■日本の人権の開国を急げ!
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徐京植氏の和田春樹氏に対する全面批判の論稿を読んで(上)
〜「従軍慰安婦」問題をめぐる日韓政治「決着」を考える(9)〜
2016 年 3 月 12 日
標題の連載テーマについて 1 月 28 日に 8 回目の記事を書いてから、次は朴裕河『帝国の慰安婦』論やら、上野千鶴子氏の「従軍慰安婦」論について論評したいと思いながら、長らく中断してしまった。
今回、続編を書こうと思い立ったのは今朝の『ハンギョレ』新聞に「日本知識人の覚醒を促す 和田春樹先生への手紙」と題する徐京植(ソギョンシク)氏の長文の寄稿が掲載されたことを知ったのがきっかけである。まずは、 3 回に分けて掲載された徐氏の論稿の URL と小見出しを書き出しておきたい。
徐氏の論稿の構成
( 1 ) http://japan.hani.co.kr/arti/international/23573.html
・「最終解決」
・暗鬱な風景
・初心
・「第四の好機」
( 2 ) http://japan.hani.co.kr/arti/international/23576.html
・アジア女性基金
・亀裂
・初期設定の誤り
・逆方向のベクトル
・現実主義
・当事者のため?
( 3 ) http://japan.hani.co.kr/arti/international/23577.html
・朴裕河現象
・「邪悪なる路」
理よりも「同志的」心情を立てる日本社会にとっての反面教師
徐氏の論稿に触発された―――言うまでもなく無批判的な「共感」ではない―――のは 2 つの理由からである。
一つは、徐氏が、「私自身の肉親も含めて、苦難を嘗めた者たちからみれば、恩人ともいえる」和田春樹氏に対し、心情を絡めず、和田氏の「和解の思想」に対し徹底した理性的全面的な批判を展開している点である。
たとえば、徐氏は、和田氏がアジア女性基金を推進する中心的人物に就いたことに「驚愕した」と記し、 1953 年、日韓会談が「久保田発言」で中断されたとき、当時 17 歳の高校生であった和田氏が、「昔のことはすまなかったという気持ちを日本側がもつか持たぬかは会談の基礎、この点について歩み寄りの余地はない」という韓国側の主張は「朝鮮民衆の声」であり傾聴されるべきだと思った、そのとき以来、自分は日本国民の考えが改められるように願ってきた、と語ったことを振り返り、「その思いがなぜアジア女性基金推進へと繋がっていくのか、論理がうまくつながりません」と疑問を突きつけている。
さらに、徐氏は、「当事者のため?」という小見出しがついた箇所で、基金の「償い金」支給事業を正当化するときに、よく用いられる「被害当事者は高齢化しており残り時間は少ない。せめて償い金を受け取ってもらって心の安らぎを与えたい」という物言いを「国家責任回避装置であるアジア女性基金 に『道徳』」という粉飾をこらす機能を果たしている」と切り込み、こうしたレトリックの普及に小さくない役割を買って出た「〔和田〕先生は徹頭徹尾、国家によって利用されたということになるでしょう」と断罪している。
日本社会では、「世間」と称される空間ばかりでなく、左派とかリベラルとか称される人々の間でも、否、そうした人々の間ではよけいに、過去の親交とか「同志的配慮」とやらを理由(口実?)にして、原理原則に関わる意見の相違を脇に置く傾向が強まっているように見受けられる。それが強権政治や右派イデオロギーと思想的に対峙できない脆弱さの原因にもなっている。
今回の徐氏の寄稿は、このような日本社会の理性よりも心情を立てる陥穽、長い目で見た共同の意思の思想的底上げよりも、当座の協調を重んじる機会主義的言動の危うさに身をもって警鐘を鳴らすかのような論理の切れの良さ、鋭さがちりばめられている。この点に私は魅せられた。
日本のリベラル知識人の思想の真贋に対する問いかけ
私が徐氏の寄稿に注目したもう一つの理由は、「日本知識人の覚醒を促す」という寄稿のメイン・タイトルにもあるように、徐氏が和田春樹氏の「和解の思想」の質を問うだけでなく、「リベラル」という枕詞を付けられる日本の知識人の思想の質の真贋にまで鋭く、仮借なく切り込んでいる点である。
たとえば、寄稿の(3 )で徐氏は「朴裕河現象」を取り上げ、同書の歴史認識と「和解の思想」の特徴的な誤りを鋭く指摘すると同時に、「朴教授の著作そのものよりも深刻な問題は、それが日本で持てはやされている現象です」と危惧を提起している。
この点をさらに、踏み込んで徐氏は、「『帝国の慰安婦』には(しばしば互いに矛盾する)いろいろなことが書かれていますが、執拗に繰り返される核心的主張は、慰安婦連行の責任主体は『業者』であり『軍』ではない、『軍』の法的な責任は問えない、というものです」と指摘すると同時に、「この主張は、実際のところ、長年にわたる日本政府の主張と見事に一致しています」、「安倍首相が『人身売買の犠牲者』という言葉を使うのも、『業者』に責任転嫁して国家責任を薄めようとする底意を表しています」と続けている。
ここで徐氏が強調するのは、「嘆かわしいことは、このような朴教授の著書が日本ではいくつかの賞を受賞し、人気を得ている現象」である。徐氏は「なぜ、こういうことが起こるのだろうか?」と自問、かつての自著「和解という名の暴力」で述べた次のような推論を改めて記している。
「朴裕河の言説が日本のリベラル派の秘められた欲求にぴたりと合致するからであろう。/彼らは右派の露骨な国家主義には反対であり、自らを非合理的で狂信的な右派からは区別される理性的な民主主義者であると自任している。しかし、それと同時に、近代史の全過程を通じて北海道、沖縄、台湾、朝鮮、そして満州国と植民地支配を拡大することによって獲得された日本国民の国民的特権を脅かされることに不安を感じているのである。」
徐氏のこの前段の指摘は、以前、この私設のブログにもコメントとして紹介があった。正直な感想として、「日本国民の国民的特権を脅かされることに不安を感じている」という意識が日本のリベラル派にも浸透しているとまで私は考えていない。この点では徐氏と認識を異にしている。
「お詫び」は日本人が自らの「良心」を慰めるためのものではなかったか?
しかし、ありていに言うと、安倍政権批判を繰り広げる日本の市民の間で―――さらに、そのような行動を呼びかけているメンバーや革新政党の間でもーーーアジア女性基金が「被害者救済のためではなく、まして、日本国家の責任を明らかにして新たな連帯の地平を切り開くためでもなく、日本人が自らの『良心』を慰めるためのものだったのではないのか。それは謙虚の衣をまとった自己中心主義ではないのか、その心性を克服することこそが問われている課題ではないのか」(徐氏、今回の寄稿の( 2 ))という洞察をどこまで理解できるのか、この問題にどれほど関心を向け、理性的に考える思想を持ち合せているのかという疑問を私は拭えないでいる。
こうした疑義、批判、思想面のもろさは、昨年 12 月の日韓「合意」の際に安倍首相が従軍「慰安婦」問題について韓国政府に「お詫び」の言葉を伝え、「日本軍の関与」を認めたことを以てーーー「不可逆的」という条件が付けられたことも、 10 億円の拠出と交換条件で日本政府が「少女像」の撤去を要求したという加害国と被害国の関係を倒錯したような外交にも一切触れず―――「慰安婦」問題の解決に向けた前進と評価した日本の革新政党にも、当てはまる。
徐氏も指摘するように、この日韓「合意」はアジア女性基金設立の時と同じ「和解の思想」を低意とし、韓国政府がそれに卑屈に同調した結果、成立したものである。そこでも、日本政府の「お詫びの言葉」は、朝鮮半島の「被害者救済のためではなく、まして、日本国家の責任を明らかにして新たな連帯の地平を切り開くためでもなく、日本人が自らの『良心』を慰めるためのものだったのではないのか」という根本的疑義を私は持っているし、なによりも当の被害者や韓国社会にそのような疑義や不信が今も渦巻いている。こうした事実について黙して語らずの態度のまま、立憲主義の基礎には個人の尊厳を重んじる思想があると当の革新政党に言われても心底から信任はできないのである。
替えられし弁当の砂に額伏せて食(は)めばたちまち喚声あがる
喚声にかこまれて食(は)む砂の粒声こらえつつ地を這うわれは
隠滅のはてに還らぬ慰安婦ら朝鮮おみなと知れば悲しく
侵略戦争語らず詫びず恥じるなく戦後を了(お)えて日本は強し
(李正子『鳳仙花のうた』磯貝治良・黒古一夫編『<在日>文学全
集 17 巻 詩歌集』 2006 年、勉誠出版、に収録)
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《戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会》
◆ 紙芝居「安保関連法、これからどうなるの?」
解釈で憲法9条を壊すな!街宣チーム製作 動画12:19
多くの人たちが安保関連法=戦争法に反対する中、参議院で9/19に強行採決されました。この写真は8/30のもので、国会前に12万人、なんと全国1000箇所以上で、安保法=戦争法に反対のアクションが行われました。
⇒①めくる
この左側の地図の赤い風船が、8/30に全国で行われた反対運動の場所です。真っ赤ですね。
今現在も、世代や立場の違いを超え、連日デモや集会、このような街頭宣伝などが全国で行われています。
是非「デモ一覧」「デモ情報」とインターネットで検索してみてください。
⇒②めくる
これは強行採決のあとの共同通信、毎日新聞、朝日新聞、読売新聞の世論調査です。どこの調査でも、審議や議論はつくされていない、説明が足りない、強行採決はよくなかったという声が大半です。
⇒③めくる
そもそもこの法律は成立したのでしょうか?
特別委員会の規則に反し、地方公聴会の報告もされず、こんなもみくちゃな状態で採決をしたなんて信じられますか?議事録も残っておらず、後付けで採決と書き足されました。これでは特別委員会の意味すらなくなってしまいます。総括質疑をすると言っていた安倍総理は「国民の皆さまに丁寧に説明をしていく」と散々言っておきながら、特別委員会には出席しませんでした。これらのことを多くの野党議員、学者、弁護士らが問題視しています。
⇒④めくる
憲法学者が共同で、そもそも憲法違反の法律は無効だとして裁判に訴える動きも出てきています。
安保法は違憲だと憲法学者の99%が言っています。
あたり前ですよね。憲法9条で戦争を放棄しているのですから。
憲法は法律よりも上にある、私たちの国の最高の決まり。この憲法に違反する法律は憲法98条で無効だと定められています。
⇒⑤めくる
「安全保障関連法」ビフォーアフター という一覧表を作りました。
●今まで「非戦闘地域」=自衛隊派遣期間中は戦闘の可能性がない地域に自衛隊を派兵する場合、その都度国会で法律を作り、承認を経ていました。それを、「今現在、戦闘がされてない場所=近々戦闘が行われるかもしれない場所も含む」に、国会を通さず、いつでも派兵できるようになります。
しかし政府は既成事実をどんどん積み重ねて、「もうそうなってしまったのだから仕方ない」と私たちに諦めさせようとしています。
安保法で以前と比べて何がどう変わったのか、皆さんはご存知ですか?
まだご存じない方にわかりやすくご説明したいと思います。
●国連の平和維持活動のみだったのを、国連が関わらない活動にも参加できるようにしました。
●武器は、自衛隊員が護身用に使うだけだったのが、他国軍や民間人の警護にも使えるようにしました。
●日本の周辺に限られていた米軍への支援が、世界中どこでも地球の裏側まで、できるようになってしまいました。
○しかもその支援の中身が、「水・食糧・燃料」という救援物資のみだったのに、弾薬などの兵器や兵士などの軍事物資も運べるようになってしまいました。人道支援から、軍事支援という大転換ですね。
後方支援と言っても、弾薬や兵士を運んでいれば、敵に攻撃目標とされます。これは非常に危険な行為です。
●そして集団的自衛権の行使容認。
今まで平和憲法9条の元、武力、戦争を放棄してきたわたしたちの国。
⇒⑥めくる
日本が外国から直接攻撃された場合に防衛する個別的自衛権のみ権利として認められるとされてきました。
なのに、同盟国が攻撃されたとき、日本が攻撃されてもいないのに反撃する、他国のケンカにしゃしゃり出る、集団的自衛権の行使を容認してしまいました。
ですから、この安全保障関連法は「戦争法」なんだと言われても仕方ない訳です。
政府が南スーダンにいる自衛隊員に、さっそく駆けつけ警護などの訓練をさせると報道がありました。NGOの職員のために駆けつけ警護をすると政府は言いますが、NGOの人たちは言っています。武器を身に着けた自衛隊員がいる方が敵と見なされ危険だ。自衛隊は来ないでくれ、日本人は武器を持たず戦争をしない国だからこそ現地で信頼され、安全に活動して来れたのだと。331の国際NGO団体が、安保法に反対の声明を出しています。
⑦
必要なのは、軍事支援ではなく、水や食べ物、住居、教育支援などではないですか?
なぜ南スーダンの石油の利権の争いに自衛隊員が命を投げ出さねばならないのでしょうか?
武力で平和が守られるとか、武力が抑止力になるという人たちは、もう忘れてしまったのでしょうか?
沖縄は本土決戦準備のために捨て石とされ、集団自決に追い込まれるなど日本軍によって多くの住民が命を奪われました。
満州では、現地の日本人を関東軍は置き去りにし、自分たちだけ逃げて見殺しにしました。
軍隊や武力が私たちの命を守るなんて妄想です。
⑧
10月1日に安倍政権は閣議決定で武器輸出のための防衛装備庁を設置しました。メイドインジャパンの武器が戦争に使われ、世界の人々を殺すことになります。
このパレスチナ人の少女は、日本人に言いました。「どうか兵器を売らないで下さい。その兵器がわたしたちを殺します。日本の人々はいい人たちだと、私は信じています」と。私たちの良心が、行動が、問われています。
⇒⑨めくる
決められる政治だとか、衆議院、参議院ねじれ解消だとかの結果がこれです。
消費税が上がって、社会保障は充実するどころか、受け取る年金や児童手当は下げられています。私たちが払う保険料、医療費はどんどん値上げされています。
防衛費も上がっています。人を殺すための武器に、私たちのおさめた税金が使われます。
戦争はお金がかかります。でも一部の武器商人や政治家は儲かります。
アメリカは日本に日本にお金も若者の命も肩代わりさせて、節約できます。そのために作った法律だということに、気がついた人たちが反対しているのです。
⇒⑩めくる
この表を見てください。
自民公明の得票数が2653万、それ以外の得票数が3309万で実は野党の方が上回っているのです。
なのに議席数は逆転しています。これは小選挙区制という選挙制度のせいです。
一つの選挙区から一人しか当選しないので、落選者に投票した人の分は死に票になってしまう。民意とかけ離れた議席数になっています。
選挙で決まったことに反対するなという人がいますが、その選挙の中身、制度をよく見てみてください。
⇒⑪めくる
自民党に投票した人は、たったの2割。
今8割の人がその2割の人が決めたことに従わざるを得なくなってしまっています。なんだかおかしいですよね?
投票率が低いことで、強い支持組織を持っている政党が有利になります。
でもこの、42%の人が、野党に投票すれば、未来は変わります。
選挙に行きましょう!投票で自分の意思を示しましょう!
戦争法に賛成した議員には入れない!安倍政権の暴走を、私たちの力で止めましょう!
⇒⑫めくる
未来の教科書に、今の時代がどう書かれるか、想像したことはありますか?
先の戦争を生きた大人たちに「なんで戦争を止められなかったの?」と聞きたくなったことはありませんか?
ある戦争体験者は言いました。
⑬
「なんだかよくわからない法律が次から次へと作られて、危ないな、と気が付いた時には【戦争反対】と言えるような雰囲気ではもうなくなっていた。思ったことを正直に言えない息苦しい社会だった」と。
安倍政権は解釈で9条の意味を変えてしまうだけではなく、実際に憲法改正を行おうとしています。
私たちを守り、権力者をしばる憲法が壊されようとしています。
自由にものを言える社会が失われてしまうかもしれません。
実際マイナンバーや秘密保護法などで、すでに監視社会がはじまっていますよね?
今ならまだ戦争反対と言えます。
仲間はたくさんいます。どうか一歩だけ踏み出して、2000万人統一署名をしてみてください。反戦デモや集会にも参加してみましょう。お配りしているチラシを読んでみて下さい。「総がかり」でインターネットで検索してみてください。
戦争に繋がる道をここでくいとめ、次の世代のためにも平和な未来を私たちの手で作りましょう!
『戦争させない・9条壊すな!総がかり行動』
紙芝居「安保関連法、これからどうなるの?」
http://sogakari.com/?p=1192
パワー・トゥ・ザ・ピープル!! パート2
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The 5th Annual Conference of Japan Association for Human Security Studies will be held on 12-13 December 2015 at International Christian University.
第五回人間の安全保障学会学術大会は、2015年12月12-13日に国際基督教大学にて開催されます。
News/最新情報
9 Nov. The Programme is now available here . プログラムを公開 しました。
4 Nov. Official poster is now available. ポスターを公開しました。
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Concept Note
21 years after the publication of the 1994 Human Development Report which introduced the term to the academic and policy communities, Human Security has finally come of age. Adopted by the United Nations General Assembly in 2012 and institutionalized within the UN system through the Trust Fund for Human Security, Human Security is a basic policy goal of the Japanese government. However, definitions of Human Security often appear vague and contradictory limiting its relevance to international relations and public policy. This conference seeks to critically evaluate some of the tensions which lie at the ‘vital core’ (Commission on Human Security 2003) of Human Security and to examine different ways in which the concept of Human Security can be used as an analytical tool…continue reading
Timeline/今後の予定
10/15: Deadline for submission of abstracts Extended】 発表原稿締め切り【締め切り延長】
11/9: Program finalized and uploaded to website.【Extended to 9 Nov.】 プログラム確定 【11/9に延期】
11/30: Deadline for submission of papers 発表論文提出締め切り
12/12-13: Conference 学術大会
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直接民主制
民主主義が成立するためには、市民が自分たちの権利を知り、政治参加することが不可欠となる。しかし現在多くの民主主義国家が、市民教育不足による市民の政治離れという問題を抱えている。スイスの市民教育においても、改善の余地はあるとされている。
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■ 国連「表現の自由」に関する特別報告者が突然来日を延期。
日本政府が土壇場でキャンセル (伊藤和子) - 個人 - Yahoo!ニュース
■ 突然の公式訪問のキャンセル
国連 「表現の自由」に関する特別報告者デビット・ケイ氏(米国人・国際法学者)が、12月1日より8日まで日本への 公式訪問調査 を予定されていました。
国連のオフィシャルなウェブサイトに日の丸マークで、
Agreed with dates from 1 December 2015 to 8 December 2015
(訳:2015年12月1日から8日の日程で合意された)
と記載されています。受入国政府との間で合意されたということを意味し、受け入れ合意がないものはこのウェブサイトには掲載されません。
国連「表現の自由」に関する特別報告者 といえば、2013年に 特定秘密保護法 が多くの反対を押し切って国会で通過した前後の時期に、前任者であるフランク・ラ・ルー氏が、国民の知る権利や報道の自由を脅かす危険性がある、ということで強い懸念を表明し、日本政府に対して再考を求めたにもかかわらず、政府がこうした国連の声を全く顧みずに、採決に進んでしまった経緯があります。
それに加え、最近日本では、 メディアに対する公権力の介入とみられる事態 が続き、戦後かつてないほど、言論・表現の自由・報道の自由が危機に晒されているといえるでしょう。
こうした状況もあり、国連「表現の自由」に関する 特別報告者の来日はまさに時機を得たもの だと言えるでしょう。
ところが、驚いたことに、つい最近になってこの公式訪問が 日本政府の都合でキャンセル になったとのことです。
前代未聞のことで私はとても驚きました。
ケイ氏自身 が11月18日付のTwitterでDisappointedとこの キャンセルについてつぶやき 、多数リツイートされるなどして既に国際的にも問題になっています。
■ どうしてキャンセルなのか
ではどうしてキャンセルなのでしょうか。デビット・ケイ氏本人が事情を説明しています。
彼のブログを英語ですが紹介しましょう。
During my presentation before the Third Committee of the General Assembly in October, I was able to announce that the Government of Japan had issued me an invitation to conduct an official visit from 1 to 8 December. A visit would be an important moment to evaluate certain aspects of freedom of expression in the country, such as the implementation of the 2013 Act on Specially Designated Secrets (about which the Human Rights Committee expressed concern last year), online rights, media freedom, and access to information.
・・これを和訳してみますと、
「10月に国連総会第三委員会でプレゼンテーションをした際、私は日本政府が、12月1日から8日にかけての私の公式訪問に対する招待を日本政府から受け取ったことをアナウンスすることが出来た 。この訪問は、国連自由権規約委員会 が昨年懸念を表明した2013年制定の「特定秘密保護法」の実施、インターネット上の権利、報道の自由、知る権利などの日本の表現の自由に関する一定の側面を評価する重要な機会となりえただろう。」
ということです。
この文章は以下のように続きます。
We had been deep in the work of setting up meetings and preparing for the visit. Unfortunately, last Friday, the Permanent Mission of Japan in Geneva indicated that my visit would not take place as the Government would not be able to arrange meetings with relevant officials. The Government suggested postponing the visit until the fall of 2016.
I asked the Japanese authorities to reconsider their decision, but the Mission confirmed to me yesterday that the visit will not go forward and is now canceled.
・・これを和訳してみますと、
私たちは、会合の設定や訪問準備に深く関与してきた。先週金曜日、残念ながら、ジュネーブの日本政府代表部は、関係する政府関係者へのミーティングがアレンジできないため、訪問は実施できないと伝えてきた。日本政府は、2016年秋まで訪問を延期すると示唆した 。私は日本政府当局に対し、彼らの決定を再考するように要請 した。しかし、ジュネーブの日本政府代表部は昨日、公式訪問は実施できず、今やキャンセル されたと確定的に伝えてきた 。
■ 浮かび上がる疑問
しかし実に不思議な話です。10月段階 ですでに日本政府は公式訪問をOKしていたのです 。その段階で、ミーティングがアレンジできないという事情はなかったはずでしょう。そのような事情があれば、OKを出す前に伝えるはずです。
実は福島原発事故後 に国連「健康に対する権利」特別報告者のアナンド・グローバー氏 が来日調査を行いましたが、2011年秋に訪問したいと言ったところ、日本政府は「まだ震災復興で日本全体が大変な状況で、対応できません」と述べて一年延びた ことがあります。
今回は特にそのような事情もなく、10月時点でOKを出していたわけで、なぜ事情が変わったのでしょうか。
また、12月1日から8日までという長い間いるわけですから、政府関係機関とのミーティングがアレンジできないというのも不思議な話です。表現の自由を所轄する政府機関はどこで、誰が会えない、会いたくないといったのだろうか 、というのも疑問です。
政府一丸となって、国連と会わないぞ、という姿勢を徹底している のでない限り、会えないという理由を合理的に説明することは困難なように思われます。
共同通信等の配信記事によれば、
外務省 は「予算編成などのため万全の受け入れ態勢が取れず、日程を再調整する」 と説明している。
とのことです。しかし、外務省のウェブサイトを見る限り、ひっきりなしに要人が訪れ、もっと予算に関わりそうな話を展開している模様。
なぜこの件だけ、事前にOKしたのに、予算を理由に断るのか、理解が出来ません。
そして、予算が理由であれば、なぜ来年秋までひっぱる理由もないはずで、もっと早期にリスケジュール できるはずです。
是非、国会で背景事情を質問するなどして聞いていただきたいところですが、臨時国会も開催されていないため、何もできない状況で、様々な意味で日本の現在の状況を象徴する事態となってしまっています。
■ 民主主義国として極めて異例な対応
日本は、国連の特別報告者によるいかなる調査も受け入れるオープンな国 であるという表明を2011年に出しており、このことは国際社会から高く評価されてきました。
ところが今回、国連の公式訪問に対して正式なInvitationを出しておいて、2週間前に断るという、通常あり得ないこと になったわけです。
独裁国家ならいざ知らず、国連と合意した公式訪問調査日程をドタキャンするというのは普通の民主主義国、人権を大切にする国ではほとんど例を見ない、極めて遺憾なことです。
近年、日本政府が国連の人権機関からの勧告に従わないどころか、敵対的な姿勢を示すことがしばしば であり、国際的にも問題視されつつあります。そうした歴史に新たな負の一ページをつけ加えてしまうことはとても残念です。
特定秘密保護法や政府の言論介入 など、最近の政府の対応に対しては、厳しい勧告が出ることが予想されますが、仮に、厳しいことを言われたくないので調査を拒んだとすれば、あまりに幼稚というべきではないでしょうか。
日本政府には国際社会との人権に関する対話の道を閉ざす 方向に進んでほしくない、と切に願います。
また、国連特別報告者の来訪というのは大変貴重な予算や資源を使った重要な機会であるのに、それを無駄にしてしまったということも考えてみなければならないでしょう。
表現の自由に関しては、日本以外にもとても深刻な問題を抱えている国もあります。こんな直前のドタキャンでなければ、ほかの国に行けたかもしれないのに、結局貴重な訪問枠を潰してしまった ことになるわけです。
海外の深刻な言論弾圧に関する活動もしている私たちヒューマンライツ・ナウとしては、そうしたことにも思いを馳せざるを得ません。
■ メディアこそ、もっと取り上げるべきでは。
ケイ氏のブログはこのように終わっています。
Of course, I hope that the visit will be rescheduled. In the meantime, we will continue to engage with the Government as we do with all governments through regular communications, meetings in Geneva and New York, and other opportunities as they arise.
和訳すれば・・もちろん、私も新しい訪問日程のスケジュールが決まることを希望する。同時に、日常的な意思疎通や、ジュネーブ、ニューヨークでの会合やその他の機会を通じて、日本政府には他の政府と同様に関与を継続していく。
とのことですね。
NGOの間でも外務省に問い合わせたり、早期訪問を求めるなど、相談をしているところです。
しかし今回の問題はメディア、表現の自由に関わること、
日本のメディア こそが、こうした事態をきちんと報道したほうがいいのではないでしょうか。
そもそも、高度な言論・表現の自由が保障されてきた日本で、
報道の自由、言論の自由が危機的な状況に陥り、国連が心配して調査に入るような事態 になってしまったこと自体深刻に受け止めるべきです。
そして、その調査についても政府が突然ドタキャンしてしまう、そのような動きも報道せず、スルーするということで、果たして権力へのチェック機能がきちんと果たせるのでしょうか。
政府のあり方も、メディアのあり方も、問われています。
『伊藤和子 - 個人 - Yahoo!ニュース』(2015年11月20日)
http://bylines.news.yahoo.co.jp/itokazuko/20151120-00051621/
パワー・トゥ・ザ・ピープル!! パート2