国連人権理事会において、 今年10月31日(水) 14:30–18:00に日本政府の第2回UPR審査が行われ、11月2日(金)15:00–18:00に報告書が採択されます。
言論・表現の自由を守る会は、2月21日に外務省人権人道課主催第2回UPR審査に向けたNGOの意見交換会参加にあたり以下の意見書を提出し、発言しました。
UPR(普遍的・定期的レビュー) 政府報告に関する意見交換会 意見書
人権NGO 言論・表現の自由を守る会
意見:
1. 見出し
個人通報制度の即時批准と、公選法と国家公務員法改正による参政権の確立を求める勧告と社会権規約第3回日本政府報告書審査及び拷問等禁止条約第2回日本政府報告書審査の年内実施を求めます。
2. 内容
◆①個人通報制度の即時批准について勧告し、特別調査官を派遣してください。
◆②公選法と国家公務員法改正の緊急実施を求め勧告し、戦争宣伝を禁止する法律の制定を求め勧告してください。
◆③社会権規約委員会第3回日本報告書審査・拷問禁止委員会第2回日本政府報告書審査緊急実施を指示してください。
1、個人通報制度の批准を拒否し続け、勧告に反論し敵視した結果、参政権が未確立の日本において、大地震とフクシマ原発の事故による放射能汚染に被害が甚大です。
2、2008年に、自由権規約委員会が勧告した公職選挙法の文書配布と戸別訪問禁止規定と全面一律に国家公務員の政治活動を禁止している国家公務員法を撤回する法改正が実現しておらず、今も日本では、参政権が確立しておらず、大震災直後、多くの人々が不安の中で全国各地に避難を余儀なくされて失業と貧困に苦しんでいる中、火事場泥棒のように、4月に地方選挙が強行された。
その結果、習志野市の20歳代の投票率は20・85%であり、首都東京や大阪を中心に21世紀の日本でファシズムが台頭している。【自由権規約18条・19条・20条・25条違反】
3、教育現場において、かつての侵略戦争の旗印とされた「日の丸」と、侵略戦争の最高責任者だった天皇の代が千年も万年も続きますようにという国歌「君が代」の起立斉唱が強制され、教師が大量に処分され、裁判も自由権規約の適応例はなく不当判決ラッシュで、学校での精神的拷問はますます深刻化している。
【自由権規約18条・社会権規約・子どもの権利条約・拷問等禁止条約】
4、政府は10年前の社会権規約委員会の勧告に対して、翌年反論し、下記の勧告を周知もせず実施もしていない。
「原子力施設の安全性に関連する問題で、周辺住民に対して、全ての必要な情報の透明性及び公開性を促進することを勧告し、締約国には、原子力事故の予防及び事故が起きた際の迅速な対応のための準備計画を策定することを要求する」と勧告している。
今なおフクシマの人々は全く、この勧告も条約も知らない。
5、日本の大学の法学部では、国際人権規約は必修ではなく、司法試験にも国際人権条約はなく、法学部の国際人権担当の教授も、人権条約を「絵に描いた餅」として理解している。法学部卒業生の大半が全く知らない。 裁判官・検察官・弁護士を目指す司法修習生の研修においても、たった1単位2時間の講義しかなく、国会議員も大臣も国家公務員も全くと言っていいほど、勧告も条約も知らない。
以上
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資料1、 国連人権理事会の新人権審査制度「UPR(普遍的定期的審査)」の概要 2008年2月6日
国際人権問題委員会
≪UPRとは≫
−2006年に国連人権機構改革により新設された人権理事会により行われる新しい制度で、4年毎に全ての国連加盟国の人権状況が審査される(ただし、理事国は任期中に審査を受ける)
−2007年6月、国連人権理事会で、UPR制度の概要が決まり、2008年から開始される
−日本は理事国として、2008年5月のUPR作業部会で審査を受け、その結論は2008年6月の人権理事会正式会合で採択される(第1回日本審査のためのNGO 等から国連人権高等弁務官事務所に対する情報提供期限は2008年2月8日)
≪審査の基準≫
① 国連憲章
② 世界人権宣言
③ 審査対象国が締約国となっている人権条約
④ 理事国選挙や人権理事会での演説等で表明された審査対象国の自主的な誓約
⑤ 適用可能な国際人道法
≪ 審査の基礎となる情報≫
① 審査対象国の政府報告書(最大20頁)
② 国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)が作成する条約機関・特別手続等の国連文書の要約(最大10頁)
③ OHCHR が作成するNGO 等利害関係者から提供された情報の要約(最大10頁)
≪ 審査の具体的な流れ≫
① 審査の基礎となる文書の作成提出
② 理事国の中からくじで選ばれた各審査対象国の審査担当となる3ヶ国の代表(トロイカ報告者)が審査事項及び質問を作成し、審査対象国に送付
③ 作業部会(人権理事会と同じ構成=47理事国+オブザーバー参加の国連加盟国)での審査
・ 1ヶ国の審査は3時間で“建設的な対話”として行われる
・ トロイカ報告者が審査を担当
・ NGO は参加できるが発言はできない
・ トロイカ報告者が起案した審査報告書を作業部会で採択
④ 人権理事会本会合(47理事国+オブザーバー参加の国連加盟国)への作業部会報告書提出・討議・結論採択
・ 作業部会で採択された審査報告書の報告
・ 結論採択前に審査対象国、他の国連加盟国の他、NGO も発言の機会がある
・ 結論採択のための討議は1ヶ国につき最長1時間
⑤ 結論の実施・フォローアップ
≪ 自由権規約委員会等条約機関による報告書審査制度との違い・関係≫
− 条約機関による報告書審査は締約国対象、UPRは国連全加盟国が対象
− 条約機関による報告書審査は個人専門家による審査、UPRは国家による相互審査
− UPRは条約機関の報告書審査と重複せず、これを補足し、価値を付加するものとされている
− 条約機関の総括所見はUPR審査の基礎情報とされる
≪UPRにおけるNGOの参加・役割≫
− 審査対象国の自主的誓約はUPRの基準とされ、結論に盛り込まれる
→ 政府に対し、自主的誓約を表明するよう働きかける
− 政府報告書審査の作成過程において、政府はNGOと協議することが奨励される
→ 政府に対し、NGOとの協議を求める
− NGOは審査の基礎となる情報をOHCHR に提出できる
− NGOはUPR作業部会及び結論が採択される人権理事会本会合に参加し、人権理事会本会合では、結論採択前に発言ができる(トロイカ報告者・理事国・他の加盟国への働きかけ)
− 理事国政府に対し、代表団に専門家を含めるよう、特にトロイカ報告者として専門家を指名するよう働きかける
− 理事国政府に対し、他の審査対象国の人権状況における発言について働きかける
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資料2、
UPR(普遍的・定期的レビュー)の概要 / 外務省HP 平成24年1月
1.UPR設立の経緯
国連では、人権分野への対処能力強化を目的として、2006年3月に採択された総会決議に基づき、同年6月までの人権委員会に替えて人権理事会が創設された。
その後、人権理事会は制度構築を1年かけて行い、2007年6月に制度構築の合意テキストが採択され、「UPR(普遍的・定期的レビュー)」制度が具体化された。2008年4月より審査を実施。
UPRは、人権理事会の創設に伴い、国連加盟国(193ヶ国)全ての国の人権状況を普遍的に審査する枠組みとして盛り込まれた制度。
(1)国連加盟国各国は4年半で全ての国が審査される。審査基準は、国連憲章、世界人権宣言、当該国が締結している人権条約、自発的誓約、適用されうる人権法。
(2)審査は、1年間に3回、人権理事会の定期会合以外に開催される作業部会の形で行われる。作業部会における審査においては国連加盟国全てが議論に参加し、人権理事会理事国3ヶ国(くじ引きにより決定。「トロイカ」と呼称される。)が1チームとして被審査国の報告者国となる。NGOも作業部会を傍聴することが可能。
(3)各国の審査に要する作業時間は、作業部会における審査に3時間半、作業部会における報告の採択に30分、人権理事会本会合における審査結果の検討に1時間が当てられる。
(4)審査結果としての結果文書は人権理事会本会合で採択される。結果文書は、勧告及び(または)結論と被審査国の自発的誓約から構成される。被審査国及び人権理事会メンバー国、及びオブザーバー国(その他の国連加盟国)は、人権理事会本会議が結果文書を採択する前に右文書についての見解を表明する機会が与えられる。その他NGO等関連のある関係者も、同様の機会に一般コメントを述べる機会が与えられる。
3.UPR審査において基礎となる文書
審査は、下記3つの文書に基づいて行われ、当該文書は審査の6週間前までに用意されなければならない。
(2)人権高等弁務官事務所は、被審査国に関する国際条約機関及び特別手続による報告並びに関連する国連公用文書を編集した文書(10ページ以内)を準備する。
我が国は2008年5月の第2回作業部会においてUPR審査を受けた。審査に先立って我が国の人権状況に対する報告書を2008年3月に提出。
2008年5月9日に行われた我が国の審査において、報告者国(トロイカ)はフランス、インドネシア、ジブチの3ヶ国が務め、審査においては、我が国の人権状況の中で、女性や児童の人権、代替収容制度、死刑制度、人身取引等に関して各国から発言・勧告が行われた。審査の結果文書は2008年5月14日に作業部会で採択された後、2008年6月の第8回人権理事会本会合で正式に採択された。採択に際し、各国から出された勧告への対応を文書で国連に提出した。
5.今後のスケジュール
2011年10月の第12回審査をもって、国連加盟国全ての国の第1サイクルの審査が終了。
資料3、 UPR2ラウンド目の、日本政府審査の日程
TENTATIVE TIMETABLE FOR THE FIRST SESSION OF THE 14TH SESSION OF THE UPR WORKING GROUP (22 OCTOBER – 5 NOVEMBER 2012)
2nd week
Wednesday 31 October 14:30–18:00 Review of Japan
Friday 2 November 15:00–18:00 Distribution of the Zambia and Japan