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 ◆ 日本の商業捕鯨再開には実質的に何の経済的利益もない
   社説 / オブザーバー(英国) 2018年12月30日
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Japanese fishermen process a whale carcass. Photograph: Koichi Kamoshida/Getty Images

 捕鯨という行為は何千年にも渡り人類の手により続けられてきました。彼らの肉、油、脂身は食料品、ろうそくのワックスの製造、そしてランプの燃料として使われてきました。
 しかしこの種の採集作業は今日ではもう必要ありません。現代社会はタンパク源も、照明に使う燃料等も、もっと手に入れ易いものによって調達されているからです。
 1986年に国際捕鯨委員会(IWC)が商業捕鯨を一時停止する決定を行ったのにはこうした背景がありました。
 すでに多くの鯨類が絶滅の危機に瀕していることを考えると、商業捕鯨の停止は遅きに失した感がありました。


 30年経った現在においてもシロナガスクジラ、ザトウクジラ、タイセイヨウセミクジラ等、多くの鯨類が絶滅の危機に瀕している状態から抜け出すことができずに危機的状況が続いています。
 もし30年前に商業捕鯨の停止が行われていなければ、今頃はこの地球を代表する生物のひとつである鯨類の多くが海洋中から消滅してしまっていたでしょう。
 そして私たちが現在暮らしている地球というものの環境は、非常に惨めな状態に陥っていたでしょう。

 こうした懸念が背景にあることを考えると、7月に商業捕鯨を再開するため2019年6月をもって国際捕鯨委員会(IWC)を脱退すること決定したという日本政府の発表を理解することは尚一層困難になります。
 どんな基準から考えても、日本政府の決定は気が滅入るものであり - そして憂慮すべきものです。

 日本政府の決定には経済的な正当性は全くありません。
 同じく生態学的な正当性も全く持ちません。

 食べるために地球上で最も知的な生物を虐殺する、その準備を始めたことはおぞましいと言わざるをえません。
 当然のことながら地球上でともに生きている各国の政府、科学者、野生生物保護グループは、日本が提示した行動に対し強い嫌悪感を明らかにしました。

 「地球上に生息するクジラ種が人間が行う海上輸送、騒音、プラスチックゴミ、化学物質による汚染、そして気候変動など様々な要因が重なり合うことによって前例のない脅威にさらされているタイミング」を狙ったように日本政府が商業捕鯨の再開を宣言したことについて、自然保護団体であるWWF(世界自然保護基金)が行うべき批判を行ったのに対し、英国、オーストラリア、ニュージーランドは日本の政治指導者に対し再考を勧告しました。

 そして日本の政治指導者たちの動機を検証すると、尚一層平静ではいられなくなります。
 過去日本はIWCルールブックの抜け穴を悪用し、政府自身がクジラの肉を国内販売してきました。
 これにより国際海域、特に南大西洋での「調査捕鯨」が許可されることになりました。
 その結果、何百頭ものクジラが鯨類研究の名のもとに毎年南大西洋で捕獲されてきました。
 これらの「調査」捕鯨によって手に入れたクジラ肉はその後、小売店やレストランに行き着きました

 しかしこうしたやり方で南大西洋で行われてきた実質的な捕鯨は、他の国々や野生生物保護団体など多方面から多くの批判を招くことになりました。
 その結果、日本の捕鯨従事者たちは環境保護活動団体などによって運営されている船によって嫌がらせを受けています。
 こうした妨害や監視から逃れるためインドの国土の大きさにほぼ匹敵する1.7メートル平方マイルに及ぶ日本自身の海域で捕鯨をすることによって、日本は誰からも邪魔されずにこれまで以上の規模で捕鯨ができるよう望んでいるのです。

 しかし日本の狙い通り物事が進むかどうかは先行き不透明です。
 現在の日本の消費者がクジラの肉に消費意欲を持っているのかどうかすら不明です。
 1960年代には全国でほぼ25万トンのクジラ肉が販売されていましたが、その数字は約3,000トンにまで落ち込みました。
 そして現実には日本が「調査捕鯨」によって入手したクジラ肉の多くが、今やペットフードの原料にされているのです。

 さらに日本の消費者がクジラ肉の購入にどれほどの金額を出費するつもりがあるか、それもわかりません。
 遠洋「調査捕鯨」には日本政府の助成金が交付されていました。
 自国の海域内での商業捕鯨に切り替わった場合、政府からの補助金が引き続き支給されるかどうかはまだわかっていません。
 しかし補助金が交付されなければ、クジラ肉の流通価格は一層高価になり、この点についてはすでに専門のレストラン経営者が価格の急激な上昇に対する懸念を表明する事態になっています。

 このように日本には実質的に何の利益ももたらされることはないのに、これから日本はその褒められない行動に対し世界から厳しい非難と批判にさらされることになります。
 こうした行為は自分自身の足に銛を打ち込むようなものです。

 しかしそれは自分自身が招いた結果であり、世界中のほとんどの国々が当然の成り行きだと考える容易に想像がつく事態なのです。
https://www.theguardian.com/commentisfree/2018/dec/30/observer-view-japan-resume-commercial-whaling 

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 日本国内で『日本はすごい!』『日本人は優秀!』といった類の番組が繰り返し放映され、何となく国民全体がそんな気分に浸っている間、世界が日本を見る目が実際にはどう変わってきているのかを如実に伝える論評です。

 原文中には repugnant、admonish、depressing、など報道関係ではあまり使われることのない嫌悪感が滲み出しているような単語が使われています。

 オブザーバーという新聞は英国でもハイエンドに使い存在で、その社説にこのような単語が使われるというのは余程のことだと個人的に感じています。

 私自身の商業捕鯨に対する考え方はことごとしく述べる程のものはありません。
 しかし数年前に実際に食べてみて、昭和40年代に食べていた時に感じたような旨味は感じられず、豊かになった日本にはもっと他に食べて美味しく、手に入れやすいものはたくさんあると思いました。

 クジラを食するということは『文化』なのでしょうか?
 それとも習俗なのでしょうか?
 国際社会というものの存在がなければ、日本は『世界第3位の経済力』を持つことはできないということを考えれば、もっと客観的に自分たちの姿を見つめ直す必要があると感じます。

『星の金貨 new』
https://kobajun.biz/%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%81%ae%e5%95%86%e6%a5%ad%e6%8d%95%e9%af%a8%e3%81%ae%e5%86%8d%e9%96%8b%e6%b1%ba%e5%ae%9a%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6/




 ◆ ミケランジェロと金城実 (週刊新社会【たんこぶ】)
辛 淑玉(シン・スゴ)

 ◆ パチンコ屋はシュール

 パリのルーブル美術館で、展示してあるミケランジェロの「抵抗する奴隷」の像を見たとき、少しだけ金城実に近づけた気がした。この像は、1505年から作られ始めた教皇ユリウス2世の墓のために制作されたものだが、結局設置されることはなかった。
 私は、一番得意な「企業内研修」の仕事も、講演活動も、すべてやめた。なのに、最も不得手な、できればやめたいと思っている原稿書きは、あと数年続けることにした。

 それは、在日百年の民族史と、彫刻家金城実についての本を仕上げて、自身の人生を終えたいと思っているからだ。
 しかし、書く書くと言いながら、もう4年は経っている。気楽に執筆を引き受けたはいいが、蓋を開けたら、とてつもない数のバズルのピースからなる迷路が目の前に立ちはだかっていたのだ。私の能力では、生きている間に組み立てられるだろうかと思うほどだ。


 そう、金城実は、いつも私になぞなぞを仕掛けてくる。彼の言葉の奥にあるものを当ててみろ、と言わんばかりにだ。
 最初の出会いは、酔っ払った金城さんに後ろからど突かれたことだった。「部落とチョーセンが上品でどうするう!もっと野蛮になれえ!」と。初対面でである。

 単なる酔っ払いのオヤジで片付けられればいいのだが、彼の言葉は抵抗して生き抜いてきた者の心を鷲掴みにする。奪われし者の現実を知ることなしには語れない一言なのだ。
 芸術に対する眼差しも、どんな授業よりも面白い。例えば、「シュール」とは「自由の女神(像)の下で軍艦マーチが鳴り響くパチンコ屋だ」と言われて、すとんと胃の腋に落ちた。

 ドラクロワの『民衆を導く自由の女神』(1830年)についての解説は、なぜそこに胸をはだけた女性が必要なのか、という、底の浅い私の疑問を見事に吹き飛ばした。その内容は、いずれまとめようと思う。

 ミケランジェロの奴隷の像には様々な解釈がなされているが、日本軍によって銃殺の場に連行される朝鮮人の若者とその母親とで構成された作品である、金城実の「恨(ハン)之碑」(2・7m×2m)を見ることで、その解釈が一つの線としてつながった。

 ◆ 見透かされる怖さ

 金城実というと、チビチリガマの彫刻が思い浮かぶ人も多いだろう。
 遺族とともに作り上げ、何度も壊された「世代を結ぶ平和の像」は、私には正視できないほど怖かった。そこに立つと、殺された者たちの声が聞こえてくるような錯覚を覚えるからだ。
 誤解を恐れずに言えば、私の中で、作品とその作者(酔っぱらいの金城さん)が、どうしてもつながらない。彼の作品からは、見る者を鷲掴みにする狂気さえ感じてしまう。

 ルーブル美術館にあるミケランジェロの『抵抗する奴隷』は、筋骨隆々、縛り上げられた腕や背中に盛り上がる筋肉が見る人の目を引く。しかし、一般に奴隷の体格は細く、栄養状態も良くない。そして、死といつも隣り合わせだ。
 ミケランジェロの奴隷は現実とはかけ離れているが、それは抵抗する魂が体を通して表現されているのではないか、と気がついた。

 金城実の「恨(ハン)之碑」も、同じように、抵抗する魂が肉体として表現されていたのだ。
 初めて目にしたときは、朝鮮人の歴史が誇らしく思えた。
 ミケランジェロとの違いは、泣き叫ぶオモニ(母)の声や、武力でしか支配できない旧帝国軍人の卑屈さまでが、死者の声とともに聞こえることだ。

 抵抗の文化や芸術には、世界のいたるところで出会うことができる。
 ケーテ・コルヴィッツ美術館に展示された、まさに抵抗でその生涯を終えた彼女の作品もまた見るものを圧倒する。
 それらと触れ合って初めて、金城実はムーダン(イタコ)なのだと確信した。金城実の体を通して、死者の魂が彫刻となって世に現れてくる。
 金城実が恐れられているのは、単に暴力的酔っぱらいというだけでなく、触れ合う人が「見透かされる」と感じるからだ。

 日本の外に出れば出るほど、価値あるものとは何かが、嫌というほど見えてくる。
 そう、「抵抗」は人類の財産であり、芸術家は歴史の証人なのだ。
 金城実の本を書くというのは、自分の力量を考えるとあまりに無謀でめまいがするが、沖縄に対する私の人生の答えとして、なんとか書き上げたいと思っている。

『週刊新社会』(2018年12月4日、11日)


 ★ 「もう、安倍政権には任せられない。年が明けたら、国会前で訴えよう。」
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 【#0113 国会前大行動 概要】
 ★ 日時:2019年1月13日(日)14:00〜
 ★ 場所:国会正門前
 ★ 内容:コール+スピーチ
 ★ 呼びかけ:京都の高校生からネットで拡散中!
 「隠ぺい、改ざん、強行採決、私たちは忘れていません。安倍さんにもう辞めてって、言いに行きましょう。」


 今、安倍政権のこの6年半の悪政を動画にまとめて、拡散しているーー。

【#0113国会前大行動 安倍政権6年間ーこれ以上、任せられないー修正版】
京都出身の高校生 2018/12/02 に公開



 安倍政権誕生から、もう6年。まともな政治、市民のための政治はどこへ。高校生が立ち上がる、その国会前デモは、2019年の1月13日。午後2時からです。
 若者、大人、老若男女問わず、政治に関わるみんなで訴えよう。2019年は、参院選。野党共闘の前進も求めて行こう。許すな、強権政治を。認めるな、安倍政権を。...

 ※ カンパに協力をお願いしています。カンパの受け入れは下のリンクの通りです。
 https://veritas.buyshop.jp/

 【▼2019年1月13日、#0113国会前大行動 のための資金はこのようにつかわせていただきます】

 趣旨:「森友加計疑惑・自衛隊日報隠蔽・TBS支局長犯罪は解決されないまま、憲法改正の発議に踏み入れようとしている安倍政権を何としても退陣させなければなりません」

 今回の寄付で頂いた資金は、0113国会前大行動の開催費用(・音響機器の電源費用・ステージレンタル費用・周知リーフレット配布(都内13箇所予定)・新聞広告(意見広告として)の費用に使わせて頂きます。



  =日弁連「憲法を詩おう♪コンテスト」=
 ◆ 7歳の小学生が作詩した「憲法ソング」誕生 (週刊金曜日)
岩本太郎(いわもとたろう・編集部)

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 ※ You Tube (4:08)


 日本弁護士連合会(日弁連)は、施行70年を超えた憲法の大切さ、尊さを詩に託す作品を募集し、7歳の小学生がその「大賞」を獲得した。

 日本弁護士連合会(日弁連)による「憲法を詩おう♪コンテスト」の入賞作品表彰式と、「憲法ソング」の発表会が12月1日、東京都内で開催された。
 日弁連は「日本国憲法企画」として、憲法施行70年の昨年も「憲法ポスター展」として作品の一般公募を行なった。
 今年は、憲法の理念や役割をテーマに、その大切さをうたう詩を公募。今年5月14日から9月7日までの募集期間中に、390点の作品が寄せられた。


 そこから、作曲家・ピアニストの谷川賢作さんら7人の審査員が「小学生以下」「中学生・高校生」「大学生・社会人」の3カテゴリーごとに、金・銀・銅の各賞ほか入選作を決定。
 さらにその中から選ばれた「大賞」作品の詩を、谷川さん作曲による「憲法ソング」として公表したもの。

 ◆ へいわをまもるけんぽう

 審査員の1人で日弁連の菊地裕太郎会長は「憲法には人類が長年育んできた普遍的な価値が盛り込まれており、入選作からはその心が伝わってくる。今日の集いを通じて私たち弁護士も市民の皆さんとともに憲法の大切さを再認識できる」と、表彰式で挨拶。
 同じく審査員で、学習院大学の青井未帆教授による特別講演「誰が憲法を守る?」に続いて、表彰式が行なわれた。
 今回、「大賞」に輝いた、小学生の尾池ひかりさん(7歳・茨城県)ら受賞者が登壇した。

 「大学生・社会人」の部で、「ワシの名前は『憲法』だ古稀を過ぎてるジジイだがまだまだカクシャク元気だぞ」と詩い、金賞を受賞したのは坂巻克巳さん(71歳・東京都)。
 「締切前日に募集を知って応募した」と述べながら、「一昨年に101歳で亡くなられたジャーナリストのむのたけじさんが、憲法について20年近く前に雑誌で語ったお話が頭に残っていたことから、『雑巾のように』と題した憲法を語る詩を書いた。むのさんにお礼を申し上げたい」と語った。

 谷川さんは「想像力のある『センスのいい挑発』をポイントに作品を選んだ」と述べ、最後は谷川さんらによるバンド「DiVa」の演奏による「憲法ソング」を会場に集まった参加者全員で合唱した。

 なお、入賞作品については日弁連の公式サイトにて公開されている。
https://www.nichibenren.or.jp/news/year/2018/181030.html

『週刊金曜日 1214号』(2018.12.21)



 ◆ 闘う労組・関生支部の多田謡子賞受賞

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関生支部・武谷新吾さん

 12月15日(土)午後、2年ぶりに多田謡子反権力人権賞受賞式に参加した。今回の受賞は、パレスチナBDS民族評議会優生手術に対する謝罪を求める会全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部3団体だった。
 関生支部(全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部)は闘う労組として有名だが、わたくしはヒゲの戸田ひさよし門真市議のメールマガジンや2010年7月の日比谷野音での集会で5か月のスト打ち抜きの実態を聞いて、知っていた。最近になり、7月から大阪や滋賀で大弾圧を受け、武委員長はじめ40人もの人が次々に逮捕されたということを聞いた。そこで、関生支部・武谷新吾さんのスピーチを中心に紹介する。


 武谷さんのお話は、内容は切迫した話のはずなのに、全編ゆったりした大阪弁で、「警察の弾圧のやり方がエゲツない」「こんなやつらに負けるわけにいかへん!」接見禁止の長期拘留の体験談でも「たまに出てくるゴキブリと遊んだ」など、ユーモアもとりまぜ、会場の参加者を元気にさせた。

 ◆ 弾圧に抗し生コン労働者の生活と権利を守り闘う
   ――全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部
   武谷新吾さん


 ● 7月からの弾圧の経過
 弾圧の起点は昨年のちょうどいまごろ、12月12日からのゼネストにある。ストの目的は生コンの出入り業者であるダンプやミキサー車の運賃引き上げだった。
 もともと生コン業界は、麻生、住友、三井、三菱など財閥系のセメントメーカーに一方的な価格で原料を買わされ、ゼネコンに生コンを買い叩かれるはざま産業で、力が弱い。そこで1970年代には構造不況業種に指定されたが、中小零細企業を協同組合に結集させて買い叩かれたり、メーカーの一方的値上げをさせないようにした歴史がある。
 2015年に経営者側が、生コン価格の値戻しをするため、労組も協力してもらえないかと要請にやってきた。そこで値戻しに成功した場合の2つの条件を付けた。
 ひとつは退職金などの原資にできるよう1立法メートル当たり100円の労働者基金をつくり拠出すること、もうひとつは出入り業者の運賃引き上げである。経営者側は値戻しが成功すれば2つを実行すると約束した。
 そこで関生支部も、協同組合に結集するよう中小零細企業への説得を始めた。しかし建築資材関連の業者のなかには暴力団関係の企業も多い。そういうところへの説得はわれわれしかやれないということで協力し、4月に大同団結が成った。すでに94年に大阪広域協同組合はあったが、中身ができたのはこのときだ。
 そして100円基金のほうはつくったが、運賃引き上げはなかなか実行しない。2014年末には9000円だった価格が17年には15000―16000円に上がった(いまは17000円とほぼ2倍)。
 そろそろ約束を果たしてほしいと、実行を求めると、会社の体力が疲弊し利益蓄積につながるところまで生コン価格がまだ浸透していないという。
 では「2018年4月にいくら、8月にいくらと段階的に上げる約束を文書にしてほしい、それなら12月のストは打たない」と譲歩した。
 しかし回答が来ないのでストに突入した。すると4日で交渉に成功し、大阪広域経営者会(労組の窓口)のみならず、滋賀、京都、奈良、和歌山も値上げに合意し、あとは大阪広域の執行部だけというところまでこぎつけた。
 すると執行部の理事長、副理事長「関生は犯罪者集団だ」というキャンペーンを張り、今年1月には法務部に、元在特会メンバー、ヤメ検、警察OBを結集させ関生支部つぶしを始めた。
 このように業界内部の問題だったのに、大阪府警や滋賀県警などの権力がこれに乗った。

 ●弾圧のねらい・本質
 80年代に労組は産別運動を目指し、業界団体と集団交渉を行った。年間休日104日(週休2日)もその成果のひとつだ。
 かつて名神高速道路、山陽新幹線、大阪万博と建設ラッシュが続き、生コン工場が100しかないのに150工場分の受注がある状態だったが、その後、終息し旧通産省は生コンを構造不況業種に指定し中小企業近代化促進法を施行した。工場削減のため商工中金の低利融資も始めた。合併した場合、被吸収会社の労働者は合併会社が引き受けたり、組合員以外の周辺労働者にも拡張適用すると定める32項目の協定を82年夏に結んだ。この運動は関東にも広がろうとした。
 そのとき、大槻文平(三菱鉱業セメント会長、日経連会長)は「関生型の運動は資本主義の根幹を揺るがせる。箱根の山は越えさせない」とコメントし、大阪・東淀川警察が82年に50人を逮捕する大弾圧を行った。

 これは今回の滋賀県警とよく似ている。
 まず大阪兵庫生コン工業協組理事長、大阪兵庫生コン経営者会交渉団長、近畿2府4県の協同組合連合会会長の経営者3人を逮捕した。この3人は裁判ですべて無罪になった。
 次に、104日の年間休日の約束を破り大阪の阪南協組が抜け駆けし6工場が出荷したので、実損回復を要求したところ、恐喝の疑いで80年9月名古屋や東京のメンバーを含め三十数人が逮捕された。その当時は長期拘留はなく、22日で保釈され裁判となった。 今回も、先に7月に経営者を逮捕した。
 その後、2005年に大阪広域協組を強化するため有力なアウトサイダー17社18工場を加入したとき、弾圧があった。武委員長はじめ4人が強要未遂・威力業務妨害で逮捕された。
 これは加入を約束していたのに、前日に加入しないと言い出したので抗議行動したことに対してだった。日本の司法は産別運動を認めないので、抗議行動は違法だと有罪になり、1年拘留、9か月接見禁止となった。
 今回の出入り業者の運賃引き上げのための12月12日のストに対しても、強要未遂・威力業務妨害で弾圧されている。
 滋賀県のほうは、アウトサイダー業者が、道路使用許可を取らなかったり、道路を汚したりガードマンを付けなかったりすることに対するコンプライアンス(法令順守)運動をしたことが恐喝だという。
 「法律を守れ」ということがなぜ恐喝なのか、ムチャクチャだ。
 滋賀県警では、公安や警備部門でなく、組織犯罪対策課という暴力団対策のセクションが動いている。
 暴力団対策法は暴力団に限定しているのに、なぜ労組に適用するのか。これは安倍政権が闘う労組、抗議する労組を潰してしまえ、という見せしめのようなものだ。
 抗議行動の現場に行っていない委員長や副委員長まで逮捕したのは、共謀罪逮捕のはしりのようなものだ。
 これがいったいだれの利益になるのか、という問題がある。いまは生コン価格は17000円だが、関生支部がつぶれれば、ゼネコンはこんな高値では買わない。値段が下がればシワ寄せは労働者に行く。

 ●弾圧をはね返す今後の方針
 1995年の阪神・淡路大震災のとき阪神高速や山陽新幹線の橋脚がたくさん倒れた。これは、本当は10台のミキサーが必要なのに5台ですませ、時間効率をよくするため水をたくさん入れて早く回転させた手抜きのためだった。公共性のある仕事をしていることをこれからもっと広報し、産業別組合の正当性を訴えていきたい。
 また闘う労組との共闘を密にする。これは韓国、フィリピン、台湾など海外の労組との国際連帯も含む。そして弾圧のなかでも関生支部の運動方針を計画したとおり実践する。
 とくに組織拡大と教育学習を重点に取り組み、労組なので春闘や経済闘争もしっかりやる。また安倍をひっくり返さないとどうしようもないので、来年の参議院選など政治闘争も行う。東京ではだれかが「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と言ったが、大阪弁でいうと「こんなやつらに負けるわけにいかへん!」と、これからも頑張るのでご支援をお願いしたい。

 これに応え、参加者はそれぞれ檄布を書き、大津地裁宛て「関生役員4名釈放」要請の署名に協力し、会場カンパを手渡した。


 ◆ 優生保護法による強制不妊手術に対する謝罪要求
   ――優生手術に対する謝罪を求める会


 この会のスピーチは、愛知県から参加された方1人も含め、4人のリレートークで行われた。

 ●優生手術とは何か
 優生保護法は、人権をもつ人間よりも国の利益、公益を優先して生まれてくる子どもの数と資質をコントロールしようとしてつくられた法だ。できたのは1948年、敗戦から3年目のことだ。
 その前は兵士を増やすため「産めよ、増やせよ」の政策だった。人工妊娠中絶を認めない刑法の堕胎罪が厳しく適用され避妊も不妊手術も強く規制された。ところが敗戦で食糧がないところに引き揚げ者が多く、政策を転換した。堕胎罪は残したまま、条件付きで避妊も不妊手術もできるようになった
 その条件が優生保護法だ。優生保護法の目的は不良な子孫の出生防止、母性の生命・健康の保護とある。不良な子孫とは、障がいや病気をもつ人のことだ。少なく生まれる子どもだから、将来優秀な労働力になる五体満足で病気のない子がほしいという優生政策からできた法律だ。その手段が人工妊娠中絶と不妊手術だった。不妊手術は優生手術とされた。
 それ以上に病気や障がいをもち、それを子孫に伝える可能性があるとされた人に手術を行ってよいとされ、3条で、この手術は本人の同意がなくてもよいという規定があった。
 国から見ればどんな人も人口政策の対象で、この人は社会的厄介者、「生きる価値がない」とレッテルを貼った。とくに女性は産む性なので人口政策のターゲットになりやすかった。自分たちは支援者というよりも、自分に突き付けられているいやらしい人口政策、生まれるべき人とそうでない価値のない人を国に決められるということだ。そういう発想をなくさないと、安心して生活できない。
 この手術は各都道府県にやらせたので、予算消化のため「1位北海道、2位宮城」などとランキングを発表したり、北海道は「祝 1000人突破」というパンフまで作り全国配布した。
 この法律は96年に母体保護法に改正された。優生手術は障がい者への差別に当たるからという理由だった。
 それまでに同意のない手術が16500人、麻酔薬を使ったり、身体拘束をしたり、だまして連れてきてよいという通達も出していた。しぶしぶ同意した手術が8500人、合計25000人が不良な子孫の出生を防止するため、優生上の理由で生殖の機会を奪われることになった。大きな人権侵害だ。

 ●会の活動と国賠訴訟の始まり
 96年に法改正があったが「過去の優生手術は許せない」と女性グループ、障がい者団体、研究者などが1997年に「優生手術に対する謝罪を求める会」を発足し、国に謝罪と補償を求める運動をしてきた。
 今年1月末に仙台で優生手術の被害者が国賠訴訟を起こした。この会で電話ホットラインを開設したころ、連絡をくれたのがIさんで、弁護士と相談して提訴した。
 Iさんは中学3年のとき施設に入れられ、その後女中のような仕事をあてがわれ給料は全額職親(しょくおや)に振り込まれていた。数か月後に麻酔薬を打たれ数十分の間に手術された。実家に帰った時に「子どもを産めない体になった」ことを知って驚き「かたきを討つ」と心中決意した
 心身ともに苦しみを味わった。毎月生理のときに七転八倒の痛みを味わい、結婚したあとなかなかこの話を切りだせなかったが、夫が親戚から聞いたようで離縁になった。50歳のときに自分に関する資料をみせてほしいと情報開示請求した。答えは「あなたの年だけ資料が廃棄されていてない」というものだった。
 97年にこの会をスタートさせ行政の人と話したとき「あれは優生保護法に沿い、厳格な手続きで処置をしただけ」という。わたしたちは法律を守っただけで、責任は議会にあるといっているようなものだった。

 ● 訴訟の拡大と家族の会結成
 いま、仙台を含め全国6か所で訴訟が始まった。憲法13条個人の尊重と公共の福祉に違反するという裁判だ。Iさんのニュースを聞き、義理の妹のことを思い出し資料請求すると優生保護台帳が出てきたので訴訟に踏み切った人もいる。
 またニュースを聞いた男性で、中学生のころ実父と不仲で問題行動を起こし、教護院に入れられた人がいる。入所後数か月で手術をされ先輩から「子どもができなくなる手術だ」と教えられた。訴訟のニュースを聞き、父や施設でなく国が悪いということを知った。
 いま国会で、超党派で法律をつくろうとしている。しかし「謝罪」ではなく「反省とおわび」、また主語が「われわれ」で国が入っていない。96年に名称を変更したようなことでなく、今度こそ過去を検証する法律になってほしいと思う。

 今月12月4日にこれまで提訴した13人のうち8人に集まってもらい「被害者・家族の会」を結成した。みんな「体を取り戻してほしい」「ダメなら、なぜそんなことをしたのか説明し、あやまってほしい」と気迫を込めて言い続けた。
 いま提訴した13人のため優生保護法被害弁護団が組織されているので、ウェブサイトをみてほしい。http://yuseibengo.wpblog.jp/
 被害を受けた人以外にも障がい者は多い。障害者へのむごい結婚差別もある。そうすると「内なる優生思想」が生まれ、その影響力は大きい。
 しかし国が過去の優生保護法は間違っていたといわない。また新型出生前診断が無批判に推進されることにも危機感を覚える。


 ◆ パレスチナにおける超党派市民運動――パレスチナBDS民族評議会
   ヌーラ・エラカートさん
(ジョージ・メイソン大学准教授)


 BDSとは、イスラエルに対するボイコット(Boycott)、資本引き揚げ(Divestment)、制裁(Sanctions)のことで、パレスチナNGOや労働組合、農業組合、女性団体など、29団体がメンバーで、日本でも大阪で12月14日に発足した。
 わたくしは遅れて参加し、はじめのほうを聞いていないので、解釈の間違いがあるかもしれないことを、はじめにお断りしておく。

 イスラエルはパレスチナに対し入植型植民地主義を取っている。武力をもって入植地をパレスチナ領につくり、パレスチナ人を「最小の土地に最大の人数」を押しこめるというやり方だ。
 ヨルダン川西岸では軍法による占領、イスラエル国内では国内法、ガザでは武力を使い境界線からパレスチナ人を排除する方法だ。その結果200万人のパレスチナ人が360平方キロの土地に押し込められている。

 1948年にイスラエルが建国宣言をし、パレスチナの500の村を破壊し80万人を武力で追放した。そして1956年のスエズ動乱のときにガザを占領しようとし、67年の第三次中東戦争には再占領した。ハマスが1987年に登場する20年も前のことだ。
 93年にはガザの封鎖が始まり2006年に完全封鎖し、それ以降ガザの孤立化、困窮化を一貫して取り続けている。自爆テロやロケット弾発射のずっと前からだ。
 94年4月にハマスが最初の自爆テロを行ったが、それには理由があった。2か月前の94年2月ヘブロンのイブラヒム・モスクで20人が虐殺されたことへの報復だった。キャンプ・デーヴィッドの和平交渉も破綻し、そのころ入植者の数は2倍になっていた。
 また2000年に第二次インティファーダが始まるとイスラエルはますます暴力化しハマスの創立者とナンバー2の2人を暗殺した。ハマスの初の小型ロケット弾打ち込みはそれに対する報復だった。
 イスラエルのガザ攻撃は、2008―09年、2012年、2014年が大規模で印象に強いが、じつは2004年から22回にもわたる大小の攻撃が繰り返されている。今年3月から毎週難民として故郷への帰還を求める抗議活動が続いている。それに対し、イスラエルは射殺を目的にした発砲を繰り返している。
 これは国家による暴力に対する自由のための闘争だ。「ピープルズ・パワー」すなわち人民の力、市民の連帯が必要だ。BDSは国際的な市民同士の連帯運動だ。人民の力で国家の暴力に対抗する運動だ。


 ☆今回は多田賞の記念すべき30回だったので「第30回受賞発表会までのあゆみ」というA4pの小冊子が配布された。受賞者からの「今の気持ち」というパートには49人(団体)からのメッセージが掲載されていた。
 初期の受賞者のなかには亡くなられた方や運動の主戦場を変えた団体もあった。しかし皆さん、安倍政権下、困難な状況のなかで反権力人権の闘いを続けておられることがわかり、励まされた。まさに「私は、私の敵と闘い続けるわ」の実践である。

『多面体F』(2018年12月20日)
https://blog.goo.ne.jp/polyhedron-f/e/a71fa33fd1917fae0386b7ff8044001e

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