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◆世界競争力 中国後退、成長力に疑問符 日本上昇も財政評価低迷
【パリ=山口昌子】スイス・ローザンヌに本部を置き、国際的な評価の高いビジネス・スクール、国際経営開発研究所(IMD)は十二日、世界の主要六十カ国・地域を対象にした二〇〇五年の「世界競争力ランキング」を発表した。日本が総合順位で昨年より二ランク上昇して二十一位だったのに対し、中国は昨年の二十四位から三十一位と七ランクも後退した。急速な経済成長を続ける中国だが、欧州の厳しい評価の一端がうかがえる結果となった。
一九八九年に始まったこのランキングは世界各国の五十七の研究所と協力して実施。(1)経済状況(2)政府の効率性(3)ビジネスの効率性(4)インフラ整備度−の四分野にわたって、国内総生産や税収、為替の安定性といった三百十四項目を指数化し、算出している。首位は昨年に続いて米国だったほか、二位は香港(昨年六位)、三位はシンガポール(同二位)、台湾は十一位だった。
日本は九〇年代初めは首位だったが、その後は後退を続け、数年前から徐々に回復している。今回は外貨・金準備高、中等教育の普及率、特許保護など七項目でトップだったものの、法人税率、外国語の運用能力の二項目は六十位と最下位。外国人を受け入れるための移民法、大学教育への評価も低かった。
また、物価や財政への評価が低迷したほか、国際的基準に照らした法律の不備から行政効率分野も四十位と全体の足を引っ張る形になった。
これに対し、中国は生産性や管理部門への厳しい評価が響き、企業効率分野で前年の三十五位から五十位に急下降するなど、総合順位を引き下げる原因となった。
中国への見方が後退したことについてIMDは「金融システム、インフラ整備、企業統治の脆弱(ぜいじゃく)さが持続的な高成長への疑問につながった」と説明している。
このほか、アジアではタイが総合二十七位、マレーシアが二十八位、韓国が二十九位などとなっている。
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《日本経団連参与(国際経済担当) 角田博氏》
■「エネルギー」中国経済の弱点
競争力の調査で中国の順位が下がったとはいえ、中国の経済力が本質的に下がったとは考えられない。二〇〇八年の北京オリンピック、二〇一〇年の上海万博までは底堅い経済力を維持すると考えられる。
日本は東京オリンピックや大阪万博のころ、国内の需要が強く、かつてない高度経済成長を果たした。今の中国はまさにその状態と似ている。
中国経済の弱点と指摘できるのは、エネルギー問題と環境への対応だ。特にエネルギー問題では旺盛な需要に応えるのに十分な石油などのエネルギーを確保できるかどうかが重要となる。急成長に伴うエネルギー需要の拡大は、原油価格の高騰を招く一因とも指摘されており、原油生産が追いつけなくなれば、中国経済の成長を抑えることになる。こうした見方が根強いのは確かだ。
だが、日本もオイルショックを経験している。海外には日本の高度成長が「これで終わりだ」といった悲観論も渦巻いたが、その危機を日本は省エネ技術を身につけることで見事に乗り切った。その後も着実な経済成長を遂げ、いまや省エネ技術は日本の強みにもなっている。
中国も省エネ技術を身につけ、エネルギー問題を乗り切ることは十分考えられる。悲観的な見方に直結するとは考えにくい。(談)
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《アジア経済研究所研究企画部長 丸屋豊二郎氏》
■中国のビジネスモデルに警鐘
外から中国経済を眺めると良いが、中から見ると良くない。欧米はそこに目をつけている。マクロ的な経済指標は好調でも、企業は利益を出していない。
シェア拡大のため、中国企業は業容を広げることに目を向け、白物家電やエアコンも技術的に劣った低価格製品を大量生産してきた。社会主義的なマインドを残す中国の投資家は、利益率より売上高を重んじる傾向が強い。
が、二〇〇一年ごろから中国社会に中産階級が発生し、高付加価値の商品を求め始めている。テレビを買い替える場合、値段が高くても日系企業などの薄型テレビを購入するといった具合だ。研究開発を怠ったツケが回ってくるだろう。
バイクも同様だ。中国企業が日本製品の模倣品を安値で販売し、日系企業を脅かしたものの、消費者は安全性に注目しつつある。日系メーカーの中国内の販売台数は、急回復している。二倍も高かった中国製品との価格差を三割程度に抑えた日系企業の努力も追い風になっている。
すぐ壊れる単機能の製品を安く大量出荷して生産量を増やす中国のビジネスモデルは、市場の変化と環境や資源の壁にもぶつかる。それに対応できない中国企業は非効率性を増すばかりだ。そうした面が厳しい評価につながったと思う。(談)
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日本は本当にやばい。中国の国力は10年後日本の10倍だ。
2010/3/1(月) 午前 7:35 [ 悲歌慷慨 ]