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産経のスクープ。民を抑えるのでなく、民に「鈴をつけ」た対応。官民でこの程度の連携がなければいまやあの国を牽制できない。朝日は相変わらず「日中ガス田 海でにらみあうよりも」(9月24日社説)などと迎合的スタンスだが。隣家に軒下から通路を造られて、「一緒に作りましょ」と言えるか。
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◆東シナ海ガス田 帝石試掘に財政支援 政府、委託方式を検討 妨害対抗、海保派遣に根拠
中国が東シナ海の日中中間線付近で石油ガス田開発を強行している問題で、政府は二十四日、日本側海域の試掘権を持つ帝国石油に試掘を委託する検討に入った。政府による試掘委託方式をとれば、財政支援がスムーズに行くだけでなく、中国が現場海域への艦艇派遣などの威嚇行為に出た場合、日本側も海上保安庁が巡視船派遣で対抗するなど帝国石油の作業を保護する根拠になると判断した。
近く開かれる石油ガス田開発に関する日中局長級協議での中国側の出方を見極めたうえで、試掘委託の具体的な手続きなどを詰める考えだ。
政府が今年七月に帝国石油に試掘権を与えたのは、日中中間線の日本側海域の三地点。帝国石油はいつでも試掘を始められることになっている。
しかし、実際に石油ガス田を掘削する場合、「試掘井を一本掘るだけで二十億−三十億円はかかる」(資源エネルギー庁幹部)。このため帝国石油が費用を全額負担するのは無理ではないかとの指摘が出ていた。
また、今月九日には春暁石油ガス田周辺で中国海軍のミサイル駆逐艦など五隻の航行が確認された。中国が試掘作業を妨害する行為に出た場合に、どう守るかは大きな課題。与党内では試掘の際の安全確保など日本の海洋権益保護に向けた法整備を特別国会で検討する動きも出ている。
政府が帝国石油に試掘を委託するかたちにする案が浮上したのは、こうした状況を踏まえたものだ。試掘委託方式にして、財政支援を行う態勢を作れば、試掘作業は公的な性格を帯び、「巡視船の出動など政府の保護活動に根拠ができる」(政府関係者)からだ。
東シナ海の石油ガス田をめぐっては、日中中間線付近の天外天石油ガス田で生産を開始。春暁、断橋でも石油ガス田開発を進めており、最近、中間線の中国側に存在する平湖の北方海域で新たな石油ガス田を開発している可能性があることも分かった。
政府は中国に対して、再三、開発の中止や地下構造のデータを提供するよう求めている。これに対し中国側は日本の要求に応じる構えは見せず、逆に日本側海域の共同開発を提案。こうした中国の姿勢に、政府内には「中国は時間稼ぎをして既成事実を着々と積み上げている」(外務省筋)との声は高まるばかりだ。
帝国石油は試掘に踏み切るかどうかは、日中の政府間協議の行方を見たうえで判断するとの姿勢を変えていない。
しかし、天外天に続き春暁でも月内に生産が始まる可能性がある。春暁は断橋とともに、地下構造が日本側海域につながっており、中国によって日本の資源が吸い取られる可能性が高く、事態は切迫している。
◆【主張】東シナ海ガス田 中国の既成事実化許すな
東シナ海の日中中間線付近の石油ガス田で、中国が一方的に生産を開始した。今月末にも再開される日中局長級協議で厳重に抗議し、改めて生産中止を強く迫るべきだ。
生産が開始されたのは、中国が開発中の三カ所のガス田のうち、施設整備が先行していた「天外天」ガス田だ。これまでの日本側の海底資源探査によれば、「春暁」「断橋」の二カ所で日本側につながっていることが確認されているが、天外天も日本側につながっている可能性が強い。
中国の石油大手「中国海洋石油」は先月末、春暁でも九月中に生産を開始すると表明し、十月には浙江省寧波まで天然ガスをパイプラインで輸送するとしている。さらに、新ガス田開発の可能性もある。これ以上、中国の既成事実化を許すべきではない。
日中協議では、共同開発についても話し合われる。中国は、中間線より中国側の資源を独占し、日本側海域のみの共同開発を主張している。こんな身勝手な提案に乗ってはならない。
日本政府は今年七月、民間会社にガス田の試掘権を与え、後れを取ったことは否めないが、実際に試掘を始めるとなると、中国がいかなる行動をとるか。今月上旬、春暁のガス田付近で、中国海軍のミサイル駆逐艦五隻の活動が確認された。海上保安庁、防衛庁なども協力し、万全の警備体制が必要である。
先月には、東シナ海の上空で、電子・電波情報などを収集していたとみられる中国軍機が日本の防空識別圏を侵し、自衛隊機が緊急発進した。また、昨年十一月にも、中国の潜水艦が沖縄近海の日本領海内に侵入し、海上警備行動が発令された。日米同盟に対する中国の存在誇示に加え、ガス田問題への牽制(けんせい)とみられる。
中間線付近の海底に、どの程度の資源が眠っているのかは正確には分からないが、ガス田問題は単なる資源エネルギーの問題ではない。中国は日本固有の領土である尖閣諸島の領有権のみならず、尖閣諸島とガス田を含む沖縄トラフまでの海域を自国のEEZ(排他的経済水域)と主張する。
軍事力を背景に、東シナ海を「中国の海」にしようとしている。ガス田問題は、採算性だけでは測れない日本の国家主権の問題でもある。
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