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終わりのはじまり





由香を取り込むのは
やはり簡単だった

「私も、前からムカついてたんだよね〜」
「とりあえず、グループからはずそうよ」などと
面白いくらいに、思いつくまま真由美を罵りだした。

さっきまで、仲良く話していた友達を見捨てるノリの良さは
予想以上に、天下一品だった

きっと、由香自身、退屈な毎日に
いつもとは違う「何か」が欲しかったのだろう

あなたは、弱者ではない、
こっち(いじめる)側の、選ばれた人間なんだと
錯覚させてあげると、人はバカになり弱者になる

由香にもその錯覚を与え
一つのコマとして、存分に使わせてもらおう


終わりのはじまり







早く真由美の驚く顔が見たい
その表情だけが、私の痛みを和らげてくれる特効薬だ

同じ痛みを与えることで
私たちは、はじめて分かり合える
はじめて本当に向き合うことができる

ここまで長かったね
あの日から、お互い、前みたいに話せなくなってたもんね

真由美も辛かったよね

だからここで終わらせようと思う
すべての過去とふたりの関係を...





よしっ
じゃぁ、とりあえず、由香を取り込むとするか

終わりのはじまり




真由美は、真由美だけは
バカみたいに信じていた

どんなときも隣にいて
どんな私も支えてくれてた

言葉にしなくても
言葉以上のものが伝わってきたから
うわべだけの関係じゃないと無邪気に思い込んでた

自分の嫌いなところを
好きになってくれる友達が私にはいる
そう思うだけで、誇らしい気持ちになってた

でも、
固く結ばれていたはずの絆は
いとも簡単にほどけてしまった

人間はどこまでも汚いものだと
思い知らされた

「なんかムカツク」というあやふやな理由で
私は、亡き者にされてしまった

真由美は、いつも気まずそうな顔をしてたよね

わかってたよ
私はあんたみたいにバカじゃないから
あんたが心のどこかで迷ってて、悪いことをしてるって思ってたこと
ちゃんとわかってた

だからこそなんだよ

だからこそ、その、中途半端な優しさが私を苦しめた
いつか助けてくれると、淡い期待を抱かせた

でも無理だったよね
人気者のあんたが、みんなを裏切れるわけなかった

だから、お返しは倍返し...

仲直り、元どおり、なんて、そんな虫のいい話あるわけないじゃん

終わりのはじまり




居場所なんてはじめからなかったのに
自分の存在意義がわからなくなった
失うものなんて何もなかったのに
すべてを失った気がした

休憩時間の孤独を埋める為に
意味のないことをたくさんした
授業がはじまるチャイムの音だけが
唯一の救いだった

誰かに想いを告げることで
現実味が増すような気がして誰にも言えなかった

私は限りなく「ひとり」だった

強くなりたいと弱い心が泣いていた

私の孤独を嘲笑う声
罵る視線

何もかも鮮明に覚えている

覚えている

覚えているよ....真由美....

終わりのはじまり




存在を 消すというのはどうだろう...
ここに「いない」という扱い

「うざい」や「きもい」と言葉で罵るより
もっと深い傷を与えることが出来るのではないか

今まで、友達だと思い込んでいた仲間に
奈落の底へと突き落とされる感覚
たやすく、絆がちぎれてしまう瞬間を、味あわせてあげたい



.....

あっまた思い出してしまった

深い深いところに閉じ込めてたはずの
忌まわしい過去を

どんなに忘れようとしても
脳みそにこびりついて、剥がれない冷たい記憶

私は、ずっとずっとずっと
いじめられてきた

存在をなくされていた一人だった

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