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7.障害,基礎的な保健及び福祉(第6条,18条3項,23条,24条,26条,27条1 〜3項,33条) 
 
(1)障害を有する児童(23条) (最終見解パラ8,59(a)−(h)) 100.我が国は,2014年1月,障害者権利条約を批准した。
 
 101.障害者権利条約の趣旨に沿った障害者施策の推進を図るため,2011年に障 害者基本法について,「障害者」の定義にいわゆる「社会モデル」の考え方を反映する,我が国の国内法で初めて「合理的配慮」について規定するなどの改正を行った。 
また,2013年9月に,政府が講ずる障害者のための施策の最も基本的な計画で ある障害者基本計画として,2013年度から2017年度までの概ね5年間を対象とする第3次計画を策定(閣議決定)し,本計画に基づいて,障害者の自立と社会参加の 支援等のための施策を推進しているところである。 
 
102.2007年の学校教育法改正により,障害のある幼児児童生徒の教育の基本 的な考え方について,障害の種類や程度に応じて特別な場で教育を行う「特殊教育」から,障害のある幼児児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援す るという視点に立ち,一人一人の教育的ニーズを把握し,その持てる力を高め,生活 や学習上の困難を改善又は克服するために適切な指導及び必要な支援を行う「特別支援教育」に発展的に転換した。
 
103.障害者数について,別添3参照。 
 
104.障害保健福祉施策に関しては,2006年4月1日から施行された障害者自立 支援法において,身体障害者,知的障害者及び精神障害者に対し,障害の種別に依らない一元的な障害福祉サービス等の仕組みを確立するとともに,障害者及び障害 児が自立した日常生活又は社会生活を営むために必要な障害福祉サービスや相談 支援等を利用することのできる仕組みを構築している。また,2010年12月の児童福祉法の一部改正により,障害のある児童が身近な地 域で適切な支援が受けられるよう,従来,障害種別で分かれていた障害児施設につ いて,通所又は入所の利用形態別に一元化すること等により,障害児支援の充実を図っている。 
さらに,2012年6月の障害者自立支援法の一部改正により,その題名を「障害者 の日常生活及び社会生活を総合的に支援する法律」に改めるとともに,基本理念の規定の創設や障害者の範囲の拡大(難病等の追加)等の改正が行われ,同法に基 づき,引き続き障害者の地域社会における共生の実現に向けた施策を実施してい る。 基本理念においては,全ての国民が基本的人権を享有する個人として尊重されること,障害の有無によって分け隔てられることなく共生する社会の実現,障害者及び 障害児が身近な場所において必要な支援を受けられること,社会参加の機会の確保, どこで誰と生活するかについての選択の機会が確保されること,社会障壁の除去等の理念が規定されている。 
 
 105.各省庁の取組につき別添2参照。
 
(2)健康及び保健サービス(24条)(最終見解パラグラフ61,63)
 
 106.(最終見解パラ63)児童相談所の一時保護所について第三者評価の仕組み を設けるよう,検討しているところである。 
 
107.(最終見解パラ61)精神保健福祉センター,保健所,児童相談所等に勤務す る医師,保健師,社会福祉士,精神保健福祉士等を対象に,児童思春期の心のケアの専門家の養成研修を行っている。 ADHDの患者数は患者調査において把握している。また,2014年度から2016 年度にかけて,発達障害を含む児童・思春期障害疾患の薬物治療ガイドラインの作成を行っている。 
 
108.様々な児童の心の問題に対応するため,平成20年度から,都道府県域にお ける拠点病院を中核とし,各医療機関や保健福祉機関等と連携した支援体制の構築を図るための事業を実施しているほか,乳幼児期から学童期,思春期に起こる様々 な子どもの心の問題に対して適切な対応ができる医師を養成することを目的とした研 修を実施している。 
 
109.各省庁の取組につき別添2参照。 (3)伝染病・非伝染病(最終見解パラグラフ65) 
 
110.エイズ発生動向について別添3参照。 
 
111.学校及び地域の青少年における行動段階や発達段階に応じた科学的なエイ ズ予防教育の普及と,地域における学校,保健行政,保護者の社会的分業と連携を促進することを目的に,中学・高等学校職員や保健所職員を対象として,行動変容科 学を用いた具体的な教育手法を提供する青少年エイズ対策事業を実施している。ま た,青少年や学校関係者等が容易に情報を得られるよう,HIV/エイズに関する情報を広くインターネット上で公開している。 このような事業等を通じて,エイズに対する正しい知識の啓発普及を推進すること により,感染拡大防止,感染者・患者に対する差別・偏見の解消を図っているところである。 
 
(4)リプロダクティブ・ヘルスの権利(最終見解パラグラフ65) 
 
112.学校における性・エイズに関する指導は,児童生徒が性に関する科学的知識 を確実に身に付け,適切な行動をとることができるようにすることを目的に実施しており,学習指導要領に則り,,学校教育活動全体を通じて行われている。また,教職員 を対象とした研修会の開催,性感染症等を含む児童生徒の様々な健康問題を総合 的に解説した教材の作成・配布,学校において発達段階に応じた効果的な性に関する指導が実施されるよう,各地域における指導者の養成と普及を目的とした事業を実 施するなど,指導の充実に努めている。 (最終見解パラグラフ64,65)上記のとおり,学校カリキュラムにおいてはリプロダクティブ・ヘルス教育という用語は使用していないものの,これに関する内容は含んで おり,さらに健康問題を総合的に解説した教材においても,HIV/AIDS及び他の性感染症を予防するための正しい情報にアクセスする方法を提供している。
 
 (5)薬物乱用(33条) 
 
113.政府では,2013年8月に策定した「第四次薬物乱用防止五か年戦略」及び, 2014年7月に策定した「危険ドラッグの乱用の根絶のための緊急対策」に基づき,関係省庁が連携を密にして,薬物乱用の根絶を図る取組を推進している。 この中では,中・高校生を中心に薬物乱用の危険性の啓発を継続するとともに,児童生徒以外の青少年に対する啓発を一層工夫充実し,青少年による薬物乱用の根絶を目指すことなどの目標を掲げ,関係省庁が一丸となって青少年,児童生徒を始めとする国民への薬物乱用防止対策を推進している。 
 
114.各省庁の取組につき別添2参照。 
 
(6)社会保障及び児童の養護のための役務の提供及び施設(26条,18条3項) 
 
115. 放課後児童健全育成事業について別添2参照。
 
 (7)生活水準(27条1〜3項) (最終見解パラグラフ67) 
 
116.パラグラフ14.参照。 
 
117.18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある児童(障害児の場合 は20歳未満)を監護する母,監護し,かつ生計を同じくする父又は養育する者に,児童扶養手当を支給している。 
 
118.児童手当制度は,児童の養育に伴う家計の負担を軽減し,家庭等における生 活の安定に寄与するとともに,次代の社会を担う児童の健やかな成長に資することを目的として,1972年から実施されている。 25 119.2015年4月から子ども・子育て支援新制度が施行されており,「待機児童解消加速化プラン」に基づく保育の受け皿拡大や延長保育,休日保育の充実,放課後 児童クラブの推進など子ども・子育て支援の「量的拡充」と「質の向上」を図っている。
 
 
 
児童の権利に関する条約第4・5回日本政府報告(日本語仮訳) 

(※「児童の売買,児童買春及び児童ポルノに関する児童の権利に関する条約の選択議定書」及び「武力紛争における児童の関与に関する児童の権利に関する条約の選択議定書」の報告を含む。)

 平成29年6月 

目次

序論

1.条約の諸規定の実施のための一般的措置 (第4条,42条,44条6項) 
(1)留保,解釈宣言
(2)国内法及び国内実施を条約の諸規定と調和させるためにとられた措置(第4条) 
(3)国内行動計画 
(4)条約の実施を調整する当局 
(5)資源の配分 
(6)国際協力 
(7)国内人権機構 
(8)広報,研修,意識啓発 
(9)市民社会との協力 
(10)児童の権利と企業部門 

2.児童の定義(第1条) 

3.一般原則(第2条,3条,6条,12条) 
(1)差別の禁止(第2条) 
(2)児童の最善の利益(第3条),児童の意見の尊重(第12条)
(3)生命,生存及び発達に対する権利(第6条)
(a)死刑(b)自殺,嬰児殺し及び生命,生存及び発達に対する権利に影響を及ぼす他の関連の問題 

4.市民的権利及び自由(第7条,8条,13〜17条)
(1)出生登録,氏名及び国籍(第7条) 
(2)身元関係事項の保持(第8条) 
(3)思想,良心及び宗教の自由(第14条)
(4)私生活の保護(第16条) 
(5)多様な情報源からの情報へのアクセス,児童の福祉に有害な資料からの保護(17条) 

5.児童に対する暴力(第19条,24条3項,28条2項,34条,37条(a),39条) 
(1)虐待及び放置(19条)
(2)あらゆる形態の有害な慣行の禁止及び削減措置(24条3項) 
(3)性的搾取,性的虐待(34条) 
(4)拷問又は他の残虐な,非人道的な若しくは品位を傷つける取扱い若しくは刑罰を受けない権利(体罰含む)(37条(a),28条2項) 
(5)被害児童の身体的及び心理的な回復及び社会復帰を促進する措置(39条)
 
6.家庭環境及び代替的な監護(第5条,9〜11条,18条1項・2項,20条,21条,25条,27条4項)

 (1)家庭環境,父母の指導(5条) 
(2)父母の共通の責任,父母への支援,児童の養護のための役務の提供(18条) 
(3)父母からの分離(9条) 
(4)児童の扶養料の回収(27条4項) 
(5)家庭環境を奪われた児童(20条) 
(6)収容に対する定期的な検査(25条)
(7)養子縁組(国内,国際)(21条) 
(8)不法な国外移送及び国外からの不帰還(第11条) 
(9)収監されている親と共に過ごす児童及び母親と刑務所内で生活する児童の保護 

7.障害,基礎的な保健及び福祉(第6条,18条3項,23条,24条,26条,27条1〜3項,33条)
 
(1)障害を有する児童(23条)
(2)健康及び保健サービス(24条)
(3)伝染病・非伝染病 
(4)リプロダクティブ・ヘルスの権利 
(5)薬物乱用(33条) 
(6)社会保障及び児童の養護のための役務の提供及び施設(26条,18条3項)
(7)生活水準(27条1〜3項) 

8.教育,余暇及び文化的活動(第28条〜31条) 

(1)教育についての権利(含む職業訓練及び指導)(28条)
 (2)教育の目的(29条) 
(3)人権教育,市民教育
 (4)休息,遊び,余暇,レクリエーション,文化的及び芸術的活動(31条) 

9.特別な保護措置(第22条,30条,32条,33条,35条,36条,37条(b)〜(d),38〜40条)

(1)難民児童(第22条) 
(2)マイノリティ又は先住民族の集団に属する児童
(3)搾取の状況にある児童 (a)経済的な搾取(32条)(b)売買,人身取引及び誘拐(35条) 
(4)少年司法(a)少年司法の運営(第40条)(b)自由を奪われた児童(37条(b)〜(d))(c)死刑及び終身刑(37条(a))(d)少年司法制度に関係する専門家のための研修 

10.児童の売買,児童買春及び児童ポルノに関する児童の権利に関する条約の選択議定書のフォローアップ 

11.武力紛争における児童の関与に関する児童の権利に関する条約の選択議定書のフォローアップ
 
(1)武力紛争議定書の最終見解にある勧告の実施状況
(2)立法上,政策上の措置にかかる主要な進展 
(3)児童が直接的に戦闘行為に参加したか否か 
(4)亡命を希望する児童及び移民児童が武力紛争の影響を受けた児童か否か確認されているか

別添1・・・関係法令の概要 
別添2・・・各省庁の取組 
別添3・・・統計資料

 序 論 
1.我が国は,1994年4月に児童の権利に関する条約(以下,「条約」という。)を批准して以来,本条約の精神を踏まえて,児童の権利の保護・促進に努力してきている。我が国は,本条約第44条1項(b)の規定に従い,本条約に関する第1回(1996年),第2回(2001年)及び第3回(2008年)の政府報告を提出しており,その中で本条約の実施に関わる我が国の基本的な法制度や該当報告期間中の取組等を紹介した。

 2.また,我が国は,第3回政府報告提出の際に,「児童売買,児童買春,児童ポルノに関する児童の権利に関する条約の選択議定書」(以下,「児童売買議定書」という。)及び「武力紛争下の児童の保護に関する児童の権利に関する条約の選択議定書」(以下,「武力紛争議定書」という。)の第1回政府報告も提出した。

 3.本件第4・5回政府報告では,我が国が,2006年4月から,2016年3月(重要な施策や法改正については2016年10月)までに本条約及び両議定書の実施のためにとった諸施策の進捗状況を報告する(第3回政府報告以前から現在も変わらずに継続している施策については,特段の理由がない限り省略している)。 


1.条約の諸規定の実施のための一般的措置(1)留保,解釈宣言 

4.第3回政府報告パラグラフ6〜10参照。 
(2)国内法及び国内実施を条約の諸規定と調和させるためにとられた措置(第4条)(立法措置) 

5.2014年6月に児童買春・児童ポルノ禁止法を改正した。児童ポルノを所持する罪が犯罪化された(同法第7条第1項)。
 
6.旧少年院法については,これを全面的に改正し,少年院,少年鑑別所の機能を十分に発揮できるような法的基盤整備を図り,2014年6月4日に新少年院法及び少年鑑別所法が制定され,2015年6月1日施行された。 

7.「刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律」について別添1参照。 

8. 2008年6月,「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律」が改正され,同年12月からすべての規定が施行された。 

9.武力紛争議定書の規定等を踏まえ,2009年,自衛隊法の一部を改正し,改正後の同法の施行(2010年4月)にあたり,自衛隊法施行規則を改正して,全ての自衛官は18歳以上の者から採用されることとなった。 

10.2014年に次世代育成支援対策推進法を改正し,同法の有効期限の10年間の延長や新たな認定(特例認定)制度の創設等を行った。(データ収集) 

11.最終見解パラグラフ22に関し,小中学校の段階で経済的に困窮した児童生徒の保護者への就学援助や,小学校,中学校,高等学校における暴力行為,いじめ,不登校等の児童生徒の問題行動等について全国の状況を調査し,その結果等を踏まえ,必要な施策を行っている。 

(3)国内行動計画(最終見解パラグラフ8,12,14,16) 

12.「子ども・若者育成支援推進法」に基づき,子供・若者育成支援施策を推進するための大綱として,2010年7月に「子ども・若者ビジョン」,さらに2016年2月には,ビジョンを見直した「子供・若者育成支援推進大綱」が,内閣総理大臣を本部長とし,全閣僚を構成員とする「子ども・若者育成支援推進本部」で決定された。大綱には,教育,福祉,保健,医療,矯正,更生保護,雇用等といった,多岐に渡る分野について盛り込まれている。政府においては,引き続き本条約の理念にのっとり,大綱に基づいた施策を推進していくものである。 

13. 子ども・若者育成支援推進大綱に基づく施策の実施状況については,子供・若者育成支援施策関係予算の取りまとめのほか,子供・若者の現状について,人口,健康と安全,教育,労働,非行等問題行動などの関係データを収集しており,「子供・若者白書」(http://www8.cao.go.jp/youth/english/policy_2016.html)等を通じて公表している。14.2014年1月に「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が施行され,同年8月には「子供の貧困対策に関する大綱」が閣議決定された。政府としては,同大綱に基づき,重点施策として教育の支援,生活の支援,保護者に対する就労の支援,経済的支援の充実に取り組むこととしている。また,最終見解パラグラフ21,22のとおり,我が国においては,子供の貧困に関する調査研究が必ずしも十分に行われていない状況に鑑み,子供の貧困の実態等を把握・分析するための調査研究等を進めているところ。7

 (4)条約の実施を調整する当局 (最終見解パラグラフ14)15.条約や議定書の実施は外務省が所管している。青少年施策の総合調整機能を担う組織は内閣府である。 

(5)予算割当 (最終見解パラグラフ20) 

16.2016年度の我が国政府の一般会計予算(国債費を除く。当初予算ベース)は57兆8286億円であり,このうち,子供・若者育成支援施策関係予算は約5兆1043億円となっている。教育,福祉,保健,医療,矯正,更生保護,雇用などに係る予算が幅広く計上されており,本条約に掲げられている児童の権利の実現に必要な資源が十分に確保されていると考えている。
また,行政事業レビューにより,各省庁にてその政策の成果を分析・フォローアップしている。なお,上記の予算額は,児童を含む子供・若者の育成支援に直接的あるいは間接的に関わるものとしてまとめた予算であり,その中には,全ての年齢の者を対象としており子供・若者に関する予算部分を切り分けることが困難な予算も多く含まれる。  

(6)国際協力
 17.我が国は,ODAの対GNI比0.7%目標に繰り返しコミットしてきている。GNI比0.7%目標を念頭に置き,また,我が国の極めて厳しい財政状況も十分踏まえつつ,必要なODA予算が確保されるよう,引き続き最大限の努力をしていく考え。
具体的に,2011年から5年間に,教育の分野では37.2億ドル,保健医療分野では21.2億ドル,ジェンダーの分野では94.3億ドルのODAを供与した。18.その他の取組については別添2の国際協力を参照。 

(7)国内人権機構(最終見解パラグラフ8,18) 

19.政府は,新たな人権救済機関を設置するための人権委員会設置法案を,2012年11月,第181回国会に提出したが,同月の衆議院解散により廃案となった。人権救済制度のあり方については,これまでなされてきた議論の状況をも踏まえ,適切に検討しているところである。

 (8)広報,研修,意識啓発(最終見解パラグラフ24,88,89)

 20.各省庁の取組は別添2のとおり。21.本件報告書は外務省ホームページに掲載する予定であり,内閣府ホームページにおいて,外務省ホームページにリンクを貼るとともに,「子供・若者白書」においても外務省ホームページの該当URLを示している。 

(9)市民社会との協力(最終見解パラグラフ26) 

22.政府としては,民間団体と協力し,民間団体の専門性を活用して条約を効果的に実施するよう努めている。かかる例としては,次のようなものがある。

 (1)政府報告作成過程において,市民・NGOとの意見交換会を実施。必要かつ適当と判断される場合には,この結果を政府報告に反映するよう努めた。また,NGOと各関係省庁が個別に意見交換する機会も設けた。 

(2)2012年6月, 「第3回児童の性的搾取に反対する世界会議」フォローアップセミナーが東京で開催され,総理から日本政府の取組について言及したビデオ・メッセージを発出するとともに,内閣府が「児童ポルノ排除に向けた日本政府の取組」について講演した。 

(3)毎年,政府と民間団体で構成される「児童ポルノ排除対策推進協議会」を開催していたところであるが,2016年11月,より広い対策を推進するため,同協議会を「児童の性的搾取等撲滅対策推進協議会」に発展的に改組した上,引き続き,情報交換を行うなどして,相互の連携・協力を図っている。 

(4)国際協力を行うNGOとの連携については別添2のとおり。 

(11)児童の権利と企業部門 (最終見解パラグラフ28)

23.ビジネスと人権に関する国別行動計画の作成に向けて関係省庁等と協議しており,経済界・労働界等の意見も踏まえ検討していく。 

24.文部科学省では,青少年を対象とした自然体験活動などの優れた社会貢献活動を行っている企業を表彰することにより,実践事例等を全国に普及している。 

25.経済産業省では,企業活力研究所が事務局を務める「CSR研究会」を通じ,CSRに関連する国内外の主要論点の把握,発信及び企業への浸透を図っている。また,欧州委員会成長総局と共同でCSRワーキンググループを設置し,日EU間の協力について議論するとともに,企業のベストプラクティスを共有する等している。 

26.UNICEF等が2012年に発表した「子どもの権利とビジネス原則」 を関係機関に周知した。 

2.児童の定義(第1条) 

27.(最終見解パラグラフ32)女性の婚姻適齢については,2009年10月に法務大臣の諮問機関である法制審議会から民法の成年年齢を18歳に引き下げる場合には婚姻適齢を男女とも18歳とすべきと答申されていたところ,民法の成年年齢の引下げと併せて法整備をすることを検討している。

 28.(最終見解パラグラフ8)刑法においては,性的な事項についての十分な判断能力を備えていない年少者を保護するとの趣旨から,13歳未満の女子を姦淫した場合,手段の如何や同意の有無を問わず,強姦罪が成立することとされている。また,それに加え,我が国では,児童福祉の観点から,児童福祉法,児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律及び地方公共団体が制定する条例により,
13歳以上18歳未満の者に対する性的な行為についても,同意の有無にかかわらず処罰する規定が置かれており,我が国の法体系全体を見れば,18歳未満の者については保護が図られているといえる。

3.一般原則(第2条,3条,6条,12条)(1)差別の禁止(第2条) (最終見解パラグラフ34(a)) 

29.2013年12月5日,民法の一部を改正する法律が成立し,嫡出でない子の相続分が嫡出子の相続分と同等になった(同月11日施行)。 

30.障害者基本法の改正及び障害者差別解消法について別添1参照。

31.(最終見解パラグラフ33)教育基本法第5条の廃止について,改正前の法第5条後段に規定する「男女共学」が認められるべきとの趣旨は,法の制定から約60年が経過して,現に我が国に浸透し,歴史的意義を既に果たしているといえる。旧法第5条前段には,「男女の敬重と協力の重要性」が規定されていたが,改正後の教育基本法でも,その趣旨を引き継ぎ,第2条の「教育の目標」において,新たに「男女の平等」と「自他の敬愛と協力」を非常に重要なものとして規定している。2010年に公表された児童の権利委員会最終見解のパラグラフ33においては,女子に対する差別の撤廃に関する委員会最終見解(CEDAW/C/JPN/CO/6)でも指摘された男女共同参画の推進に言及した教育基本法第5条の削除に対する懸念が改めて表明されているが,これはこうした歴史的経緯と事実関係を踏まえたものではないことを改めて表明する。

 32.(最終見解パラグラフ34(b))学校教育においては,2014年に批准した障害者権利条約を踏まえ,インクルーシブ教育システム構築のため,障害のある幼児児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するという視点に立ち,一人一人の教育的ニーズを把握し,その持てる力を高め,生活や学習上の困難を改善又は克服するため,適切な指導及び必要な支援を行う特別支援教育が実施されており,10通常の学級,通級による指導,特別支援学級,特別支援学校といった,連続性のある「多様な学びの場」が整備されている。これらの場においては,特別の教育課程,少人数の学級編制,特別な配慮の下に作成された教科書,専門的な知識・経験のある教職員,障害に配慮した施設・設備等により指導が行われている。人権教育・啓発に関する基本計画については第3回政府報告パラグラフ144参照。 

33.(最終見解パラグラフ36) 法務大臣は,2016年,民事法,刑事法その他法務に関する基本的な事項を調査審議する法制審議会から,強姦罪の行為者・被害者について性差を解消することをも含めた刑法の改正について,答申を受けた。この答申を踏まえ,法務省は,現在,刑法改正法案の提出に向けた準備を進めている。 

34.(最終見解パラグラフ8,34(b),87) 2015年から,外国語による人権相談体制を強化し,英語・中国語等6か国語による専用相談電話「外国語人権相談ダイヤル」の開設や,「外国人のための人権相談所」の拡充(6か国語に対応。従来の10か所から全国50か所の法務局・地方法務局に拡大)を行った。
法務省の人権擁護機関による啓発活動につき別添2参照。 

(2)児童の最善の利益(第3条),児童の意見の尊重(第12条) (最終見解パラグラフ38,40(a)(b),44) 

35.(最終見解37−40(b))2015年度予算において,虐待を受けた子ども等をより家庭的な環境で育てることができるよう,予算措置により児童養護施設等の職員配置を改善した。(2015年度:子ども4人に対し職員1人等)また,地方分権のもと,職員の配置基準を遵守するため,各都道府県は管内児童福祉施設に対して年1回以上の児童福祉行政指導監査を実施している。2016年6月に児童福祉法を改正し,全ての児童は,条約の精神にのっとり,適切な養育を受け,健やかな成長・発達や自立等を保障される権利を有すること等を明確化した上で,国民,保護者,国・地方公共団体(都道府県,市町村)が支えるという形で,その福祉が保障される旨を明確化した。(同法第1条,第2条) 

36.子ども・若者育成支援推進法では,子供・若者育成支援施策に関して,子供・若者を含めた国民の意見をその施策に反映させるために必要な措置を講ずるものとする旨規定がある。内閣府では,若者の中から「ユース特命報告員」を募集し,子供・若者に関連した施策について意見を募集し,その後の企画・立案に反映するよう努めている。 

 37.東日本大震災からの復興の過程では,将来の町づくりにあたり,子どもたちの意見を取り入れる機会を設けている。「福島12市町村の将来像に関する有識者検討会」の提言に取り入れられた他,学校,市民社会等との協同により政府閣僚等と子どもたちの対談の機会を設けている。 

38.(最終見解パラグラフ43,44)学校においては,校則の制定,カリキュラムの編成等は,児童個人に関する事項とは言えず,第12条1項でいう意見を表明する権利の対象となる事項ではない。しかし,児童の発達段階に応じて,校則の見直しにあたり,アンケートの実施や学級会・生徒会での討議の場を設けたり,高等学校において,生徒の選択を生かしたカリキュラムの編成等の工夫を行うなど,必要に応じて,児童の意見を考慮した学校運営を実施している。

 39.(最終見解パラグラフ43)2016年6月に児童福祉法を改正し,児童福祉審議会は,特に必要があると認めるときは,児童や家族の意見を聴くことができる旨の規定を創設した(同法第8条)。 

40.家事事件手続法は,意思能力のある子には,子が影響を受ける家事事件において自ら手続行為をすることを認めている。また,適切な方法により子の意思を把握するよう努め,子の年齢及び発達の程度に応じて,子の意思を考慮しなければならないとしている。家事審判は,同法の規定に従って行われており,児童の最善の利益が考慮され,児童の意見が尊重されているといえる。詳細は別添1参照。

 41.パラグラフ5,157.参照。

42.(最終見解パラグラフ44)人権教育・啓発に関する基本計画では,「子どもを単に保護・指導の対象としてのみとらえるのではなく,基本的人権の享有主体として最大限に尊重されるような社会の実現を目指して,人権尊重思想の普及高揚を図るための啓発活動を充実・強化する。」としており,法務省の人権擁護機関は,これに基づいて,各種啓発活動を実施している。 

43.少年院においては,在院者の処遇は,その人権を尊重しつつ,明るく規則正しい環境の下で,その健全な心身の成長を図るとともに,その自覚に訴えて改善更生の意欲を喚起し,並びに自主,自律及び協同の精神を養うことに資するよう行うものとされている(少年院法第15条,少年鑑別所法第20条参照)。また,刑事施設では,被収容者の状況に応じた適切な処遇を行うことを目的としており(刑事収容施設法第112条),少年の心身の発達程度に応じて教育,職業訓練等を実施し,健全な少年の育成を図ることに配慮しており,それぞれの施設に収容された少年の処遇の目的に照らして少年にとって何を行うことが最も利益となるかを考慮しながら処遇を行っている。 

44.その他の各省庁の取組につき別添2参照。 

(3)生命,生存及び発達に対する権利(第6条)

(a)死刑

45.少年法第51条のとおり,死刑の最低年齢は,犯行時18歳以上である。

(b)自殺,嬰児殺し及び生命,生存及び発達に対する権利に影響を及ぼす関連の問題 (最終見解パラグラフ8,42) 

46.2006年6月に自殺対策基本法が成立した。自殺対策基本法は,自殺対策の基本理念を定め,国,地方公共団体,事業主,国民のそれぞれの責務を明らかにするとともに,自殺対策の基本となる事項を定めること等により,自殺対策を総合的に推進して,自殺防止と自殺者の親族等に対する支援の充実を図り,国民が健康で生きがいを持って暮らすことのできる社会の実現に寄与することを目的としている。自殺対策基本法により,内閣官房長官を会長とし,関係閣僚を構成員とする自殺総合対策会議が内閣府に設置され,また,政府が推進すべき自殺対策の指針として,基本的かつ総合的な自殺対策の大綱を定めることとされた。2007年6月に自殺総合対策大綱が閣議決定され,自殺対策の数値目標については,2016年までに,2005年の自殺死亡率を20%以上減少させることと設定し(2005年の自殺死亡率は24.2%であり,目標である20%減少させると19.4%となるが,2014年の自殺死亡率は19.5%である。),国及び地域における自殺対策の推進体制,自殺総合対策大綱に基づく施策の評価及び管理について定めた。また,2012年8月に新たな自殺総合対策大綱が閣議決定された。

 47.(最終見解パラグラフ41,42) 学校においては,命の大切さについて,道徳をはじめとして教育活動全体を通じて指導しているところであり,体験活動を生かすなどして,命の大切さを実感できる教育の充実に努めている。具体的には,「児童生徒の自殺予防に関する調査研究協力者会議」において,教員向けの自殺予防の手引き,児童生徒を直接対象とした自殺予防の手引き,子供の自殺が起きたときの背景調査の指針,緊急対応の手引きなどを作成している。学校,教育委員会等に周知するとともに,自殺が発生した時の対応や子供を直接対象とした自殺予防教育について実践的な研修を実施している。 2011年6月,自殺防止に資する観点から,児童生徒の自殺の背景となった可能性のある事実関係などに関する調査に係る通知を発出している。また,悩みを持った児童が,いつでも気軽に相談できる体制を充実させるため,文部科学省では,スクールカウンセラー等やスクールソーシャルワーカーの配置拡充などを通じて,学校における教育相談体制の充実を図っている。各都道府県においても,教育センター等に児童を対象とした相談機関を設置するなど,地域における相談体制の充実に努めている。 

48.児童福祉法第1条第2項は「すべて児童は,ひとしくその生活を保障され,愛護されなければならない」と規定している。 

49.嬰児を含む児童に対する暴力は,殺人罪,傷害罪等による刑事処罰の対象とされており,事案に応じて適切な処分が行われている。 

50.(最終見解パラグラフ49(b)(v)) 児童に対する暴力は,殺人罪,傷害罪,暴行罪,強姦罪,強制わいせつ罪等による刑事処罰の対象とされており,事案に応じて適切な処分が行われている。

 51.(最終見解パラグラフ41,42)2012年3月に児童養護施設等の運営指針を作成し,事故の発生時など緊急時の子どもの安全確保のため,事故発生対応マニュアルを作成し,職員への周知や定期的な見直しを行うことや,子どもの安全を脅かす事例を組織として収集し,要因分析と対応策の検討を行うことなどを指針として定めている。また,3年度毎の第三者評価の実施や,第三者評価を実施しない年においても,各施設において自己評価を行うこととしており,これらの評価を施設運営に反映することとしている。学校の施設・設備について,事故防止に向けた関係者それぞれが果たすべき役割,事故種別ごとの事故防止の基本的考え方,建物の部位ごとの具体的な留意事項を示した報告書「学校施設における事故防止の留意点について」(2009年3月)を取りまとめるとともに,法定点検の実施や点検の結果を踏まえた修繕等の必要性・重要性を学校設置者等に周知している。

52.各省庁の取組につき別添2参照。4.市民的権利及び自由(第7条,8条,13〜17条)(1)出生登録,氏名,国籍(7条)(最終見解パラグラフ8,46(a)(b))

53.(最終見解46(b))無国籍者の地位に関する条約については,国内で無国籍者の存在やその地位・権利の保護が大きな問題となったことはなく,条約締結の国内的なニーズが明らかでない。また,無国籍の削減に関する条約については,国籍法の改正が締結の前提となり,国民的な議論が必要となる。現時点では,両条約の締結について積極的な検討は進められていない。 

54.出生届は,出生の日から14日以内にしなければならず(戸籍法第49条),第1次的に父又は母に対して届出義務を課し,これらの者が届出をすることができない場合には,2次的に,(イ)同居者,(ロ)出産に立ち会った医師,助産師又はその他の者の順に届出義務を課している。
さらにこれらの届出義務者が届出をすることができない場合には,その者以外の法定代理人も届出をすることができる(同法第52条)。これらの出生届によって,日本国民たる子は戸籍に記載されることになる。また,届出をすべき者が届出をしない場合には市町村長は当該者に催告をし,その後においても届出しない場合又はできない場合には,市町村長が職権で戸籍に記載する(同法第44条)。さらに,正当な理由がなくこの期間内に届出をしない届出義務者は,5万円以下の過料に処せられることとなっている(同法第135条)。なお,外国人であっても,日本国内で出生した場合には戸籍法が適用され,上記届出義務が生じる。 

(2)身元関係事項の保持(8条) 

55.戸籍の謄抄本の交付に関する戸籍法の規定については別添1参照。 

(3)思想,良心及び宗教の自由(14条) 

56.第3回政府報告パラグラフ225,226について,2006年の教育基本法改正により,宗教教育について第15条第1項(旧法では第9条第1項)において,「宗教に関する寛容の態度,宗教の社会生活における地位に加え,宗教に関する一般的な教養も教育上尊重されなければならないこと」が新たに規定されている。また,同条第2項では引き続き,国公立学校における特定の宗教のための宗教教育の禁止が規定されている。

 57.いずれの矯正施設においても,日本国憲法で保障された思想,良心及び宗教の自由を尊重した取扱いがなされるよう配慮しており,施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合を除き,一人で行う礼拝その他の宗教上の行為は禁止・制限されないほか,宗教上の儀式行事への参加や教誨を受ける機会が保障されている。 

(4)私生活の保護,肖像の保護(16条)

 58.少年鑑別所,少年院,刑事施設における私生活の保護については,別添1参照。 

(5)多様な情報源からの情報へのアクセス,児童の福祉に有害な資料からの保護 (17条) 

59.各省庁の取組については別添2参照。 

5.児童に対する暴力(第19条,24条条3項,28条2項,34条,37条(a),39条)(最終見解パラグラフ49)

 (1)虐待及び放置(19条) (最終見解パラグラフ8,57(a)(b)) 

60. 児童虐待防止法において,第3回政府報告パラ308のとおりの規定を定めており,虐待の被害児童に対する適切な保護等を行っている。 

61.(最終見解パラグラフ47,48(a〜c))児童虐待については,児童虐待防止法第2条にて,児童虐待の定義を明確化し,これを禁じている。また,同法において,上記児童虐待のみならず,幅広く児童の福祉を害する行為や不作為を禁じている。なお,2016年6月に児童虐待防止法を改正し,親権者は,児童のしつけに際して,監護・教育に必要な範囲を超えて児童を懲戒してはならない旨を明記した。さらに,2004年以降,毎年11月を「児童虐待防止推進月間」と位置づけ,児童虐待問題に対する集中的な広報・啓発活動を実施している。

 62.(最終見解パラグラフ49(b))児童相談所全国共通ダイヤルについて,児童虐待を受けたと思われる児童を見つけた時等に,ためらわずに児童相談所に通告・相談できるよう,これまでの10桁番号から覚えやすい3桁番号(189)に変更し,2015年7月から運用を開始した。

 63.(児童売買議定書・最終見解パラグラフ39(b))警察による広報啓発については第3回報告パラ318参照。また,2007年6月,児童虐待防止法が改正され,保護者に対する出頭要求や児童相談所による臨検・捜索,などが規定されたことから,2008年3月に「児童虐待対応マニュアル」を改正するなど,虐待行為を防止し児童の保護に万全を期するため,事案に即した適切な対応に努めている。 

64.(最終見解パラグラフ82)都道府県警察に設置されている少年サポートセンター(第3回政府報告パラグラフ333参照)は,2016年4月現在,全国198箇所に設置されている。また,少年や保護者等の心情に配慮して警察施設以外の場所への設置が進められている。 

65.(最終見解パラグラフ49(b))警察職員の研修につき,第3回政府報告パラグラフ336参照。警察が取り扱った児童虐待関連データにつき,別添3参照。 

66.警察庁の委託を受けた民間団体が,人身取引事犯や,少年福祉犯罪,児童虐待事案等に関する通報を匿名で受け付け,事件検挙や被害者保護への貢献度に応じて情報料を支払う匿名通報事業を実施している。 

67.(最終見解パラグラフ57(a)) 児童虐待の防止に資する取組として,全ての保護者に対する家庭教育支援を充実するため,家庭教育支援チーム等による学習機会の提供や情報提供,相談対応,地域の居場所づくり,訪問型家庭教育支援の取組を推進している。

68.パラグラフ47参照。 

69.2011年5月の民法改正により,不適当な親権の行使等があった場合に,家庭裁判所が2年以内の期間に限って親権を行うことができないようにする親権停止制度が新たに設けられ(民法第834条の2),2012年4月から施行された。 

(2)あらゆる形態の有害な慣行の禁止及び削減措置(24条3項) 

70.2014年7月に女性器切除,早婚,強制婚の終焉に向けた世界的機運の醸成を目的とした英国政府主催の「ガールズサミット」に出席し,これら問題への取り組みについて,UNICEF,UNFPA,IPPFを始め,国際社会と協力していくことを表明。

(3)性的搾取,性的虐待(34条) (最終見解パラグラフ82)(10.児童売買議定書のフォローアップ」を参照。)

(4)拷問又は他の残虐な,非人道的な若しくは品位を傷つける取扱い若しくは刑罰を受けない権利(体罰含む)(37条(a),28条2項) 

71.児童虐待に関する統計は,別添3参照。 

72.社会福祉法に基づき,社会福祉事業の経営者に対して「情報の提供」「自主評価や第三者評価等による福祉サービスの質の向上のための措置等」「苦情の解決」の努力義務を規定するとともに,都道府県社会福祉協議会に運営適正化委員会を設置し,利用者からの苦情の相談に応じ,苦情の解決の斡旋等を行う仕組みを設けている。

 73.(最終見解パラグラフ8,47,48(b)(c)) 
学校における体罰については,学校教育法第11条において厳に禁止されており,毎年行われる生徒指導担当者の会議で,その趣旨を周知している。また,学校において,教育上必要があると認められたときには,児童生徒に対して懲戒を加えることができるものとされているが,懲戒と体罰は異なるものであることを事例を用いて通知で示している。加えて,懲戒が必要と認められる状況においても,決して体罰によることなく,児童生徒の規範意識や社会性の育成を図るよう,適切に懲戒を行い,粘り強く指導することが必要であることを通知などで示している。なお,体罰を行った教員は,その態様等に応じ,懲戒処分等の対象となる。更に,国レベルの研修を一元的,総合的に実施する独立行政法人教員研修センターにおいて,各地域で中心的な役割を担う教員等を対象として実施される研修において教育関係法規に関する講座が開設されており,この中で児童・生徒に対する懲戒・体罰の禁止に関する内容が扱われている。 

74.(最終見解パラグラフ49(b))
小学校,中学校,高等学校における暴力行為,いじめ等の児童生徒の問題行動等について全国の状況を毎年度調査・分析している。75.(最終見解パラグラフ48(a),49(b))刑法に暴行罪や傷害罪が存在し,あらゆる形態での暴行が処罰の対象となることを明示している。また,刑法に名誉毀損罪や強要罪などが存在し,各種の方法で他人の品位をおとしめる行為についても処罰の対象となることを明示している。 

76.パラグラフ50.参照。

 77.刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律では,刑事施設における少年を含む全ての被収容者に対する,あらゆる形態の身体的及び心理的暴力等の防止に配慮する旨が明確に規定されたほか,少年院法及び少年鑑別所法においても,少年院及び少年鑑別所に収容される在院者等について同様に規定された(別添1参照)。 

78.現行の刑事施設における不服申立制度に関しては,第3回政府報告パラグラフ266のとおりであるが,刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律の制定により,刑事施設に収容される被収容者に対しては,審査の申請,再審査の申請,事実の申告及び苦情の申出といった各不服申立制度が整備された(刑事収容施設法第157条から第170条)。また,少年院法及び少年鑑別所法の制定により,少年院又は少年鑑別所に収容される在院者又は在所者に対して救済の申出及び苦情の申出制度が整備された(少年院法第120条から第132条,少年鑑別所法第109条から第122条)。 

79.2006年4月から2015年12月末までの間,少年院,少年鑑別所又は少年刑務所において,職員が被収容少年(未成年)に対する暴行を理由として,国家公務員法による懲戒処分に処せられた事案が,22件発生している。この種の事案が発生した場合は,各施設において,再発防止のため,直ちに施設長指示を発出するなどし,その施設の全職員に注意を喚起するなどのほか,人権に配慮した職務執行等についての職員研修を一層充実させるなどの措置を講じている。 

(5)被害児童の身体的及び心理的な回復及び社会復帰を促進する措置(39条)

80.(最終見解パラグラフ49(b))別添2参照。 

81.(最終見解パラグラフ82,児童売買議定書・最終見解パラグラフ39(b),39(c))第1回児童売買議定書政府報告パラグラフ54参照。 

82.パラグラフ47.参照。

 6.家庭環境及び代替的な監護(第5条,9〜11条,18条1項・2項,20条,21条,25条,27条4項) 

(1)家庭環境,父母の指導(5条) (最終見解パラグラフ51) 

83.児童福祉法第1条は「すべて国民は,児童が心身ともに健やかに生まれ,且つ,育成されるよう努めなければならない」と規定している。第3回政府報告パラグラフ270参照。 

84.2011年3月に「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」を作成,発出を行った。研修会等の取組みにより,アレルギーおよびアレルギー疾患を持つ児童に対して,適切な理解や対応がなされるよう周知を図っている。 

(2)父母の共通の責任,父母への支援,児童の養護のための役務の提供(18条) 

85.第3回政府報告パラグラフ274における,「盲学校,聾学校,養護学校」については,児童生徒等の障害の重複化に対応した適切な教育を行うため,2007年の学校教育法改正により,複数の障害種別を対象とすることができる「特別支援学校」の制度に転換した。 

86.パラグラフ47.参照。 

(3)父母からの分離(9条) 

87.2011年5月の民法改正により,親権停止制度が新たに設けられた(民法第834条の2)。子の親権者又は監護者の指定・変更及び親権の喪失・停止等の手続は,子やその親族等の申立てにより,民法,家事事件手続法及び家事事件手続規則に従って,家庭裁判所で行われる。同手続においては,関係当事者が手続に参加しかつ自己の意見を述べる機会が与えられている(別添1参照)。

 88.別添1における少年院法,少年鑑別所法,刑事収容施設法参照。 

(4)児童の扶養料の回収(27条4項)(最終見解パラグラフ69(a)(b)) 

89.扶養料を回収するための強制執行の申立ての準備に資する財産開示制度の改正等を検討中である。 

90.扶養料の具体的な回収の方法としては,第3回政府報告パラグラフ292のとおりであるが,2014年の1年間に終局した家事に関する金銭債務等の履行勧告事件は,16,700件であり,このうち,全部又は一部が履行されたものは,7,861件である。 

91.(最終見解パラグラフ69(c))ハーグ親責任条約については,中央当局の指定を含め,関係省庁間の協力体制を整備するなどの必要があり,締結の実現可能性について慎重に検討する必要がある。

 (5)家庭環境を奪われた児童(20条)92.最終見解パラグラフ53(a)〜(e)に対する対応は以下のとおり。(a)小規模なグループ施設のような家族型環境において児童を養護すること2009年に,虐待を受けた子ども等を養育者の住居において養育する小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)を創設した。(定員5人又は6人)。 
(b)代替的監護環境の定期的監視,監護環境確保のための措置20施設運営の質を向上させるため,2011年9月に児童福祉施設最低基準を改正し,第三者評価及び施設長研修を義務付けた。また,2012年3月には,児童養護施設等の運営指針や里親等の養育指針を策定した。 
(c)代替的監護環境下における児童虐待への対応2009年に施行された改正児童福祉法には,被措置児童等虐待の防止に関する事項を盛り込んだ。また,児童養護施設等に心理療法を行う職員を配置し,虐待等による心的外傷のため心理療法を必要とする子どもにカウンセリング等の心理療法を実施している。 
(d)里親に対する財政的支援すべての里親に対して,生活費や医療費,教育費等を支弁するとともに,養育里親及び専門里親に対しては里親手当及び専門里親手当を支弁している。 
(e)児童の代替的監護に関する国連ガイドライン各都道府県市及びその児童相談所並びに里親会,里親支援機関,児童福祉施設等の関係機関が協働し,より一層の里親委託の推進を図るため,2011年に「里親委託ガイドライン」を策定し,社会的養護においては里親委託を優先して検討するべきとしている。今後,各都道府県市において,2015年度から2029年度末までの15年間に,「本体施設入所児童の割合」,「グループホーム入所児童の割合」,「里親・ファミリーホームへの委託児童の割合」をそれぞれ概ね3分の1ずつになるよう,取組を進める。 

 (6)収容に対する定期的な検査(25条) 

93.少年院及び少年刑務所に収容されている少年の収容の定期的な見直しを行う制度に関し,懲役又は禁錮受刑者として少年刑務所に収容されている者に対して仮釈放の制度があり,少年院収容中の者に対して仮退院の制度がある。これらの制度は収容されている少年の改善更生と健全な社会復帰を目的としている。仮釈放及び仮退院(以下「仮釈放」という。)の許否を決定する権限は全国8か所の地方更生保護委員会が有している。仮釈放を許すか否かについては,通常,矯正施設の長からの申出に基づき,地方更生保護委員会の3人の委員で構成する合議体において,仮釈放の審理を開始する。合議体の構成員である委員は,原則として審理対象者本人と面接し,合議体は仮釈放の適否,時期,仮釈放の期間中守らなければならない特別遵守事項等について審理の上,決定又は判断を行っている。矯正施設の長による仮釈放の申出に係る審査については,別添1の「犯罪をした者及び非行のある少年に対する社会内における処遇に関する規則」参照。 

(7)養子縁組(国内,国際)(21条) 
(最終見解パラグラフ55(a)(b))21 

94.我が国では,未成年者の福祉を図る観点から,未成年者を養子とするときは,自己又は配偶者の直系卑属を養子とする場合を除き,家庭裁判所の許可を得る必要があることとされている(民法第798条)。 

95.「国家間にまたがる養子縁組に関する子の保護及び協力に関するハーグ条約」については,中央当局の指定を含め,関係省庁間の協力体制を整備するなどの必要があり,締結の実現可能性について更に検討を続けていく。96.国際養子縁組につき,第3回政府報告パラグラフ302のとおりであるが同報告で引用されている法令第20条1項は,法の適用に関する通則法第31条第1項に定められている(内容は実質において変更はない。2007年1月1日施行)。 

(8)不法な国外移送及び国外からの不帰還(第11条) 

97.2014年1月,我が国は国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(ハーグ条約)を締結した。同年4月1日に我が国において同条約が発効し,同条約の実施に関する法律に基づく運用を開始した。我が国は条約を誠実に実施している。98.第3回政府報告パラ291参照。 

(9)収監されている親と共に過ごす児童及び母親と刑務所内で生活する児童の保護 

99.刑事施設及び少年院においては,女子の被収容者がその子を施設内で養育したい旨の申出をした場合において,相当と認められるきは,その子が1歳に達するまで養育することができる(刑事収容施設法第66条,少年院法第59条)。また,その被収容者の心身の状況に照らして,又はその子を養育する上で特に必要があると認められるときは,6月間に限り,引き続き養育することができることとしている。さらに,その子の養育に必要な物品の貸与又は支給,施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障がない限りの自弁品の使用等が認められるほか,その子に対する健康診断,その他の必要な措置を執ることとされており,被収容者である母親と刑事施設又は少年院内で生活する児童の保護を確保している。 


■公立小中高校などに在籍する外国人の児童生徒のうち、日常生活や授業に支障があり日本語指導が必要な子どもは昨年5月1日時点で全体の4割に当たる3万4335人となり、過去最多を更新したことが13日、文部科学省の調査で分かった。前回調査の2014年度から5137人増で1991年度の調査開始以来、初めて3、万人を超えた。 文科省は増加の理由を「東京五輪・パラリンピックに向けて労働力を求める日本に世界から人材が集まってくる流れが強まった」とみている。 児童生徒の母語別で見ると、ポルトガル語が8779人で最も多く、中国語が8204人、フィリピン語が6283人だった。  
ロイター 2017年 06月 13日

 
  《子どもと教科書全国ネット21ニュース》
 ◆ 子どもの貧困問題と子どもの権利
荒牧重人(山梨学院大学教授)

 子どもの貧困問題が社会的に注目され、子どもの居場所づくり、学習支援、「子ども食堂」等の取り組みも広がっている。そこでは、子どもに責任を負わせることはできない、貧困の連鎖を立ちきることが必要であるといわれる。
 とりわけ2013年に議員立法で成立した「子どもの貧困対策の推進に関する法律」およびそれに基づく「子供の貧困対策大綱」により多様な形で対策が取り組まれている(もちろん、子どもの貧困は政策によって減ずることができても解消されることはなく、そのためには社会構造自体の変革が必要になろう)。

 ◆ 国の子どもの貧困対策
 貧困対策法では、「子どもの貧困対策は、子ども等に対する教育の支援、生活の支援、就労の支援、経済的支援等の施策を、子どもの将来がその生まれ育った環境によって左右されることのない社会を実現することを旨として講ずることにより、推進」することを基本理念にしている(2条)。


 この基本理念にのっとり、「子どもの貧困対策を総合的に策定し、及び実施する責務」を国に課し(3条)、政府に対して、毎年1回「子どもの貧困の状況及び子どもの貧困対策の実施の状況」の公表(7条)、基本的施策として「子どもの貧困対策に関する大綱」の策定(8条)等を義務づけている。

 大綱では、「全ての子供たちが夢と希望を持って成長していける社会の実現を目指して」という副題のもと、「貧困の連鎖の解消と積極的な人材育成を目指す」という基本的な方針に基づき、合計25項目の指標を設定している。
 その指標改善のために、
   ①教育の支援、
   ②生活の支援、
   ③保護者に対する就労の支援、
   ④経済的支援
   ⑤子供の貧困に関する調査研究等、
   ⑥施策の推進体制等
 の6領域にわたって重点施策を展開することを定めている。

 この貧困対策法と大綱は、国をあげて子どもの貧困問題に取り組むという意味で非常に重要である。
 しかし、施策内容が寄せ集めで総合的に推進できるようにはなりえていない、数値目標が的確に設定されていない、などの指摘がなされている。
 教育の面でいえば、貧困対策の目的が国に役立つ「人材の育成」となり、施策の重点が進学率や就職率の向上に置かれすぎており、子どもの豊かな育ちを保障する視点に欠けている

 ◆ 子どもの貧困の捉え方
 子どもの貧困は、子どもの今と未来を奪うという問題性と対策の必要性をおとなや社会に対して認識させた。
 しかし、子どもの貧困は見えにくい、子どもの声が届きにくい、貧困は支援につながりにくい、貧困施策は利用しにくい、貧困施策は効果が出にくいなど、子どもの貧困問題はなかなか解決の方向に向かわないといわれる。

 いま注目されている相対的貧困率(OECDの作成基準=等価可処分所得〔いわゆる手取り収入〕の中央値の50%に満たない所得で暮らす人々が貧困状態)は、貧困を「測る」ことを可能にし、政策として対応すべき課題であることを認識させた。

 しかし、個々の子どもの貧困の背景、貧困が深刻化している状況の変化、貧困を生み出す社会構造などを明らかにはできない。子どもの貧困をどう捉えるかが見えないままである。
 これに対して国連やユニセフは、子どもの貧困について、単にお金がないというだけではなく子どもの権利条約に明記されているすべての権利の侵害であると捉えている。

 子どもの貧困の測定は所得水準が中心となる一般的な貧困と一緒にすることはできないとして、栄養・飲料水・衛生設備・保健・住居・教育・情報等の基本的なサービスの利用可能性や、社会的阻害・差別や保護の欠如など貧困がもたらす他の側面も問題にする。
 日本の場合、子どもの格差・貧困問題を所得と教育に限定して捉える傾向がうかがえる。

 ◆ 子どもの権利を基盤とした取り組みの必要性と重要性
 子どもは、独立した人格と尊厳を持つ権利の主体である。つまり、子どもは単に「未来の担い手」ではなく、いまを生きる主体である。
 子どもを「社会の宝」に留めてはならず、子どもは社会の一員・構成員として位置づけることが大切である。
 また、子どもとの関係を、育てる一育てられる、教える一教えられる、支援一被支援などを一方的な関係にしないためにも子どもの権利の視点と手法は必要である。
 さらに、子どもの権利は不可分であり、総合的である
 1つあるいは一定部分の権利の実現だけでは不十分であり、総合的な対策を推進するには権利保障が不可欠である。

 〈子どもの力とレジリエンス(回復力)〉
 子どもの権利アプローチの根底には、子どもが本来持っている力を信頼することが必要になる。順応性・適応力・回復力といった子どもが生来持っている力を活かしていくこと、子どもが持っている力を強めていくことが大切である。
 そのためにも、子どもそしてそれを支えるおとなの自己肯定感(「ありのままの」自分を肯定的にとらえ、大切に思う気持ち)を育むことが重要になる。
 身近なおとなが寄り添い、安心やつながりを感じられる居場所があることと、思いを受けとめ話を聴いてくれるおとなの存在が最低限必要である。
 元気を取り戻していく子どもの姿は、周りのおとなも元気にし、地域を回復させていく力にもなる。

 〈子どもの意見表明・参加〉
 子どもの成長にとって親・家庭は非常に重要であるが、子どもがどのような状況に置かれ、何を必要としているかは1人ひとり違うので、子どもの意見に耳を傾けなければ知ることはできない。子どもの意見を聴いて尊重することは、子どもの思いや願いに応え、子どもの最善の利益を確保するために不可欠である。
 子どもの意見表明・参加のもとで、子どもとともに貧困対策や子ども支援を進めていくことは、それらをより効果的なものにするとともに、子ども自身の回復や成長にもつながる。

 〈総合的・継続的・重層的な子ども支援〉
 子どもの権利は不可分のもので、医療・健康・福祉・教育・文化・労働・社会環境・少年司法等に関わって総合的に保障される。また、生まれてから継続的に(切れ目のなく)保障される。さらに、子どもの権利だけが保障されることはなく、とりわけ親・保護者をはじめ子どもに関わる人たちの権利保障を含め重層的に保障されるのである。

 ◆ 子どもの貧困対策と子どもにやさしいまちづくり
 子どもの貧困対策か、総合的な子ども支援策かをめぐっての模索が自治体のなかではあるが、子どもの貧困対策を子どもにやさしいまちづくりのなかで取り組むことが効果的である。
 ユニセフによれば、子どもにやさしいまちとは、自治体が主導する子どもの権利条約の実施のプロセスであり、そのプロセスは地方自治のもとで子どもの権利条約を実施していくことと同義であるという。
 子どもがダメ、親・家庭がダメ、園・保育士/学校・教職員がダメ、地域がダメというような視点と対応を越えて、まち全体を子どもの遊びの場、学びの場、活動の場にしていく子どもにやさしいまちづくりが求められている。
 このまちづくりのなかに子どもの貧困対策を位置づけ、まち全体で子どもの育ち・生活を支えていくことが重要になっている。なお、子どもにやさしいまちはすべての人にやさしいまちであることにも留意しておきたい。

 ◆ おわりにかえて
 全国的に注目されている取り組みの多くは、目の前の子どもの「生きる」こと自体に向き合い、その子どもの「安心」と「最善の利益」を一つひとつ考え応えていくことから生まれている。
 例えば、大阪・釜が崎の子どもの居場所「こどもの里」を営む荘保共子さんは、「子どもたちの生き様から、子どもの持つ力を教えられた。問題解決力・自己治癒力・感じる力・個性の力・人と繋がろうとする力・親を慕う力・レジリアンシー(跳ね返す力)等は輝く子どもの『内なる生きる力』。この子どもたちが持つ力を受け止め、信じるおとながいて、寄り添うことで、子どもたちは『生きるしんどさ』を乗り越えていくことができる」(「子どもの権利研究」28号〔日本評論社〕参照)という。
(あらまきしげと)

『子どもと教科書全国ネット21ニュース 112号』(2017.2)


パワー・トゥ・ザ・ピープル!! パート2

子どもの権利条約 
一般的意見12号:意見を聴かれる子どもの権利(1)

子どもの権利委員会 
第51会期(2009年5月25日〜6月12日)採択 
CRC/C/GC/12(原文英語〔ワード〕) 
日本語訳:平野裕二〔日本語訳全文(PDF)

目次 
I.はじめに 
II.目的 
III.意見を聴かれる権利:子ども個人の権利および子ども集団の権利
  • A.法的分析
  • B.意見を聴かれる権利および条約の他の規定との関係
    • 1.第12条と第3条
    • 2.第12条、第2条および第6条
    • 3.第12条、第13条および第17条
    • 4.第12条と第5条
    • 5.第12条と子どもの権利一般の実施
  • C.さまざまな場面および状況における意見を聴かれる権利の実施
    • 1.家庭における実施
    • 2.代替的養護における実施
    • 3.保健ケアにおける実施
    • 4.教育および学校における実施
    • 5.遊び、レクリエーション、スポーツおよび文化的活動における実施
    • 6.労働現場における実施 → 以下、意見を聴かれる子どもの権利(3)
    • 7.暴力の状況下における実施
    • 8.防止戦略の策定における実施
    • 9.移住および庇護に関わる手続における実施
    • 10.緊急事態下における実施
    • 11.全国的および国際的場面における実施
  • D.意見を聴かれる子どもの権利を実施するための基本的要件
  • E.結論

意見を聴かれる子どもの権利 

 子どもの権利条約第12条は次のように規定している。 

「1.締約国は、自己の見解をまとめる力のある子どもに対して、その子どもに影響を与えるすべての事柄について自由に自己の見解を表明する権利を保障する。その際、子どもの見解が、その年齢および成熟に従い、正当に重視される。
 
2.この目的のため、子どもは、とくに、国内法の手続規則と一致する方法で、自己に影響を与えるいかなる司法的および行政的手続においても、直接にまたは代理人もしくは適当な団体を通じて聴聞される機会を与えられる。」〔国際教育法研究会訳〕
訳者注/政府訳は次のとおり。この日本語訳では国際教育法研究会訳を基本とするが、view(s)は「意見」とするほか、適宜政府訳も参照する。 
「1 締約国は、自己の意見を形成する能力のある児童がその児童に影響を及ぼすすべての事項について自由に自己の意見を表明する権利を確保する。この場合において、児童の意見は、その児童の年齢及び成熟度に従って相応に考慮されるものとする。 
2 このため、児童は、特に、自己に影響を及ぼすあらゆる司法上及び行政上の手続において、国内法の手続規則に合致する方法により直接に又は代理人若しくは適当な団体を通じて聴取される機会を与えられる。」

I.はじめに

1.子どもの権利条約(条約)第12条は、人権条約では他に例を見ない規定である。そこでは、子どもの法的および社会的地位について扱われている。子どもは、一方では成人が有する全面的自律性を有しないが、他方では権利の主体である。第1項は、自己の意見をまとめる力のあるすべての子どもに対し、その子どもに影響を与えるすべての事柄について自由に意見を表明する権利を保障するとともに、子どもの意見がその年齢および成熟度にしたがって正当に重視されるとしている。第2項は、とくに、子どもが、自己に影響を与えるいかなる司法的および行政的手続においても、意見を聴かれる権利を認められなければならないと述べている。 

2.意見を聴かれ、かつ真剣に受けとめられるすべての子どもの権利は、条約の基本的価値観のひとつを構成するものである。子どもの権利委員会(委員会)は、第12条を条約の4つの一般原則のひとつに位置づけてきた(他の一般原則は、差別の禁止に対する権利、生命および発達に対する権利、ならびに、子どもの最善の利益の第一義的考慮である)。これは、同条はそれ自体でひとつの権利を定めているというのみならず、他のあらゆる権利の解釈および実施においても考慮されるべきであることを強調するものである。 

3.1989年に条約が採択されて以来、第12条の実施を促進するための立法、政策および方法論の発展という面で、地方、国、地域および国際社会のレベルで相当の進展が達成されてきた。近年、ひとつの広範な実践が行なわれるようになってきており、これは、第12条では用語としては用いられていないものの、広く「参加」として概念化されてきている。この用語は、子どもとおとなの間の、相互の尊重にもとづいた情報共有および対話を含み、かつ、自分の意見とおとなの意見がどのように考慮されてプロセスの結果を左右するのかを子どもたちが学びうる、継続的プロセスを指すものとして発展し、広く用いられるようになったものである。
 
4.締約国は、子どもに関する〔国連〕総会第27回特別会期において、第12条を実現することに対する決意を再確認した[1]。しかし委員会は、世界中のほとんどの社会で、自己に影響を与える広範な問題について自分の意見を表明し、かつその意見を正当に考慮される子どもの権利の実施が、長年にわたる多くの慣行および態度ならびに政治的および経済的障壁によって阻害され続けていることに留意する。困難は多くの子どもによって経験されているが、委員会は、一部のグループの子ども(より幼い男女の子どもならびに周縁化されたおよび不利な立場に置かれた集団に属する子どもを含む)が、この権利の実現において特段の障壁に直面していることを、とくに認識するものである。委員会はまた、現に行なわれている実践の多くのものの質についても、依然として懸念する。第12条の意味内容、および、すべての子どもを対象として同条を全面的に実施する方法についての理解を深める必要がある。
[1] 総会が2002年に採択した決議S-27/2「子どもにふさわしい世界」(A world fit for children)。
5.2006年、委員会は、意見を聴かれる子どもの権利についての一般的討議を開催した。その目的は、第12条の意味および重要性、他の条項との有機的関連、ならびに、間隙、よい実践、および、この権利の享受を前進させるために対応しなければならない優先的問題について模索することにあった[2]。この一般的意見は、その日に行なわれた(子どもとのものを含む)情報交換、締約国報告書の審査における委員会の経験の蓄積、ならびに、政府、非政府組織(NGO)、コミュニティ組織、開発機関および子どもたち自身が行なっている、第12条に定められた権利を現実のものにしようとするきわめて重要な専門的知見および経験から生まれたものである。
[2] 意見を聴かれる子どもの権利に関する一般的討議(2006年)の勧告を参照。入手先:http://www2.ohchr.org/english/bodies/crc/docs/discussion/Final_Recommendations_after_DGD.doc
6.この一般的意見では、まず第12条の2つの項の法的分析を示し、その後、とくに司法上および行政上の手続等においてこの権利を全面的に実現するための要件について説明する(A)。Bでは、第12条が条約の他の3つの一般原則とどのように結びついているか、および、他の条項とはどのような関係にあるかについて取り上げる。さまざまな状況および環境において意見を聴かれる子どもの権利が何を必要とし、かつどのような影響を及ぼすかについては、Cで概観する。Dではこの権利を実施するための基本的要件を掲げ、Eで結論を提示する。 

7.委員会は、締約国が、政府および行政機構の部内において、ならびに子どもたち及び市民社会に対して、この一般的意見を広く普及するよう勧告する。そのためには、これを関連の言語に翻訳すること、子どもが理解しやすい版を利用可能とすること、一般的意見の意味合いおよび最善の実施方法について議論するためのワークショップやセミナーを開催すること、および、子どものためにおよび子どもとともに働くすべての専門家の研修にこれを組みこむことが必要になろう。

II.目的

8.この一般的意見の全般的目的は、第12条の効果的実施に関して締約国を支援することである。これに際し、一般的意見では以下のことを追求する。
  • 第12条の意義ならびにそれが政府、利害当事者、NGOおよび社会一般にとって有する意味合いについての理解を強化すること。
  • 第12条の全面的実施を達成するために必要な立法、政策および実践の範囲について詳細に明らかにすること。
  • 委員会のモニタリングの経験を活用しながら、第12条の実施における積極的アプローチに光を当てること。
  • 自己に影響を与えるすべての事柄について子どもの意見を正当に重視するための適切な方法の基本的要件を提案すること。

III.意見を聴かれる権利:子ども個人の権利および子ども集団の権利

9.この一般的意見は、意見を聴かれる子ども個人の権利と、子ども集団(たとえばある学級の学童、近隣地域の子どもたち、ある国の子どもたち、障害のある子どもたちまたは女子)に対して適用される意見を聴かれる権利という、委員会が設けている区分にしたがって構成されている。条約は、締約国は子どもの年齢および成熟度にしたがって意見を聴かれる子どもの権利を確保しなければならないと定めているので、これは妥当な区分である(後掲・第12条第1項および第2項の法的分析を参照)。 

10.年齢および成熟度の条件は、子ども個人が意見を聴かれるとき、および、子ども集団が意見表明を選択する際にも評価することが可能である。ある子どもの年齢および成熟度を評価する作業は、当該集団が家族、学童の学級または特定の近隣地域の住民といった持続的社会構造の一構成要素である場合には行ないやすくなるが、子どもたちが集団的に意見を表明する場合にはより困難となる。たとえ年齢および成熟度を評価するにあたって困難に直面したとしても、締約国は、意見を聴かれるべき集団として子どもたちをとらえるべきであり、委員会は、締約国が、集団的に声をあげる子どもたちの意見に耳を傾け、またはこのような意見を求めるためにあらゆる努力を行なうよう強く勧告する。 

11.締約国は、子どもが自由な意見をまとめることを奨励すべきであり、かつ子どもが意見を聴かれる権利を行使できるような環境を提供するべきである。
 
12.子どもたちが表明する意見は妥当な視点および経験を付け加えてくれる可能性があるのであって、意思決定、政策立案および法律および措置の準備ならびに(または)その評価において考慮されるべきである。 

13.このようなプロセスは通常、参加と呼ばれている。意見を聴かれる子どもまたは子どもたちの権利の行使は、このようなプロセスに不可欠な要素のひとつである。参加の概念においては、子どもたちを包摂することは一時的行為としてのみ位置づけられるべきではなく、子どもの生活に関連するあらゆる文脈における政策、プログラムおよび措置の発展について子どもたちとおとなたちが熱心な意見交換を行なう出発点となるべきことが重視される。 

14.委員会は、この一般的意見のA節(法的分析)で、意見を聴かれる子ども個人の権利について取り上げる。C節(さまざまな場面および状況における意見を聴かれる権利の実施)では、子ども個人および集団としての子どもたち双方の意見を聴かれる権利について検討する。

A.法的分析

15.条約第12条は、自己に影響を与えるすべての事柄について自由に意見を表明するすべての子どもの権利、および、これらの意見をその子どもの年齢および成熟度にしたがって正当に重視される二次的権利を定めている。この権利は、この権利を承認し、かつ、子どもの意見に耳を傾けおよびそれを正当に重視することによってその実施を確保する明確な法的義務を、締約国に対して課すものである。この義務により、締約国は、自国の特有の司法制度との関連で、この権利を直接保障し、または子どもがこの権利を全面的に享受できるように法律を採択しもしくは改正することを要求される。 

16.しかし、子どもにはこの権利を行使しない権利がある。意見の表明は子どもにとっては選択であり、義務ではない。締約国は、子どもが、その最善の利益にかなう決定を行なうためにあらゆる必要な情報および助言を受けることを確保しなければならない。 

17.一般原則のひとつとしての第12条は、締約国が、条約に編入されている他のあらゆる権利の解釈および実施が同条を指針として行なわれることを確保するために努力すべきことを定めている [3]。
[3] 子どもの権利条約の実施に関する一般的措置についての委員会の一般的意見5号(2003年、CRC/GC/2003/5)参照。
18.第12条は、子どもにはその脆弱性(保護)またはおとなへの依存(条件整備)から派生する権利に留まらず、自己の人生に影響を及ぼす権利があることを明らかにしたものである [4]。条約は子どもを権利の主体として承認しているのであり、この国際文書が締約国によってほぼ普遍的に批准されていることは、第12条に明確に表れている子どものこのような地位を強調するものである。
[4] 条約に言及する際には、3つの「P」、すなわち条件整備(provision)、保護(protection)および参加(participation)が用いられることが一般的である。

1.第12条の文理的分析 
(a)第12条第1項 
(i) 「保障(確保)する」(shall assure) 
19.第12条第1項は、締約国が自己の意見を自由に表明する子どもの権利を「保障(確保)する」と定めている。「保障(確保)する」とは特別な強さを有する法的用語であり、締約国の裁量の余地をまったく残さない。したがって締約国は、すべての子どもを対象としてこの権利を全面的に実施するために適切な措置をとる厳格な義務を有する。この義務には、自己に影響を与えるすべての事柄について子どもの意見を求め、かつこれらの意見を正当に重視するための機構が設けられることを確保するための、2つの要素が含まれる。
 
(ii) 「自己の意見をまとめる力(形成する能力)のある」(capable of forming his or her own views) 

20.締約国は、「自己の意見をまとめる(形成する)力のある」すべての子どもに対し、意見を聴かれる権利を確保するものとされる。この文言は、制限としてではなく、むしろ自律的見解をまとめる子どもの能力を可能なかぎり最大限に評価する締約国の義務としてとらえられるべきである。すなわち、締約国は、子どもに自己の意見を表明する能力がないとあらかじめ決めてかかることはできない。逆に、締約国は、子どもには自己の意見をまとめる力があると推定し、かつそれを表明する権利があることを認めるべきである。子どもがまず自己の力を証明しなければならないわけではない。 

21.委員会は、第12条では子どもの意見表明権に何らの年齢制限も課されていないことを強調するとともに、締約国に対し、法律または実務において、自己に影響を与えるすべての事柄について意見を聴かれる子どもの権利を制約するような年齢制限を導入しないよう奨励する。これとの関連で、委員会は以下のことを強調するものである。
  • 第一に、乳幼児期における子どもの権利の実施に関する一般的討議後の勧告において、委員会は、権利の保有者としての子どもという考え方が「子どもの日常生活のなかに、もっとも早い段階から、……根づく」べきであると強調した [5]。調査研究の結果、子どもは、たとえ言語で自らを表現できない時期であっても、もっとも幼い年齢のころから意見をまとめられることがわかっている [6]。したがって、第12条を全面的に実施するためには、遊び、身振り、表情およびお絵描きを含む非言語的コミュニケーション形態を認識しかつ尊重することが必要である。非常に幼い子どもたちも、このような手段を通じて理解、選択および好みを明らかにする。
  • 第二に、自己に影響を与える事柄のあらゆる側面について子どもが包括的知識を有している必要はないが、その事柄に関する自己の意見を適切にまとめることができるのに十分な理解力は必要である。
  • 第三に、締約国には、自己の意見を聴いてもらううえで困難を経験している子どもたちを対象としてこの権利の実施を確保する義務もある。たとえば障害のある子どもは、自己の意見の表明を容易にするうえで必要ないかなるコミュニケーション形態も用意されるべきであるし、それを使えるようにされるべきである。マイノリティ、先住民族および移住者の子どもならびにマジョリティ言語を話せないその他の子どもに意見表明権を認めるための努力も行なわれなければならない。
  • 最後に、締約国は、この権利の軽率な実践がもたらす可能性のある否定的結果も認識しておかなければならない。とりわけ、非常に幼い子どもが関与する場合、または子どもが犯罪、性的虐待、暴力その他の形態の不当な取り扱いの被害者である場合にはこれが該当する。締約国は、意見を聴かれる権利が子どもの全面的保護を確保しながら行使されることを確保するため、あらゆる必要な措置をとらなければならない。
[5] CRC/C/GC/7/Rev.1, para.14.〔一般的討議勧告パラ10〕 
[6] Cf. Lansdown, G., “The evolving capacities of the child”, Innocenti Research Centre, UNICEF/Save the Children, Florence (2005).
(iii) 「自由に自己の意見を表明する権利」(the right to express those views freely) 

22.子どもは「自由に自己の意見を表明する権利」を有する。「自由に」とは、子どもは圧力を受けることなく自己の意見を表明でき、かつ意見を聴かれる権利を行使したいか否か選べるということである。「自由に」とはまた、子どもは操作または不当な影響もしくは圧力の対象にされてはならないということも意味する。「自由に」とはさらに、子ども「自身」の視点と本質的に関連するものである。子どもには、他人の意見ではなく自分自身の意見を表明する権利がある。 

23.締約国は、子どもの個人的および社会的状況を考慮した意見表明の条件と、子どもが自己の意見を自由に表明する際に尊重されておりかつ安心できると感じられる環境を、確保しなければならない。 

24.委員会は、子どもは必要な回数以上に事情聴取の対象とされるべきではないことを強調する。有害な出来事の究明が行なわれるときはなおさらである。子どもの「聴取」は困難なプロセスであり、子どもに対してトラウマをもたらすような影響を与える可能性がある。 

25.自己の意見を表明する子どもの権利を実現するためには、その事柄、選択肢、ならびに、子どもの意見を聴く担当者および子どもの親または保護者が行なう可能性のある決定およびそれがもたらす結果について、子どもに情報が提供される必要がある。子どもにはまた、どのような条件下で意見表明を求められるかについての情報も提供されなければならない。情報に対するこのような権利は、それが子どもが明快な決定を行なうための前提であるだけに、必要不可欠である。 
(iv) 「その子どもに影響を与えるすべての事柄について」(in all matters affecting the child) 

26.締約国は、子どもが、その子どもに「影響を与えるすべての事柄について」意見を表明できることを確保しなければならない。これが、この権利の第二の限定要件である。子どもは、議論の対象となっている事柄がその子どもに影響を与える場合に意見を聴かれなければならない。この基本的条件は、尊重され、かつ広義に理解されなければならない。
 
27.〔旧国連〕人権委員会が設置し、条約の規定を起草した、期限および参加資格等のない作業部会は、これらの事柄を定義する手段として子ども(たち)の意見の考慮を制限するリストを掲げようという提案を受け入れなかった。そうではなく、意見を聴かれる子どもの権利は「その子どもに影響を与えるすべての事柄」に及ぶべきであることが決定されたのである。委員会は、検討対象とされている事柄が子どもたちに影響を与えていること、および子どもたちがその事柄について自己の意見を表明できることが明らかである場合でさえ、子どもたちが意見を聴かれる権利をしばしば否定されていることを懸念する。委員会は、「事柄」を幅広く定義し、条約で明示的に言及されていない問題も対象とすることを支持する一方で、「その子どもに影響を与える」という一節が、一般的な政治的議題が意図されているわけではないことを明確にするために付け加えられたことを認識するものである。しかし、子どものための世界サミットを含む実践は、子ども(たち)に影響を与える事柄を広く解釈することが、そのコミュニティおよび社会の社会的プロセスに子どもたちを包摂するうえで役に立つことを実証している。したがって締約国は、子どもたちの視点によって解決策の質が高まりうる場合は常に、その意見に注意深く耳を傾けるべきである。 

(v) 「子どもの意見が、その年齢および成熟度に従い、正当に重視〔相応に考慮〕される」(being given due weight in accordance with the age and maturity of the child) 

28.子どもの意見は「その年齢および成熟度に従い、正当に重視され」なければならない。この一節は子どもの力に言及したものであり、子どもの意見を正当に重視するため、または子どもの意見がプロセスの結果にどのように影響したのかを子どもに伝えるためには、その子どもの力を評価する必要がある。第12条は、子どもの意見に耳を傾けるだけでは不十分であり、子どもに自己の意見をまとめる力があるときはその意見が真剣に考慮されなければならないと定めているのである。 

29.第12条は、年齢および成熟度にしたがって正当に重視することを要求することにより、年齢だけで子どもの意見の重要性を決定することはできないことを明確にしている。子どもの理解力の水準はその生物学的年齢と一律に関連づけられるわけではない。調査研究の示すところによれば、子どもの意見形成能力の発達には、情報、経験、環境、社会的・文化的期待ならびに支援水準のいずれもが寄与している。このような理由から、子どもの意見は事案ごとの検討にもとづいて評価されなければならない。 

30.成熟度とは、特定の事柄の意味するところを理解しおよび評価する力を指すものであり、したがって子ども個人の力を判断する際に考慮されなければならない。成熟度を定義するのは困難である。第12条の文脈では、これは諸問題に関する自己の意見を合理的にかつ独立に表明する子どもの力を意味する。その事柄が子どもに及ぼす影響も考慮されなければならない。結果が子どもの人生に及ぼす影響が大きいほど、その子どもの成熟度を適切に評価することは重要性を増す。 

31.子どもの発達しつつある能力という概念ならびに親の指示および指導も考慮する必要がある(後掲パラ84およびC参照)。 
(b)第12条第2項 
(i) 「自己に影響を与えるいかなる司法的および行政的手続においても……聴聞〔聴取〕される」権利(the right “to be heard in any judicial and administrative proceedings affecting the child) 

32.第12条2項は、とくに「自己に影響を与えるいかなる司法的および行政的手続においても」聴聞される機会が与えられなければならないと定めている。委員会は、この規定は子どもに影響を与えるあらゆる関連の司法手続に制限なく適用されることを強調するものである。このような手続には、たとえば、親の別居、監護、ケアおよび養子縁組、法律に抵触した子ども、身体的・心理的暴力、性的虐待その他の犯罪の被害を受けた子ども、保健ケア、社会保障、保護者のいない子ども、庇護希望者・難民の子どもならびに武力紛争その他の緊急事態の被害を受けている子どもに関わる手続が含まれる。典型的な行政的手続には、たとえば、子どもの教育、健康、環境、生活条件または保護に関する決定などがある。いずれの種類の手続にも、調停および斡旋のような代替的紛争解決機構が用いられる場合があろう。 

33.聴聞される権利は、子どもが開始した手続(不当な取扱いに対する苦情申立ておよび停退学への異議申立てなど)にも、他人が開始した手続であってその子どもに影響を与えるもの(親の別居または養子縁組など)にも適用される。締約国は、司法的または行政的手続で決定を行なう者に対し、子どもの意見がどの程度考慮されるのかおよび子どもにとってどのような結果が生じるのかを説明することを要求する、立法上の措置を導入するよう奨励されるところである。
 
34.畏縮をもたらすような環境、敵対的な環境、配慮のない環境または子どもの年齢にふさわしくない環境では、子どもから効果的に聴聞することは不可能である。手続は、アクセスしやすく、かつ子どもにとってふさわしいという両方の条件を備えていなければならない。子どもに理解しやすい情報の提供および伝達、子どもがみずから権利擁護を行なうための十分な支援、適切な訓練を受けたスタッフ、法廷の設計、裁判官および弁護士の服装、視覚の遮蔽設備ならびに独立した控え室に対してとくに注意を払う必要がある。 
(ii) 「直接にまたは代理人もしくは適当な団体を通じて」(either directly, or through a representative or an appropriate body) 

35.子どもは、聴聞に応じることを決心した後、どのような方法で――「直接にまたは代理人もしくは適当な団体を通じて」――聴聞されるかを決定しなければならない。委員会は、いかなる手続においても、可能な場合には常に、子どもに対して直接に聴聞される機会が与えられなければならないことを勧告するものである。 

36.代理人には、(両)親、弁護士またはその他の者(とくにソーシャルワーカー)がなることができる。ただし、多くの(民事、刑事または行政)事案において、子どもとそのもっとも自明な代理人((両)親)との間には利益相反のおそれがあることを強調しなければならない。子どもの聴聞が代理人を通じて行なわれるときにもっとも重要なのは、代理人が、子どもの意見を意思決定担当者に正確に伝達することである。その方法は、子どもが置かれている特定の状況に応じ、子ども(または必要なときは適切な公的機関)によって決定されるべきである。代理人は、意思決定プロセスのさまざまな側面に関する十分な知識および理解ならびに子どもとの活動経験を有していなければならない。 

37.代理人は、自分はもっぱら子どもの利益を代弁しているのであって、他人((両)親)、制度または機関(たとえば居住型施設、行政または社会)の利益を代弁しているわけではないことを自覚しなければならない。子どもの意見を代弁するために任命される代理人を対象とした行動規範が策定されるべきである。 
(iii) 「国内法の手続規則と一致する方法で」(in a manner consistent with the procedural rules of national law) 

38.代理・代弁の機会は「国内法の手続規則と一致する方法で」与えられなければならない。この一節は、この基本的権利の享受を制約しまたは妨げる手続法の使用を認めたものとして解釈されるべきではない。逆に、締約国は、防御権および自分自身に関する書類にアクセスする権利のような、公正な手続の基本的規則を遵守するよう奨励されるところである。
 
39.手続規則が遵守されないときは、裁判所または行政機関の決定は異議申立ての対象となり、覆され、別段の決定が行なわれ、または裁判所によるさらなる検討のために差し戻される場合がある。

2.意見を聴かれる子どもの権利を実施するための段階的措置 

40.第12条の2つの項を実施する際には、ある事柄が子どもに影響を与えるあらゆる場合に、または子どもが公式の手続その他の場面で意見を述べるよう求められる場合に意見を聴かれる子どもの権利が効果的に実現されるようにするため、5つの段階的措置をとることが必要である。これらの要件は当該文脈にふさわしいやり方で適用されなければならない。 

(a) 準備 
41.子どもの意見を聴く責任者は、子どもには自己に影響を与えるあらゆる事柄について、および、とくにいかなる司法的および行政的意思決定プロセスにおいても意見を表明する権利があることに関して、および、表明された意見が結果にどのような影響を及ぼすかに関して、当該の子どもが知らされることを確保しなければならない。子どもに対してはさらに、やりとりは直接にまたは代理人を通じて行なう選択肢がある旨の情報も提供されなければならない。意思決定担当者は、聴聞がどのように、いつおよびどこで行なわれるかならびに誰が参加するかについて説明することにより子どもが十分な心構えを持てるようにするとともに、この点に関わる子どもの意見を考慮しなければならない。 

(b) 聴聞 
42.意見を聴かれる権利を子どもが行使する際には、意見を表明しやすい、励ましに富んだ環境が用意されなければならない。子どもが、聴聞の責任者であるおとなは自分が伝えようと決めたことに耳を傾け、かつそれを真剣に考慮することに対して積極的であると確信できるようにするためである。子どもの意見を聴く者としては、子どもに影響を与える事柄に関与しているおとな(たとえば教員、ソーシャルワーカー、ケアワーカー等)、機関の意思決定担当者(たとえば機関の長、管理職、裁判官等)または専門家(たとえば心理学者や医師)などが考えられる。 

43.経験の示すところにより、このような状況においては一方的な吟味よりも談話の形式がとられるべきである。子どもの聴聞は公開の法廷ではなく秘密が守られる条件下で行なわれるのが望ましい。 

(c) 子どもの力の評価 
44.子どもの意見は、個別事案ごとの分析によりその子どもに自己の意見をまとめる力があることが示されたときは、正当に重視されなければならない。子どもに合理的かつ独立に自己の意見をまとめる力があるときは、意思決定担当者は、問題の解決における重要な要素のひとつとして子どもの意見を考慮しなければならない。子どもの力の評価に関わる望ましい実践を発展させていく必要がある。 

(d) 子どもの意見がどの程度重視されたかに関する情報(フィードバック) 
45.子どもは自分の意見が正当に重視される権利を享有しているので、意思決定担当者は、子どもに対してプロセスの結果を知らせ、かつ子どもの意見がどのように考慮されたかを説明しなければならない。このようなフィードバックは、子どもの意見が形式的に聴かれるだけではなく真剣に受けとめられることの保障である。このような情報がきっかけとなって、子どもはあくまで自己の意見を主張し、同意しもしくは別の提案を行なうか、司法的・行政的手続の場合には上訴もしくは不服申立てを行なう可能性もある。
 
(e) 苦情申立て、救済措置および是正措置 
46.意見を聴かれ、かつそれを正当に重視される権利がないがしろにされかつ侵害された場合の苦情申立て手続および救済措置を子どもたちに提供するための立法が必要とされる [7]。子どもたちは、苦情の声をあげるため、あらゆる子ども施設、とくに学校および保育所において、オンブズマンまたはこれに相当する役割を果たす者に相談する可能性を保障されるべきである。子どもたちは、これらの者がどういう人であり、かつどうすればこれらの者にアクセスできるかを知っていなければならない。子どもの意見の考慮に関して家庭内で紛争が生じたときは、子どもが地域青少年サービスの関係者に相談できるようにするべきである。
[7] 子どもの権利条約の実施に関する一般的措置についての委員会の一般的意見5号(2003年、CRC/GC/2003/5)、パラ24参照。
47.意見を聴かれる子どもの権利が司法的および行政手続との関連で侵害されたとき(第12条第2項)は、子どもは、権利侵害に対する救済措置を提供してくれる異議申立ておよび苦情申立ての手続にアクセスできなければならない。苦情申立て手続においては、手続を利用しても暴力または処罰のおそれにさらされることはないと子どもが確信を持てるようにするための、信頼のできるしくみが用意されなければならない。



  • 更新履歴:ページ作成(2011年5月2日)。

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