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2017年5月14日(日)晴れ


今日は、積雪期の前穂高岳を登る

ダイレクトルンゼの日帰りガイドです。


依頼をいただいた方は

仕事の関係で連休が取れないため

日帰りでアタックしたいとのことでした。


当初は4月から計画していましたが

予定していた日程では天候や雪の状況が悪く

3回もアタックが延期になって

今日が4回目となりました。


私のガイド登山やアルパインクライミングルートでは

ゲストの方に楽しく登っていただいて

素晴らしい景色を楽しんでいただくために

ベストコンディションの日程を選んで

アタックすることにしています。


せっかく遠くまで登りに行くのですから

快適に登って、景色が見えないと本当にもったいないです。(^^)


今日のルートは下記の写真の赤いラインになります。


この写真はFBの山グループの方よりいただきました。

ありがとうございます。


イメージ 31


岳沢小屋から奥明神沢を2700mまで登って

ここからダイレクトルンゼに入り

前穂高岳山頂を目指して登って行きます。


今年は雪雪稜が多く

このルートはルンゼを登って行くため

雪崩や落石に合う確率が高くなりますので

しっかりと条件のそろった時にアタックしなければ

かなりの危険が伴います。


12日には標高の高い所では雪やアラレになっていて

雪は不安定な状況になっていましたが

13日の高層天気図で気温を確認してみると

3000m以上まで雨になっていました。


雨量も多かったため沢沿いの不安定な雪も雪崩れてしまうか

溶けてしまうと予想できました。


ただし雨が降った後に気温が下がってきます。

そして、このルートは登る時間帯では太陽が当たらないため

雪の表面がクラストして固くなっているのは間違いありません。


クラストしていると登りやすくなりますが

滑落するとかなり下まで止まらない可能性もあるので

安定したステップをしっかりと作りながら登る必要があります。


今日はその点を注意しながら登る事となります。


ゲストの方とは沢渡バスターミナルで待ち合わせをして

釜トンネルのゲートが開く時間に合わせて

タクシーで上高地へ向かいました。


上高地から見る奥穂岳方面は

またたっぷりと残雪がありますね。


イメージ 1


河童橋でお決まりの記念撮影。


イメージ 2


ここから長い1日が始まります。(^^)

頑張りましょう!!


イメージ 3


今日は本当に素晴らしい青空が広がっています。


イメージ 4


樹林帯を抜けて雪渓に出ると

雪が固くしまっているので

ここからアイゼンを装着しました。


奥明神沢もかなり雪が固いでしょうね。


イメージ 5


イメージ 6


上高地から1時間45分で岳沢小屋に到着。

明神岳から朝日が昇って来ました。


イメージ 7


霞沢岳。


イメージ 8


乗鞍岳。


イメージ 9


岳沢小屋前のテラスで一休みして準備完了。

前穂高岳へ出発です。


イメージ 10


出発前に地図を見ながら

ゲストの方に今日のルートの説明をします。


注意するのは2700mの分岐点。

ここは雪が多いと3つのルンゼができているので

間違えないようにする必要があります。


今日は天気がいいので問題ありませんが

視界が無い時には要注意です。


視界がなければ

高度計を見ながら2700m地点に来たら

コンパスで前穂高岳の方向を確認します。


あらかじめ線を引いておけば誤差が少なくなります。


緑は明神のコル経由のエスケープルートです。


イメージ 11


真中の奥明神沢はまだ日陰ですが

西穂〜奥穂の稜線の沢では

太陽があたってきたため

雪崩が出始めました。


イメージ 12


予想どおり

奥明神沢はクラストして雪が固くしまっています。


イメージ 13


イメージ 14


しっかりと蹴りこめばステップは作れるので

確実に登って行きます。


イメージ 15


2700m地点に着いたところで

先行で登っていた男女2人パーティから


「GPSだと夏道からずいぶんと離れているんですけどルートはどこですか??」


と言う質問が。。。

目が点になりました。。。


積雪期に前穂高岳に登る時には

夏道の重太郎新道は通りません。

ルートの確認もせずに登ってきているようです。


ダイレクトルンゼの方向を教えると

そのまま登って行きましたが。。。

大丈夫か???


イメージ 16


ここが2700mの分岐点。

左がダイレクトルンゼ、真中が無名のルンゼ、右が奥明神沢。


真中のルンゼにもトレースがついていたので

かなり急峻なルンゼですが

誰かが間違って登って行ったようです。


イメージ 17


ダイレクトルンゼもかなりの傾斜で

雪が固いため雪を何度も蹴りこんで

ステップを確実に作って登って行きます。


下の写真は奥明神沢。

コルからのトレースがしっかりと付いています。


イメージ 18


ダイレクトルンゼは相変わらずの固い雪で傾斜もかなりあります。


先行している2人組を見上げてみると

ザイルも使用しておらず

ピッケルワーク、アイゼンワークもまともにできていません。


急斜面の固い雪面なのに

ステップも作らずに登っているので

いつ滑落してくるのかヒヤヒヤものです。


滑落に巻き込まれたらたまらないので

フォールラインをずらして登ることにしました。


イメージ 19


焼岳をバックに。


雪は固いですが確実にステップを作って

ゲストの方に登ってきてもらいます。


イメージ 20


ダイレクトルンゼの上部。

見ただけでも固そうな雪です。


この雪面でも雪の固い所、柔らかい所があるので

柔らかい所を選んでしっかりとステップを作っていきます。


イメージ 21


しばらくして

先行の2人パーティに追いつきました。


あまりにも危ない登りをしているし

ルートも分かっていないようだったので

私が作ったステップを登ってきてもらうことになりました。


ダイレクトルンゼは

山頂に近づくにつれて傾斜が急になって

この2人パーティには危険すぎるため

ダイレクトルンゼを最後まで詰めていくことはやめて

途中から安全な尾根に出ました。


そして、岩稜を登って前穂高岳へ登るルートに変更しました。


イメージ 22


イメージ 23


この岩稜もそんなに簡単ではありませんが

今日の状態のダイレクトルンゼを

最後まで登って行くよりは遥かに安全です。


イメージ 24


そして無風快晴の素晴らしい青空の中を

11時22分に前穂高岳山頂に到着。


岳沢小屋から約3時間半でした。

時計の上に小さくボケて見えているのは槍ヶ岳です。


イメージ 25


奥穂高岳〜西穂高岳の稜線。


イメージ 26


槍ヶ岳。


イメージ 27


鹿島槍ヶ岳方面。


イメージ 28


イメージ 29


イメージ 30


この天気で山頂を踏むために

アタックを3回も延期してこの日を迎えました。


文句なしの絶景を堪能できて

ゲストの方には本当に喜んでいただけました。


イメージ 32


しばらくして

さっきの2人パーティも無事に山頂に到着。


最初は奥穂高岳まで行きたいと言っていましたが

2人のレベルでは絶対に無理なので

中止勧告をして下山してもらうことにしました。


下山ルートも分からないと言うので

私たちの後をついてきてもらうことに。。。


さすがにあの雪面のダイレクトルンゼを

あの2人に下らせることはできないので

岩稜を下って

明神のコルから奥明神沢を下山することにしました。


イメージ 33


と言っても

この岩稜は西穂岳の稜線よりはるかに難しく

マーキングもありませんので

ルートファインディングを確実にしなければ危険です。


イメージ 34


しかし、私たちの後を追って

なんとか下ってきているようです。


イメージ 35


明神岳をバックに。


イメージ 36


無事に明神のコルへ到着しました。


イメージ 37


太陽があたってきたため

雪はグサグサになっています。


イメージ 38


それでも傾斜はかなり急なので慎重に。


イメージ 39


暖傾斜になった頃には

奥明神沢にも太陽が当たっていました。


太陽の照り返しが暑いです。(笑)


イメージ 40


こちらの各沢では雪崩の音がしていて

登山者が叫びながら逃げ回っているのが見えました。


雪崩には巻き込まれなかったようですが。。。


イメージ 41


今日の奥明神沢とダイレクトルンゼは

ベストコンディションだったため雪崩の危険は全くありませんでした。


スキーで滑りたいぐらいの雪質です。(笑)


次回は、山頂からスキー滑降をしたいですね。(^^)


イメージ 42


無事に岳沢小屋に到着。

ここでやっと大休止です。


イメージ 43


しばらくして

先ほどの2人パーティも無事に下山してきました。

本当に無事でよかったですよ〜。


無事を確認してから下山開始です。


イメージ 44


イメージ 45


雪崩の後が凄いですね。


さっき雪崩で逃げ回っていた登山者も

無事に下山したようです。


イメージ 46


素晴らしい穂高岳の景色に後ろ髪をひかれながら

上高地へ向かいました。(^^)


イメージ 47


そして上高地へ到着。

出発から約10時間の

日帰り前穂高岳ダイレクトルンゼアタックが

無事に終了しました。


イメージ 48


天気、風、雪質とも滅多に揃わないようなベストコンディションでの登頂で

ゲストの方にも大変満足していただけて

本当に喜んでいただけたのが嬉しいです。(^^)

今日は長時間行動お疲れ様でした。


今日のゲストの方には

他にもたくさんの日帰り山行の依頼をいただいていますので

次回も快適な登山ができるようにしたい思っています。


日帰り速攻登山、クライミングなど

通常のツアーガイドでは無いようなご希望の方がいらっしゃいましたら

遠慮なくお問い合わせください。


できる限りご希望に添えるようなプランを検討いたします。


イメージ 49


イメージ 50

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