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現在、Fisher症候群の患者さんがいる。
Fisher症候群はGuillain-Barreの亜型で、急性の炎症性の多発神経炎である。Fisherは眼球運動障害、失調症、腱反射低下を特徴とする。検査では、電気生理では神経伝導速度は正常で、髄液で蛋白細胞解離があり、特定の抗体の上昇がみられる。典型的には、上気道炎の後、1週間ほどして発症し、その後、ピークを数週の内に向かえ、その後改善していく良性のしっかんである。治療は、免疫グロブリンの大量投与と血漿交換が同等の効果があるといわれている。ステロイドはそれだけではあまり効果が無い。しかし、免疫グロブリンと、ステロイドを併用することによって予後を改善させたという報告もある。
今回、うちの病院に来られたFisherの患者さんは上気道炎の後、眼球運動障害、失調により発症し、検査では、電気生理で神経伝導速度正常、髄液で蛋白細胞解離がみられ、血中の抗体の上昇も見られた。まさに典型的な経過であった。しかし、治療の開始をまたずして、改善傾向にあったため現在経過観察しているが、順調に無治療で改善している。免疫グロブリンや、血漿交換は症状のピークを早くし、予後を改善させる効果があるが、投与開始前に今回の症例ではピークを越えたので、使用しなかった。
Guillain-Barreでも10万人に1人程度の疾患なので、Fisher症候群はもっと少ないであろう。そのような病気でも、典型例を学ぶことによって、経験や知識が増えていく。
このように患者さんを通して、どんどん勉強していきたい。
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