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Yahooで懸賞小説を募集しており、初めて応募してみようかと思っています。 未発表作品との規定ですが、規定をよく読んだら課金なしならWebで公開していてもOKでした。 という訳で、恥ずかしながら・・・その作品をアップしていきたいと思います。 懸賞小説といっても、8000字以内のショートですから、ぜひ暇つぶしにお読みください。そして、感想やアドバイスをぜひお願いします。できれば教育的指導でも! ☆☆ ブログに掲載した後に少し直して、以下のURLにアップしました ☆☆ http://www.geocities.jp/jt_novel/uminokoe.html もし読んでいただけるなら、コチラの方が少しはマシかもしれません (後日追記) + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + 『海の声』 青山トンネルを歩いて抜けるのは、どうも好きになれない。車の排気ガスを 一週間分くらい、まとめて吸い込んでしまいそうな気がするからだ。バイトを 終えたぼくは、少しでも早くトンネルを抜けたいと足早に歩いていた。 「あの・・・」 どこから現れたのか、ひとりの少女が突然僕に話しかけてきた。小学校の高学年 くらいだろうか。薄いピンクのワンピースを着て、サンダルを履き、大きな麦藁 帽子をかぶっていた。こんな排気ガスの中ではなく、海辺にいる方が似合いそうな 少女だった。 「これ、どうぞ」 少女がぼくに手渡したものは、きれいな貝殻だった。ちょうど少女の服と同じ 薄いピンク色の巻き貝。少女の手のひらにちょうど納まるほどの大きさだった。 「どうしたの、この貝をぼくにくれるの?」 ぼくは、少女の目線の高さに合わせるために、腰をかがめて話しかけた。 「海の声が聞こえるの、これ」 少女は、とても整った顔立ちをしていたが、なぜか無表情で人形のようだった。 少女の言う『海の声』という表現も、少し変わっていて印象に残った。 「きれいな貝だね。でも、君が持っていた方がいいよ、きっと」 「だめ。もらってくれなきゃ」 大人のぼくが気圧されるほどの真剣な表情でそう言い残すと、少女は走り去って 行った。貝殻だけが、ぼくの手の中に残った。 そういえば子供の頃、巻き貝を耳に当てると波の音がすると聞いたことがあった。 試したこともあるように思うが、それがどんな音だったかよく思い出せなかった。 ぼくは少女にもらった貝殻を耳に押し当ててみた。すると、車の騒音に混じって、 かすかに波の音が聞こえる気がした。 「どうして、今日は車の音なの?」 その時、確かにそう聞こえた。車の騒音にかき消されそうな波の音、その波の音 にさえ、かき消されそうなさらに弱々しい声。さっきの少女の声に似てはいたが、 少女の声ではなかった。目を閉じて『波の音』に集中していたぼくは、あわてて 貝を耳から離した。 ぼくは反射的に後ろを振り向いたのだが、そこには誰も見当たらなかった。ただ 車の流れが、ぼくを次々に追い越して行くだけだ。貝殻を耳に当てていたせいで、 空耳が聞こえたのだろうか。ぼくは、もう一度貝殻を耳に当ててみた。 「わたしが波の音だけでは飽きてしまうから?でも、わたしは波の音が大好き」 今度は、騒音にも負けないはっきりとした声が聞こえた。 「えっ?」 ぼくは、思わず少し大きな声を出してしまった。 「いま、誰かの声が聞こえたわ」 その声は、間違いなく貝殻から聞こえてきた。ぼくは訳が分からないまま、貝殻 に向かって中途半端な「あー、うー」と間の抜けた声を出してみた。まじめに貝殻 に話しかけるほど、状況の理解と頭の整理ができていなかったからだ。 「ふふ。どうせなら、もう少しましな言葉を聞かせてよ」 ぼくは、向こうから近づいてくる一組のアベックが通り過ぎるのを待って、今度 は普通に貝殻に向かって話しかけてみた。 「もしもし、聞こえますか?」 「はい、よく聞こえます」 「はい、こちらもよく聞こえます」 やはり間抜けな会話だった。 「あら、本当に誰かと話をしているみたいね」 「いや、本当も何も。いったいどうなっているのですか?」 ぼくは、キツネにつままれた気分で話を続けた。 「わたしは、波と話をしている」 「ぼくは、貝殻と話をしている」 「貝殻?あなたは、変な人ね」 「変な、と言われても・・・」 その時、ぼくを追い抜いていくビジネスマンが、怪訝そうな顔でぼくを一瞥した。 奇妙なものを見るような目でぼくを見た後、彼はあわてて視線を逸らしていた。 「あなたは誰?」 「君こそ誰だい?」 |
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おはようございます 続きがとても楽しみです!
2005/9/3(土) 午前 8:18 [ sakura ]
とりあえず、全編を掲載しようと思いますが、期待しないで下さい・・・
2005/9/3(土) 午後 1:52 [ ペンネーム じゅんた ]