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◆検定・採択めぐる現状 閣僚ら反応、様変わり 扶桑社教科書「バランスとれている」/中韓批判に反論

 新しい歴史教科書をつくる会のメンバーらが執筆した扶桑社の歴史・公民教科書など日本の教科書に対し中国や韓国が反発する中、今国会では中山成彬文部科学相や町村信孝外相らが「戦争を美化していない」「バランスがとれている」などと発言した。国会の外でも検定や採択の現状をめぐる保守政治家や大手マスコミの積極的な態度表明が相次ぎ、前回の平成十三年とは状況が様変わりしている。(教科書問題取材班) 

 今国会の議事録から抜粋した教科書をめぐる主な発言は別掲の通り。下村博文文科政務官は「慰安婦や強制連行の記述が教科書から減ってきてよかった」との見解を撤回しない意向を示し、慰安婦や強制連行の用語が載っていない教科書が採択されることが望ましいと示唆した。

 中山文科相は扶桑社の歴史教科書を「結構バランスはとれている」と発言。中韓の教科書批判に対して「適切な教科書」「広い視野に立って書かれている」と反論した。

 文科相経験者の町村外相は五月十四日の札幌市内での講演で「(教科書は)かなりの程度、左がかった人たちが書いていることが多い。日教組が力を持っているから、(ゴルフの)フェアウエーやや左の教科書しか採択されない」と採択の現状を批判。扶桑社の教科書について「フェアウエーセンターぐらいで、右ラフまでいっていない」と評価した。

 マスコミの論調も前回と変わってきている。

 読売新聞は四月六日付社説で扶桑社教科書に対する採択妨害活動を厳しく非難。五月二十六日付社説では扶桑社以外の七社を批判し「扶桑社の教科書を批判する一部マスコミは、こんな教科書の方が『バランス』がとれているというのだろうか」と論じた。
                   ◇
 ■教科書採択の日程
 ≪6月≫
 ・都道府県教委が教科書を比較した「選定資料」を区市町村教委に送る。
 ・採択地区(複数の市町村教委で協議会を作り同じ教科書を選ぶ地区と、市教委や区教委が単独で選ぶ地区がある)の下部組織が教科書を比較した「調査資料」を作成。
 ・全国約800カ所の都道府県展示場で見本本公開(17日から2週間の予定)。
 ≪7月≫
 ・協議会や単独採択地区教育委員会で審議本格化(中高一貫校や養護学校など都道府県立学校は都道府県教委)。
 ≪8月≫
 ・31日までに採択決定(協議会の結論はそれぞれの市町村教委に持ち帰って最終決定。国立中と私立中は学校が決定)。
                   ◇
 ■今国会での教科書問題の発言

 ▼3月31日の参院文教科学委員会で下村博文文部科学政務官 (中山成彬文科相の「教科書から『従軍慰安婦』などの記述が減ってよかった」との発言を支持したことを追及されて)当時、強制連行あるいは従軍慰安婦という言葉は使われていません。もう一点は子供たちの成長発達段階。中学生の教科書に慰安婦という言葉を入れることは適切ではないと思っており、減ってよかったと中山大臣の発言を支持したわけでございます。

 ▼4月6日の衆院文部科学委員会で中山文科相 (扶桑社の教科書を批判する質問に対して)今、初等中等教育局長の説明をずっと聞いていまして、(扶桑社の教科書は)結構バランスはとれているんじゃないかな、こう思うわけです。日本は日本の教科書で日本の子供たちを教えるべきだと思っております。

 ▼4月11日の参院決算委員会で中山文科相 国際社会の中で日本人としてしっかりとした歴史認識とわが国に対する愛情というか、自信と誇りを持った子供たちを育てたいと。竹島に関しても、何か日本が悪いことをしているような、そういうふうにとらえる向きさえあるわけですが、そうではないんだと、子供たちにきちっとした知識を与えることは極めて大事なことであろうと考えているところでございます。

 ▼4月13日の衆院テロ防止委員会で牧義夫議員(民主) 前の扶桑社の歴史教科書についても一通り目を通したわけですけれども、間違ったことは書いていないわけです。

 ▼4月25日の参院決算委員会で町村信孝外相 軍国主義を美化しているうんぬんと盛んに言われるんですが、私は今急いでこの教科書の当該部分を翻訳して、どこに日本の戦前の活動を美化している部分があるとお思いですかと積極的に情報提供をしようと思うんです。そうすることによって、何だ、この教科書どこに問題があるのと。普通の方が読めば、あ、こういう内容ならば何も問題ないねと分かっていただけると思います。

 ▼5月20日の参院予算委員会で中山文科相 (「日本の学校現場が中韓からの非難を真に受けて教科書が偏向していると思っては困る」との質問に対して)適切な教科書になっているわけでございます。広い視野に立って書かれてまして、決して偏向したものではありません。これからの子供たちが国際社会において自信と自覚と誇りを持って生きていけるような、主体性のある日本人を育成すると、そういう観点から教師の方々が責任を持って指導するよう私たちも努めて参りたいと考えております。

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