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■板橋高校君が代弾圧事件

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◎ 未完の大作『板橋高校卒業式事件』
          藤田勝久〈再掲〉4
http://wind.ap.teacup.com/people/timg/middle_1319365434.jpg
「白扇の滝」 《撮影:佐久間市太郎(北海道白糠定、札幌南定、数学科教員)》

 ★ 取材報告書ー電話やインタビューでの記者と校長・課長のやりとりの記録ー

 いつからこういう制度になったのか。職務の対話・通話記録である。
 言ってないことを書かれる対策か。となると自宅あての電話では違うことを言えるということか。

 ・3月11日 (卒業式当日)
 東京都教育委員会教育長 殿 (広報主任経由)
3月11日
東京都立板橋高等学校長 北爪幸夫
 下記の件について、取材報告をする。
 件名   10.23通達後の都立高等学校卒業式を土屋都議会議員に同行しての取材
 日時   平成16年3月11日(木)午前9時00分から午後0時10分まで
 取材者  ■■■(キャスター)、カメラマン、音声担当、計3名
 及び社名 TBSNEWS   JNN報道特集
 方法 直接(インタビューを含む)
 内容 (略)
  9:28 土屋都議会議員来校、来校シーンを正面玄関から校長室まで撮影する。
  9:40 土屋都議会議員の式場入場シーンを式場外から追いかけ式場内にかけて撮影する。


  9:45 式場内で発生したトラブルを撮影する。(略)
  9:55 学校の外観撮影(略)
 11:00 卒業式終了
 11:25 正面玄関と生徒玄関との間の校舎外で土屋都議会議員にインタビュー
 11:45 北爪校長へのインタビュー(本校校長室)

     [(ここからインタビュー前の折衝(カメラ、音声入り)]
   (校長) 開式前のアクシデントについてはカットして欲しい
   ■■■ 都教委の了解の元で撮影しているので、
         その中で起きたことであるのでカットすることはできない。
    (略)
     [ここから正式のインタビュー]
   ■■■ 校長としての初めての卒業式を迎え、昨年の実施指針を卒業式に向けてどうだったのか。
   (校長) 指針の実施については開式前にトラブルもあったができたと思う。課題もあった。
    生徒の不起立。保護者は立っていたが生徒が立たなかった。

   ■■■ 中の様子が解らなかったが、生徒は立って(「君が代」を)歌ったのか。
   (校長) 立っていたのに座った。前日に、立って歌うように訴えた。予想外であった
   ■■■ 教職員はどうであったのか。
   (校長) 職務命令どりであった。大半の生徒が座った。
   ■■■ 10.23通達というのは、(校長先生にとって)どんな感じでしょうか。
        厳しい。通達だから実行。立場としてやらなければならない。どんな感じでしょう。
   (校長) 都教委の通達は職務命令であり、仕事です。しんどいと考えたことはなかった。
   ■■■ 教職員との議論はありましたか。
   (校長) 例えば椅子の向きについて議論しました
        これまでは(生徒に向かって)直角に向いていたが、斜めに向くよう直した。
        これが論点となりました。
   ■■■ これまである程度自由であった。
        卒業生と対面するようなこれまでと違ったものとなり、教職員との対立が大きくなったのか。
   (校長) これまでも対面式ではなかった。大きく変わったわけではない。
   ■■■ ピアノを弾くことは問題になったのか。
   (校長) ビジネスライクに行った
   ■■■ ひととおり終わってほっとしましたか。
   (校長) 開式前に混乱があり、課題が残った。
    以下、略
 ・産経新聞社・・・校長  電話、取材報告書   3月11日
 
パワー・トゥ・ザ・ピープル!!
 今、教育が民主主義が危ない!!
 東京都の「藤田先生を応援する会有志」による、民主主義を守るためのHP≫
◎ 未完の大作『板橋高校卒業式事件』
  藤田勝久〈再掲〉3
http://wind.ap.teacup.com/people/timg/middle_1318767888.jpg
「錦秋の旭岳」 《撮影:佐久間市太郎(北海道白糠定、札幌南定、数学科教員)》

 ★ 「撹乱」から「混乱」へ

 産経新聞が、3月12日、朝刊で「卒業式撹乱」と派手にぶちあげたものだから、他紙も追いかけることとなった。
 その中で、立派だったのはK社のN記者である。当たり前のことだがたった一人ということで価値をもった。その日に記事を書く前に電話してきた。
 他社は、本人取材なしで書いていった
 「撹乱」は大袈裟としても、「混乱」はあったのだろう。かくして「卒業式混乱」 「混乱」 「混乱」との記事が世間に流れて行った。
 卒業式は、何の混乱もなかったというのに。

 N新聞は、「もみ合い」と書いた。
 記者をバイト先の守衛所まで来ていただいた。懇切に説明した。いきなり腕を掴んだのは教頭であり、「手を離せ」と言って自ら放させたこと、それ以外の身体的接触は一切ないこと、分っていただいた。


 こりゃほっといたら「突き飛ばした」なんて書かれかねない。各社にその日の模様をこまかく書いた二枚の紙をファックスで送った
 人に事実を説明することは至難なことだと実感した。

 K氏にはファミレスで何時間も説明した。帰途車で自宅まで送っていった。
 「ところで何で卒業生は座ったままでいたんだい」
 「なんだって、あれほど話したじゃないか、始めから全員立たされていたんだよ」
 「え、立っていたのが座ったのか」
 こんな具合である。
 彼は「国歌斉唱」の際は卒業生は着席状態から起立するものと思いんでいる。だからいくら説明してもその部分は頭に入らない。

 H氏とも二時間ほど説明した。
 彼はノートにどんどん書き込んでいく。
 のち彼は、「ビラは前列の保護者に一枚づつ配布した」と書いた。
 電話した。
 「違うよ」
 「言ったとおりノートに書いたんだ、そう書いてあるよ」
 なんと、「前列の保護者には、一枚づつ手渡した」と言った、その「は」が書かれていなかったのである。聞こえなかったのかも知れない。
 前が開いている「前列」の方には手渡しできるが二列目以降は入っていけないから端の方に何枚か渡して横にながしてもらったのだ。

 たしかに日頃の生活でもそうだ。
 「言ったじゃないか」 「そんなこと聞いてないよ」
 などということはよくある。
 そういえば授業で説明したことが答案でまったく違って捉えられているのに愕然としたことを思い出した。
 「口頭」は駄目だ。「文書」でなければ。

 そう思ってもすべての問いに一々紙に書いて渡すなどということは無理である。繰り返しゆっくりと確認をとりつつ話するしかないが、実際は無理だ。
 とくに電話はどうしようもない。
 危険きわまりない。

 「取材報告書」には驚いた。
 電話のやりとりが詳細に記されている。
 録音しているのだろうか。
 
パワー・トゥ・ザ・ピープル!!
 今、教育が民主主義が危ない!!
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◎ 未完の大作『板橋高校卒業式事件』
        藤田勝久〈再掲〉−2
http://wind.ap.teacup.com/people/timg/middle_1318170536.jpg
「沼ノ平」 《撮影:佐久間市太郎(北海道白糠定、札幌南定、数学科教員)》

 ★ 元教諭の行動

 9時半過ぎに、保護者席に「サンデー毎日」3月7日号、1ページ分を配布始める。
 式場内は、200人ほどの保護者が着席中、静寂そのものである。
 その後も参列者順次到着。
 配布はブロック前列の方には1枚づつ、後列は端の方に渡して手渡しで横に流していただく。ぐるぐる回って、約200枚配布完了。
 その間相変わらず場内は静寂そのものであった。
 のち式場、体育館にいた職員で配布に気がつかなかった人までいたことを聞く。

 配布後、保護者席前列真ん中ほどに立ち挨拶と説明を行う。
 「私は、今回の卒業生の一年の時の生活指導担当です」(その年度の3月、退職)
 一年生の時、煙草その他で学校に来ていただいた保護者の方は顔を知っているやもしれぬ。授業も持っていないから、ほとんど未知の方である。「今年の卒業式は従来と違って、国歌斉唱の時、教員が起立しないと処分されます」なる趣旨、1分ほど話する。
 静聴していただいた。 マイクはないが声は後列まで届いたと思われる。


 最後、「出来ましたら、国歌斉唱のさい着席くださいますようお願いもうしあげます」で締めくくる。直前、来賓の列が目の端に映る。
 話終り、さて来賓席に向かおうと思った瞬間、横より教頭が迫ってきてやにわに二の腕を掴む。
 「止めろ」
 私は教頭の顔を見て言った。「もう終わったんだよ」
 教頭は一瞬苦笑した。だがまだ掴んでいる。
 「手を離しな」
 それで我に返ったのか、教頭、手を離す。

 その時、式場入り口方向から私の前、4,5メートルの地点に現れた校長、いきなり私に、「退去しなさい」と通告する。
 私はすでに来賓席にコートを置いてある。
 「荷物を持ってきて」と教頭に言う。

 当日はガードマンの出番の日、やっと調整して遠方より東北道、首都高を乗り継いで来たのにこれだけのことでとの思いが胸をよぎる。
 Yさんのピアノ伴奏を楽しみにしていたのに。 
 Yさんは、視覚障害の女子生徒、3年間通い切った。一年の時、たびたび登校時、正門前の道を渡るのを見守った。退職時には同僚のS氏に後を頼んだ。
 自分がと思うと竦んで道をわたれないであろう。音の静かな車もある。自転車などはすうっと走ってくる。よく3年間事故に合わなかったものだ。

 「なぜ来賓を追い出すんだ」
 「私は卒業生の1年の時の生活指導担当だ」
 抗議しつつも私は仕方なく出口に向かった。
 出口近くで、教頭が私に言った。教頭とは在職中、2、3年の付き合いがある。このまま追い出されるのは哀れと思ったのかも知れぬ。
 「もう静かにするのか」
 「もちろんそうだよ」
 私は了解が成り立ったと思い、転じて来賓席に向かおうとして数メートル進んだ。

 私の前に校長が立ちふさがった。この方は、去年の4月に着任された方で付き合いはない。
 私は言った。
 「教頭が許可したよ」
 一瞬彼は言葉を失って、棒立ちになった。
 その時である。
 いつの間にか校長の1メートルほど後方左右に指導主事2名がちょ立している。
 そのうちの1名が校長に言った。
 「管理者は校長だ」
 これで校長我に返ったのか、再度
 「退去せよ」
 と発声したのである。

 彼等の言葉はここに記したもののみである。
 「早く出ろ」とか「進め」とか一切ない。
 移動しつつの対応であって、留まったり、停止して言うことを聞かなかったという事実はまったくない。校長のもの言いを見聞して、これはもう話にならないと悟った。
 そこに丁度タイミングよく事務のT氏がコートをもってきてくれた。
 それを受け取り出口から式場をあとにしたのである。
 「一年の時の社会科の教員だったのを、何で追い出すんだ」と言いつつ。

 体育館をあとにして、剣道場、柔道場前の通路を見たら卒業生の姿、形がない。この場所は私が板橋在職7年間、卒業生を並ばせ待機させていた処である。
 狭いので4クラスと3クラス入り口に向かって左側に並ばせる。
 右側の狭いところを来賓と遅れてきた保護者が通っていくのである。
 その卒業生が一人もいない。
 これじゃ、式はだいぶ遅れるなあと思った。
 まずそこまで誘導して、さらに全クラスの到着を待ち整列し直して切れ目なく、詰まることもないよう入場させねばならないからだ。
 あとで聞くと、当日テレビカメラが入っていたためそれと卒業生をバッティングさせないため五十メートルほど離れた二棟の生徒会室前に先頭を待機させていたとのことである。
 カメラに向かいおちゃらけるのを危惧したとのことであった。

 ところで式場をあとにしたのにどういうわけか校長、教頭がついてきた。
 そこに会場から保護者の男性一人が足早にやってきた。
 「何騒いでんだ」
 「騒いでんのは校長と教頭ですよ」
 私は、校長と教頭を指差して言った。
 彼は校長に、「俺はこういうもんだ」と言って、背広の内側をパッと見せた。
 ついで私に向かい「静かにするのか」と言う。
 私は、彼に言った。
 「勿論ですよ、私がどんな人間かあなたのお子さんに聞いてもらえばわかりますよ、もし私がしゃべったら殴っていいですよ」
 「じゃ入れよ」と言ったように思う。
 彼は式場に取って返して行った。
 そのあと体育館そのものの出口に向かった時、3年の担任がやって来た。
 「まだか」
 それを機に校長、教頭は式場内に向かったのである。
 
パワー・トゥ・ザ・ピープル!!
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 ◎ 未完の大作『板橋高校卒業式事件』 藤田勝久〈再掲〉−1

 
http://wind.ap.teacup.com/people/timg/middle_1317567923.jpg
「錦秋の裾合」 《撮影:佐久間市太郎(北海道白糠定、札幌南定、数学科教員)》


 p1・・・「板橋高校卒業式事件」

 p2・・・もみじ葉の 一葉落ちて その音の 大地に触れる 瞬間を聞く(版画)

 p3・・・2004年3月の出来事
     ★「都教委・指導部長」、報告

 「二つ目には、ほとんどの生徒が起立しなかったり、また生徒が式場に入場しなかったりする学校が一部にございました。既に新聞等でご覧になったと思いますが、板橋高校におきましては、生徒がほとんど起立しなかった。また、この板橋高校におきましては、旧職員が会場でビラを配りまして、卒業式の開始が5分遅れたというような状況もありまして、都教育委員会並びに学校といたしまして被害届を出しているところでございます。・・・・」(2004,3,30、東京都教育委員会臨時会)
 この「被害届」は、3月26日に出されたと報道されているが、本人には何の連絡もない。だからどのような内容なのか今もってまったく分らない。


 「5分遅れた」と言っているが、あとで詳細に説明するように、当日のテレビ局の取材の関係であり私の責任ではない。

     ★都立板橋高校、3月11日、卒業式
 9時55分分頃 「卒業生入場」、着席。
 10時03分頃 「一同起立」、「開式の辞」、教頭、登壇。開式を宣言。教頭、降壇。
 続いて司会、「国歌斉唱」と発声。
 この時、異変が起こった。
 卒業生が前の方より潮のひくごとく座り出したのである。
 その途中で男子生徒の「座れ、座れ」という声も混じる。
 あっという間に卒業生、270名の大半が着席してしまった。

 驚愕した校長は叫ぶ。
 「立ちなさい」 「>立って歌いなさい」
 続いて教頭も叫ぶ。
 「立ちなさい」
さらに当日来賓として来ていた都議・土屋氏も叫ぶ。
 「立ちなさい」

 その間、約50秒、式場は時ならぬ三人の中年男の大合唱の場と化してしまった。
 その蛮声の中、起立していた数少ない卒業生のうちの一人の男子生徒がこう言った。
 「思想・信条の自由はどうなんだ・・・」
 その発言は、教頭の位置に近かったせいか、教頭がこれに応じた。
 「信念をもって座っている者以外は立ちなさい」

 あとでこの話を聞いた時、私はえらく教頭に同情した。 自分だったらどう言うだろうか。
 この一言は、卒業生の失笑を買い騒動は終結の様相に至る。
 「信念をもっている者以外は立ちなさい」と言われてから立つのは、自分が信念のない人間であることを満場に曝すこととなる。
 それよりか失礼なのは、起立している少数の生徒に「信念がない」と公言していることである。

 これ以上動きがないと思われた時、生徒の「始めようー」という声に誘われたのかピアノの音が鳴った。 「国歌斉唱」が始まったのである。

 ここでまた異様な動作を参列者の多くが目撃することとなる。
 「君が代」は保護者を中心として歌われていた。
 その最中、都議・土屋氏が携帯を取り出し写真を撮り出したのである。
 開式前司会が、「携帯等はお仕舞いください」と言っていたにもかかわらずである。
 「千代に 八千代に」 「カシャ」 「苔の・・・」 「カシャ」
 この出来事は、のち多くの人の口の端にのぼることとなる。
 「なんであんな男を呼んだのか」 「立って歌えという本人がなんで写真なんか撮ってんだ」
 彼は、指導部賀澤課長言う如く、証拠写真を撮っていたのだ。

 土屋氏にとっては、自分が「立ちなさい」と言ったにもかかわらず無視して着席した卒業生の行為を許せなかったのであろう。 
 この年の3年生は「やんちゃ」であり、クラッカーを鳴らしたりするのではないかと危惧されていた。
 しかしこの着席による意思表示で発散したのか、その後の式の進行においてはほとんど私語もなく近年稀に見る立派な卒業式となっていった。

 式最後、卒業生全員が起立して自分達が選曲した歌を合唱した。
 「・・・遥かな空の果てまでも 君は飛び立つ・・・」
 「旅立ちの日に」という歌である。
 中学で歌っているせいかさして練習もしていないのに見事なハーモニーであった。
 伴奏は、視覚障害にもかかわらず3年間通い続けて今日、卒業式を迎えた女子生徒であった。
 このこともあいまって感動のうちに式は終了した。
 
 
今、教育が民主主義が危ない!!
東京都の「藤田先生を応援する会有志」による、民主主義を守るためのHP≫
〔初めに有罪ありき〕
 ◎ 権力がデッチ上げた「板橋高校卒業式」刑事弾圧 <4>
藤田先生を応援する会・金子潔

http://wind.ap.teacup.com/people/timg/middle_1316961111.jpg
「アオサギ」 《撮影:佐久間市太郎(北海道白糠定、札幌南定、数学科教員)》

 〈最高裁判決の批判〉
 2011年5月、一連の「10.23通達」関連裁判に対する最高裁の「期日指定」の連絡が次々と始まると、藤田裁判の「判決期日」も7月7日に指定された。明らかに、最高裁は、藤田裁判を「日の丸・君が代」裁判の一環としてとらえ、期日を組み入れたのだ。
 7月7日、猛暑の中の最高裁判決。大勢の人が傍聴のために駆けつけたが、席はたったの47名。多くの人が入れなかった。藤田さんは代理人らと最高裁正門から入場したが、バーの中に入れさせろとの強い要求は拒否された。判決言い渡しはほんの数十秒。傍聴席からは、抗議の声が上がった。
 「最高裁判決」は、空疎で酷薄な内容である。最高裁とは、憲法に違反したか否かを判断する所だ、と居直って、具体的な事実判断について口を閉ざし、他方で、憲法判断としてはすべて「合憲」「合憲」と言い繕う。藤田判決はその典型だ。


 「判決」は、一方的に、「主催者に無断で,着席していた保護者らに対して大声で呼び掛け」「これを制止した教頭に対して怒号」「退場を求めた校長に怒鳴り声」「粗野な言動でその場を喧噪状態に陥れた」と決めつける。「大声」「怒鳴り声」「粗野」「喧騒状態」、どれも、主観的なもので、事実に基づかず、嫌悪感むき出しの言い方だ。「喧騒状態」というが、生徒入場前の会場に保護者が三々五々集まって来る場がどういうものか裁判官は考えようともしない。勝手に頭の中で「喧騒状態」だと決めつけて刑事罰を課すなど、とんでもないことだ。裁判所に、人の所作を「粗野」か「洗練」されたものか判断する権限など、与えられてはいない。「来賓」として参加した者に一方的に退去を命じたから声を荒立てて抗議した、それだけだ。何が悪いのか。このような判決こそ「粗野」そのものである。

 「判決」は「憲法判断」についていう。「憲法21条1項も,表現の自由を絶対無制限に保障したものではなく,公共の福祉のため必要かつ合理的な制限を是認するもの」「その手段が他人の権利を不当に害するようなものは許されない。」「本件行為は,…静穏な雰囲気の中で執り行われるべき卒業式の円滑な遂行に看過し得ない支障を生じさせた」。しかし、憲法は、「表現の自由」を「公共の福祉のため必要かつ合理的な制限を是認」してよいなど、どこにも定めてはいない。どころか、裁判官など公務員に、憲法尊重擁護義務を課している。藤田さんが「他人の権利を不当に害した」というが、他人とは誰で、何の権利を害したか、一切触れない。控訴審判決が下地のようだが、最高裁は卒業式が校長の権利などという暴論に与したくないのか、口をつぐむ。
 今回の事件の本質は、教育行政の介入によって生徒、保護者、教職員の権利が侵害されたことであり、藤田さんが「他人の権利」を侵害したなどという科白は、そっくりそのままお返ししなければならない。最高裁判決も認めたとおり、「被告人は,…午前9時45分頃,体育館から退場」していたのであり、「卒業式の円滑な遂行に看過し得ない支障を生じさせた」など、「教頭が、空中を飛んだ」以上に、荒唐無稽の言いがかりである。
 今回、「日の丸・君が代」裁判判決で唯一まともな反対意見を表明した宮川裁判官は、「補足意見」しか述べなかった。「会場内を一時喧噪状態に陥れ,本件卒業式の開式も遅れた」から「威力業務妨害罪」は成立する、という。冗談じゃない。「卒業式の開式遅れ」とは、判決でも「予定より約2分遅れ」としたように、2分間、それも本当の理由はTBSの撮影のため学校側が生徒待機場所を遠ざけたからである。2分間の開式遅れの都立高校を全部調べ上げ「威力業務妨害罪」として立件すべきだ。何人の校長が被告人にされるか、興味津々である。

 〈「日の丸・君が代」に対する異論に「刑事罰」を課す〉
 藤田裁判の判決は、解雇裁判など相次ぐ十数件の「日の丸・君が代」最高裁判決の只中で行われた。判決内容に明らかなように、最高裁は、卒業式における「日の丸・君が代」強制を、「卒業式の円滑な進行」が必要という表現で、全面的に擁護し、強制にゴーサインを出した。そのためには、教職員に対する懲戒処分も、高齢者の雇用義務の放棄も、再雇用職員に対する首切りも、すべて許される、そして、藤田さんのケースのように、卒業式前の保護者待機の場であっても「日の丸・君が代」に異論をいう者には、あえて「刑事罰」を課す、ことを「宣言」したに等しい。
 一連の「日の丸・君が代」最高裁判決は、戦後司法の歴史にとっても、大きな画期をなすものであり、最高裁自ら「憲法理念を認めない」ことから、公然と「憲法改悪」への旗振り役を務める姿勢を鮮明にした、ともいえる。今年は、新しい学習指導要領に基づく中学校の教科書採択の年だが、藤沢市、東大阪市、横浜市、武蔵村山市、大田区など相次いで育鵬社の教科書を採択するところが広がり始めた。極めて危険な動きである。大阪の橋下知事は、今秋にも「大阪府「君が代」処分・免職条例」を成立させようとしている。最高裁の号砲は社会に大きな反響音を響かせている。

 〈藤田裁判は何を「獲得」したのか〉
 最後に、このような深刻な状況に立ち向かうためにも、私たちは、藤田裁判で何を獲得したのか、確認しておく必要がある。
 一審判決の後、記者会見で、藤田さんは、「これは、実質、無罪判決である」と語った。その意味を、いま、改めて問いたい。「懲役8カ月」が「罰金20万円」にされたが、弁護団の尽力、「応援する会」をはじめとする支援の動きが大きな力になった。「有罪」という許しがたい判決だが、せめても「罰金」刑に「させた」ともいえる。私たちの力がもっと大きかったら、「無罪」にさせることも可能であった。
 私たちは、裁判に負けたからといって、くじけてはいられない。力不足を戒めて、あらたな状況に立ち向かう出発点としたい。今後とも、藤田さんを支援していく決意を込めて。
 (完)

『藤田先生を応援する会通信』(2011/8/23 第49最終号)
 
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