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先週末から一時帰国、横浜でごろごろしている。来週月曜日までの10日間、遅い夏休みだ。渋谷から田園都市線で40分、都市圏の住まいとしては普通の距離だろうが、シンガポールで10分通勤に慣れてしまうと、東京はやはり遠いなと思う。毎朝毎晩ラッシュに揺られ通勤するのは本当に大変というか立派だなと思う。つい四年前には自分も同じ身ではあったが。 4年間肩身離さず一緒にいてくれたパナソニックLets noteが壊れたので、買い替えに渋谷まで出かけた。990グラムの超軽量でどこにも持っていける奴だ。その後文庫本でも買いライオンで小一時間を過ごし、日が翳ってきたらその足で南青山の行きつけのバーに闖入、老マスターと久し振りに四方山話をしようか。興が乗ったらカラオケでも唄おうか。何も作り出さないこんな一日もまた楽し。 午後三時を過ぎたI駅は人も少なく、依然強い日差しの中で、学生やら主婦やらのきゃんきゃら声が駅に響いていた。車中はがらがらで携帯に夢中な乗客がやたら目に付く。目の前では傍目を気にしないバカ女がお化粧している、これも今や日常風景なのだろう。 首尾よく望みのPCを購入、何時ものように西武を通り過ぎ大盛堂に向かったが、無い。二年ぶりの渋谷は通りもいろいろ変わったが、それでも大盛堂には目をつぶっても行けるくらいだ。学生時代からの三十年間、多分百何十回も行っただろうか。バイトの行き帰り、恋人との待ち合わせ、自然に足が向かったものだが、それが無いのだ。 暫し呆然と立尽くした後、已む無く歩を戻し、駅前交差点にある駅のキオスクみたいなミニ大盛堂の店員に「本店、どうしたんですか?」と尋ねたら、「ただ今休業させて頂いております」とバカ丁寧な日本語の返事。「休業ってどういう意味?」と再度訊こうとも思ったが、返事はそれだけだろうと断念。「そうだ旭屋があった」と109に向かったが、何とこちらも跡形も無く、辺りは喧しい音楽ばかり、「どうなってんだ!」と逃げるように道玄坂を昇り、ライオンへ駆け込んだ。 名曲喫茶ライオンはラブホテル街入り口で静かに鎮座していた。無愛想な店員も昔のまま。メンデルスゾーンか何かの音楽が流れていた。大きいマッチをもらい、大盛堂も旭屋もない渋谷とは何なのかと、暫く紫煙を燻らせた。
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シンガポール通信
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ただでさえ、渋谷で本買うのって大変だったのに、さらに減ってるとは・・・!
2006/9/9(土) 午後 8:36
私が20代の頃と大分変った渋谷、渋谷に限らずどこも変ってきていますが、どういう風に変ったかというと挑戦化しているのです。勝谷誠彦さんのブログでも旭屋書店がスロットに変って、この国がどこへ向かっているのかわかると書いてありました。
2006/9/9(土) 午後 8:41 [ jul*a*y5* ]
usasan、お久し振りです。日本の都会はどこもきれいになったけど、歩いている人を見ると笑顔が薄いし、何だか皆寂しそうですね。シンガポーリアンの無愛想も有名だけど、日本人の屈託の無い笑顔はもう過去のものなのでしょうか。
2006/9/9(土) 午後 9:09 [ Juliamn1 ]
juliaさん、それでは渋谷の人は本をどこで買っているのでしょうかね。まさかAmazonだけで満ち足りているとは思えませんが。
2006/9/9(土) 午後 9:13 [ Juliamn1 ]
昔、1980年代半ばイギリスに行ったとき「本屋」がないことに驚きました。ドラッグストアの片隅に雑誌と一緒にちょこっと棚があるだけ。当時は、人口15万人くらいの我が郷里でも本屋は20軒くらいあったのに比べロンドンを除けばゼロに等しい。それから20年、日本の地方都市にはほとんど本屋はありません。まして、アマゾン。渋谷はこの構造変化の「象徴」かもですね。
2006/9/18(月) 午前 7:20 [ KABU ]