的に60歳から65歳に引き上げ、となってしまう。このため政府は13年3月26日、「当面、60 歳で定年退職した公務員の希望者を再任用することにより、雇用と年金の接続を図ること」を閣議決定した(傍点は筆者)。
 都の再任用は退職後5年間働ける制度だが、この落合氏メールは、東京都労働組合連合会(都労連)と都側との労使合意があるから、年金支給開始年齢(18年度末退職者は63歳)に達するまで採用するけれど、その後は〝クビ〟だという、冷酷な〝通告〟だ。

 〝君が代〟被処分者の会の現・元教職員らは3月12日、都教委要請行動で、①〝君が代〟不起立等教職員に対する悪質な攻撃・ハラスメントとして到底、看過し難いものだ、②〝君が代〟処分と「再任用職員としての資質」という本来無関係な事項を無媒介に結び付け、予断と偏見、悪意と憶測による決め付けをしている、③再任用制度導入の趣旨(前掲)と職員の継続採用への期待権を否定し、労働権・生活権を侵害する、④〝通告〟メール発出の理由を明らかせよ等、徹底追及した。
 これを受け、中西正樹教育情報課長は「重大な問題なので、(安部)人事部長に伝え回答する」と答え、3月22日には〝所管を落合氏とする回答〟を送付したが、④への回答は「再任用職員としての任期が終了する前に告知を行うことにより、事前告知対象者の再就職活動等の時間を十分に確保するためです」という、冷酷な弁解だった。

 現在の経済状況を直視すれば、63歳になってから他職種に転職するのは困難であり、長年教職の職にあった人たちがその専門性を活かし、再任用職員や非常勤教員として教壇に立つのが、児童・生徒のためにもなるのは明らかだ。

 ◆ 国家主義思想に取り憑かれた都教委の役人ら

 今回の〝君が代〟不起立教員への63歳での〝クビ切り事前通告〟事案は、〝君が代〟等国家主義思想に取り憑かれた都教委の役人らが、〝君が代〟に抗する教職員を徹底的に排除しようという、特異な思想に起因する、と言える。
 その証拠はいくつもあるが以下、大きく2つに絞って挙げる。

 1 04・05年春の卒業式等の〝君が代〟不起立で、都教委から戒告処分を受け再雇用を拒否された、都立高校元教職員13人の第1次訴訟・一部勝訴判決(08年2月、中西茂裁判長)は、「争議行為での停職処分者や交通事故での懲戒処分者が採用されている事実」を認定し、「選考の公平さに疑問がある。都教委は(〝君が代〟起立の)職務命令違反をあまりにも過大視し、裁量権を逸脱、濫用した」と判じている。
 交通事故者(今年は連休前後から大問題になっている)より〝君が代〟絡みの教員に敵意をむき出しにする、都教委官僚の特異な思想が浮き彫りになっている。

 2 都教委の出す公文書は、案文の段階で、以下の傍点部の文言等に対して、「ナショナリズムむき出しで政治色の濃い文言は全て削除し、『地球市民としての、世界の人々との友好・協調・連帯を』『自他の生命・人権を大切にし、国際社会に生きる人間として』等の表現に修正して下さい」等のパブリックコメントを、筆者の周辺だけでも多くの人たちが寄せている。
 しかし都教委は、自分たちの特異な思想に批判的な意見は毎回無視し、案文を一切修正せず公式文書として決定・公表してしまう。

 ○ 東京オリンピック・パラリンピック(以下、オリパラ)に向け、都の全公立学校に年間35時間の〝オリパラ教育〟実施を義務化するため、都教委が16年1月14日策定した『東京都オリパラ教育実施方針』は、「子供たちに・・・日本人としてのアイデンティティをしっかり持」たせる「必要」、また「育成すべき人間像」の1つに「日本人としての自覚と誇りを持ち」、更に「重点的に育成すべき5つの資質」の1つに「日本人としての自覚と誇りを持てるような教育を進める」という文言を盛った。

 ○ 19年2月14日策定した『都立高校改革推進計画・新実施計画(第二次)』が「日本人としてのアイデンティティ……を醸成する」、「日本人としての自覚と誇りの涵養」等の文言を盛った(19年4月3日の『東京都教育ビジョン(第4次)』もほぼ同内容の表現あり)。

 【注】 年度替り、学級担任は上級学年に持ち上がることが多いが、6年生の担任は卒業式に出席し呼名等をするので、田中さんの〝君が代〟不起立を極度に警戒する校長がずっと3年生(卒業式に出席しない)の担任を命じている、と思われる。

『マスコミ市民』(2019年6月号)



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