◆ 【ノーベル賞】世界上位の受賞数を誇る日本には、
なぜ女性受賞者が1人もいないのか (BuzzFeed Japan)
東京工業大学栄誉教授の大隅良典さんが医学・生理学賞を受賞した。これで、日本人のノーベル賞受賞者は25人(外国籍の取得者も含む)と、世界で7番目になった。【BuzzFeed Japan / 籏智広太】
とくに21世紀に入ってからは16人と「受賞ラッシュ」が続く。この数は、アメリカに次いで2番目の多さだ。
◆ でも、女性受賞者は一人もいない。
世界ではいままで、
48人の女性がノーベル賞を受賞しているのに(男性は800人以上だけれども)。
自然科学分野に限れば、女性受賞者は17人。数は多くはないが、それでも21世紀に入ってからは7人と、ペースは着実に上がっている。
女性初の受賞者は、ポーランド出身のマリー・キュリー(フランス国籍)。
「キュリー夫人」として知られている彼女は、1903年にノーベル物理学賞を、1911年には化学賞を取っている。
ちなみに、娘のイレーヌ・ジョリオ=キュリーも、1935年にノーベル化学賞の受賞者だ。
◆ 昨年はアジアで初めての女性が受賞した。
中国の屠ユウユウさん。北里大学特別栄誉教授の大村智さんたちと、医学・生理学賞を共同受賞した。
男性の「受賞常連国」であるアメリカ、イギリス、フランス、ドイツなどの国からは、すでに女性受賞者が出ている。
◆ なんで受賞ラッシュにわく日本は、ゼロなのか。
「ノーベル賞量産国日本で、なぜ女性受賞者がでないのか」という論文を書いている、小川眞里子・三重大名誉教授(科学史・科学論)はBuzzFeed Newsの取材にこう語る。
「
女性の研究者が少なく、裾野が広がっていないことが一番の要因です」
内閣府が
女性研究者の割合を国際比較したグラフを見ても、
日本は堂々の最下位だ。
日本は14.7%と、ブービーの韓国と4ポイント差。いちばん高いポルトガルは45.4%。アメリカは34.3%だ。
◆ 博士課程修了者の数で見ても、圧倒的に女性が少ない。
EUが発表した欧米35カ国の
博士課程修了者に占める女性比率(2012年)を見ると、
日本は28.4%と、堂々のブービー。
日本より低いのは地中海に浮かぶマルタ(25.0%)だけ。EU27カ国の平均(45.6%)を大きく下回っている。
ちなみに
アメリカは53.4%と、過半数が女性。フランス、ドイツ、イギリスも42.6〜45.2%と割合は高い。
◆ 政府もこの状況を認識している。
今年、閣議決定された「科学技術基本計画」には、こんな文言がある。
”多様な視点や優れた発想を取り入れ科学技術イノベーション活動を活性化していくためには、女性の能力を最大限に発揮できる環境を整備し、その活躍を促進していくことが不可欠である。我が国の研究者全体に占める女性の割合は増加傾向にあるものの、主要国と比較するといまだ低い水準にとどまっている”
自然科学系全体で
女性の研究者を30%にするという5年前の目標値もあるが、25.4%(2012年)と、まだ達成できていない。
出産・育児や介護の負担に対するインフラ整備など、
女性研究者への支援策が追いついていないことが、要因の一つだ。
たとえば独立行政法人・国立女性教育会館が2012年に大学教員2736人を対象に実施したアンケートでも、女性研究者比率が低い理由として
「家庭と仕事の両立が困難」がいちばんの理由
(54.6%)に挙げられている。
文部科学省では昨年度から、「研究と出産・育児・介護等との両立や女性研究者の研究力の向上を一体的に推進」することを目的にした支援策
「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ」を新たに始めた。
子育てをしている研究者のために保育施設を使いやすくしたり、妊娠・出産による研究の中断から復帰しやすくしたり、
「不公平な処遇」を受けないようにしたりーーなどの支援策を実施する研究機関が対象になる。
◆ 「日本の支援は欧米に比べて、圧倒的に遅れている」と、小川さんは言う。
「欧米では80年代から女性研究者を支援するプログラムが充実していました。もちろん海外でも女性受賞者は少ないですし、研究者の割合も50:50にはなっていない。まだまだなところもありますが、
日本は圧倒的に遅れています」
「女性も含めた多様な人材が集まることによって、より大きな技術的飛躍が可能であるとして、欧米ではダイバーシティを重要視している。ノーベル賞受賞という目的だけではなく、日本の科学技術全体のためにも、女性研究者が研究を続けていけるようになってほしいですね」
男女に関わらず、研究者が、自らの研究に没頭できるための環境づくり。それはがいま、いちばん求められていることなのだ。
『BuzzFeed Japan - Yahoo!ニュース』(2016年10月4日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161004-00010007-bfj-soci
パワー・トゥ・ザ・ピープル!! パート2