|
最近、少々忙しいのと、スランプなのとで(偉そうに!!)、ショートストーリーを載せていなかったので、久しぶりに書いてみました・・・・ * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * 今日、「万国博覧会2035」が開幕した。 万国博覧会というものがバーチャルではなく現実に催されたのは、確か2005年 の愛知万博が最後だ。 今回の万博は、ネットワーク環境を最優先に選定された東京大手町で行われる。 しかもビルの一室にあるたった一台の超スーパーコンピューターがその会場で、世界中の 人々が超高速ネットワークを介してアバターとしてそこを訪れる。 その万博の目玉は・・・・・・ 「愛・LOVE・YOU」。 ネットワークが高度に進んだおかげで、欲しいものは何でもすぐに手に入るように なった。情報も物質もお金さえも。高度な機会均等、完璧なワークシェアリングも実現した。 この社会こそが、完成された究極の姿かのようにもてはやされた時期もあったが、 その後に大きな社会問題が表面化した。それは「愛の欠如」だ。社会はいろいろなもの を切り捨てて進化してきた。汗を流して働くこと、苦労して何かを成し遂げること、 そして最後に「愛」までもが切り捨てられてしまった。 しかし、ついに人類はその問題すらも自らの先端技術で解決しようとしている。 その解決策のひとつが、今回の新型ロボット「愛・LOVE・YOU」だ。 「愛・LOVE・YOU」は人型ロボットの一種で、従来のロボットと異なり、高度な 不確定指数が組み込まれている。そのロボットは完璧ではない。すぐに機嫌を損ね、病気 にもなり、時には家出までするらしい。人間から失われて久しい『人間味』が搭載された ロボットなのだ。 大手町万博開幕と同時に限定先行販売が開始される「愛・LOVE・YOU」の抽選に ぼくが当たったのは奇跡的だ。 ぼくの家には既に何台ものロボットがあるが、「愛・LOVE・YOU」だけは、なんと しても手に入れたかった。毎年買い換えている今までの恋人ロボットとはきっと大きく 違うはずだから。 さあ、いよいよ明日には「愛・LOVE・YOU」が届く。もちろん、女性型だ。 そう言えば、彼女が機嫌を損ねた時にはどう対処したらいいのだろうか? もし彼女が泣いてしまったら、電源を切ればいいのだろうか? 何より心配なのは、事前に送られてきた説明書に書かれていた「毎日一回は『愛の言葉』を かけてください」という部分だ。 『愛の言葉』って・・・・・・ なに? よし、学習ロボットに聞いてみよう。 <おわり>
|
全体表示
[ リスト ]


